『A、A、Aありがとう』
部室で女性陣を待っていると佐々木がやって来た。
「谷口くんチョコを」
「A、A、Aありがとう。義理だけどうれしい」
「国木田と古泉くんにも」
「ありがとう」
「ありがとうございます」
「それじゃ僕はこれで…」
佐々木はそのまま帰って行った。俺には何もくれずに。
「おい、キョン。お前はどんな本命チョコをもらったんだ?」
「谷口。佐々木からは何も貰ってないぜ」
「あなたにだけあげることはあっても、あなたにだけあげないことはありません。正直に言って下さい」
「去年もおととしもそうだ。あいつはそんな奴なんだ」
「佐々木さんを怒らせたのなら今のうちに謝った方が…」
女性陣がやってくるまでしつこく問い詰める奴等だった。
そして、ハルヒ達からチョコを貰った帰り道。谷口ついてくるなよ
「本当のことを話せよ。もしかして、佐々木自身を貰うとか?」
ただいま。谷口まだついてきているのか。
「お帰りなさい、キョン」
そこにはエプロンをつけた佐々木がいた。
「去年もおととしも勇気が出せなくてごめん。今年も負けそうだったけど勇気をふり絞って。これ、本命」
大きなハート型のチョコが佐々木の手にあった。
「GO、GO、GO、ごゆっくりー」
佐々木のチョコもうまかったが、手料理も格別だった。
別に佐々木を泊めたりしていないぜ。ちゃんと家まで自転車で送ったぞ。キスくらいしたか、だって?そんな事教えるか
(終わり)