マルガム

【名前】 マルガム
【読み方】 まるがむ
【登場作品】 仮面ライダーガッチャード
【分類】 敵怪人
【名前の由来】 アマルガム

【詳細】

仮面ライダーガッチャードに登場する敵怪人。

錬金術が生み出した人工生命体であるケミーが人間の悪意に反応し無数のバンドで結束され誕生する。

ケミーが悪意に囚われている様子を示しているのか、ケミーのモチーフとなった器物や生物をミイラに無理やり縛り付け一体化したアンバランスな姿が特徴的。
その名前はミナトが語ったもので、ケミーがマルガムとならないよう長年錬金術師達はケミーをカードに封印してきた。

ライドケミーカードに封印された状態では人間の感情とも結びつかないため安全と言えるが、ケミーが勝手に外に出られる状態でもないため一ノ瀬宝太郎はその扱いに対して疑問を抱いている。

カードから解き放たれたケミーは人間の悪意に引き寄せられ、あるいは引っ張られその大元となる人間と融合し怪人化する。
ケミー側の意思は抑え込まれた状態であり、完全に宿主の意識がはっきりした状態で行動するため、怪人化をある程度操作することも可能(状況に応じて変身を解除、後に再変身する等)。

その能力はほぼケミー側が有するものに由来し、それ以上のことは出来ないが、マルガム化した人間の悪意の性質によってケミーの能力が強化される場合があり、格闘能力に優れるクロトーマンティスマルガムへ変身した際には彼女の力によって切断攻撃を飛ばせるようになるなどの例がある。

ケミーが影響を受けるのは人間の悪意。
そのためケミーそのものに悪意は無いが、マルガム化する危険があり、カードから解放されたケミーが危険視されるのはそれだけ悪意に満ちた(=怪人化する素養の有る)人間が多いことでもある。
行き過ぎた思いが悪意に変質、その片鱗を見せる場合もあり、息子を思うがあまりそれが悪意になってしまったドラゴンフライマルガム等が登場している。

劇中ではクロトーが発見したカマンティスを自ら取り込んでマルガム化しており、仕組みを知っていれば意図的にケミーを取り込みマルガムになれるようだ。
いわば一般登場怪人でありながら、敵幹部の怪人態の名称でも有るという稀有な存在となっている。

混ざりもの故、何が混ざってもその名称は変わらない、ということだろうか。

第17話からはグリオンが禁じられた錬金術を用いて錬成した悪意人形と呼ばれる疑似生命体を核とする形でより強い悪意でケミーと結びついた強化型のマルガムが登場するようになる。
素体の色が銀色から鈍い金色に変化し、素体となるのが強い悪意を持つ悪意人形であるためか、通常のガッチャードのフィーバー技を使いケミーを分離させることが出来ない。
錬金術で作られたケミーと、同じく禁じられた錬金術で作られた人形が結びついているため、普通の人間よりも相性が良い可能性もある。

しかしガッチャーイグナイターを使いファイヤーガッチャードへ強化変身し、バーニングフィーバー技を使うことで分離が可能となった。

またレプリケミーと悪意人形が結合することでレプリマルガムと呼ばれる特殊怪人も確認されている。

冥黒王と呼ばれる存在はケミーそのものをマルガムへと変化させたマルガム(冥黒)と呼ばれる特殊な怪人を作り出す。
ケミーそのものを怪人化させているためか、ガッチャードクロスユーフォーエックスの能力をもってしてもマルガムからケミーを分離できない。
さらに必殺技等の許容以上のダメージを受けることで活動停止した場合、ケミーの機能は停止してしまい再錬成も不可能という、実質的なケミーの死がもたらされてしまう。
これまでのガッチャードでは対処できない存在だったが、ニジゴンの力を使うことで機能停止したケミーも復活させることが可能となり、冥黒化したマルガムも安全に撃破できるようになった。

終盤ではさらにかつてマルガム化した人間達の身体に残ったケミーの因子に冥黒の力を加え暴走させることで誕生させたマルガム(ケミー因子)も登場した。

【余談】

名前の由来は「アマルガム」。
水銀と他の金属の合金であり、一部の金属と混合して合金となる水銀の性質を利用しかつてはメッキや歯医者の治療等に用いられたが、
人体に水銀が与える悪影響の観点から近年はあまりそういった要素では用いられなくなった。

また混合物や合成物、寄せ集めを意味し、18世紀後半のフランスにおいては志願兵と熟練兵の混合部隊のことを「アマルガム制度」と呼ぶ。

素体が銀色なのは水銀で他の要素を混ぜ込んだデザインであるためアマルガムを由来とするマルガムという怪人の名前になったのだろう。
また強化体になると金色に変化するのは、錬金術における価値観が反映されているためと思われる。

デザインとしては銀色の包帯を巻き付けたミイラを思わせる素体に、結合したケミーの要素を持つ固有パーツを縛り付けたようなもので統一されている。
構造的にも主に上半身を取り替える形で同じ素体を使い回すことを前提にデザインされた模様。

雑誌等では「結束バンド」という表現が用いられており、素体等のモチーフはミイラ(包帯)では無い可能性もある。

最終更新:2024年07月22日 13:17