12-22「1乙」

「こんばんは、>>1乙。また、新しいスレッドになったね。12スレッドか。さて、12というと
12進法でいえば、ひとつ繰り上がったわけだね。12進法は日本では暦法と時刻、そし
て一部のものの数を表わすことにしか使用されないが、誰もがよく知る記数法だね。
もっとも十進法に慣れた頭では、10で12を表わすとか言われると困るというものだが。
とはいうものの、世の東西を問わず時刻が12等分なのは面白いところだね。ちなみに、
これは暦法の影響らしい。古代メソポタミア文明の頃から一年は12等分のようだし、そ
れが一日に凝縮された、ということなのかな? まぁ、僕に分かるのは、人間は時刻を
計るのが好きなのだということぐらいだ。さて、僕と親愛なる友人が道を違えて以来、
一年と少し、季節は一巡りし、僕は少し、大人になった。社会的にも、肉体的にも、精
神的……これはちょっと疑問詞がつくかな? 精神的な成長は自身では量りがたいか
らね。しかし、ね。この一年は我ながら少し長かったように感じるよ。これも、彼に会えな
かった所為なのかもしれないね。ちなみに年を取るごとに一年は短く感じるようになるそ
うだ。これは記憶の中における一年の重みの違いだとか、覚えることが年々少なくなっ
ていくから、ともいうね。今年の一年も実のところ半年はすでに経過している。僕にとっ
てのこの一年は……いや、止めておこう。キミの残りの半年が充実したものであること
を祈りつつ、今日もまた時の流れに身を任せるとしようか」

そういって、佐々木は壁に掛けられた時計を見やった。

 今日の佐々木さんはちょっとメランコリックです。

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最終更新:2007年07月20日 19:48
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