45-291「夜空に輝く天の川のそばに」

夜空に輝く天の川のそばに、天の神さまが住んでいます。
 天の神さまには一人の娘がいて、名前を、おり姫といいます。
 おり姫は機(はた)をおって、神さまたちの着物をつくる仕事をしていました。

 さて、おり姫が年頃になったので、天の神さまは娘にお婿(むこ)さんをむかえてやろうと思いました。
 そして、色々探して見つけたのが、天の川の岸で天のウシを飼っている、ひこぼしという若者です。
 このひこぼしは、とてもよく働く、立派な若者です。
 そしており姫も、とてもやさしくて、美しい娘です。
 二人は相手を一目見ただけで、好きになりました。
 二人はすぐに結婚して、楽しい生活を送るようになりました。
 でも、仲が良すぎるのも困りもので、二人は仕事を忘れて、遊んでばかりいるようになったのです。
「おり姫さまが機おりをしないので、みんなの着物が古くてボロボロです。はやく新しい着物をつくるように言ってください」
「ひこぼしがウシの世話をしないので、ウシたちが病気になってしまいました」
 天の神さまに、みんなが文句を言いに来るようになりました。
 天の神さまは、すっかり怒ってしまい、
「二人は天の川の、東と西に別れてくらすがよい!」
と、おり姫とひこぼしを別れ別れにしたのです。
 でも天の神さまは、おり姫があまりにも悲しそうにしているのを見て、こういいました。
「娘や、一年に一度だけ、七月七日の夜にだけ、ひこぼしとあってもよろしい」
 それから、一年に一度会える日だけを楽しみにして、おり姫は毎日、いっしょうけんめい機をおるのです。
 天の川の向こうのひこぼしも、その日を楽しみに、天のウシを飼う仕事にせいを出しました。
 そして待ちに待った七月七日の夜、おり姫は天の川をわたって、ひこぼしのところへ会いに行くのです。
 しかし雨が降ると天の川の水かさが増えるため、おり姫は川を渡ることが出来ません。
 でも大丈夫、そんな時は、どこからともなくカササギと言う鳥が飛んできて、天の川に橋をかけてくれるという事です。

 さあ、あなたも夜空を見上げて、二人の再会を祝福してあげてください。


おしまい

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最終更新:2009年10月24日 00:44
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