「さぁ実験を始めよう。黄金のケミストリーを…!」
【詳細】
かつては
錬金連合、
錬金アカデミーに所属し、赤い宝石を埋め込んだ金色のアルケミストリングを指にはめていることから高い技量を持つ錬金術師であることがうかがえる。
ヒゲを生やし右目を覆うモノクルが特徴。また金色に染まったルービックキューブを常に持ち歩き、錬金術の発動はそれを通して行うかのような描写もある。
一見するとスーツを着こなした壮年の男性に見える。
しかしその本性は「錬金術原理主義者」とも言うべき、”黄金”に対して異常な執着を示す狂人。
禁断の錬金術を使うことに一切躊躇せず、
悪意人形【ホムンクルス】と呼ばれる小さな人形と
ケミーを結合させ、鈍い金色に輝く身体を持つ強力な
マルガムを作り出す。
錬金術を行使する際には「金色に染まれ」とつぶやく。
また人を含めたあらゆる命に意味を感じず、「実験」と称してトラウマを抉り心を踏みにじることに対して愉悦を覚える危険人物。
アトロポスが作り出した
仮面ライダードレッドのシステムは、
ケミーを複製した
レプリケミー達の命を変身や能力発動のために使い潰す非人道的な仕様だが、グリオンが関わっていたからこそによるものだろうか。
冥黒の三姉妹らはグリオンが作り出した錬金人形と呼ばれる存在のようだが、現時点でも謎が多いまま。
いわゆる「
ホムンクルス」と言われる存在は錬金術と深く関わっている。
彼女たちもまたそういった存在である可能性は高く、
悪意人形と呼ばれる存在は彼女たちの「兄(一部は姉)」であるとされていることから、グリオンが作り出した命であることはほぼ確定と見ていいだろう。
上述の「禁断」と称される錬金術を苦も無く使い、
レベルナンバー10の
ケミーをたやすく
マルガムとするなどその力量はアルケミストリングが示すように非常に高い。
また
アトロポスのように人間の意識を操り、記憶の改竄も行うことが可能であり、
錬金連合の上層部達はグリオンの記憶操作によって彼が行った数々の凶行は全て九堂風雅が行ったことであると認識してしまい、風雅は10年もの間ガッチャードライバーと
ライドケミーカードを持ち逃げした裏切り者として追われていた。
10年前
暗黒の扉を開けるために錬金アカデミーで多数の犠牲者を出したものの、その際に扉を開くことは叶わなかった模様。
その犠牲者の中には「黒鋼レンチ」、「黒鋼スズ」、黒鋼スパナの両親も含まれていた他、ミナトの後輩だった錫屋大輝を始めとした錬金アカデミーの生徒達もいた。
そして彼が常に手の内で玩んでいる金色のルービックキューブはミナトが10年前にグリオンを止めるために繰り出した拘束具を再錬成したもの。
ミナトにしてみれば後輩を含めた多くの同胞の命を奪い、その後悔の記憶を見せびらかせるように持ち運んでいる怨敵と言える。
錬金連合の上層部は
仮面ライダードレッド誕生の際に
ケミー回収を優先させている上、自分の所業をあまり隠そうともしていないグリオンを受け入れていた。
上層部からは"英雄"とまで呼ばれている。
冥黒の三姉妹に対しては
アトロポスを優先しつつも、三人まとめて優秀な手駒として見ている。
複雑な感情を抱えているらしい
アトロポス、グリオンの底知れない力に対し畏怖している
クロトー、いつ脚切りされるかわからないため露骨に恐怖感を抱いている
ラケシスと三姉妹それぞれグリオンに対するスタンスは異なる。
特に
ラケシスはグリオンがいずれ自分たちを用済みとみなして処分してくるのではないかと考え、姉達に対して力を合わせて裏切ろうと持ちかけるほどに恐れている。
しかしそういった考えは
アトロポスの気に障る発言だったことと、クロトーにも受け入れられなかった(クロトー自身はグリオンに勝てないことから反抗を諦めているフシがあり、
アトロポスほど受け入れているわけではない)。
内心グリオンに対して反意を持っていたミナトと共に反旗を翻そうともしていた
ラケシスだったが、当のグリオンは
アトロポス以外の三姉妹にはほとんど興味を示さず、様々な実験や強力な
マルガムを作り出すことに執心していた。
10年前における上述の錬金アカデミーでの凶行の際にスパナの両親を手にかけているが、本来武装錬金術のエキスパートである彼らは、グリオンよりも戦闘力という点で見れば上回っているはずだったという。
しかし両親が死ぬところを目の当たりにしてしまった幼き頃のスパナは身体から黒炎が迸るという現象が発生。
その時点では特に興味を示さなかったグリオンだったが、
エンジェリードと
悪意人形を禁断の錬金術を使って
エンジェルマルガムを誕生させた際にふとそのことを思い出し、「生と死を司る天使」と嘯く
エンジェルマルガムの能力でスパナの両親を蘇生させる。
そして当時の記憶を枝見鏡花によって封じられていたスパナは、今までどこかに行っていた両親との再会を純粋に喜んでいたものの、その幸せを目の前でぶち壊すことでかつてスパナが見せた黒い炎を利用した強力な
マルガムにしてしまおうと目論む。
蘇ったスパナの両親を直接手にかけ、封じられていた記憶をも蘇らせてしまったスパナは身体から黒炎を吹き出させ、強い復讐心のあまり心配して近寄ってきた
マッドウィールを取り込む形で
ウィールマルガムに成り果ててしまう。
しかしミナトとの戦いを経て両親の最後の言葉を思い出したスパナは自らの悪意を払拭。
そして鏡花が開発したヴァルバラドライバーによって仮面ライダーヴァルバラドへの変身を果たすことで、グリオンの目的は崩れることになった。
数々の目論見が宝太郎達錬金アカデミーの錬金術師達に阻まれてきたグリオンだったが、その調子はいつまでも崩れることなくブレることも無く過ごしていた。
そして第23話から宝太郎らが持つ
ライドケミーカード全てを奪い取ろうと動き出し、
ワープテラと悪意人形を錬成することで
プテラノドンマルガムを作り出し、ミナトが変身する
仮面ライダードレッドとの連携によって残るカードを全て手に入れることに成功。
これによって
暗黒の扉を開く準備がほぼ整ったことで残るレベルナンバー10のガイアードを手に入れるため、それを引き合う性質を有する
ドラゴナロスを使って
ドラゴンマルガムを作り出す。
ドラゴンマルガムは姿を見せた九堂風雅が変身する
仮面ライダーウインドに倒されてしまったものの、彼を背後から不意打ちすることでガイアードもろとも彼が持っていたクロアナ、ギガバハムも入手に成功。
これによって
ケミー100体全てを手中に収めたグリオンは
ウロボロス界へと移動すると、
暗黒の扉を開くための最後のピースであるガッチャードライバーを奪うため、グリオンを追ってきた宝太郎達を迎え撃つ。
そして宝太郎からガッチャードライバーを奪い取ると、「愚かな人間共を含めた生きとし生けるもの全てを黄金に変え、永遠に止まった時間の中で黄金に光り輝く美しき世界を眺め、暮らす」という野望を口にする。
暗黒の扉を開けようとしていたのは、それを成し遂げるための力を手に入れるためであり、彼の病的なまでの黄金好きは「無価値なものを価値あるもの(金)に作り変える」という錬金術の根幹に関わるものだった。
全てが黄金に作り変わった世界。
その野望を聞いた宝太郎は、それを「ちっぽけ」だと言い捨てる。
グリオンの手の内にある
ケミー達に対して声を届けようとする宝太郎をあざ笑うも、ただ一つの「黄金」を求めるグリオンに対し
ケミー達に眠る無限の可能性を信じる彼の言葉に心を動かされた
ホッパー1はレベルナンバー10の
ケミー達が力を貸すことでクロスホッパーへとパワーアップを果たす。
見下していた「ただの人工生命体ごとき」が自分の支配を脱し、さらにはガッチャードライバーまでもを奪い返されミナトが告げる「人と
ケミーの可能性=宝太郎の言う”ガッチャ”」を否定するためにドレッド参式に変身し、宝太郎に襲いかかる。
だがガッチャードライバーと
ケミー達がグリオンの支配を脱したことで扉の維持が不可能となり、せっかく呼び出した扉は開くことなく目前だったはずの野望が潰えたことに激怒したグリオンは雄叫びを上げて宝太郎に向かっていくもアイアンガッチャードに変身した彼に苦戦。
さらに
ケミーの力を組み合わせ無限の戦いを繰り広げる仮面ライダープラチナガッチャードへと宝太郎が至ると、手も足も出ずプラチナシュートを受け敗北。
変身を解除してしまうが、それでもなお扉の向こう、”エルドラド”と呼ぶ理想郷へと手を伸ばすグリオンだったが、突如扉から伸びる謎の腕に掴み取られるとその奥へと連れ去られてしまった。
自分の理想こそが絶対であると思い込んだ懐古主義者は、開けようとした扉の向こうに消えた。
ある意味でその願いが叶ったとも言える状況だが、グリオンが居なくなった後遺された黄金のキューブを拾った
アトロポスは「まだ終わっていない」と言い…
その後
暗黒の扉の向こう側から
冥黒王と呼ばれる存在が次々と襲来。
第40話にてその一人である
冥黒王 ジェルマンから、グリオンはジェルマンが作り出した
ホムンクルスであったことが判明した。
そして第27話にてグリオンを
暗黒の扉の向こう側に連れ去った腕はジェルマンのものであることも明らかになった。
グリオンはジェルマンに取り込まれてしまっていたが、
冥黒王 ガエリヤに唆されたジェルマンは
仮面ライダー達との戦いに敗北。
それに近寄った
アトロポスは金色のキューブをジェルマンに埋め込むと、その身体を材料として支配権を奪い返し復活を果たした。
残る
冥黒王の
ギギスト、ガエリヤ達の賢者の石争奪戦には興味を示さず、彼らに対して「力を追い求め、人外に成り下がった」者たちであるとこき下ろしている。
そしていずれギギスト達も自分の人形にしてやると言い放っている。
ジェルマンを取り込んだことで錬金術もパワーアップし、
ゴーレム(ガッチャード)を錬成することも可能になった。
その後かつて
錬金連合に在籍していた時期のあたりで
ケミーについて研究していた金剛真美と交流していたことが判明。
エルドラドに執着するグリオンについていけなくなった真美は彼の元から去り独自に金剛ラボラトリーを立ち上げていた。
第43話でラボラトリーを守っていた結界を突破すると、そこで鶴原錆丸の持つアイザックを奪い取り
ドレッドライバーへと錬成してしまうと、AI制御で自動戦闘する
ドレットルーパーを作り出す。
グリオンの意思を複製しAI制御することで装着者が居らずとも行動が可能となり、錆丸が
ドレットルーパーを撃破するもののその頃には既にその場から立ち去ったあとだった。
【余談】
グリオンは第27話で退場したもののクランクアップが発表されていないことから今後とも何らかの形でストーリーに関わってくることが示唆されている。
東映公式サイトによればグリオンのコンセプトは「錬金術原理主義者」。
「錬金黄金至上主義」とも言える考えはそのコンセプトに基づいて構築されたキャラクター像であり、当初からガッチャードにおける錬金術師がらしくないと視聴者から言われていた事に対し「一般イメージの錬金術を感じさせるキャラ」として作られたものであるとか。
16話頃そういったイメージが出来上がり、それと「同時に話を動かす強大な敵」をガッチャンコさせた結果誕生したのがグリオンであった。
「黄金大好き激重オジサマ」「同情するなら金(きん)をくれ!」等とも言われている。
最終更新:2024年09月20日 21:33