67-708『だって、あたしだってそうだったし?』

「う、ん」
 自室の椅子で大きく伸びをし、かちり、ぱたん、と弄んでいた携帯に、意を決して発信ボタンを押す。
 とるるるるるるる……発信音になんとなく心が折れる気がする。
 けれどここで切ったら、それはただのいたずら電話だ。
 そう思った瞬間に繋がった。
 繋がってしまった。

『や、お久しぶり佐々木さん』
「久しぶり、岡本さん。一年ぶりくらいね。ちょっとお話したいんだけれど、時間だいじょうぶ?」
『こんな時間だもの、大丈夫よ大丈夫。それにしても随分久しぶりじゃない』
 電話口に出たのは中学三年時代のクラスメイト、岡本さん。
 正直言って彼女との親交は深かったとは言いがたいが、久しぶりと言いつつその口調は軽快で、いぶかしがる様子はない。
 うん。なんとなく嬉しい。 

『何か用? あ、聞いてるよ? 北高の涼宮さんにケンカ売ったってホント?』
「え? いや別にそんな訳じゃないわよ」
 そんなんじゃないわ。それにそれはもう終わった事。

『じゃあな親友、同窓会で会おうぜ!』
 背中越しに聞いた彼の声。あの春の日がフラッシュバックする。
 そう、それはもう終わった事だ。

『あれ? 違ったの?』
「違う違う」
 けれどやっぱりこう来るか。
 だから電話なんかしたくなかったのだけれど……。

「実は今度、須藤の音頭で中学の同窓会やる事になったのよ。だから女子の間で連絡網回してるの」
『あーその件ね、オッケー大丈夫よ。聞いてる』
 あれ? ああもしかして。
「須藤?」
『そうそう。女子の窓口やってくれないかって』
 須藤め、なんだ話は通してたのか。それならそうと言ってくれればいいのに。

『あら聞いてなかったの? まあしょうがないわよね、須藤の奴、多分佐々木さんと話すチャンスでも狙ってるんでしょ』
「まさか」
 無意識に猫のぬいぐるみを手に取っていたと気付きつつ、言下に否定する。
 くく、岡本さん。きっと須藤が好きなのはキミだよ。その手に疎い僕にだってそのくらい解るさ。

『あたしの事を須藤が? ないない。ていうか佐々木さん、らしくないわね』
 まあ岡目八目、当人には解らないものなのかな……、って何が私らしくないのかしら。
『だってあたし狙いなら一年も間をおいたりしないと思うわよ? けど佐々木さんなら一年、間を置く理由があるじゃない』
「それも理屈かもしれないけれど」
 一年の間をおく理由?

『だってそうでしょ? 北高の涼宮さんがキョン君連れまわしてるって話が噂になってるじゃない。なら佐々木さんは? って話なのよ』
 岡本さんは『そうかあ、須藤がねえ』と付け足しつつ、鼻を鳴らすように笑っている。
『あの噂ね、ウチの男子にとっては『佐々木さんがフリーになった』って話に変換されるのよ』
「う、ふふふ、そりゃ持ち上げすぎよ岡本さん」
 くく、キミならともかく、僕はそんな男好きのする女子じゃなかったろ?
 そうさ、僕は岡本さんみたいな女性らしい女性じゃなかった……それは僕が望んだことだったけれど……。
 膝の上に乗せたぬいぐるみをなんとなくぐりぐりとやってしまう。

 中学時代の岡本さん、新体操部の彼女を思い出す。
 やぼったい制服の上からでも解るくらい彼女の発育は著しかった。
 おまけに目が悪くて、誰にでも顔を近づけてしゃべるくせがあったから、男はみんなメロメロだったんだよなあ……キョンでさえも。

『相変わらずねえ佐々木さんは』
「そりゃそう簡単には変わらないわよ。人の中身なんてのはね」
『うふ、そういう妙に小難しいとこもね』
 お褒め頂き恐縮だよ。

『褒めてないんだけどなあ』
「あら? そうなの?」
『……彼と別れちゃったのも、その小難しいとこが原因でしょ?』
 彼とは誰の事かな、とは敢えて言わない。この年頃の少女のくいつきの良さは折り紙つきだ。そんな韜晦は効かないだろうから。
 元々彼とは付き合ってなんかいないさ。そう、僕とキョンとはただの友達だよ。
 そう言ってやると、電話口の笑い声がいよいよ爆発しそうになった。

『あはははは、そういう意地っ張りなトコが可愛いのよ。佐々木さんは』
「か」
 同じ年齢の少女に言われる言葉じゃないぞ、おかげでぬいぐるみを落としてしまったじゃないか。
 岡本、まったくキミって奴は。

『なんていうのかなあ、そんな風に口じゃクールを装ってるくせに、彼の隣じゃいつも幸せそうに笑っててさ。丸わかりよ?』
「丸わかりって」
 そんなはずはないだろ。だいたいそれなら
『それでも落ちなかったんだから、彼は鈍感っていうか一種の悲観主義者っていうか、……うん、やっぱ変人よね彼も』
「そこは否定しないけれど」
 きっとキョン当人は全力で否定するだろうがね。

『あたしは佐々木さんほど頭良くないからちょっと言葉にしにくいんだけどさ、そういうトコよ。
 なんていうかさあ、普段、周囲に丸わかりな壁を作って踏み込ませないくせにさ、それをなんていうの? 溶け込んだ?』
「溶け込む?」
『そう、あなたの壁に溶け込んだキョン君と一緒にいた時、傍目にもすっごい幸せそうだったのよ。あなた。
 だからきっとウチのクラスの男どもなら誰でも一度は思ったんじゃないのかな。俺もあんな風になれたらいいよな、ってね』
 聞き流しつつ理論武装を固めた僕に、ふと岡本さんが思い出したように言った。
 そう、唐突に。

『あーそうそう、そうよ、これだ。佐々木さんって結構解り易いのよ』
「え?」
 僕の思考が一旦ロールバックする。

『踏み込むなってオーラがね、あからさまなのよ。そのくせ彼の隣だと妙に幸せそうでさ? あんなの見てたら嫌でも覚えてるものよ』
「……そんなものかしらね」
『どうかしらね? でも佐々木さん、自分が目立ってたことくらいは解ってたでしょ?』
「そりゃあね」
『だからよ。目立つから尚更あからさまなの』
 電話口の向う、岡本さんが笑いを堪えている気配がする。
 ああ、彼女はこんな人だったかな? どうも僕の記憶とだんだんズレが生じてきている気がするよ。

 そんなに僕は解りやすかったのかい?
 ああそうとも、確かに単に男子と没交渉であるだけなら「私」でもよかった。
 なのに「僕」なんてキャラ付けをしてたのは、私が注目されたがっていたからなんだろう。……あの小学生の頃に見た、太陽のような少女のようにね。

 なら、ああそうだ、なら「解りやすい」のも当然なのかもしれない。
 私が注目されたがっていたなら、注目されていたなら、その心の動きもまた自然と見透かされるものだろう。
 そうさ。みんな馬鹿でも、物語のモブでもない。
 みんな私と同じ青少年なのだから。

『う、ふふ。そうやってあからさまだから皆聞き耳立てちゃうのよ。ちょっとだけ羨ましくなっちゃうしね』
「そんな風に言われたって困るわ」
『でしょうけどね?』
 けれど、と続けて彼女は言う。
 そうやって目立っていたから、皆が私たちに聞き耳を立てていたこと。
 そうやって聞き耳を立てていたから、皆が知ってて、私が知らなかった事を彼女は当たり前のように言った。

『あたしだって彼みたいになりたいなって思ったことあるもの』
「え?」
 思考硬直。え? 何? これ何宣言? そういえば岡本が行った高校は確か女子高で、ええと。
『あ、いやいや違うのよ?』
 電話切っちゃおうかな。
『だから待ってって。根本的な勘違いを指摘させなさい! あたしが思ったのは、えと、あんな風に誰かに認められたいってことよ!』
「ええと?」
 くるくると手の上でぬいぐるみが廻る。
 僕の目のようにぬいぐるみがくるくると回っている。

『あ。じゃ、やっぱりこれも自覚ないんだ』
「何がかしら?」
 くすくす笑いが返ってくる。
『あなた、いつだって彼の事を褒めてあげてたでしょ?』
「そんなつもりはないけれど」
 そんなつもりなんかない。僕はいつだってキョンの事を客観的に評価してきたつもりだし
 いつだって、彼に対してただ率直に思うところを述べただけだ。

 何より、彼は彼自身を冷笑しているような節さえあったから。
 だから、私は率直に言ってやっただけだ。
 あなたは決して無力じゃないって。

『あはは、やっぱり自覚ないのね。けどテスト前とか模試の前、受験前、いっつもそうだったよ?』
「私は」
 そんなつもりはない。
 仮に傍目にそう見えたとしたら、それは彼を低く見積もりすぎだって事だ。
 キョン自身にもその傾向があるけれど、彼は自分が考えているよりもずっと能力がある。僕はそう信じている。

『岡目八目』
「む」
 ぼそりと電話口から聞こえたと思ったら、また笑い声に変わった。
『きっと誰よりも彼自身がそう思ってたと思うわよ? よっぽどの自信家じゃなけりゃ自分自身は過小評価するものだもん』
「岡本さん、過小評価と過大評価の境目ってどこにあるのかしら?」
『どこかしら? けど佐々木さんはただ思ったことを口にしてただけのつもりなんでしょ? それくらい傍で聞いてたって解るわよ。
 だから彼も聞き入れたんじゃない? 普通は誰かに褒められるなんて照れくさいけどね……』

『なんて言うのかな、あたしだって新体操の時は悩むもの。これでいいのかってさ。
 けど縮こまったら出来る事も出来なくなるでしょ? だから誰かが自分を信じてくれるって、とても力強いことだって解るよ。ああ、こういうのなんて言うのかな』
 言葉を費やして、費やして、彼女が何かを探してくれているのがわかる。
 解るから、私はしばらく沈思黙考して言葉を待っていた。すると、やおら、ぽん、とひざを叩く音が聞こえる。

『自分を信じられない時、あなたは大丈夫だって言ってくれる人がいるのって、とても嬉しいものよ。……それはとても羨ましいとあたしは思う』

 ……それは否定はしないよ。
 否定は、しない。
『そっか』
 頷く気配からしばらく、また笑いが零れ始めた。
 いかにも、とても、楽しそうに。


『ああそう、そっか、やっぱりアレって素だったんだ。あはははははははははは』
 思わず頬を膨らませていたと自覚するまでたっぷり一分。
 その間も彼女はずっと笑っていた。

『あ、はは。キャラ作ってる割にね、ひねくれてんだぞって主張とか色々あからさまなのよ。普通はもっとひそやかにやるものでしょ』
「ひそやかにと言われてもね」
『だって、あたしだってそうだったし?』
 言いかけた僕に、再び岡本さんが爆弾を落とす。
 え? なんだって?

『あら? 気付かなかった? あなたみたいに『近付くな』ってオーラ出す子もいれば、逆に、誰にでも均等に近付いて壁を作る娘もいるってこと』
 電話の向うでくすくすと彼女は笑っている。いたずらが成功した子供がよくやるような笑い方だった。
『当たり前でしょ? 誰だって異性が気になるお年頃なのよ』
「なるほど。それはそうかもね」
 とりあえずの返事をした僕に、岡本さんは今度は説教でもするように言う。
 ああ、確かに僕は観察眼が足りなかったのかもしれない。
『自分だけが特別だ、なんて思っちゃダメよ?』
「ごもっとも」
 と、言う他無い。

 そうとも。岡本さんは一見、男子に対してもとても近い距離感を持っていた。
 けれど、むしろそんな彼女だからこそ男子は余計に遠巻きに見ていた。その為の行動だったのだ。
 キョンだってそうだ。岡本さんがそうやって誰にでも近付くからこそ、彼は余計に『勘違いしちゃいけない』と自分を戒めていた。
 彼女は他の女子と違い、どの男子とも距離感が近かったから……だから男子も遠巻きに見ていたのだ。
 あの態度だって、僕の態度と相通じていたのだ。

 ああそうとも。
 僕だの理性だのと気取って『異性を寄せ付けない自分』を確立できていたつもりでも、周囲に女としか見られていなかったように。
 中学時代ですらそうだ。だって『女』と見られていたからこそ『キョンと付き合っている』と噂されたんじゃないか?
 僕はいつでも『女と見るな』とやってきて、けれど女と見られていた。

 なのに自分じゃ『うまくやっている』と思っていたから…………実際キョンはそう受け取ってくれたのだし……… 
 だから、たった一ヶ月ほど前、高校で実際に告白されてしまった時も動転してしまった。
 僕は結局、いつも『女』としか見られていなかった事に気付いていなかった。
 結局のところ、僕は観察者「気取り」だったのかもしれない。

 観察者を気取っているつもりで、けど本当は自分の事ばかり見てた。僕は驚くほど周りを見ていなかった。
 だからいつも驚いてきたし、冷静な振りしてきたんだ。

 ただ『恋愛対象と見るな』ってアピールするだけならいくらでも冴えた手はあるんだ。岡本さんもそうだったようにね。
 異性との距離感に悩むなんて、誰だって同じ悩みを持っているのだ。
 僕だけが決して特別なんかじゃないんだよ。
 ……そうだろキョン?

『う、ふふ』
「なにかしら岡本さん」
『今、彼の事思い出してたでしょ?』
「彼って?」
『さあ、誰かしら?』
 意図してツンドラの声を出してみたが、あちらの笑いはどう聞いてもラテン気質である。
『そういうところが皆可愛いなって思ってたし、彼の隣の時のあなたはいつもそうだったのよ。難解気取りしてたくせにさ』
 初耳だよ。というかそういう事ならあんまり聞きたくないな。
 一体どういう風に思われていたのだろう。

 ……けれど僕は、今まで「どういう風に思われているのか」は割と考えてきた方だと思う。
 社会と向き合うための仮面、ペルソナ、その為に必要な事だったから。
 でもそれは、どのくらい周りに筒抜けだったのだろう……。
『つまるところはね』

『つまるところ、誰かと一緒に居るからってだけであんな風に笑えたら素敵だってあたしは思うけどね。彼を取り返すなら力貸すから? 何時でも言いなさい』
 はいはいと聞き流すと、今度は「くーっ!」と気合いを入れる声。
 ああもう岡本さん、一体どうしたの。
『いいわ、ああもうこんな楽しみな同窓会とか初めて! じゃ、連絡網回しとくからね!』
「はいはい、お願いしますよ」
 我ながら雑な対応をしてしまう。
 あれ? 彼女とはこんな距離感だったろうか。
 たった数分の会話のはずが、すっかり彼女との関係が変わってしまった気がする。
 ああそうとも、そんな簡単に変わるものなのだ。
 変える事が出来るものなんだ。
 で、あるなら……

『しかし案外解んないもんなんでしょうね。特別扱いしてる側も、されてる側もさ』
 ……いや、だからね。岡本。僕はキョンを特別扱いしてたつもりは
『あ、ササッキー』
「え?」
『佐々木さんだからササッキー。いいでしょ?』
「いやそれは」
 なにそれ。あだ名? あだ名なの岡本さん?
 そんな呼ばれ方なんて

『そうよ。あたしがあなたを特別扱いしてるって意思表示。うふ、あたしはちゃんと自覚してんだから』
「あ、あ、そう」
 ありがとうというべきなのか。
 言うべきなのよ、ね。

『じゃササッキー。頑張ってね?』
 何を? と聞き返す前に電話は切れた。なんとも鮮やかな去り際だ。
 やるじゃないか岡本さん、今後はキミも僕の脳内リストに警戒対象として刻んでおく事にしよう。
 ……ついでに友達リストのランクも上げておくことにもしておこう。

 一旦、かちりと閉じた携帯を、なんとなく開きなおす。
 携帯も、アドレス帳の「岡本」という名前も、通話前のそれと同じもののはずなのに、今度はまったく別のものに見えた。
 温かい何かを感じて、僕は再び携帯を閉じる。

『こんな楽しみな同窓会なんて初めて!』
「……うん、楽しみだよ」
 リフレインする岡本さんの声に、そっと返事を返した。
 それから、そっと。

「ねえ、キョン?」
 続きは胸の中でだけ告げる。
 今は彼にけっして届かないと知っている言葉を。……いつか必ず、彼に届けたい言葉を。
)終わり

「……でも岡本さん、なんでそんな風に言ってくれるの?」
 それからしばらくのこと。そう尋ねた私に驚いたように、彼女はくすくすと笑って言った。

「そういうところがササッキーの損なところね」
「そうかな」
「そうよ」
 大爆笑を堪えるのに精一杯だ! とでも言いたげに目を細めて笑っている。
 ううん、私、そんなに変なこと聞いたかな。

「理由なんて考えることないわよ。結局、なんだって主観でしかないんだから」
「でもね岡本さん、考えるべきところは考えなきゃ」
「そう? ならあたしは『考えるべきところ』だと思わない。って答えて上げましょう」
「えええ?」
 こんなに能天気だったかしら。
 そう小首を傾げると、再び楽しそうに笑い出した。

「そうやって考えてばっかだから雁字搦めになるのよ。けど」
「けど?」
「そういうとこがササッキーのいいとこなのよね」
 ん。褒められている気はしない……ってどこかで聞いたような感想だな。
「別にけなしてはないけどね」
「そうかしら」

「だってそうでしょ? ササッキーはそうやっていつでも一生懸命だから、だから応援したくなっちゃうのよ」
 そう言った彼女は、何人もの男子をとりこにしたあの頃と同じ、いやもっと輝く笑顔で笑っていた。
「誰だって、一生懸命な人くらい判るわよ。だから」
 顎に手をやり、ちょっと考え込む。
 それから、言った。

「だから笑ってて欲しいと思うのよ。がんばった人が報われて欲しい、だなんて当たり前の事じゃない?」
 顎に当てていた指をピストルのように向けて笑う。
 至極当然だ。そう言いたげな笑顔で。

 その笑顔を見て、誰かが味方でいてくれるというのはとても幸せなことだと改めて思う。
 ……ねえ、キョン。じゃあキミはどんな風に「僕」の事を感じてくれたかな。
 少しは希望を込めてもいいのかな。

 二人で唇に手をあて、くすくすと笑う。
 きっと今、キミの周りにもこんな時間が流れているんだろう。……なら、いつか。いつか、同じ時間に溶け込めるだろうか。
 そっと呟いてみると、それを見つけた岡本さんに指を差して笑われてしまった。
 ああまったく、やれやれだね。キョン。
)終わり

「ところでササッキー」
「何かしら」
「……あなたからはあだ名とか貰えない、のかな?」
「…………………ごめん。あんまり慣れてなくて」
「いやいや」
 こんな風に自分を晒すのにはまだ慣れない。そう思わず俯きかける私の背中を軽く叩いて彼女は笑う。
 笑ってくれる。……その気持ちに報いたいと思う。

「ふふ、ならシンキングタイム、って事にしときましょう」
「……ありがと」
)終わり

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2012年08月22日 00:12
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。