“剣の聖女”と死にたがりの道化 ◆iDqvc5TpTI


どれだけ遠くへ進んだところで。
どれだけ速く走ったところで。
そいつはピタッと僕の後を追ってくる。
影のように張り付いて、お化けのように付き纏う。
嫌だ、嫌だと泣き叫んでも逃げきれるはずもない。
そいつは、僕が最も恐れ嫌う化け物<ベヒモス>は。
僕自身なのだから。

「はっ……はっ……はっ……はあ、はあ、はあ」

無様だった。
仮にも帝国軍諜報部の特務軍人が感情に振り回され、後先考えずにがむしゃらに走って息を切らせている。
軍学校で習った感情の抑制法や、体力配分の仕方はどうやらすっかり忘れてしまったみたいだ。
はははっ、なんだよそれは。
せっかくの紛いなりにも鍛えた肉体が宝の持ち腐れじゃないか。

全く、何をやってるんだろ。
僕がやりたいことは、僕がやらなければならないことは、一刻も早く姉さん達を助けることなのに。
こんなところで時間も体力も浪費していいはずがないのに。
なのに。

「ちくしょう、ちくしょうッ! ちくしょおぉぉッ!! 」

脚が止まってくれなかった。
身体と心がどこまでも逃げ続けることを選択していた。
無駄なのに。
一生ついてまわるのが自分自身だ。
逃げ切るにはそれこそ――

「わーいのー! おにーさんとかけっこなのー!」

全速力で後ろ向きに突っ走っていた思考が途切れ、一気に現実へと連れ戻される。

「誰だ!?」

声のしたほうに振り向けば一人の幼き少女の姿。
年の頃は6、7歳くらいか。
赤みのかかった二つのお下げを揺らしてにこにこしながら僕のすぐ隣を走っていた。

「何かおいしそうな匂いー。じゅる……」

日勝達からもらったタイヤキセットに視線を注ぐ幼児の緩んだ顔を見て、僕はまず自分自身に呆れた。
だってそうだろ?
こんな気配を隠しもしない少女に並走されていたことにさえ気付かなかったなんてあまりにも間抜けが過ぎるじゃないか。
でも、その呆れは間もなく疑念に変わった。
少女だって?
確かに子どもは風の子元気な子と言われはする。
けれどもいくらなんでも軍属である僕の全力疾走に息一つ乱さず平然とついてくるなんてこと有り得るだろうか?

「き、君は」

動揺しながらも身体は勝手に動き剣を抜き放っていた。
いくら警戒しているからって、年端もいかない少女に剣を向けることに躊躇のない自分を哂う。
ああそうさ、慣れている。
幼子を人質に取ったことも数え切れないほどあるさ。
ただ、これまで何度も繰り返してきた時と違って、剣を突きつけられた少女からは一片の恐怖も感じられなかった。

「ひとに名前を聞くときはまず自分の名前を言うの。あたしちょこ、よろしくなの。さあ、なのったわ。今度はあなたよ!」

状況を分かっているのか、いないのか。
腰に手を当て可愛らしく言い放つ少女を見ていると、なんだか一人シリアスにやっている僕が馬鹿に思えてくる。
いや、実際馬鹿以外の何者でもない。
馬鹿、馬鹿、馬鹿、馬鹿、大馬鹿者だ。
こんな光景を誰かに見られでもしたら間違いなく僕は危険人物認定されるだろう。
周回遅れもはなはだしいが、ようやっと冷静さを取り戻してきた脳がさっきまでとは別の理由で僕を責めだす。

だからまあ。

「ちょこちゃん、それ、結局自分のほうから名乗っちゃってるわよ?」

前方からやってきた女性の第一声が危機感の感じられないどこかずれたものであったことには、心の底から安堵した。




「うげ~……からい~」

舌を出してぺっぺと飲み込んだ海水を吐き出しているちょこちゃんの背を撫でる。
浜辺にいる理由は簡単だ。
ついさっきまで砂漠の暑さと殺風景に苦しめられた身には、地図から想起できた一面に広がる青い海が大変魅力的に感じられたからだ。
ブラッドくん達を吹き飛ばした方角から距離を取れることもありがたかった。
すぐ左隣の禁止エリアに引っかからないよう、川に沿って南下を開始。
ちょこちゃんが余りにも楽しそうに川に飛び込むものだから、わたしも海を待てずに少し川の水で身体を冷やしたりもした。
気持ちよかった。水遊びなんていったい何百年ぶりだっただろうか?
川だけじゃない。
浜辺へと辿り着くまでに横切った平野でだってわたしはうきうきしていた。
荒廃していく一方だったファルガイアで生き、死んでからも物質が存在しない世界を漂うだけだったのだ。
踏みしめた緑生い茂る大地の感触が嬉しくてちょこちゃんと一緒にスキップしてしまってもいいじゃない。
ま、まあ、年上のお姉さんとしてはあるまじき姿だったことは認めなくも無いけど。
そんなわたしの浮かれっぷりはちょこちゃんがイスラくんのことを教えてくれるまで続いた。
草原が知らせてくれたらしい。誰かがこっちに向かって必死で走ってくるって。
……よくよく考えてみればすごい話だ。
イスラくんがほんとに居た以上、ちょこちゃんは植物とも話せるってことになる。
全くもって何でもできる子だ。
そのちょこちゃんは今度は砂でお城を作り出している。

「随分呑気だね。殺し合いの場で呑気に水遊びだなんて」

あの後イスラくんはちょこちゃんに引っ張ってこられる形でここまで連れて来られたのだ。
血塗れの手を洗い、みんなでお菓子を食べた後は手持ち無沙汰だったみたいだけど、そこは女の子に付き合わされる男の子の常だ。
我慢して欲しい。

「ふふ、十歳くらいも年下の女の子に剣を突きつけるよりはずっと健全だと思うわよ?」
「そ、それは……。やれやれ、全くもってその通りだよ」

わたし自身も数時間前にちょこちゃんを絞め殺そうとした身が何を言っているんだか。
そのことを知る由もないイスラくんが項垂れる顔を少し可愛いと思ってしまう自分は中々にふてぶてしい。
うん、悪くない気分だ。
ブラッドくんの言うとおり。
こうやって年下の男の子をからかったり、子どもと海で戯れていたりする方が、ずっと、ずっと、わたしらしい。
できることならわたしだって殺し合いよりもこうやって年下の男の子をからかったり、子どもと海で戯れていたりしていたい。
海だけじゃない。もっと、もっと、この手で触れて、足で歩いて、楽しみたい。
施設を見て回りたいと思ったのもそんなささやかで、けれど、わたしにとっては真摯な欲望からなるものだったのだ。
何も誰かを殺してしまうことを僅かな時間だけでも遅らせたいということだけではないはずだ。

「ねえイスラくん。あなた、向こうの方から来たわよね? あっちにはどんな施設があったのかしら?」
「施設? そうだね、確かに施設を見て回るのは有用かもしれないね。首輪を解除する手がかりも見つけられるかもしれない」

イスラくんはわたしの言をそう解釈した。
まあ殺し合いには乗っておらず、守りたい人が居るというイスラくんには当然か。
殺し合いに乗っている人にだってわたし以外に施設を娯楽目的で回っている人はいないだろう。
夜明け前にわたし達を襲ってきた男の人――イスラくんが返り討ちにしたビジュという者らしい――みたいな方がいっそ分かりやすい。
でも仕方ないじゃない。
海だけをとってもこんなにも楽しいのだ。
イスラくんが呑気だって言うのはもっともだけど、本物の自然に触れてはしゃぐくらい許して欲しい。

「そうだね、僕が最初に意識を取り戻したのはF-1の教会だったね。特に目ぼしい物は見当たらなかったけど……」
「いいの。中がどんな様子だったかもっと詳しく聞かせて欲しいな」





こちらから情報を先に渡すのもどうかと思ったけど、知り合いの情報等ならともかく、なんら実りの無かった施設の情報だ。
惜しくは無い。
気にはしていなさそうだけど、出会いがしらの印象改善もふまえアナスタシアに請われるがまま僕は語り出した。
それからしばらく彼女はニコニコしたまま僕の話を聞いていた。
やれ見所は無かったかとか、景色はどうだったかとか、まるでこの島へと観光に来たみたいだ。意味が分からない。
別に突如訪れた非日常にあてられおかしくなっているわけではないようなのが尚更不気味だ。
クロノが建てたという墓の経緯を話した時、表情が僅かに沈んだことからすると、人の死を悲しめる程度にはまともな人間のはずなんだけど。

「そんなことを知ってどうするんだい?」

遂に耐えかねて僕はアナスタシアに問いかけていた。
アナスタシアは答える、笑顔を湛えたままで。

「あら、おかしい? 生きているのよ。一分一秒でも楽しまないと」
「楽しむ? この殺し合いの舞台でかい?」
「わたしからしたら何の備えもなしに殺人犯がいるかもしれない島の道のど真ん中を走る方が気が知れないけどなあ」
「もしも君がこの悪趣味な遊戯にのっていたなら僕は今頃この世にはいなかったろうね」
「……どうしてそんなことを笑って言えるの? 冗談にも聞こえないわ」
「……」

言われてみて気付く。
僕としては軽口で言ったつもりだったけれど、例えば目の前の女性にあの時殺されていたのならオルドレイクに殺された時のように無念と感じただろうか。
冷静さを取り戻した今からすれば、あそこで死んでは結局は大好きな姉さん達に何もしてあげられないままの無為な死だと判断できる。
しかし、あの時の精神的にかなり参っていた僕からすれば?
……。
…………。
………………。
なんだ、感情的なようで冷静だったんじゃないか。
どちらでも良かったのだ、僕にとっては。
あの時の僕は自分自身から逃げたかった。
それはつまり死にたかったということだ。
もしも殺し合いに乗っている人に会っちゃってたなら案外身勝手に喜んで死んでいたかもしれない。
だって、遅いか早いかの違いなのだから。
未だに僕は――

「そう……。イスラくん、あなた……生きたいと思ってないのね」

生きたいと思えていないのだから。




「わたしには理解できないわ。わたしは死にたくない。どんなことをしてでも生き延びてみせる。
 イスラくん、あなたに何があったのかは知らないけれどどうして生きようと強く望まないの?」

目を見開いた後わたしの言葉に納得いったかのように頷いたイスラくんにわたしは言葉を叩きつけていた。

「気安い哀れみは侮辱と同じだよ?
 そういう言葉が僕にとってはたまらなく不愉快なんだ…ッ!」
「問題ないわ。わたしのこれはあなたの受け取っている通りの侮蔑よ」

鼓舞でも激励でも愛情でも憐憫でも同情でもないただの恨み言を。
生きることを諦めて<剣の聖女>という『生贄』を捧げた者達へのありったけの呪詛を。

「……っ。
 君に、僕のなにがわかるっていうのさ?
 毎日のように死の発作に襲われて、今度こそ死ぬかも知れないって怯え続けて……。
 満足に眠ることだってできなくなってしまう。
 そういう恐怖を、君は味わったことある?
 手厚く看病をしてくれていた者たちが本当は、自分の死を願ってやまない。
 それを知った時の絶望が、どれほどかわかるっていうの?」

分からない、分かりたくもない。
泣きそうな声で笑っている彼に物怖じすることなく返す。
偽ることの無い本音を。

「それでもわたしは生きてみせるわ。一日一分一秒、より長く。
 だってわたしはもっともっとおいしいものが食べたいもの。友達とたわいの無いことをおしゃべりしたい。
 おしゃれだってしたいし、恋だって成就させたいわ!」

わたしにはこんなにもやりたいことがあるんだもの。

「わかっていない!君は何も分かっていない!
 そんな人並みの願いを叶えようとしても代わりにより大きなものを失ってしまうだけさ!
 姉さんをずっと騙し続ける羽目になった僕のように!
 だから僕はまた死ぬ方法を探し始めた! そして望まない形で死んだよ!
 生き返ったところでなんだ? 今更生きる希望を持て、と?
 僕が死んだところで誰も悲しまないでいい様に振舞う為の仮面がいつの間にか本物に成り代わってしまっていた僕に?
 殺し合いに乗っていないと言いながら既に一人無残に殺してしまったような人でなしに?
 あはは、あはは、あはははは!
 ひどいじゃないか! 耐えられるわけないだろ!
 なら姉さんやアティみたいな優しい人たちを助けることでせめてもの償いができたんだと自己満足できたところで死なせてくれよ!!」

虚無と羨望を浮かべた目で睨みつけてくるイスラくんと目を合わせる。
彼の瞳はわたしを映しているようでいてその実自分だけしか映していなかった。
自分しか映っていないのに自分からも目を逸らしていた。

「分かっていないのはあなたよ。
 そうやってあなた自身は生きることを諦めてさぞかし楽でしょうね。
 でも、あなたに生きていて欲しいって思う人達もいるでしょ?
 ねえ、その姉さんやアティっていう人はあなたの為に身を削っていない?
 生きる気がないあなたに希望を持ってもらおうと必死になっていなかった?
 わたしはそうだった。
 誰もが生きる希望を失った世界でも、わたしの大好きな人たちには生きていて欲しいって必死に足掻いたわ。
 わたし一人生き残っても意味が無かったもの」

後先考えない極論で言えば生き残る為だけなら焔の厄災に我が身を省みず立ち向かう必要はなかった。
アシュレーくんが宇宙に放り出されても無事だったようにアガートラームの加護さえあれば最悪ロードブレイザーにファルガイアが砕かれても大丈夫だったのだ。
それでもわたしが戦ったのはファルガイアが大好きだったから。
あそこには大好きな人たちがいたから。
守りたかったのだ、わたしの命も含めたわたしの世界を。
イスラくん。あなたの命はあなたのものだけじゃないの。
あなたの大切な人たちの世界の一部でもあるのよ?

「なんだよ!? 僕が言っている通りじゃないか! 僕が死ねば姉さん達も頑張る必要がない!
 悲しみだって時間はかかるけど退いてくれるはずだ!
 それに何度も言っているじゃないか! 僕は頑張ったんだ! 姉さん達が悲しまないよう必死で頑張った!」

頑張って嫌われて、頑張って大好きな人たちを傷つけて。
それが何になるの?
よしんばあなたの言う通りでも不幸にならないだけじゃないの?
幸福には程遠いじゃない。

「……わたしはあなたが妬ましいわ。
 誰かに心の底から想ってもらえるあなたが。
 わたしはあなたが憎らしいわ。
 ひとりぼっちじゃないのに勝手に自ら壁を作って引きこもって。
 ねえ、必死で頑張ったってあなたは言ったわよね?
 必死って何?
 来るべき辛いことを我慢できずに諦めること?
 ええ、ええ、そっちの意味ならお似合いでしょうね。
 違うでしょ!? 必死っていうのは足掻いてでも生きようとすることでしょ!
 あなたは生きようとしたの? 死にたい、死にたいって言っているけれどあなた生きようって努力はしなかったの!?
 しなかったんでしょうね。そうやって安易な道に逃げた。戦わないで絶望して、あなた自身がしなくちゃならなかった戦いを押し付けた!」

誰も彼もが頼ってきてばかりで、聖女だなんて祭り上げて、その実アナスタシア・ルン・ヴァレリアという一人の少女を見てくれていた人は何人いただろうか?
ロードブレイザーとどんな形でもいいから共に戦ってくれた命はどれだけあっただろうか。
命は重い。たとえ不死の少女だろうと自分一人の分を背負うだけで精一杯だ。
わたしが死んで以来長いときを一人で過ごした少女のことを思い出し、語気が更に荒くなる。
生きることを放棄したからといって、その人の命がある、あったという事実まで消えるわけじゃない。
帳尻は何らかの形で合わされることになる。
あなたのしていることはあなたの命の埋め合わせを誰かの命の幾分かをもってさせているということなのよ?
そんなわたしの訴えをなぎ払うようにイスラくんは止めの言葉を言い放った。

「うるさい、うるさい、うるさい、黙れ!
 誰もそんなこと頼んでなんかいない! 他人なんてそもそも信じちゃいなかった! 
 人は言葉でいくらでも本心を偽れるんだもの。
 だから、僕は僕の決めたことだけしか信じない。
 結果以外のものに価値があるなんて絶対認めない!
 安易な道って言ったよね? だったらその方がずっと、ずっと、手早くていいじゃないか!
 僕が死ねばみんな幸せになれる! だったら死んで何が悪い!」

理解した。目の前の彼が決して理解できない存在であることを。
腹が立つ。自己の全てを否定されているみたいでむしゃくしゃする。
自分が死ねば皆が幸せになる?
ふざけるな。
世界を救う為にわたしは死んだわ。
それでハッピーエンド? めでたしめでたし?
納得できるわけが無い。
だって肝心のわたしが救われていないじゃない。
あなたはどうなのイスラくん。
あなたは――

「あなたは救われたの?」
「……救われるさ。君みたいに生き残るために足掻いて周りの人を苦しめて――殺してしまって本当に一人ぼっちになるよりはね」

何をしてでも生き残るというのなら、一番難易度が低い方法はこの殺し合いで優勝すること。
首輪に加えて僕達を有無を言わさず時間と世界すらまたいで拉致することができる魔王相手に挑むよりも何倍も勝率はある。
あれだけわたしに本音をぶつけられたイスラくんがこちらの考えを読めていないはずが無い。
いやみったっぷりに――それでいて本物の怒りも湛えてイスラくんは直前までの激昂ぶりが嘘のように静かに言い切った。
イスラくんもまたわたしと同じ答えに辿り着いたのだ。
わたしと彼とが対極の存在なんだって。
ううん、一直線上にすらないのだからこれはもう平行線ね。
交わらないというのならいくら言説しあっても無駄。
わたしの方も一気に熱が冷めていく。
その間にもイスラくんはわたし達の方に注意を払ったまま距離をとりにかかる。
わたしは、動かない。
ちょこちゃんに頼もうともしない。

「僕を殺さないでもいいのかい?」

ブラッドくん達に続いてわたしが殺し合いに乗っていると知ってしまった人が増えたわけだ。
合理的に考えたら所謂始末をしておいたほうがいいのだけれど。

「必要ないわ。あなたみたいな人は放っておいても死んでくれるから」

わざわざ願いを叶えてなんてあげるものか。
繰り返し言うけれど平行線なのだ。
交わらないのなら殺し合いすら起きはしない。

「そうかい。ちょうど良かった。僕も死に方くらいは選びたいからね」

それは転じてイスラくんが危険人物であるわたしをビジュくんの時とは違い生かした理由だ。
うすうすちょこちゃんのことに気付いているのだろう。
今も彼の警戒はわたしよりもちょこちゃんへと向いているもの。
それともイスラくんは自分のようにわたしが罪悪感に耐え切れず押しつぶされる姿でも見たいのかな。
だったらその願いも叶いはしない。
今度こそわたしは何をしてでも、何があっても絶対に生き抜く。

「さようなら、死にたがりなイスラ君」
「ばいばい、生き急ぐお姉さん」

最後にわたし達は互いにありったけの毒を込めた一言を吐いて別れた。
ちょこちゃんには適当なことを言って誤魔化すことにしよう。
そう考えてふと思う。
わたし達は偽者の笑顔の浮かべ方だけは似ていたかもしれないと。


【I-5 浜辺 一日目 午前】
【アナスタシア・ルン・ヴァレリア@WILD ARMS 2nd IGNITION
[状態]:健康
[装備]:絶望の鎌@クロノ・トリガー
[道具]:不明支給品0~2個(負けない、生き残るのに適したもの)、基本支給品一式
[思考]
基本:生きたい。そのうち殺し合いに乗るつもり。ちょこを『力』として利用する。
1:イスラくんから聞いた場所の実物を見にいこうかな、それとも未知のところを優先しようか。
2:施設を見て回る。
3:『勇者』ユーリルに再度出会ったら、もう一度「『勇者』とは何か」を尋ねる。
[備考]
※参戦時期はED後です。
※名簿を未確認なまま解読不能までに燃やしました。
※ちょこの支給品と自分の支給品から、『負けない、生き残るのに適したもの』を選別しました。
 例えば、防具、回復アイテム、逃走手段などです。
※アシュレーやマリアベルも参加してるのではないかと疑っています。


【ちょこ@アークザラッドⅡ
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:不明支給品1~3個(生き残るのに適したもの以外)、基本支給品一式
[思考]
基本:おねーさんといっしょなの! おねーさんを守るの!
1:おにーさんからもらったお菓子おいしかったの。また会いたいなー
2:『しんこんりょこー』の途中なのー! 色々なところに行きたいの!
[備考]
※参戦時期は不明。
※殺し合いのルールを理解していません。名簿は見ないままアナスタシアに燃やされました。
※アナスタシアに道具を入れ替えられました。生き残るのに適したもの以外です。
 ただ、あくまでも、『一般に役立つもの』を取られたわけでは無いので、一概にハズレばかり掴まされたとは限りません。
※放送でリーザの名前を聞きましたが、何の事だか分かっていません。覚えているかどうかも不明。
※ちょこの竜巻でH-5とH-6の平野の一部が荒地になりました。

【I-5 一日目 午前】
イスラ・レヴィノス@サモンナイト3 】
[状態]:健康、疲労(小)
[装備]:魔界の剣@ドラゴンクエストⅣ 導かれし者たち
[道具]:不明支給品0~1個(本人確認済み)、基本支給品一式(名簿確認済み) 、ドーリーショット@アークザラッドⅡ
     鯛焼きセット(鯛焼き*2、ミサワ焼き*2、ど根性焼き*1)@LIVEALIVE、ビジュの首輪、
[思考]
基本:首輪解除と脱出を行い、魔王オディオを倒してアズリア達を解放した後安らかに死ぬ
1:これでいいんだ、これで
2:途中危険分子(マーダー等)を見かけたら排除する。
3:エドガーとルッカには会った方がいいかな?
4:極力誰とも会わず(特にアズリア達)姿を見られないように襲われたり苦しんでいる人を助けたい。
5:今は姉さんには会えない………今は。
[備考]:
※高原、クロノ、マッシュ、ユーリルの仲間と要注意人物を把握済み。
※参戦時期は16話死亡直後。そのため、病魔の呪いから解かれています。


やっほー、ちょこなの~!
今日はねー、ちょこ、おにーさんとかけっこしたの~。
そしたらね、おにーさん、ちょことおねーさんにばななのお菓子をくれたんだ!
美味しかったのー。
そのあとね、おねーさんとおにーさんが二人ではなしてたの。
とってもとってもむずかしそうなことでなにをはなしていたのかわからぬー!
でも、ちょこいー子だから、もっともっと別のことならわかったの。
それはね、おねーさんもおにーさんも大好きなみんなを守りたがっているやさしい人だってことなの!

○月△日その1 ちょこの日記より



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最終更新:2013年03月21日 21:49