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「狛犬はうりん劇場 王様降臨!」(2008/06/01 (日) 18:47:39) の最新版変更点
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王様降臨!
街並みの上から見下ろせば相手の兎型がミニガンをこちらに向けている。
ふふ、君の銃の腕はそこそこやけど、ウチを相手にするにはまだまだかな?弾が散らばらないせいで回避は結構簡単だ。
「うそっ!」
「残念」
アイオロスを畳んでの急降下の速度に砲火は追い付かず肉薄を許してしまう。ウチはその銃を狙って愛銃「ルインM21」での指切り点射で撃ち落す。更に着地せずタッチダウン寸前でアイオロスを展開し一気に目の前へ。
「サレンダーを」
「・・・はぁ、参った」
鼻先の風神を前に彼女は両手を上げた。
ある日の午後、ご主人のお供にセンターを訪れればお知り合いがバトルされていました。こんにちは結です。
動物の名の付く各タイプの装備を組み合わせた独特な装備「アニマルキング」姿のファーストリーガー「アロエ」さんです。
バトルを終えフィールドから戻った彼女、こちらに気付いた様ですね。
「こんちゃ。宗司さん、結」
その後ろからオーナーの谷川逞さんが。ってそのお姿は板前さん、どうやら仕事の合間にいらしていたようです。
「おやっさんまた抜け出したんですか?」
「まな。若集に仕込みをさせるのも店主の仕事なんや。頑張ってくれとるし任せてやらんとな」
「大将がいないのはいつもの事って思ってるで多分w」
透かさずツッコむアロエさん、良い合間ですね。
「ま、まぁ、人生楽しまんとな」
バトルを続ける彼女、その姿は陽気なお姉さんではなく鷹の様で勇ましい限り。
「流石ですね」
「だな。だけど既存装備であそこまでの腕を見せられるとこっちとしては苦笑ものだな」
確かに。全て既存の装備の彼女、その姿を見る程れば「より魅せるバトルを」と私の励みになるのです。師匠の好敵手として見るのもありますしね。それに私の周りでマスィーンズを使うのも彼女だけですし学ぶものは多いのですよ。とは言え彼女のような動きはまだ無理ですけどね^^:
「相変わらず全力だな。明らかランク下だろうに・・・」
「礼儀ですよ。全力で来る相手にランクが違うからって手抜きなんてしない。それは彼女の信念ですしね。それにほら、相手も楽しそうじゃないですか」
相手の侍はボロボロに成りながらもどこか楽しそう、オーナーさんも然りです。とても頑張って満足そうです。あ、終わりましたね。戻ってきた彼女は相手の方へと向かわれました。
「やるもんだ。また相手してな?」
「はい。研鑽を積み勝たせて貰います!」
「ええ意気や!楽しみにしてるでー、あはははははは!」
ん~、こういう光景って好きです。何か暖かいじゃないですか。
喫茶スペースへと場所を移しても彼女は声を掛けられます。
殆どはサードランクの方々で皆憧れている様で、それでも友達の様に会話を楽しまれています。気さくな彼女の空気のおかげでしょう。明るくて強く誰にでも気取らない態度なのが素敵、流石はキングと言ったところなのですよ。
「ところでお前さん達はバトらんのか?」
「今日は様子見です。ほら近々イベントあるじゃないですか?あれの偵察ってところで」
「あぁ~、あれ出るんやったなぁ。俺んとこと明んとこは観戦だけにしろってメール来とったわ。しかも「観戦」のとこだけ8倍角で」
「そうそう。矢鱈強調しとたわ。でも偶にゃ見るだけってのもええしな。でもあれやで?ウチと湖幸が観てるんや評価は覚悟し~や~、辛くいくで~」
ニヤニヤと楽しそうに仰るものです・・・でもその方がありがたいのですけど。
「無様な姿は晒さぬよう勤めるまで。それよりも楽しむと思いますけどね」
「勿論や!楽しんでなんぼやで!」
「俺としては新装備の評価も兼ねてるんですけどね」
「まーたこさえたんかい。流石やなぁ」
「趣味ですから」
「好きこそもののってやつやな」
「です」
会話の弾む中私はふと思いました。そういえばアロエさんが戦う理由は何なのでしょうか?と。皆さんの理由は聞きいた事がありますけどアロエさんはまだでした。
「そやなぁ。皆の言うてるんもあるし、でもやっぱあれかな「笑い」や。皆で楽しんで笑い合うのが見たいからやな」
「それは芸人気質だからですか?」
「それもある。ウチのオーナーはお笑いとか好きやんか?その影響で芸人気質は付いたけどもっとこう根本的なとこからきてるんやと思う。皆が笑ってたら楽しいし嬉しい。幸せな気分を自分だけやなくて皆でってのが強いかな。その為には注目されんとあかん。派手好きなんはそこから。強く成ろうって思ったんは意地。どうせなら勝ちたいから。でもそれ以上に楽しむ為。自分が楽しまな他人を楽しませるなんて無理やと思うから。で、楽しむ為にはってループするわけやな。今じゃライバルも出来たし更には上位リーグにも行けたしファンもいる。ここまで来れたんも最初に思った「笑い」への拘りからやと思う。ウケ狙った装備で滑ればヘコむし負ければ悔しい。でもな、それでほんの数人でも笑ってくれるんやったら価値あるやん。だから続けるんや。バトルもネタも」
アルカイックスマイルでした。どこか悟ったような笑みでの言葉は深いです。湖幸さんと同じ感じがしました。
「でもま、楽しいから続けてるんやろうな!」
「成る程」
「勝っても負けても楽しむ事。それが一番。師匠の友達からの教えやでw」
「はい。確かに頂戴しました。ありがとう御座います」
アロエさんの教えをAIに留めます。
「ふふふっ」
「どないしたん?」
「いえ、何だか湖幸さんとアロエさんが親しい理由も判った気がしたものですから」
「あー。湖幸とはタイプ違い過ぎるからなぁ。あの娘は真面目、ウチは結構オチャラけてるから。でも考えてみ?コンビとしてはバッチリや!」
「ツッコミが湖幸さんですね」
「甘い。ああ見えて湖幸はボケやで。偶にウチより半歩先のボケかますからなぁ。それにあの娘では乗りツッコミはできん」
「確かに。技術面ではアロエさんの方が上ですね」
「そやで。バトルの技術では負けてるけど笑いではウチに軍配や!」
豊かな胸を揺らして張られます。
「・・・」
「次はなんや?」
「い、いえ!」
「?」
い、言えない。羨ましいなんて・・・
随分と話し込んでいる内に日は傾きそろそろ帰宅の時に。
「今回は見れへんかったからイベントん時期待してるで!」
「頑張りや!」
「「はい」」
商店街で別れ家路に着きます。
「何か難しい話してたみたいだな」
「そうですね。難しいというより深いお話でした」
皆の戦う理由、同じ面もあれば真逆も。それでいて最終点は皆同じ、「楽しむ為に」と。私も然りです。オーナーさん達もきっと。そう考えると自然と強さの理由も見えた気がしました。正に好きこそもののですね。躓いた事があるだけに実感できます。「これ知る者、学ぶ者に勝らず。学ぶ者、楽しむ者に勝らず」どこかで聞いた事がある言葉の通り、ならば私も楽しむとしましょうか。さすれば自ずと力は付いてくるのでしょうし。
決意も新たに来る日のイベントを思いました。
途中ご主人の携帯に着信が。
「おう。谷川や」
「どうしました?」
「いやな、お前さん飯まだだったら食いに来ーへんか?実は若集がちょいとミスってなぁ。お客さんに出すには見てくれが悪いんよ。かと言って捨てるには勿体無いし」
「成る程。行きます」
「おう!待ってるわ。そうそうもう後2、3人連れて来て。ってか万屋の連中」
「じゃ、一時間後くらいに」
「ほなのー」
今夜はお寿司ですか。
「宮司さん達は今日いらっしゃいませんし丁度良かったですね」
「渡りに舟だな。値は張るけど偶には贅沢もいい」
お寿司屋さん「ゑびす」では既に向島さんがいらしてました。
「こんばんわ」
「らっしゃい!」
「聞きたいんですけど、何故に本日休業?」
そこで眉間に指を当て谷川さん。センターでのにこやかな顔から板前の顔をされているので余程の事だったのでしょうか?
「いやな。今晩の握りで使う筈やった煮切りが今一の出来でなぁ。更に新人が澄ましに入れるネタの切り方がアマかったんもあるし。それにどうせ呼ぶなら貸切にして若集にも握らしたろか思てな。そうそう言い忘れてたけど勘定は取らんから」
「太っ腹ですね」
「これも教えの一つや。下地を整えて、試して、それから怒る。そこからは自分で研鑽する。俺もそうやって教えて貰ったからなぁ」
男らしい笑顔で話す姿は昼のアロエさんと同じ顔、神姫もオーナーに似るようですね。何だか親子のようです。
皆さんが到着したところで新人さんが紹介され夕餉が始まりました。
緊張の色が見える新人さんに丁寧に指導される谷川さん、それを手伝いつつも笑いを取るアロエさん。実に絶妙なコンビネーションです。そして新人さんも少しずつ緊張を解き技術を発揮されていきました。
「ん~、まだまだやけど初めてにしては合格ってとこやな」
「ありがとう御座います!」
良い師弟関係です。私の横の湖幸さんも同じなのか笑顔。不意に目が合うと優しく微笑まれました。
そして始まる宴会。成人の友人が集まれば夕餉の流としてこうなるのものでして。
「しっかしあれだよな、皆物作るの好きだな」
「お前もな。それを職にしてるし」
「そうですね。おかげでお小遣いが増えて嬉しいですよ」
「うんうん。バイト先での話題にも困らないよ」
「私としては作品意欲が沸くのと趣味とで一石二鳥です」
万屋メンバーの方々の話は物作りがメインに。何時も通りの光景です。
「アロエのもその内頼むわ。いい加減今のじゃキツくなってきたし、何より目立てん!」
「そうなんよ~。ウチはもっと派手な素敵装備が欲しいんよ。やからなんかインパクトがあってド派手なん頼むわ」
…あー、彼女は所謂「芸人気質」なものでして。以前公式戦ではバレリーナな姿で参加されたんですよ。しかもアヒルの人形がついたアレです。4位まで勝ち進まれたのですが会場は・・・失笑でした。順位よりもそっちでヘコんでましたっけ・・・・^^:この前は獅子舞にサラシと褌でしたし・・・バトル結果より「笑いが欲しいねん!」との事で。
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・一応考えておきます」」」」
「「頼んだで!」」
お二人揃って親指を立てて「力強く」頼まれてしまいました。満面の笑みで頼まれては流石に断れ切れない皆さん。視線を漂わせ苦笑気味に答えられました。
なんと言いましょうか。え~と、その、頑張って下さい!
現在装備
巫女服 ×1
仕込み竹箒 ×1(中破)
玉串ロッド ×1(大破)
大麻ロッド ×1
御籤箱ランチャー(改) ×1
灯篭スラスター ×2
リアユニット賽銭箱 ×1
御札スラッシャー ×14
奉納刀[白玉菊花] ×1
[[前へ>狛犬はうりん劇場 招き猫、猫又、鎌鼬]]
王様降臨!
街並みの上から見下ろせば相手の兎型がミニガンをこちらに向けている。
ふふ、君の銃の腕はそこそこやけど、ウチを相手にするにはまだまだかな?弾が散らばらないせいで回避は結構簡単だ。
「うそっ!」
「残念」
アイオロスを畳んでの急降下の速度に砲火は追い付かず肉薄を許してしまう。ウチはその銃を狙って愛銃「ルインM21」での指切り点射で撃ち落す。更に着地せずタッチダウン寸前でアイオロスを展開し一気に目の前へ。
「サレンダーを」
「・・・はぁ、参った」
鼻先の風神を前に彼女は両手を上げた。
ある日の午後、ご主人のお供にセンターを訪れればお知り合いがバトルされていました。こんにちは結です。
動物の名の付く各タイプの装備を組み合わせた独特な装備「アニマルキング」姿のファーストリーガー「アロエ」さんです。
バトルを終えフィールドから戻った彼女、こちらに気付いた様ですね。
「こんちゃ。宗司さん、結」
その後ろからオーナーの谷川逞さんが。ってそのお姿は板前さん、どうやら仕事の合間にいらしていたようです。
「おやっさんまた抜け出したんですか?」
「まな。若集に仕込みをさせるのも店主の仕事なんや。頑張ってくれとるし任せてやらんとな」
「大将がいないのはいつもの事って思ってるで多分w」
透かさずツッコむアロエさん、良い合間ですね。
「ま、まぁ、人生楽しまんとな」
バトルを続ける彼女、その姿は陽気なお姉さんではなく鷹の様で勇ましい限り。
「流石ですね」
「だな。だけど既存装備であそこまでの腕を見せられるとこっちとしては苦笑ものだな」
確かに。全て既存の装備の彼女、その姿を見る程れば「より魅せるバトルを」と私の励みになるのです。師匠の好敵手として見るのもありますしね。それに私の周りでマスィーンズを使うのも彼女だけですし学ぶものは多いのですよ。とは言え彼女のような動きはまだ無理ですけどね^^:
「相変わらず全力だな。明らかランク下だろうに・・・」
「礼儀ですよ。全力で来る相手にランクが違うからって手抜きなんてしない。それは彼女の信念ですしね。それにほら、相手も楽しそうじゃないですか」
相手の侍はボロボロに成りながらもどこか楽しそう、オーナーさんも然りです。とても頑張って満足そうです。あ、終わりましたね。戻ってきた彼女は相手の方へと向かわれました。
「やるもんだ。また相手してな?」
「はい。研鑽を積み勝たせて貰います!」
「ええ意気や!楽しみにしてるでー、あはははははは!」
ん~、こういう光景って好きです。何か暖かいじゃないですか。
喫茶スペースへと場所を移しても彼女は声を掛けられます。
殆どはサードランクの方々で皆憧れている様で、それでも友達の様に会話を楽しまれています。気さくな彼女の空気のおかげでしょう。明るくて強く誰にでも気取らない態度なのが素敵、流石はキングと言ったところなのですよ。
「ところでお前さん達はバトらんのか?」
「今日は様子見です。ほら近々イベントあるじゃないですか?あれの偵察ってところで」
「あぁ~、あれ出るんやったなぁ。俺んとこと明んとこは観戦だけにしろってメール来とったわ。しかも「観戦」のとこだけ8倍角で」
「そうそう。矢鱈強調しとたわ。でも偶にゃ見るだけってのもええしな。でもあれやで?ウチと湖幸が観てるんや評価は覚悟し~や~、辛くいくで~」
ニヤニヤと楽しそうに仰るものです・・・でもその方がありがたいのですけど。
「無様な姿は晒さぬよう勤めるまで。それよりも楽しむと思いますけどね」
「勿論や!楽しんでなんぼやで!」
「俺としては新装備の評価も兼ねてるんですけどね」
「まーたこさえたんかい。流石やなぁ」
「趣味ですから」
「好きこそもののってやつやな」
「です」
会話の弾む中私はふと思いました。そういえばアロエさんが戦う理由は何なのでしょうか?と。皆さんの理由は聞きいた事がありますけどアロエさんはまだでした。
「そやなぁ。皆の言うてるんもあるし、でもやっぱあれかな「笑い」や。皆で楽しんで笑い合うのが見たいからやな」
「それは芸人気質だからですか?」
「それもある。ウチのオーナーはお笑いとか好きやんか?その影響で芸人気質は付いたけどもっとこう根本的なとこからきてるんやと思う。皆が笑ってたら楽しいし嬉しい。幸せな気分を自分だけやなくて皆でってのが強いかな。その為には注目されんとあかん。派手好きなんはそこから。強く成ろうって思ったんは意地。どうせなら勝ちたいから。でもそれ以上に楽しむ為。自分が楽しまな他人を楽しませるなんて無理やと思うから。で、楽しむ為にはってループするわけやな。今じゃライバルも出来たし更には上位リーグにも行けたしファンもいる。ここまで来れたんも最初に思った「笑い」への拘りからやと思う。ウケ狙った装備で滑ればヘコむし負ければ悔しい。でもな、それでほんの数人でも笑ってくれるんやったら価値あるやん。だから続けるんや。バトルもネタも」
アルカイックスマイルでした。どこか悟ったような笑みでの言葉は深いです。湖幸さんと同じ感じがしました。
「でもま、楽しいから続けてるんやろうな!」
「成る程」
「勝っても負けても楽しむ事。それが一番。師匠の友達からの教えやでw」
「はい。確かに頂戴しました。ありがとう御座います」
アロエさんの教えをAIに留めます。
「ふふふっ」
「どないしたん?」
「いえ、何だか湖幸さんとアロエさんが親しい理由も判った気がしたものですから」
「あー。湖幸とはタイプ違い過ぎるからなぁ。あの娘は真面目、ウチは結構オチャラけてるから。でも考えてみ?コンビとしてはバッチリや!」
「ツッコミが湖幸さんですね」
「甘い。ああ見えて湖幸はボケやで。偶にウチより半歩先のボケかますからなぁ。それにあの娘では乗りツッコミはできん」
「確かに。技術面ではアロエさんの方が上ですね」
「そやで。バトルの技術では負けてるけど笑いではウチに軍配や!」
豊かな胸を揺らして張られます。
「・・・」
「次はなんや?」
「い、いえ!」
「?」
い、言えない。羨ましいなんて・・・
随分と話し込んでいる内に日は傾きそろそろ帰宅の時に。
「今回は見れへんかったからイベントん時期待してるで!」
「頑張りや!」
「「はい」」
商店街で別れ家路に着きます。
「何か難しい話してたみたいだな」
「そうですね。難しいというより深いお話でした」
皆の戦う理由、同じ面もあれば真逆も。それでいて最終点は皆同じ、「楽しむ為に」と。私も然りです。オーナーさん達もきっと。そう考えると自然と強さの理由も見えた気がしました。正に好きこそもののですね。躓いた事があるだけに実感できます。「これ知る者、学ぶ者に勝らず。学ぶ者、楽しむ者に勝らず」どこかで聞いた事がある言葉の通り、ならば私も楽しむとしましょうか。さすれば自ずと力は付いてくるのでしょうし。
決意も新たに来る日のイベントを思いました。
途中ご主人の携帯に着信が。
「おう。谷川や」
「どうしました?」
「いやな、お前さん飯まだだったら食いに来ーへんか?実は若集がちょいとミスってなぁ。お客さんに出すには見てくれが悪いんよ。かと言って捨てるには勿体無いし」
「成る程。行きます」
「おう!待ってるわ。そうそうもう後2、3人連れて来て。ってか万屋の連中」
「じゃ、一時間後くらいに」
「ほなのー」
今夜はお寿司ですか。
「宮司さん達は今日いらっしゃいませんし丁度良かったですね」
「渡りに舟だな。値は張るけど偶には贅沢もいい」
お寿司屋さん「ゑびす」では既に向島さんがいらしてました。
「こんばんわ」
「らっしゃい!」
「聞きたいんですけど、何故に本日休業?」
そこで眉間に指を当て谷川さん。センターでのにこやかな顔から板前の顔をされているので余程の事だったのでしょうか?
「いやな。今晩の握りで使う筈やった煮切りが今一の出来でなぁ。更に新人が澄ましに入れるネタの切り方がアマかったんもあるし。それにどうせ呼ぶなら貸切にして若集にも握らしたろか思てな。そうそう言い忘れてたけど勘定は取らんから」
「太っ腹ですね」
「これも教えの一つや。下地を整えて、試して、それから怒る。そこからは自分で研鑽する。俺もそうやって教えて貰ったからなぁ」
男らしい笑顔で話す姿は昼のアロエさんと同じ顔、神姫もオーナーに似るようですね。何だか親子のようです。
皆さんが到着したところで新人さんが紹介され夕餉が始まりました。
緊張の色が見える新人さんに丁寧に指導される谷川さん、それを手伝いつつも笑いを取るアロエさん。実に絶妙なコンビネーションです。そして新人さんも少しずつ緊張を解き技術を発揮されていきました。
「ん~、まだまだやけど初めてにしては合格ってとこやな」
「ありがとう御座います!」
良い師弟関係です。私の横の湖幸さんも同じなのか笑顔。不意に目が合うと優しく微笑まれました。
そして始まる宴会。成人の友人が集まれば夕餉の流としてこうなるのものでして。
「しっかしあれだよな、皆物作るの好きだな」
「お前もな。それを職にしてるし」
「そうですね。おかげでお小遣いが増えて嬉しいですよ」
「うんうん。バイト先での話題にも困らないよ」
「私としては作品意欲が沸くのと趣味とで一石二鳥です」
万屋メンバーの方々の話は物作りがメインに。何時も通りの光景です。
「アロエのもその内頼むわ。いい加減今のじゃキツくなってきたし、何より目立てん!」
「そうなんよ~。ウチはもっと派手な素敵装備が欲しいんよ。やからなんかインパクトがあってド派手なん頼むわ」
…あー、彼女は所謂「芸人気質」なものでして。以前公式戦ではバレリーナな姿で参加されたんですよ。しかもアヒルの人形がついたアレです。4位まで勝ち進まれたのですが会場は・・・失笑でした。順位よりもそっちでヘコんでましたっけ・・・・^^:この前は獅子舞にサラシと褌でしたし・・・バトル結果より「笑いが欲しいねん!」との事で。
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・一応考えておきます」」」」
「「頼んだで!」」
お二人揃って親指を立てて「力強く」頼まれてしまいました。満面の笑みで頼まれては流石に断れ切れない皆さん。視線を漂わせ苦笑気味に答えられました。
なんと言いましょうか。え~と、その、頑張って下さい!
現在装備
巫女服 ×1
仕込み竹箒 ×1(中破)
玉串ロッド ×1(大破)
大麻ロッド ×1
御籤箱ランチャー(改) ×1
灯篭スラスター ×2
リアユニット賽銭箱 ×1
御札スラッシャー ×14
奉納刀[白玉菊花] ×1
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