ヘクトル、『空』を飛ぶ ◆Rd1trDrhhU


「リルカ……エレニアック…………だと……?」
ブラッドの瞳。
視線が射抜いただけで、相手にダメージを与えてしまうかと思われるような凶暴な眼光。
その左右の目が、驚愕と言う色を帯びて大きく見開かれる。
彼は普段から、我の強いARMSメンバーたちを冷静に纏める役割に回る事が多かった。
そんな彼が、これほどまでに動揺したのは相当珍しい事である。
しかし、それも仕方ない事だ。

たった今、放送で呼ばれた死者の名前……リルカ・エレニアックとは、彼の仲間の少女の名前だった。
信じたくはない。だが、決して聞き間違いなどではない。
魔王オディオは確かにそう告げた。

「そうか…………参加して、いたのか……」
静かに目を閉じ、すっかり明るくなった空を見上げる。
まるで天に祈りを捧げるように。
そのまま十数秒静止して、驚きと悲しみに襲われ続ける心を静める。

この殺し合いが開始してすぐに魔王と戦い、生き長らえはしたものの気絶してしまう。
そして目覚めて間もなく、降り注いだこの放送。
彼は、名簿を確認していなかった。
そんな暇がなかったから。
だから、自分のかつての仲間たちがこの殺し合いに参加させられていたことを知らなかったのだ。

(間に合わなかったか……)
ヘクトルは下唇を噛み締める。
自分の知り合いが皆無事出会った事実にすら、安堵の表情を一切示すことはない。
ただ、ジッと目の前の男が驚く様を悔しげな目で見つめていた。

ブラッドが名簿を見ていなかったことは、知っていた。
殺し合いに参加してから今に至るまでの動向を、お互いに報告し合っていたからだ。
ブラッドの知り合いがこの孤島にいるだろう事は、ヘクトルも予想はしていた。
それは、自分の仲間たちだけでなく、セッツァーの知り合いも参加させられていたことからも推測できる。
この殺し合いの参加者は全員が全員見ず知らずの他人というわけでなく、数人の知り合い単位で参加させられているようなのだ。
その事に気付いていたヘクトルは、早いうちに名簿を確認しておく事をブラッドに勧めた。

だが、少しばかり遅かった。
彼が自分のディパックを漁ろうとしたその時、空から落ちてきたのは忌々しい主催者の声。
その結果、ブラッドがディパックから取り出したのは、名簿ではなく放送の情報を書き留めるための筆記用具とメモ帳であった。
スラスラと、顔に似合わない綺麗な文字を刻んでいたその手が……止まった。
その瞬間に呼ばれたリルカという名前が、彼にとって大切な人の名前であったのだろう。
ヘクトルにそう悟らせるには充分過ぎる表情が、彼の顔に張り付いていた。

「ブラッド
……実は……」
未だ瞼を閉じて天を仰ぐ大男に、状況の説明を試みる事にした。
時限爆弾を解除するかの如く、慎重に言葉を吐き出していく。
こういう繊細な作業は性に合わないと知りつつも、彼なりに穏やかな表現を必死に選び抜こうとした。
そんな彼の言葉を遮ったのは、ブラッドの力強い言葉。

「いや、大丈夫だ」
一度だけ大きく息を吐き出すと、小声で「すまなかった」と付け加える。
その目には先ほどまでの狼狽はなく、しっかりと未来を見据える強い光が宿っていた。
信じられない話ではあるが、彼は全てを把握し、受け入れていた。
仲間の少女が、自分と同じ殺し合いを強制させられ……。
その結果、命を落とした事を。

「ならば、他の奴らもいるのだろうな」
ディパックに手を突っ込み、今度こそ名簿を引っ張り出す。
記された名前の羅列を一読すると、「ほぅ……」と小さく呟いた。

本当に信じられないような話である。
彼は受け入れた事実に感じたはずの怒りや悲しみを、封殺したのだ。
溢れた末に暴発したとしてもおかしくない感情の濁流を、ほんの1分でせき止めてしまった。

「……強いんだな」
ヘクトルは、短い付き合いながら知っている。
目の前の男が、仲間の死にそ知らぬ顔を出来るような男ではない事を。
また、少女がブラッドにとって取るに足らない存在だという事は、有り得ないだろう。
少女の名前が呼ばれた瞬間に見せた、驚きと悲しみと怒りに染まった表情を、ヘクトルは目撃しているのだから。

ならば、男が感情を押し殺す事が出来たのは、彼が強いからだ。
おそらくは幾人もの仲間を失うような戦場を、何度も経験してきたのだろう。
誰かの死に動揺する仲間たちを支える役割を、担ってきたのだろう。
その強い精神に素直に敬意を払う。

「『覚悟』と、『信頼』だ」
だが、彼の答えは、ヘクトルの予想したものとは少しだけズレたものであった。
リズミカルに、しかし重みを帯びて言葉は紡がれた。

「友に誓った約束を、何があっても果たすという『覚悟』」
眼前に広がる何もないはずの空間を、鋭く睨みつける。
まるで、獲物に狙いを定めた肉食獣のように。
夢の中で、ブラッドは『アイツ』に再び誓った。
『英雄、ブラッド・エヴァンス』が掲げていた馬鹿げた理想を、ここでも証明してみせると。
力を束ねる象徴としての『英雄』の勤めを果たすのだと。

「そして、リルカが最期まで自分の信念を貫き通したのだという『信頼』」
ブラッドの目が、ゆっくりと細められる。
まるで、上下の瞼で悲しみを噛み締めるかのように。
リルカは『魔法使い』だった。
だが、それはクレストソーサを使いこなすとか、ミレニアムパズルを攻略するとかそんな能力を言っているんじゃない。
『魔法』とは、誰にでも使えるもの。
誰もが、自分にしかないもの、つまり『魔法』を持っている。
それが彼女が示した答え。

そして、彼女の『魔法』は失敗してもつまずいても、絶対にめげない事。
自分がそれを信じてやらなければ、彼女の命は報われないではないか。
彼女の事を『悲劇の少女』だと嘆き悲しむ事が、どれほど無礼な事であるかをブラッドは知っている。
今、自分がすべき事は、最期まで頑張っただろう少女を労う事だ。

そんな彼女を思えば、さっきまで迷いに迷っていた自分の不甲斐なさばかりが引き立ってしまう。
もう悩み悲しんでいる時間はない。
自分も彼女に習って突き進まねばなるまい。
それこそが、彼なりの『信頼』であった。

「その2つがあったから、俺は『俺』でい続けられるんだ」
腹の底から、心の奥から、搾り出したような声。
握り締めたドラゴンクローが、拳の中で軋みを奏でる。
それから数秒経った後、ヘクトルの方に向き直ったブラッド。
その口元には、僅かな笑みが垣間見えた。

「……それを強いって言うんだよ」
ヘクトルは、ホッとしたように頭を掻く。
湿っぽいのが苦手な彼にとって、目の前の男が見せた反応は非常にありがたいものだった。
自分が仲間の死を聞かされたとしても、さすがにこうは行かないだろう。
目前の大男を信頼したのは間違いではなかったと、自分の直感に心中で拍手を送る。

「ところで、気になる事が1つある」
ヘクトルの言葉を笑って流したブラッドが、そう告げながら名簿を広げた。
何事か、とヘクトルが眉間に皺を寄せながら覗き込む。
すると同時に、ブラッドの太い人差し指が、トントンと紙面に書かれた1つの名前をノックした。

「アナ……アナスタシア……ルン……ヴァレリア……か。そいつが?」
自分や仲間たちに比べて、随分複雑な表記である。
読み上げるのにも少しばかり苦戦してしまった。
だが、それ以外にはこれといっておかしな点は見当たらない。

「彼女は……この殺し合いに呼ばれる以前に、既に死んでいる」
「……なに?」
死者んだはずの人間が参加している事は、ヘクトルも知らない事実であった。
彼の仲間も、セッツァーの知り合いたちにも、そういった人物はいなかったからだ。
それに、死者を生き返らせることなど、どれほど高位な司祭やヴァルキュリアにも不可能な奇跡であった。
尤も、ネルガルの造り出すモルフを用いれば、『それらしい人形』を生み出す事は、一応可能ではあるだろうが……。

「それだけじゃない。彼女が死んだのは、何百年……もしかしたら、それ以上も前の事だ……」
「……馬鹿な!」
普段であれば一笑に付すような世迷言だが、ブラッドの真剣な表情を見る限り、真実であると判断せざるを得ない。
あまりの事実に、驚きの声を上げたヘクトル。
それと同時に彼の頭に湧き上がってきたのは、1つの疑問。

「……ちょっと待てブラッド。なぜ、そんな古代の人物の事を知っているんだ?」
「……ファルガイア、あぁ俺たちの住んでいる星の事だ。そこでは誰もが知っている神話がある」
先ほどの情報交換時に、ヘクトルがファルガイアの人間でない事は聞いていた。
トカゲーコンビのような異星人か、もしくは突飛過ぎる発想やもしれないが異世界人という可能性も存在するだろう。
どちらにせよ、ファルガイア以外に人間の住まう所があることは、ブラッドにとって大きなカルチャーショックであった。
それと同時に、そこでも大きな戦いがあった事を聞き、平和の難しさを改めて知る事となったのだが。

「剣の聖女と呼ばれる話だ」
ブラッドが緑の草原に座るのを確認すると、ヘクトルもそれに続いて腰を下ろした。
それを確認するなり、呆れるほど語り聞かされた神話を伝え始める。


かつて、ファルガイアを絶望に陥れた災厄があった。
焔に包まれた真っ赤な未来に目を伏せている人々は、たった1つの可能性にすがりついた。
アガートラームに導かれし、下級貴族の娘。
彼女が振るう剣は人々の希望であり、彼女の進む道は人々の未来であった。
そして、彼女が剣と出会って7日目。たった7日。
……彼女は消えた。焔の災厄と共に。
唯一、ガーディアンブレード『アガートラーム』だけを大地に残して。


「……と、ここまでが神話となって、今となってもファルガイアで語られて続けている」
子供の頃から誰もが何度も耳にした事がある寓話。
それを要約して話し終えたブラッドは、小さく深呼吸をしてから支給された水を口に含む。

「なるほど、彼女は確かに『英雄』なのかもしれないな。だが……」
今まで眉一つ動かすことなく、話に聞き入っていたヘクトル。
話が終わるなり、彼は眉間に皺を寄せ、嫌悪感を露わにする。
その嫌悪感は、焔の災厄に対するものも少しはあったのかもしれない。
だが、その大部分は……。

「……本当のところは、そんな簡単な話じゃないはずだ。
 たった1人に世界を背負わせて……なにが『英雄』だ」
……少女に全てを押し付けた当時の人々。
それと、少女の辛さなど考えもしないで『英雄』などと奉り続けている現代の人々への、嫌悪感である。
ヘクトルは腐った食べ物でも口にしたかのような、悲しく苦しそうな顔をしていた。

ヘクトルは、戦う事の辛さを良く知っている。
自分やリンやエリウッド、それだけじゃない……フロリーナやニノ。
戦いに身を投じる全ての人に、それぞれの悩みがあって、それぞれの傷があった。
それは敵も同じこと。あのネルガルだって例外じゃない。
それぞれが支えあって、足りないところを埋めあって、傷を癒しあって、なんとか脆い体を奮い立たせて……。
そうやって、人は初めて戦えるのだ。

「その通りだ。今俺が話した『事実』は……『真実』じゃない」
無表情で説明しつつも、ブラッドは内心驚いていた。
ヘクトルが、この神話に隠された悲劇を探り当てた事に。
そして同時に思う。
彼のような人間があの時代にいれば、彼女ももしかしたら救われたのではないか、と。

ブラッドは全てを伝える。
欲望が強かっただけで、たった1人で世界を背負わされた彼女の苦悩。
そんな彼女に、全てを押し付けた世界の過ち。
時は流れ、アシュレーが次元の果てで邂逅したアナスタシアのこと。
そして……自分達ARMSが冒険の末に辿り着いた結末。
『英雄』を不要とした世界が今度こそ、ロードブレイザーを消滅させるに至ったこと。

「……なるほど。世界は今度こそ立ち上がったわけだ。……ってちょっと待て」
それを聞いて、ヘクトルは憑き物が取れたように、落ち着いた表情を取り戻した。
だがその直後、また新たな疑問が彼の頭に湧いてくる。

「それでよブラッド、剣の聖女は結局どうなったんだ?」
彼の話では、世界は救われた。
もう災厄に人々が脅かされることはないだろう。
しかし、肝心のアナスタシアの顛末が示されてはいない。
次元の狭間を彷徨っていた彼女はどうなったのだろうか。

「……それは、俺にも分からない。だが、彼女はきっと生まれ変って……」
アナスタシアとコンタクトをとる手段がない以上、ブラッドにはもう彼女がどうなったを知る由はない。
それでも彼女は解放されたのだと信じたい。
だから、その希望に満ちた答えを語ろうとしたブラッドだったが……。

「彼女は! ずっと、ずっと」
彼の言葉を遮ったのは、凛とした女性の声。
それでいて、悲しみに満たされた掠れ声。

「ずうっと独りで、彼方と此方の狭間を彷徨っていたわ」
突然の声に驚いて振り返る男2人。
彼らの目に映ったのは、その声から想像する通りの美しい女性の姿であった。
彼女の隣には、艶やかな赤い髪が特徴的な小さな子供。
狼狽する男2人を見た少女は、首をかしげて頭上にハテナを掲げる。

「……あ、貴方は…………」
ブラッドは直接彼女に会ったことはない。
だが、その姿や雰囲気は神話で語り継がれている姿と同じ。
教会のステンドクラスに描かれていた姿と同じ。
アシュレーから聞いた彼女の印象とまったく同じ。
幼い少女の手を引いて、悲しげに俯いてみせる彼女はまさに『聖女』だった。

「おい、ブラッド。まさか、コイツが……」
「剣の……聖女だ……」
名簿に書かれていたのだ。
この会場に彼女がいることは頭では分かっていた。
だが、それでも実際に会うまでは信じられなかった。
まさか、彼女までをも召喚できるとは……と、魔王オディオの能力に驚嘆する。

「ブラッド・エヴァンス君……ビリー君と呼んだ方がいいかしら?」
「いや、ブラッドでいい……」
薄く笑い顔を滲ませたアナスタシア。
ブラッドが彼女に警戒心を抱いているのは、別に自分の名前を言い当てられたからじゃない。
アシュレーが言うには、次元の狭間は凄く暇な場所らしく、彼女はファルガイアの事を除き見てずっと過ごしていたらしい。
おそらくブラッドの事も、そうやって知ったのであろう。
とにかく、そんなことはどうでもいい。
問題は彼女が抱えている物騒なモノ。
少女と繋いでいる手ではない方に握られているモノである。

「そう。それじゃあブラッド君、話の続きをしましょうか」
未だその笑みを止めないまま語り続ける『英雄』が抱えるその武器。
長い柄の先に付いているのは、大きく曲がった刃。
その禍々しい見た目からイメージされるのは、絶望。
あの逃げ場のない炎の中で感じた絶望を、凝縮したような禍々しさ。
そう。この武器は、先ほどブラッドが成す術なく敗れた魔王が使っていた武器。

「世界が救われてもね、私はずっと救われなかったの」
それを抱える彼女は、もはや『聖女』のイメージとはかけ離れている。
『希望の剣』を、『絶望の鎌』に持ち替えた彼女はまるで……。

「ずっとずっと……地上で幸せそうに笑っている君たちが……」
苦悩を吐き出しつつも、彼女は笑顔を崩す事はない。
震えた声で、負の感情を撒き散らす彼女はまるで……。

「羨ましくて仕方がなかったのよ」
……まるで死神のようであった。
独りぼっちの空間で、彼女は見ていた。
災厄なき平和な世界で人々が楽しそうに笑いあったり、好きな人と手を繋いだり、幸せそうに死んでいったりしていくのを。
世界の為に自分が捨てたはずの幸せの数々を……。

「そうか。それは辛かったな。
 で、だから殺し合いに乗るつもりか?」
そんな聖女の苦悩を耳にしても、彼の心は震えなかった。
ブラッドは、心の中では素直に同情しているし、彼女の過去の功績に尊敬もしている。
しかし、だからといって殺し合いに乗るならば黙って見過ごすわけには行かない。
冷酷に聖女を問いただした。

「…………」
その言葉に、アナスタシアは否定も肯定もしない。
おそらく、未だ迷っているのだろう。
殺し合いに乗るか、否かを。
彼女の横の子供を見る。
事態を把握できていないのだろうが、ニコニコとブラッドに満面の笑みを投げかけていた。
彼女が生かされているという事は、アナスタシアが無差別に人を殺して回ってはいないはずだ。

「だとしたら、止めておけ」
「…………」
言葉を続けるブラッドに、未だ笑みの歪曲を描いたままの口を開かないアナスタシア。
対峙する2者の横で、ヘクトルは何も言わないままで事の成り行きを見守っていた。
自分は立ち入るべきでないと思っているのだろう。
この問題は、ファルガイアに付けられた深い傷痕だ。
出来れば、当事者同士で解決するのが一番だ。

「貴方には、向いていない」
ブラッドらしからぬ、諭すような優しい声であった。
戦うことが専門の彼にとって、このような説得行為は最も苦手とする部類のミッションのはずだ。
さっき夢の中で友と言葉を交わしたときも、『説得する気は更々ない』と宣言していた。
それでも彼が拳ではなく言葉を用いているのは、目の前の女性にそうする価値があるという事だろう。
単なる有象無象の悪党とは違う。

「今、話しているだけでも分かる。
 貴方は嘘が苦手だ……自分に正直すぎる」
アシュレーたちによって世界が救われた今でも、アナスタシアは剣の聖女として語り継がれている存在である。
ブラッドだって、まさか彼女が人を殺すなどとは思ってもいなかった。
そんな彼女であれば、殺意すら悟らせる事なくブラッドの首を刈り落とす事も可能であったはずだ。
だが、彼女はブラッドに殺し合いに乗ろうとしている事も気付かれ、挙句の果てにはその動機すらも吐露してしまったではないか。

「どうか武器を捨てて欲しい。でなければ、俺は貴方を……」
「貴方を?」
思いつめたように語るブラッドに、微笑みの聖女が聞き返した。
しかしその顔には、追い詰められた者が持つはずの焦燥感はない。
寧ろ、ある種の余裕すら伺える。
もしかしたら、少女を人質に取るつもりだろうか。
だとしたら……甘い。

「貴方を……叩き潰さなければならないッ!」
叫ぶと同時に、強く拳を握り締めた。
戦闘の臭いを感じ取ったヘクトルも、ゼブラアックスを構えて一歩前に出る。
もしものときは、気が進まないだろうブラッドに代わって、自分の斧を赤く染める覚悟をしながら。

「……私を? 叩き潰す、ですって?」
ファルガイアの誰もが憧れる剣の聖女。
その彼女を前にしても、ブラッドの決意は揺るがない。
だが、アナスタシアはその強い意志を、笑って流した。
まるでやってみろと言わんばかりに。

「そうか。……それは残念だッ!」
叫んだ直後、ブラッドは走り出した。
目標は、堕ちた英雄アナスタシア。
その目には闘志さえ宿ってはいるものの、殺意は微塵も感じられない。
殺すことなく無力化するつもりだろう。

10メートルほどあっただろう距離を一瞬で無くしたブラッドは、聖女の腹部目がけて拳を振るう。
その手にドラゴンクローは握られておらず、殺傷能力を極限まで抑えた一撃である。
しかし、アガートラームなき今のアナスタシアの戦闘力は、ただの少女のソレと大差ない。
徒手空拳とはいえ、ARMS1の戦闘能力を誇る男の拳を受けたら、彼女は一瞬で草原に倒れこんでしまうはずである。
気遣いも、遠慮も排除した一撃。
少女に鎌を向ける暇すらも与えなかった。
……にも関わらず、アナスタシアは笑っていた。
迫り来る拳を避けもせずに。

その事を不思議に感じたが、振りぬいた拳を止めることはない。
眼前の相手に意識を集中して、生まれてきた雑念を振り払う。
スレイハイムの『英雄』の名を告いだ男は、かつて世界を救った『英雄』に拳を向かわせた。
一切の迷いなく。

必中のタイミング、そして無力化するには申し分ない威力。
その一撃が……『彼女』に命中する。

「……なんだとッ!」
驚きの声を上げたのは、ダメージを与えたはずのブラッド。
彼の拳は、ちゃんと『彼女』の腹部にめり込んでいた。
だが、その少女とはアナスタシアではなく、聖女の前に猛スピードで飛び出してきた小さな子供であった。

「うわぁ!」
拳を受けて少女が吹き飛ぶ。
アナスタシアに命中する事を想定していた一撃は、体重の軽いこの少女には重すぎたのだ。
赤い髪の少女は3メートルほど高く空に舞い、アナスタシアの隣の地面に頭から落下して……動かなくなった。
ドサリ、と小さな体が大地に落ちる音だけが、空しく草原に響く。

「ブラッド!」
慌ててヘクトルが駆け寄る。
彼が覗き込んだブラッドの顔は、驚き一色に染められていた。
子供を殺してしまったショックは大きいのだろうと、ヘクトルは彼を励まそうと試みる。

「…………気にするな。戦場では……」
「あの子供……何者だ?」
ヘクトルの予想に反し、ブラッドは罪悪感に苛まれているわけではなかった。
驚きに見開かれたその両目は、少女を殴ってしまった方の拳を凝視している。
ヒリヒリと痛むのだ。
まるで鉄塊でも殴りつけたかのように。
そして、飛び出してきたときの、あのスピード。
拳を当てる事だけに集中したとはいえ、全く知覚出来なかった。
速いなんてもんじゃない。

「……そうか。そういう事だったのか」
ブラッドが小さく舌打ちをする。
自分の宣戦布告も笑顔で聞き流し、その拳を避ける事もしなかったアナスタシア。
彼女のあの余裕の原因……それはあの少女。
そしてアナスタシアが少女を殺さなかった理由。
ティムよりもずっと幼いあの少女こそが、死神と化した聖女の隠していた秘密兵器だ。

「気をつけろヘクトル。あの子供、恐ろしく強いぞ」
「なんだって……!」
ブラッドのセリフに驚いたヘクトルが振り返る。
倒れて動かなかったはずの少女が、何事もなかったかのように立ち上がっているではないか。
血を吐く事も、咳き込む事すらもせずに。
思えば、ブラッドのパンチを食らった瞬間、少女は「うわぁ!」と叫んでいた。
あれが、腹部に重い拳をめり込ませた人間が吐き出す音か?
普通なら「ぐえぇ」とか「ごほぉ」など、搾り出すようなうめき声が漏れ出るはず……。
本当に拳のダメージが深刻なら、そんな声を出せるわけがないのだ。

「それじゃあいくよー!」
少女が叫ぶ。両手を空へと掲げながら。
屈託のない満面の笑みを浮かべた少女に宿ったのは、大量の魔力。
その魔力は少女とアナスタシアを中心として渦を巻く。
回転していく魔力は周囲の空気をかき回し続け、やがてその流れは風へと変貌していく。
小さな2本の腕は、タクトとなって大気のオーケストラを支配。
グルリグルリと空間をかき回していく、幼い魔術師。
そして、遂にそよ風は竜巻へと進化した。

「これは魔王と同じ……いや、それ以上?!」
舞い上げられた雑草たちのダンスを前にして、背筋に寒気が走った。
魔王のファイガと対峙したときに感じた、絶望的な魔力量。
それは、ブラッドが出会ったどの人物がもつものより強力だった。
だから、この殺し合いを破壊する上で最大の障害となるのは魔王だろう、とブラッドは考えていた。
だが、目の前の幼い少女から感じられる魔力は……余りにも強大すぎる。
魔王の見せた力に勝るとも劣らない。

「オイオイ……そりゃあ反則だろう!」
容赦なく顔に叩きつけられる暴風を、腕で遮りながらヘクトルが吐き捨てる。
ヘクトルの世界では、魔法使いは脆いものと相場が決まっていた。
魔法を放つものは、他の兵士に比べて防御力や生命力が劣っており、アーマーナイトなどが彼らの盾になってやる必要があったものだ。
だが、この少女はブラッドの拳を全く意に介さないほどの耐久力を持ちながら、こんな馬鹿げた魔力も持ち合わせているのだ。
規格外だと言わざるを得ない。

「とーんでけーーーーーー!!!!」
少女が両腕を勢い良く振り下ろすと、竜巻は更に勢いを増す。
少女の魔力の爆発に呼応して、さらに急成長した暴風。
それは遂に、男2人を空へと持ち上げるに至った。
フワリと足が大地から離れた。
今さっきまで大地に根付いていた大量の緑色とともに、ヘクトルとブラッドが宙を舞う。

「ちょっと待てよオイ!」
「ヘクトル! 意識だけは失うなッ!」
その言葉を最後に、彼らはもの凄いスピードで空へ向けて上昇していく。
溺れたかのように手足をバタつかせるが、この強大な災害の前にはなんの意味も持たなかった。
落とさないようにディパックだけは強く握り締めたまま、空をグルグルと旋回させられる。
空を埋め尽くした風圧はもの凄く、目を開ける事すらままならない。
そんな中でお互いの意思疎通が成立するはずもなく、飛ばされた男たちはお互いが今どのような状態にあるのかも把握できない状況にあった。

(あのガキ……ムチャクチャしやがるぜ……)
盛大に風に揉まれながら、ヘクトルは恨み節を噛み締める。
今自分たちは、どれくらいの高度にいるのだろうか。
十秒以上も上昇を続けているのだから、かなりの高さにいることは間違いないだろうが……。

しかし、ブラッドはともかくとして、重い鎧を背負っている自分までも舞い上げてしまうとは凄い威力である。
加えて、あの魔法の範囲はとても広い。
恐らくは、この竜巻の被害によって、支給された地図が書き換わってしまうほどだろう。
そんな凄まじい魔法を、あんな幼い少女が放ったのである。
ニノよりも、ニルスよりも幼い少女が。
世の中には、常識を超えた超人が存在するのものだ、と呑気に関心する。

ヘクトルが宙に飛ばされて20秒ほど経過したころ。
ふと、風が止んだ。
辺りを包んでいた暴風は、ピタリとその活動を停止。
今までの慌しかった状況が嘘のように、穏やかな空気がヘクトルを包み込む。
自分を押し上げていた力がなくなったことで、ヘクトルの上昇速度も少しずつ小さくなっていく。
最早落下まで成す術がなければ、やる事もない。
仕方がないので、能天気にもこの風景を満喫する事にした。
上を見上げれば晴れ渡った空。
下を見下ろせば遠く広い大地。

(そうか、アイツはこんな風景を見ていたのか……)
気弱な天馬騎士を思う。
ペガサスに乗れない自分は、こんなにも高い位置から地上を見下ろすのは初めての経験であった。
彼女と同じ目線に立てた事に嬉しさを感じる。

「さて、どこに落ちるやら……」
いつの間にかヘクトルの体は上昇を止め、下へ下へと向かっていた。
地上を見渡した記憶を頼る限り、考えられる落下先候補としては、平原、荒野、砂漠、川、森くらいだろう。
この高さから考えると、平原と荒野にさえ落ちなければそれほどのダメージは受けはしない。
あとは、運を天に任せるだけだ。
そう心に決めると、ヘクトルは静かに目を閉じた。
願わくば、生きてブラッドと再開できる事を……。
願わくば、フロリーナに空を飛んだ感想を伝えられる事を……。


◆     ◆     ◆


「なんとか、助かったようだ」
ブラッドは、体に纏わりついた木の枝を乱暴に振り払う。
彼は幸運にも、森に落下したおかげで軽症で済んだ。

(いや、違う。生かされたのだ……)
隣の木にヘクトルが引っかかっているのに気付いた。
彼ら2人が同じ場所に落下したのは偶然ではないだろう。
あの少女の馬鹿げた魔力ならば、風力を制御して自分の望む場所に相手を落とせるとしてもおかしくない。
つまり、自分たちはわざと安全な場所に落とされたのだ。
恐らくは、アナスタシアの指示。
あの少女は殺し合いのルールすら知らないのだろう。

(まだ、救いようがあるというわけだ)
剣の聖女はまだ堕ちきってはいない。
人を殺す踏ん切りがついていないのだ。
それはつまり、まだ彼女は引き返せる余地が有るという事。
だが、やはり自分は説得が下手だ。
慣れない事はするものではないなと痛感する。

今一度、思い出す。
この殺し合いの地でもう一度、『英雄』の勤めを果たす。
道を違えてしまった者や、ふざけた幻想に惑わされている者に『勇気』を与える。
言葉ではなく、この拳で。
それが友に誓った約束。

それは日に2度の敗北を経験した今でも揺らぐ事はない。

「失敗してもつまずいても、絶対にめげない……だったな」
リルカの『魔法』を思い出す。
こんな事で挫けていたら、彼女に笑われてしまう。
彼女は、それ以上の失敗を何度も何度も味わったのだから。
ならば、彼女のその『魔法』を受け継ぐことをリルカに誓おう。

「約束が増えてしまったな……」
随分と多くのものを背負ったものだと、男は笑う。
心にズッシリと重みを感じた。
だが、友から貰った『名前』も、リルカから貰った『魔法』も、自分に充実感を与えてくれる。
それは、この殺し合いを破壊する為の原動力となる。

ブラッドは立ち上がって1本の木に近づくと、大きな足で思いっきり蹴り上げた。
キックブーツがなくても、この程度の木に振動を与えるのには何の不足もない。
木が大きく揺れ、葉が擦れる音がカサカサと心地よい音を奏でる。

「……ぬおぉッ!」
ドスンという音と共に木から落下してきたのはグレートロード、ヘクトル。
彼もブラッドと同じく、大したダメージはないらしい。
ずさんな救出方法に怒りを露わにしていた。

「……俺はクワガタか!」
「俺はカブトムシの方が好きだがな」
そんな事は聞いてねーよと更に怒り出すヘクトルを、笑って受け流すブラッド。
彼はもう一度、アナスタシアについて考える。
ロードブレイザーが消滅して世界に平和が訪れても、彼女はずっと救われないままでいたのだ。
永遠に救われないまま孤独に苦しむ日々が続いていたはずだ。
それは言わば、ファルガイアに残された最後の戦禍。
しかし、もしかしたら彼女はこの殺し合いで、その永遠の孤独から解放されるのかもしれない。
ブラッドにとってそれは、やり残した戦災復興ができるチャンスなのだ。

(オディオよ。それだけは礼を言うぞ……)
ブラッドが『英雄』として救う対象として、彼女も例外ではない。
この拳で、堕ちた『英雄』を救う。
出来ないはずがない。
この『名前』がある。この『魔法』がある。
この拳には、仲間が2人も宿っているのだから。



【H-6とH-7の境 森 一日目 朝】
【ヘクトル@ファイアーエムブレム 烈火の剣
[状態]:全身打撲(小程度)、疲労(小)
[装備]:ゼブラアックス@アークザラッドⅡ
[道具]:聖なるナイフ@ドラゴンクエストIV、ビー玉@サモンナイト3
     基本支給品一式×2(リーザ、ヘクトル)
[思考]
基本:オディオをぶっ倒す。
1:現在位置が知りたい
2:仲間を集める。
3:フロリーナ達やブラッドの仲間、セッツァーの仲間を探す。つるっぱげも倒す
4:セッツァーをひとまず信用。
5:アナスタシアとちょこ(名前は知らない)、エドガー、シャドウを警戒。
[備考]:
※フロリーナとは恋仲です。
※鋼の剣@ドラゴンクエストIV(刃折れ)はF-5の砂漠のリーザが埋葬された場所に墓標代わりに突き刺さっています。
※セッツァーと情報交換をしました。一部嘘が混じっています。
 ティナ、エドガー、シャドウを危険人物だと、マッシュ、ケフカを対主催側の人物だと思い込んでいます。


【ブラッド・エヴァンス@WILD ARMS 2nd IGNITION
[状態]:全身に火傷(多少マシに)、疲労(中)
[装備]:ドラゴンクロー@ファイナルファンタジーVI
[道具]:不明支給品1~2個、基本支給品一式
[思考]
基本:オディオを倒すという目的のために人々がまとまるよう、『勇気』を引き出す為の導として戦い抜く。
1:現在位置が知りたい。
2:仲間を集める。
3:自分の仲間とヘクトルの仲間を探す。
4:魔王を倒す。ちょこ(名前は知らない)は警戒。
5:アナスタシアを救う。
[備考] ※参戦時期はクリア後。


◆     ◆     ◆


「おねーさん、ちょこやったのー」
「えぇ……偉いわね」
バンザイをして飛び跳ねるちょこの頭を優しく撫でる。
掌に伝わる柔らかな熱は、間違いなく人間が放つものだ。
この目でその現場を目撃した今でも、このあどけない少女があの巨大竜巻を巻き起こした張本人だとは到底思えない。
尤も、竜巻を起こすようにちょこに命じたのはアナスタシア自身なのだが。

(それにしても……凄い威力ね)
東西南北、見渡す限りは荒地と化した。
ここは、地図上では平野が広がっているはずの場所であるはずだ。
現に、ついさっきまでは確かに緑色の雑草が当たり一面にびっしりと生えわたっていた。
それをこの少女は、一撃で全て吹き飛ばしてしまった。
ただ一点のみ……竜巻の中心に位置する場所を除いて。
少女とアナスタシアが立っていた場所だけ、ポツンと緑色の大地が取り残されている。

(これなら、生き残れる……)
少女の常識はずれも甚だしい魔力を前に思う。
まだ殺し合いに乗るか否かも決まってはいない。
だが、どちらにせよ死んでしまったら終わりなのだ。
少女のこの異常な破壊力と耐久力を駆使すれば、どう転んでも自分の命だけは守りぬける。
彼女がファルガイアを覗き見て知っている人間の中で1,2を争うほど強いブラッドすらも、あっさりと撃退してしまったのだから。

(しかし、なぜブラッド君が……)
放送で名前が呼ばれた少女もそうだ。
名簿を見ていない彼女は、彼らが参加させられている事を不審に思う。
勇者ユーリルと分かれた後、腹が立つほど暑い砂漠を脱出したアナスタシアたち。
踏みしめる大地がこげ茶色から薄緑色に変わったころ、最初の放送を耳にした。
ちょこは、相変わらず何の事か分からないといった様子。
何もない空から声が聞こえた事が余程面白かったのだろうか、わいわいと喧しくはしゃぎ回っていた。
唯一、違う反応を示したのは、リーザという名前を聞いたとき。
知り合いだったのであろう、「リーザおねーさんだ!」と何故か笑顔で走り回っていた。

そんなちょこを無視して、放送でリルカの名前が呼ばれた事実について考えていた。
アシュレーやマリアベルを初めとした、他のARMSメンバーも参加しているのだろうか……?
そんな事を予想していた彼女の耳に次に飛び込んできたのは、他でもない自分の名前。
何事かと思い声のするほうへ忍び寄ると、あの男、ブラッド・エヴァンスがいたというわけだ。
彼がもう一人のヘクトルという男に聞かせいていたのは、剣の聖女の伝説。

やがて話題は、アナスタシアが今どうなっているのかという事に移り変わる。
焔の災厄滅した後、次元の果てを彷徨っていた聖女はどうなったのか。
アナスタシアは救われなかった。
ずっと孤独の中で、平和なファルガイアで暮らす幸せな人々を見せ付けられていた。
だから、ブラッドが『アナスタシアはきっと生き返って』と口にした瞬間……。
気付いたら、叫んでいた。
自分の苦しみをブチ撒けてしまっていた。

自分の軽薄さに呆れてしまう。
そのせいで、殺し合いに乗ろうとしていることを悟られてしまったのだから。
ブラッドの洞察力にも感服する。
戦場を潜り抜けてきた経験の賜物だろう。
説得の方はてんで下手糞だったが……。

(向いてないかあ……)
唯一胸に響いた彼の言葉。
彼に言わせれば、自分は殺し合いに向いてないらしい。
自覚はある。
さっきの竜巻のときも、彼らを殺さないようにちょこに指示していた。
まだ、誰かを殺したくはなかったのだ。
実際に命を奪うのが、自分ではなくちょこの役目だったとしても。

「どうしよっかな……」
あと一歩を踏み出す事ができない自分に溜め息が出る。
元々、戦う事が好きなわけじゃない。
ましてや、人間を殺すなんて経験がないのだ。

でも、せっかく掴んだチャンスだ。
この狂った宴は、普通の人生を歩める最初で最後の機会。
やはり、それは逃したくない。

「おねーさん、どうしたの?」
ちょこが大きな目をこちらへ向けていた。
文字通り『無邪気な』瞳は、アナスタシアの心の黒いモヤすらも、なぎ払ってくれる。

まぁ、いいか。

「次、どこに行こうかな……って考えてたの」
それを聞いたちょこが、キャッキャとはしゃぎ出した。
もう一度、彼女の頭を撫でてやる。
その小さな頭を、やけに愛おしく感じた。

今はそれでいい、と思う。
めんどくさい事は後にしよう。
生きていれば、そのうち答えは出るだろうから。
ついさっき悩みだした、あの勇者もそうなのだろう。


【H-6 西部 一日目 朝】
アナスタシア・ルン・ヴァレリア@WILD ARMS 2nd IGNITION】
[状態]:健康
[装備]:絶望の鎌@クロノ・トリガー
[道具]:不明支給品0~2個(負けない、生き残るのに適したもの)、基本支給品一式
[思考]
基本:生きたい。そのうち殺し合いに乗るつもり。ちょこを『力』として利用する。
1:どこへ行こうか?
2:施設を見て回る。
3:『勇者』ユーリルに再度出会ったら、もう一度「『勇者』とは何か」を尋ねる。
[備考]
※参戦時期はED後です。
※名簿を未確認なまま解読不能までに燃やしました。
※ちょこを『力』を持つ少女だと認識しました。
※ちょこの支給品と自分の支給品から、『負けない、生き残るのに適したもの』を選別しました。
 例えば、防具、回復アイテム、逃走手段などです。
※襲ってきた相手(ビジュ)の名前は知りません。
※アシュレーやマリアベルも参加してるのではないかと疑っています。


【ちょこ@アークザラッドⅡ】
[状態]:健康
[装備]:なし
[道具]:不明支給品1~3個(生き残るのに適したもの以外)、基本支給品一式
[思考]
基本:おねーさんといっしょなの! おねーさんを守るの!
1:おじさんを2人飛ばしたの! ひゅるるーなの!
2:『しんこんりょこー』の途中なのー! 色々なところに行きたいの!
[備考]
※参戦時期は不明。
※殺し合いのルールを理解していません。名簿は見ないままアナスタシアに燃やされました。
※アナスタシアに道具を入れ替えられました。生き残るのに適したもの以外です。
 ただ、あくまでも、『一般に役立つもの』を取られたわけでは無いので、一概にハズレばかり掴まされたとは限りません。
※襲ってきた相手(ビジュ)の名前は知りません。
※放送でリーザの名前を聞きましたが、何の事だか分かっていません。覚えているかどうかも不明。
※ちょこの竜巻でH-5とH-6の平野の一部が荒地になりました。

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054:灯火よ、迷えるものを導け ヘクトル 086:使い道のない自由
ブラッド
048:『勇者』の意味、『英雄』の真実 アナスタシア 076:“剣の聖女”と死にたがりの道化
ちょこ


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最終更新:2010年07月01日 00:10