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リンドウ編 > 1


「君がヨシユキ?風魔嘉幸?」
喧噪の多い街路を歩いていると、ペラペラとレポート用紙を捲りながら瓶底眼鏡の女が話しかけてきた。
俺は無視。
何で名前まで知っているのかと疑問にも思ったが、そういう能力もあるのだろうと自分で納得した。
こういう怪しい客引きのやわらは大抵持ち場を離れれば商売っ気を無くす。
だと思ったのに。
「ちょっと待ってくださいよ~」
いくら歩いても黒くて長い髪をなびかせて、隣にひっついてくる。
「お前な……ふっとばすぞ?」
脅しを掛ける。
誰がどんな能力を持っていると分からない以上、誰でも加害者となりえる。
だからこれは適切な脅しのはずだった。
「バッフも持っていないのにどうやって?」
心底疑問そうにこちらを見てくる。顎に手を当て、器用に顔を45度傾けて。
“鑑定士”か……それにしては護衛の姿が無い。
「何者だ」
リンドウ
瓶底眼鏡を外したリンドウの横顔は心底綺麗で、その眼には一切の光が無かった。
「私は能力者から能力の成分のみを回収することに成功した」
チクリと、痛み。
服の袖を通して、注射針が刺さっていた。
「!?」
「私の昼の能力はありとあらゆる薬を作る能力」
腕をとっさに引きぬくが、薬とやらは注射された後だった。
視界が歪む、というかアスファルトが透けて見える!?
「やっぱり“透視”の能力は徐々に発現させないとキツそうだね」
「てめぇ……」
視界が歪んで、意識が混濁する。俺の体はいつの間にか地面に倒れていた。
リンドウの声が降ってくる。
「あなたが将来発現する能力は、我々の組織には必要不可欠。それまでに体を大事にね」
眼を開けていられないが、眼を閉じても瞼が透けて見えて、焦点が合わない。
そして俺の意識は消失した。

続くかも

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最終更新:2010年06月15日 21:21
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