私の15冊の著書も読まないで枝葉末節にこだわるとはあなたは本当に変なひとですね。
牧野昇氏は日本の産業界の単なる広報係であって、常に産業や政府の方針しか主張できない人物だといっているだけです。私は国民の安全を論じているのです。高速増殖炉の30年を近くで見てきたひとりです。牧野氏のような傍観者ではありません。すでにあの質の悪い「高速増殖炉懇談会」ですらその報告書で「高速増殖炉はひとつの可能な選択肢」とし、従来の「どうしても高速増殖炉」からトーンダウン、実質的には路線変更とも解釈できる報告書を認めているのです。牧野氏の主張はやはり四半世紀ずれた老人特有の痴呆症症候群的思考なのです。
それにしてもkillingkindとはぶきみです。あなたはいったい何者ですか。
私は、過去十年間、専門的な視点から、原子力界を正し、国民の安全を守るために努力してまいりましたが、そのような人間に対し、原子力界から本誌「談話室」欄を利用して個人攻撃が発せられたことは、原子力界の異常性を示す証拠です。中野氏は、いま、当時の論文を読めば、赤面するだろう。それは責任問題である。しかしながら軽い議論を平気でするひとたちは責任の欠片も感じないものである。
私がつぎに中野氏の能力に疑問を感じたのは、『諸君!』に1年くらい連載された素人サラリーマン相手の科学記事を見た時である。素人は、おかしな表現や間違いがあっても、気が付かないだろうが、私から見れば、間違いだらけであり、こちらがはずかしくなるくらいである。当然だが中野氏の著書にも多くの誤った記述が見受けられる。
私が素人同然の中野氏の間違いを指摘するのは大人気ないだろうが、世の中に向かって発言したり、論文を執筆したりしているひとは、自身の発言に責任を持たなければならない。国民が迷惑するから軽い宇宙広報など止めたまえ。中野氏にこのことを助言しておこう。
(2003/4/28)
バカの壁
バカは、自己中心的で、自身を中心に社会が回っていると錯覚している。自然に社会に溶け込めないのである。
最近の経験からバカの事例を挙げてみよう。
(1).連絡先として私のメールアドレスを記し、学術セミナーの開催案内を日本原子力学会のメーリングリストに流してもらったところ、日本でも代表的な原子力研究機関の入所したての研究員から、「参加したいのでそちらから連絡してください」というメールが届いた。このバカめ!と思い、自身の送ったメールの内容を周りの人に見てもらい、感想を聞いてみたらいかがですかと、諭してみた。
(2).やはり上記学術セミナーの件で、北大の原子力関係の教官から、「参加したいので旅費を支給して欲しい」というメールが届いた。受講料無料のボランティアのセミナーで、参加者に旅費が支払えるはずがないではないか。このバカめ!と思い、学問をやる前に社会常識を学ぶように諭した。メールの教官自身の名前にDr.と冠してあったのがもの悲しい。この程度なのか、ドクターの発想法というものは。
(3).やはり上記学術セミナーの件で、日本でも代表的な原子力研究機関の研究員から、「開催案内に載っていないソフトでの計算に対応してください」というメールが届いた。セミナーは何々の条件で開催いたしますと断っているのに、なぜそのような読み方ができるのか、不思議に思った。これまで、総計約200人の参加者を得たが、そのような発想でのメールは初めてであった。理解力のないのに驚いた。
バカの壁の厚いものを記したらきりがない。養老氏でなくても1冊書けそうである。(1)(2)(3)の事例から、なぜ原子力関係者の発想が社会で問題になるのか、想像できないことではないだろう。東京電力の不正事件もバカの壁のひとつによりもたらされたものであろう。
(2003/6/16)研究機関としては二流の島津製作所からノーベル賞受賞者が誕生したことは世界の七不思議と言ってもよいだろう。
元バブコック日立の田中三彦氏は、沸騰水型原子炉(BWR)の応力解析を行っていたと言っているが、彼の論文から推定するに、そのことを疑わざるを得ない事実関係が存在する。
『世界』2004年1月号の論文の92頁に、原子炉圧力容器の内面に施された被覆は、「厚さ約2センチ前後のステンレスで覆われている」と記しているが、被覆はさび止めのために設けているのであって、それほど厚くする必要はなく、せいぜい数ミリであると記憶している。
100万キロワット級加圧水型原子炉(PWR)の設計条件を記した『マーシャルレポート』には明確に6ミリと記されている。BWRもPWRのそれと大差なく、せいぜい数ミリにはちがいないが、念のためにバブコック日立と東京電力に確認してみた。
具体的に記そう。初期の福島第一・1号機でも最新鋭の柏崎刈羽6号機でも、3.2ミリであった。田中氏が、ゆがみ矯正(『原発はなぜ危険か』、岩波新書)のための焼きなましに先立ち応力解析を実施したといわれる福島第一・4号機も3.2ミリであった。
技術を知らない素人は、「約2センチ前後」であろうが、「3.2ミリ」であろうが、五十歩百歩と感じるかもしれないが、これは一桁もちが う話であって、本当に応力解析をしていたならば、たとえ昔の話であっても、忘れるようなことではないのである。私は、1976-1984年の8年間に実施 した材料試験炉(JMTR)の炉心核計算の詳細情報をいまでもはっきりと思い出せる。プロとはそういうものである。
BWRの技術はGE社が開発した。原子炉圧力容器を製造するには、基本的な技術だけでなく、高度のノウハウが要求される。応力解析はノウハウのための詳細情報を得るためのものである。
求めようとする応力は、通常運転時のものではなく、過渡時や事故時のものか、特別なゆがみ矯正のように、高温時のクリープ / リザクゼ―ションにともなうものである。よって被覆の厚さは重要な計算条件となる。実際に計算に携わっていた者は、そのような重要な数字を一桁もまちがえるはずはない。
それをまちがえてしまった田中氏の技術力を疑う。よって、こいつもニセ者だ!。
吉岡 斉氏吉岡氏は異常に自己顕示欲が強い。しかも本文の記述でもわかるとおりきわめて独善的である。
佐藤一男氏(笑顔が問題・・・・?)
佐々さんの話によると、行政側は佐藤さんのNHK日曜討論での対応をあまり好意的に受け止めなかったようである。むしろ「あいつをテレビに出す な」という雰囲気だったらしい。と言うのは、佐藤さんの表情、特に笑顔が問題にされたようである。世界でも数少ないレベル4という深刻な事故を起こしてお きながら、安全規制の最高責任者が笑顔で対応しているのは、通夜の席で笑顔で対応するに等しく、世の中の常識からすれば、禁止事項であると言うのだ。
そのことはわからなくもない指摘である。臨界事故後のJCO東海事業所長の対応にも同じように感じた人が多かったに違いない。そちらは もっと桁外れに悪い。NHKスペシャルの映像から判断すれば、本人には悪意がないかも知れないが、第三者にはあのニタニタ顔が状況判断できない非常識な指 導者と映り、不快感を通り越し、怒りすら感じたに違いない。私はそのように感じた。
実は佐藤さんはいつも笑顔で対応していた。つらい時も悲しい時も作り笑顔で対応しているのである。それが時と場所によっては行き過ぎる と誤解を与えてしまうのであろう。ただ佐藤さんにも反省すべきことがある。それは、会議の席で意見が食い違うと、必ず相手を見下すように、高笑いする。そ れも一時的ではなく、永遠と続く。原子力界には、「あいつが笑い出したら手におえない」と言う人が多い。私もそのようなことを何度も経験している。
私は作り笑顔など絶対にしない。いわんや意見の異なる人を軽んじたこともない。もっとも私が討論番組に出たり、ニュース番組に出たりす る時は、必ず世の中に不幸な出来事が起こった時であり、自然と深刻で真剣な顔つきになってしまう。佐藤さんのようにまれに見る秀才でもパーフェクトではな い。いわんや私のような凡人に欠点があったとしても世の中はそのような目で温かく見てくれるだろう。いま確実に言えることは、「佐藤さんの安全論の時代は すでに終わった」ということである。
http://web.archive.org/web/20030426211340/www.smn.co.jp/JPN/security/inside/048.html自称専門家がしゃしゃり出て、まるで「もんじゅ」「再処理施設」「JCO」事故の前夜のように軽い軽い解説をし、大恥をかくこともないだろう。私は大きな不祥事隠しの実態を知っている。だから軽い話ができないのだ。