変化したのは世の中の方、だけでもない 2~高木仁三郎氏への論評
今月のテーマ(2001年1月)市民の意識は変わる、科学も変わる-高木仁三郎氏が目指したもの-
2006年5月18日(木)高木仁三郎・他『MOX総合評価』の感想
において、高木仁三郎氏への評価が、激変といってよいほど変わっている。以下、前者からの引用には(2001)、後者からは(2006)と記す。
ライト・ライブリフッド賞への評価
高木氏は、1997年にもうひとつのノーベル賞と称えられているライト・ライブリフッド賞を受賞したが、業績に見合う評価であった。あらゆる意味で世界に 高木氏ほど高潔な科学者は存在しないであろう。共同認識に基づく共同行動を通し、名もなき多くの市民の力を結集してアカデミック科学の抱えている構造欠陥 をみごとにあぶり出した。(2001)私は、高木氏には失礼だが、ライトライブリフッド賞を評価しておりません。もうひとつのノーベル賞とは、世の中でどのような意味で使っているのか知りませんが、ノーベル賞と対比される性格のものではありません。(2006)
学会の存在理由
共同認識に基づく共同行動を通し、名もなき多くの市民の力を結集してアカデミック科学の抱えている構造欠陥をみごとにあぶり出した。(2001)もし、英文の報告書が米国の原子力学会論文誌Nucl.Technol.に投稿されたならば、そのまま掲載されるか否か、疑問です。私は否定的です。
高木氏の市民科学は、学会の価値判断を完全に否定しておりますが、私は、そうではありません。その点がふたりの相違点です。(2006)