武器庫
『ドキュメント・コミュニケーションの全体観』
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■概要■
下手なドキュメントは、作る側にも、付き合わされる側にも、膨大な無駄をもたらす。
マッキンゼーでは、上司に100ページの報告書を見せても、10分程度で高精度なチェックをしてもらえるらしい。
それは、以下に書いたような、効果的なドキュメントの作成方法が整備され、社内で共有されているからなのだそうだ。
マッキンゼーでは、上司に100ページの報告書を見せても、10分程度で高精度なチェックをしてもらえるらしい。
それは、以下に書いたような、効果的なドキュメントの作成方法が整備され、社内で共有されているからなのだそうだ。
■原則■
- 「解・動・早」
(解っていただく・動いていただく・できるだけ早く …この3つを目指して作る) - 「問題解決コミュニケーション」
(問題解決として伝える。例えば 背景→課題→対策 という構成にするなど。あらゆる仕事が問題解決である) - 「スタンドアローン」
(口頭説明が無くても十分に理解可能なように制作する。作者不在でも機能するのがドキュメントの本来の意義)
■手順■
- ストーリーづくり
- 構成検討
- 図表ページ造り込み
- 全体調整
ただしウォーターフォールではなく、行ったり来たりして進める。
なお、ここでは以下の用語を使っている。
なお、ここでは以下の用語を使っている。
- ストーリー: 「結論とそれに至った話の筋道」、あるいは「結論とその理由づけ」
- メッセージ: いくつか集まってストーリーを構成する個々の文章
◆ストーリー◆
最初にストーリーを考える。
次の4つのメッセージで構成する。
次の4つのメッセージで構成する。
- 【空】(直面した状況) 例:雲行きがあやしい。
- 【雨】(状況の解釈) 例:この雲行きだと、もうすぐ雨が降りそうだ。
- 【傘】(解釈に基づいて取る行動) 例:雨に備えるため、傘を用意しよう。
- 【HTD】(How To Do) 例:今すぐ近くのコンビニで購入、費用は500円。
ストーリーを作るときには、上のいずれかが欠けていないかをチェックすると良い。
◆構成検討◆
ストーリーができたら、構成を考える。
ページは次の2種類。
- テキストページ: 文章のみ。ストーリー・メッセージを示す。主役。
- 図表ページ: テキストページに書かれた個々のメッセージをサポートする。脇役。
もっとも基本的なページ組のパターンは以下。
- テキストページ(1ページ目):
- タイトル
- サマリー・メッセージ(ストーリーを1行で表す)
- メッセージ(空・雨・傘・HTD のそれぞれについて1文)
- 図表ページ(2~5ページ目。空・雨・傘・HTD のそれぞれについて1ページ作成):
- タイトル
- メッセージ
- 図表
タイトルの付け方には以下がある。
- メッセージ要約型
- ニュートラル型(「当社のシェアの推移」みたいなの)
- 色付け型(「当社のシェアの低下」みたいなの)
- ガイド型(「背景」とか「方針」とか「何が問題なのか?」とか)
サブメッセージが必要なら、階層化する。
主メッセージを補強するサブメッセージが必要なら、空・雨・傘・HTD のそれぞれについてテキストページを作り、サブメッセージごとに図表ページを作る。
また、あるメッセージについてのサブメッセージの種類には以下がある。
また、あるメッセージについてのサブメッセージの種類には以下がある。
- 理由付け(根拠を示すことで説得力が増す)
- 要素分け(詳細を示すことで説得力が増す)
■スライドマスター■
ページ上部から順に、
- タイトル(14~18pt)
- メッセージ(1行。10~14pt)
- ストーリーor図表
のように配置し、全ページで一貫性を保つ。
(注:あくまでドキュメントとして作る場合。プレゼン専用のスライドはまた別と思われる)
(注:あくまでドキュメントとして作る場合。プレゼン専用のスライドはまた別と思われる)