Talk with Knight ◆iDqvc5TpTI



こうして、僕にはただ
時間だけが残された。
命も、道具も、全てアナスタシアに握られて
手持ち無沙汰もいいところで
ジョウイが襲撃でもしてきたなら
その対処へと身も心も没頭できるというのに。
そんな実現したらしたでごめんな可能性も
場当たり的に生きることも
ストレイボウの奴に切って捨てられたばかりで
今の僕には、本当に、何も、何もすることがなかった。
“したいようにあってほしい”だって?
なんだよ、それ、なんなんだよ、それ。
自分に縛られて
何もかもを見失うのがどれだけ愚かなことか。
そんなの、お前に言われないでも分かってるよ!
教えて、もらったんだ!
だけど、だけどさ。
今更なんだ、今更なんだよ……。
ねえ、したいことを考えろって言われて足を止めてさ。
それでもしたいことが見つからなかったら。
どうすればいいのかな?
どうしたら、僕はまた歩いていけるんだろ……。







 ――――・――――・――――・――――・――――・――――


                      [アナスタシア]

    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆       [ピサロ
    話し相手を              △
     選んでください     『カエル』 《グレン》
    ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆            ▽
                   [アキラ]

                      [ストレイボウ


 ――――・――――・――――・――――・――――・――――



思えばその問いかけさえも今更だった。
昨日のまさに今ぐらいに、僕は問われたばかりだったじゃないか。
姉さんが死んだらどうするのか。
先生が死んだらどうするのか。
今は亡きおじさんに聞かれたばかりだったじゃないか。
僕はその時、なんて思った?
使い道のない自由に、何の意味がある。
そう思ったんじゃなかったのか。
まさにその使い道のない自由が、僕の目の前に転がっていた。
僕は何をするでもなく、へたり込み、ただ空だけを見上げていた。

どうしてこうなったんだろ。
僕はいったい何をしてるんだろ。

抜け殻のような自らのさまを自嘲する。
あの時、その言葉が正しいと心の底では感じながらも、どうしてあれだけストレイボウに噛み付いたのか。
何のことはない。
僕は、こうなることを予想してたんだ。
あいつの言うところの“行き着くところ”まで行きつけたならどれだけ楽だったろうか。
あいつがあんなことを言わなかったら、僕はきっと今頃、ジョウイを倒すことでも考えていただろう。
あいつがヘクトルの死体を弄んだから……だけじゃない。
確かにそのことへの怒りはある。
死を奪うというのは僕にとって何よりも許せない所業だ。
僕はジョウイを嫌いなままだし、今や憎んでると言っても間違いじゃない。
でも、あのヘクトルと打ち合ったからこそ僕にだって分かってる。
ジョウイの導きに応えてしまったのも、僕による終わりを受け入れてくれたのも、どっちもヘクトル自身の意志だったんだ。
そこまで分かっていながらもジョウイにとやかく言うのは、ただの八つ当たりなんじゃないか。
僕はジョウイの計画を阻止しようとして失敗した。
その取り戻し用がないミスを、ヘクトルのことを言い訳に取り戻そうとしてるんじゃないか。
いや、取り戻すだなんてそんな前向きなものじゃない。
僕は縋りたいだけなんだ。
かつて生きてできることと定めていたそれに、生き残ってしまった意味として縋りたいだけなんだ。
それに元を正せばヘクトルを殺したのはあいつじゃない。
セッツァーとピサロだ。
セッツァーは既に死んだようだけど、ピサロに至ってはすぐそこにいる。
だったらそのピサロに怒りをぶつけることが、ヘクトルの敵討ちだと刃を向けることが僕のしたいことなのか?
……不思議とそうだとは思えなかった。
もしそれが答えなら、ストレイボウが余計なことを言うよりも前、アナスタシアがどうやってかあいつを連れてきた時点でそうしていたはずだ。
ジャスティーンの召喚に力を使い果たしていたからだとか、そんなのは理由にならない。
感情というものはそんな理屈で抑えられるものじゃない。
けど僕は、そうしなかった。
そんな気力さえなかった。
もうすべてが終わったことだったから。
ヘクトルを終わらせたのは、ヘクトル自身と、そして、この僕なんだって。
そんな、ほんの僅かな、それでいて、これだけは他の誰にも譲りたくない自負が僕にはあったから。

だから。

僕は、本当に、何もかも終わってしまったんだ。
僕のしたい事、したかったことに、決着をつけてしまったんだ。

つまりは、そういうこと。

ストレイボウが言った“したいようにあってほしい”というのは、ジョウイがどうとか、オディオがどうだとか、そんな目先のことだけじゃなくて。
きっと、ずっと、この先の未来へと続く望みで。
それは僕が二度目の生を受けてから、ずっと、ずっと、考えて来たことだったんだ。

「なんでだよ。なんでなんだよ……」

はじめは姉さんや先生のために生きたかった。
その望みが潰え、自らの命を奪おうとした時、あの大きな掌に止められた。
あの時初めて、僕は今まで抑えてきた僕の感情を、僕自身を、受け入れることができた。

「なんで、なんでみんな、いなくなっちゃったんだよ……」

そして、僕は、気づけば、彼を、ヘクトルの背中を追い始めていて。
おじさんの支えもあって、“いつか”を望めるようになっていたんだ。
この僕が、だよ? ずっとずっと、死ぬことばかりを考えて生きてきたこの僕が。
自分のことを誰かを悲しませる害悪としてしか見ていなかったこの僕が。
あろうことか、誰かの為に“生きられる”いつかを夢見れるようになってたんだ……。

「なんで、僕だけ生き残ってるんだよ……」

けれど、その“いつか”を僕はこの手で振り払った。
僕が夢見た理想郷を、僕自身の手で終わらせた。

「僕だけ生き残って、どうしろっていうんだよ!?」

そのことに未練はあっても後悔はない。
それこそ感情のままに突き動かされただけだと言うやつがいるかもしれないけれど。
あの終わりは僕がありのままの自分で、ありのままの世界を見た上で決めた大切な終わりだった。
……終わりだったのに。
どうして僕だけ生き残ってるんだ?
どうして僕はまだ、続いてるんだ?
これ以上僕にどうしろっていうんだ。
僕は一体何がしたいっていうんだ……。

「どうやらまだ、自分の終わり方を決められていないようだな、適格者」

嫌な声が聞こえた。
聞きたくない奴の声がした。
誰か、などとは問うまでもない。
紅の暴君無き僕のことをそう呼ぶのはただ一人だ。
いっそこのまま無視してやろうかとも思ったが、見上げていた空に影が落ち、ぬうっと枯れ草色の覆面が眼の前に迫る。
そいつはヘクトルやおじさんの巨体とは打って変わって背が低かった。
そんな背格好で覗きこまれたままではたまったもんじゃない。
蛙顔の素顔でやられてもそりゃ嫌だけど、覆面お化けで迫ってこられるのも同じくらい心臓に悪い。
不気味な上に怪しすぎて姉さんなら迷わず職務質問しながら剣に手をかけていただろう。
……アティ先生なら見かけで判断したりしなさそうだけど。
残念ながら先生ほど心の広くない僕は、そのままの体勢で腕を突き出し、跳ね除けたそいつへとうんざりとした視線をくれてやった。

「……誰のせいだと思ってるんだよ」

ああ本当に、誰のせいだ。
誰のせいで、僕はこんなにも悩む事になったんだ。
例えばお前だよ、カエル
お前がマリアベルを殺さなかったら、彼女をファリエルと会わせるために頑張るのも……悪く、なかったんだ。
今更だけどさ。
あまりにも、今更、だけどさ。
僕は、僕のことを捨てたものじゃないと言ってくれた彼女のことが嫌いじゃなかった。
あの時は素直に返せなかったけど、今なら言えるよ。
僕も君のこと、公平だとかどうとか、そんな理屈っぽいこと抜きにしてもさ。
多分、きっと、割りと、結構……好きだったよ。
あーあ、こんなことならあの時、ファリエルと会わせてあげるって約束でもしておくべきだったなあ。
そしたらさ。そしたらあんな、あんなアナスタシアなんか庇うこともなくて……。
無理、だろなあ。
全く、ほんとどうして、こんなメンツが残っちゃったんだろね?
神様だなんて信じたこと無いけどそれでもあんまりじゃないか。
アキラはまだいいよ。
ひねくれてるようで正義感に燃えているところとか、若干苦手なところもあるけど、一日足らずの付き合いでも悪いやつじゃないってそう思える。
けどさ、他はないんじゃないか。
ストレイボウは許せない。
同族嫌悪や全ての元凶ってこともあるけれど、自分だけ、したいこととやらを見つけていたりで腹が立つ。
アナスタシアは嫌いだ。
今になって吹っ切れて分けわかんない存在になって、今まで以上にあの手この手で僕の心をかき乱していく。
カエルとピサロは論外だ。
ヘクトルにブラッド、マリアベルの死は彼ら自身のものだけど、それでも、こいつらが僕から大切な人を奪ってったのには変わらないんだ。

誰かのために生きたかった。その誰かはもう、誰もいない。

全てが振り出しに戻ってしまった。
ゼロの虚無。
死にたいとも生きたいとも思えない、生命の始まりに。
あれもそれもこれも全部、全部――

「そうだな。少し話をしよう」

なんだよ、自分のうちに引きこもることすら許してくれないのかよ。

「僕にお前と話したいことなんてないよ」
「俺にはある。お前を生かした分の責任がな。それに――あの時問うてきたのはお前だぞ?
 全部なくして、終わって、それでも足掻けるのはどうしてか、と」

そういえばそんなことを口にした。
でもそれは、もう終わったことだろ?

「その答えならもうもらったじゃないか」
「確かに俺は答えた。だがその答えは“二度目”の答えだ」

二度目?
二度目って何さ。

「前にも一度あったんだよ。俺が、俺にとっての全てとも言えた“勇者”を――親友を喪ったことが」

疑問が顔に出ていたのだろう。
僕が口にする前にカエルは勝手に喋りだす。

「勇者……?」
「ああ、そうだ。あいつは、勇気ある者だった。どんな相手にでも立ち向かい、いつも俺を助けてくれた。最後の時だってそうさ。
 あいつは俺を庇って、魔王に殺されたんだ……」

魔王って、あの魔王?
自分の親友の仇となんてお前は組んでたのかよ。
気が知れないにも程がある。
……まあ僕だって人のことは言えないけどさ。
紛いなりにも今の僕はヘクトル達の仇であるこいつらと運命共同体なんだし。
前なんか僕に呪いをかけた奴の手駒になってたことだってあるくらいだ。
だから、そこはどうだっていい。
僕が興味あるのはただ一つだ。

「それで。お前はどうしたのさ」
「どうもしなかったさ。俺は逃げた。魔王から、友の死から、自分自身から、友との最後の約束からさえも逃げて酒に溺れた」

は?
なんだよそれ。
参考にもならないじゃないか。
反面教師にでもしろってのかよ。

「全然ダメじゃないか。そんなザマで僕に偉そうに説教したのかよ」
「ふっ、返す言葉もないな。だがな、イスラ。そんな俺でも、お前が言うように今こうして足掻けてる。
 あの時だってそうだ。友より託された王妃が攫われたと気付いた時、俺は気づけば動いていた。
 それまでどれだけ念じようと恐怖で後ろにしか進まなかった足が、あろうことか誘拐した魔物たちの本拠地へと乗り込んでたんだ」
「それがきっかけでお前は立ち直ったって、そういう話かよ」

それはめでたい話だね。
おめでとう。良かったね。
友から託されていた王妃様とやらがいてくれて。
僕には何も遺されてはないんだけど。

「いや、情けない話だが、王女を助けたあともしばらくぐずっていたよ。
 俺が近くにいたため、王妃様を危険にさらしめたのだと自分のことを責め、城から出て行きまた酒浸りの日々さ」

……話を聞けば聞くほど、気力が失われていき、反比例して冷ややかな心地になっていく。
僕は僕のことを散々嫌ってきたけど、世の中、下には下がいるんじゃないか?
もしかしてこれがこいつなりの慰め方なんだろうか。
下には下がいるから僕はまだ胸を張って生きろとかそんな感じの。

「つくづくダメな大人じゃないか。呆れて物が言えないよ」
「そう思うか? 俺もそう思うよ。王女さまを助けたことで友との約束を当面は果たせてしまったからだろうな。
 前以上に気が抜けてしまって、友の形見の品を落としてしまって、しかもそのままにしていた始末だ」
「……」

これには僕もドン引きだ。
流石に人としてどうかとさえ思えてきた。蛙だけどさ。それはいくらなんでも――

「カッコ悪いと思ったか? 鏡を見てみろ。今のお前も当時の俺と似たような顔をしているよ」

うわ、嫌だ。
一緒にするなよ。
覆面蛙顔の自分を想像しちゃったじゃないか。

「僕は当分自分の顔を見たくなくなったよ」
「くくく、そうか。それは悪かったな。まあともあれ、だ。そんなこんなで紆余曲折。
 クロノ達がその落とした品である勇者バッチを取り戻してくれたり、折れた勇者の剣を修復してくれたりでようやく俺は――」

やっとなんだよね?
いい加減、やっとなんだよね?

「立ち直った、のかな? 本当にようやくだね」
「それが実は、更に一晩考えた」

うわぁ……。

「結局立ち直るのにどれだけかかってるんだよ」
「十年だ。俺はあの時十年かかった。そう考えれば今回は随分速く立ち直れたものだ」

ふっとそれまでのやれやれだという感じの口調が鳴りを潜める。
ボロ布に隠された表情は見えないけれど、それでも分かるくらいに笑ってる気配が伝わってくる。
こいつにそんな笑みを浮かべさせるのは、きっと、あいつなんだろう。

「あいつが、あいつがいたから?」
「そうだな。友が、ストレイボウがいてくれたからだ。ただな……」

そこで一度、カエルは大きく息を吐いて目を閉じた。
瞼の裏には、これまで思い起こしてきた過去でも映っているのだろうか。
しばらくして目を開いたカエルは、力強く断言する。

「俺はあの時の十年が無駄だったとは思えない。時間を無駄にしたとも思えない。
 自慢じゃないがもし十年前、友を失い、魔王から逃げ、カエルの姿にされた直後にグランドリオンを渡されていても俺は受け取ることができなかったろうさ。
 俺にどうしろっていうんだとか、俺にこの剣を握る資格はないだとか言って逃げたに決まってる。
 万一手にしてたとしても、そのまま勢い任せで魔王城に突っ込んで返り討ちが関の山だったろうさ」

後悔はある。反省もある。

「逃げて逃げて逃げ続けた十年だったが、それでも、それでもだ。
 あの十年間、悩み、苦しみ、後悔し続けたからこそ、思い続けられたからこそ、俺はあの時、グランドリオンを俺の意思で手にとることができたんだ」

でもそこに自虐や嘲りの意思は感じられなかった。
こいつは本気で、今語った十年間を、何もなして来なかった十年間を今は肯定して受け入れてるんだ。
それはきっと、簡単なことじゃない。
十年かけて、十年もかけたからこそ、ようやくこいつは、受け入れられたんだ。

「十年……。そんなにも僕にこのまま苦しみ続けろっていうのかよ。
 アナスタシアの大言壮語が本当なら後三時間もないっていうのに到底間に合わないじゃないか」
「そこだよ、小僧。俺が言いたいことは。ストレイボウの望んだことは」

そこ? そこってどこだよ。

「あいつは、足を止めろと言った。考えてから決めろと言った。したいことを慌ててとりあえずでいいから見つけろとは一言も言ってはいない」

それは、そうだけど……。

「今の俺の話を聞いただろ。お前がこうして悩む三時間は無駄にはならないさ。
 たとえこの三時間でお前がしたいことを見つけられなくとも、この三時間があったからこそ、お前はいつか、したいことを見つけ、したいようにあれるんだ」
「いつ、か」
「そう。いつか、だ。第一考えても見ろ。
 俺をぶん殴ってお前たちに説教したあのストレイボウは、十年どころか数百年も悩んだ末にようやく今、したいことを見つけれたんだぞ?
 それを三時間で成し遂げろだなんて無理難題もいいところだろうが。
 お前にも分かってるんだろ? 分かってるから苦しんでるんだろ?」
 あいつが俺たちに望んだ“したいようにあってほしい”というのは、ジョウイやオディオと戦うために、したいことを決めろということじゃない」

そうだ、あいつが、ストレイボウが、僕たちに望んだのは、“今”だけの話じゃない。
これから先の、ずっと、ずっとの話なんだ。
なら、したいことを考えるというのも、今だけのことじゃなくて。
これからも、何度も何度も考えては決め、考えては決めることで。
決めたはずのしたいことにさえも縛られるなということで。
だったら、あの言葉の意味は、あいつの、真意は――

「俺たちがこれからを、この先を生きていくいつかを目指して。“したいことを探し続けよう”。
 そういうことなんだって俺は受け取ったよ」

したいことを、探し、続け、る……?

「なあ、イスラ。お前はあの亡将との戦いで“生きたいとは、まだ思えない”などと言ってはいたが。
 “生きたいと思いたい”そうは願ってるんだろうさ。でなければそんなにも焦りはしまい。
 俺やストレイボウの言葉にも無関心で無反応でただそこにいるだけの存在だったろうさ」

迂闊にも見せてしまった僕の呆けた表情がそんなにも面白かったのか。
カエルは喜色を含んだ声で僕との話を締めくくった。

「お前は抜け殻じゃない。――ここまでだ。俺がとれる責任は、な」

これで話は終わり。
もう話すことはないとばかりにカエルは僕に背を向ける。
僕は思わず、そいつを払いのけたばかりの腕を、今度はそいつに伸ばしていた。

「おい、どこ行くんだよ。お前はどうするんだよ」
「さて、な。譲れない終わりだけが俺の宝石だと思っていたが、熱さを返そうとした当の友に、もう一度よく考えろと言われてしまったんでな。
 闇の勇者になってやると人様の夢まで継いじまったんだ。
 それこそ酒でも探して飲みながら、今一度ゆっくりと思いを馳せてみるとするさ」

冗談かそうじゃないのか判断しにくい言葉を残して、僕の腕をひらりとかわしたカエルは、そのまま遠ざかっていく。

「じゃあな、適格者。お前が嫌でも、時間が来ればまた会おう」
「おい、待てよ!」

その背中を、僕は今度は、自分の意志で引き止めていた。
こいつが襲撃してきたから僕はヘクトルを助けに行けなくて。
こいつが僕を庇ったから僕は死に損なって。
こいつがマリアベルを殺したからよりにもよってアナスタシアなんかに命を握られて。
こいつに関わると散々な目にあってばかりだけど。
それでも一つ、一つだけ。

こいつにしたいことがあったから。
伝えないといけない言葉があったのだと、今、思い出したから。

「カエル! 僕は確かに終わらせた! 全部じゃない! けど、大切な終わりを得た!
 お前があの時、余計なことをしやがったからだ! それだけだ、それだけだからな!」









振り返りもせずに隻腕を掲げ
ひらひらと手を振って
カエルは僕の前からいなくなった。
でもあいつとは、また会うことになるんだ。
また、か。
終わらせたはずの“いつか”。
振り払ったはずの“いつか”。
そんないつかも、あいつらが言うように
したいことを探し続けたなら。
僕はまた、新しくも懐かしい“いつか”へと
辿り着くことができるのかな?







【C-7とD-7の境界(C-7側) 二日目 日中】

【カエル@クロノ・トリガー
[状態]:瀕死:最大HP90%消失 精神ダメージ:小 覆面 右手欠損 左腕に『覚悟の証』の刺傷
    疲労:中 胸に小穴 勇気:真
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:俺自身のしたいことも考えないとな
1:『その時』にむけて、したいことをしよう
[参戦時期]:クロノ復活直後(グランドリオン未解放)


【イスラ=レヴィノス@サモンナイト3】
[状態]:ダメージ:中、疲労:中 
[スキル]:心眼 勇猛果敢 フォース・プリズナー№666(Lv1~4)
[装備]:なし
[道具]:なし
[思考]
基本:今はまだ、したいことはないけれど。“いつか”を望み、したいことを探し続けよう
1:『その時』にむけて、したいことをしよう
[参戦時期]:16話死亡直後(病魔の呪いから解かれている)



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151:世界最寂の開戦 イスラ 154:No.00「帝国軍諜報部式特別訓練」
カエル 156:罪なる其の手に口づけを


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最終更新:2013年10月05日 11:12