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「…………負けた」
「やっぱ強いね、ムラクモちゃんは。ここで注目されてるだけのことはあるかも」
それから一時間と経たず、俺と柚子っち、ひいてはムラクモさんとルリさんのタイマンバトルが始まって終わった。
ルリさんは基本装備に+αしただけのもの。要はムラクモさんと同じような構成なわけだけど。
どっちかというと近接戦闘をベースにしてあるタイプだけど、ルリさんはゼルノグラードのガトリングガンなんかで遠~中距離のレンジを強化してあるみたいだ。
あとさりげなーくおいてくるシュラム・グレネードが怖かった。
トライクで急接近してのエアロチャクラムもなかなか恐ろしかったけど、ムラクモさん、意外と冷静に立ち回っていたなぁ。
近接はさっちゃんのおかげでいつのまにかだいぶ上達したらしい。
「しかし……バトルしてないとはいいつつも、タイミングとか距離感とか、随分実戦慣れしてないか?」
「私もそんな感じがしたよ。ものすごく冷静に攻めてこられた感覚があった」
俺たちのその言に柚子っちとルリさんはというと。
「ま……まぐれだよ、まぐれ……勝負は時の運、とも言うし……」
「…………今日が稀……」
ホントかなぁ。すごい手練な感じがしたんだけど……気のせいかなぁ。
ムラクモさんも、何か府に落ちない顔をしたまま。
「……なんか随分仲よさそうじゃぁないか、晃」
「うほぁわちゃ!?」
不意打ち気味に飛んできた言葉に、恥ずかしくもビビッてしまった。
最近よく聞くこの声はっ。
「ああああああさささ、さっちゃんきてたかッ」
「しばらくこっち通うって、前に言ってあっただろ?その歳でボケるな」
「そーだった!そーだったねっ」
振り返れば、黒と赤と銀ドクロで構成されたパンキッシュなさっちゃんがいらっしゃいました。
なんか不機嫌そうな感じで笑ってるのがこわいよ!
「そっちのは誰?キミの彼女?」
ポシェットから上半身を出しているフランちゃんがなんかすごいこといってる。
「彼女?やることだけはしっかりやってるのか、お前でも」
さっちゃんもまた、その不機嫌そうな笑みを柚子っちに向けた。
「いやいやいやいや、彼女だなんて、そんなスゴイもんじゃないって、な?柚子……」
さらに反対に振り返り、柚子っちの方を見ると―――。
「……あなた、あなたが、まさかここで……っ」
「……お前、1年前の……あのでかいヤツ」
空気が、まるで変わっていた。
緩みきった毛糸のような状態から、ギリギリまでピンと張られたピアノ線のような。
柚子っちの眼はまっすぐ、さっちゃんのほうを見据えている。
憎悪の視線。まるで刃物のように鋭い。
―――なにが、どうなってんだ?
「……なに、そんな眼で見ちゃってさ」
「ッ……覚えて、ないなんて、言わせないッ!」
つまらなそうに、さっちゃんは柚子っちを見上げる。
柚子っちは、その視線のナイフを振りかざして、言葉と共に叩きつける。
「ルリにあんな、あんな酷いことしておいて、覚えてないなんて言わせないッ!
「ひ、ひどいことって、さっちゃん?」
そんな柚子っちに対し、さっちゃはひどく冷めた笑みを浮かべた。
「ああ……なんだ、フランに負けたうちの一人か」
「一年前くらいの……あ、あのイーダか」
合点がいった、という黒い色の二人。
「負けたアンタが悪いのさ、運が悪かったとでも思っとけばいい」
「ふざけるなッ!ルリを散々嬲っておいて、運とか負けたほうが悪いとか、そんな言葉で!」
「あの時、もう少し強かったらぼくもあそこまでいじめなかったんだけどねぇ?」
「……ッ……お前ッ」
挑発的な言葉で返すさっちゃんとフランちゃん。それに、さらに怒りを燃やす柚子っちとルリさん。
「ちょ、ちょ、二人というか四人とも落ち着け!?何がなんなんだ!?」
「なんかちょっと、尋常じゃないよマスター……」
戸惑うしかない俺とムラクモさん。どうしろってんだ!?
「……相沢くん、この人と知り合いみたいだけど、どうして」
視線同様、冷たいニュアンスで柚子っちが俺に問いかけてくる。
―――こ、こんな恐い柚子っち、見たことねぇぞ。
「……相沢、くん……?」
い、いやいや知り合いっつーかなんといいいますか幼馴染というか俺の初恋っつーか!
恐いよ!やばい恐いよ!
「そのバカは関係ないだろ?アンタが用あるのは私じゃないのか」
「矛先が違うよ、向ける先はぼくらの方なのに」
「そう、だね……でも、後で話、聞かせてもらうから」
むしろ俺のほうがいまいち見えてないんだけど!?
「―――さて、どうするの?文句だの悪態だけで終わり?」
「リターンマッチなら、いくらで受け付けるけどね、『強く』なってれば、だけど」
冷たい笑みを張り付かせたまま、二人は挑発を続ける。
「……舐めないで、私のルリは強くなったんだ」
「…………許さない、お前は許さない……」
対照的に、憎悪を突き刺し続けるこちらの二人。
「リアルバトルで、叩き潰してやる!」
リアル!?
「へぇ?自分が負けるって考えてない?運が悪いと今度こそ、本当に壊れるよ?」
そう、いくら安全になったと謳っても、リアルバトルはまだある程度の危険姓が残っている。
神姫が損傷してしまうこともあり、それによってCSCに異常が出て、修理からオールリセット、なんてことも極稀にある。
だから、俺を含め大多数の人間は、基本的にバーチャルでのバトルを好む。
修理費とか弾代とか、センター側の負担とか、そういうこともあるけど。
だというのに、わざわざリアルを挑むほどなんだ。
そこまで柚子っちの怒りが深いってのが、わかる。
「リアルで味あわせてやるんだ、私とルリの味わった苦しみを!」
「そのために…………強く、なった……っ」
「はっは!じゃあ見せてもらおうじゃんか!どれだけ強くなったのか、さ!」
「フランが退屈しない程度にはなってると、いいけどね?」
な、なんでこんなことに……なっちまったんだ……。
「…………負けた」
「やっぱ強いね、ムラクモちゃんは。ここで注目されてるだけのことはあるかも」
それから一時間と経たず、俺と柚子っち、ひいてはムラクモさんとルリさんのタイマンバトルが始まって終わった。
ルリさんは基本装備に+αしただけのもの。要はムラクモさんと同じような構成なわけだけど。
どっちかというと近接戦闘をベースにしてあるタイプだけど、ルリさんはゼルノグラードのガトリングガンなんかで遠~中距離のレンジを強化してあるみたいだ。
あとさりげなーくおいてくるシュラム・グレネードが怖かった。
トライクで急接近してのエアロチャクラムもなかなか恐ろしかったけど、ムラクモさん、意外と冷静に立ち回っていたなぁ。
近接はさっちゃんのおかげでいつのまにかだいぶ上達したらしい。
「しかし……バトルしてないとはいいつつも、タイミングとか距離感とか、随分実戦慣れしてないか?」
「私もそんな感じがしたよ。ものすごく冷静に攻めてこられた感覚があった」
俺たちのその言に柚子っちとルリさんはというと。
「ま……まぐれだよ、まぐれ……勝負は時の運、とも言うし……」
「…………今日が稀……」
ホントかなぁ。すごい手練な感じがしたんだけど……気のせいかなぁ。
ムラクモさんも、何か府に落ちない顔をしたまま。
「……なんか随分仲よさそうじゃぁないか、晃」
「うほぁわちゃ!?」
不意打ち気味に飛んできた言葉に、恥ずかしくもビビッてしまった。
最近よく聞くこの声はっ。
「ああああああさささ、さっちゃんきてたかッ」
「しばらくこっち通うって、前に言ってあっただろ?その歳でボケるな」
「そーだった!そーだったねっ」
振り返れば、黒と赤と銀ドクロで構成されたパンキッシュなさっちゃんがいらっしゃいました。
なんか不機嫌そうな感じで笑ってるのがこわいよ!
「そっちのは誰?キミの彼女?」
ポシェットから上半身を出しているフランちゃんがなんかすごいこといってる。
「彼女?やることだけはしっかりやってるのか、お前でも」
さっちゃんもまた、その不機嫌そうな笑みを柚子っちに向けた。
「いやいやいやいや、彼女だなんて、そんなスゴイもんじゃないって、な?柚子……」
さらに反対に振り返り、柚子っちの方を見ると―――。
「……あなた、あなたが、まさかここで……っ」
「……お前、1年前の……あのでかいヤツ」
空気が、まるで変わっていた。
緩みきった毛糸のような状態から、ギリギリまでピンと張られたピアノ線のような。
柚子っちの眼はまっすぐ、さっちゃんのほうを見据えている。
憎悪の視線。まるで刃物のように鋭い。
―――なにが、どうなってんだ?
「……なに、そんな眼で見ちゃってさ」
「ッ……覚えて、ないなんて、言わせないッ!」
つまらなそうに、さっちゃんは柚子っちを見上げる。
柚子っちは、その視線のナイフを振りかざして、言葉と共に叩きつける。
「ルリにあんな、あんな酷いことしておいて、覚えてないなんて言わせないッ!
「ひ、ひどいことって、さっちゃん?」
そんな柚子っちに対し、さっちゃはひどく冷めた笑みを浮かべた。
「ああ……なんだ、フランに負けたうちの一人か」
「一年前くらいの……あ、あのイーダか」
合点がいった、という黒い色の二人。
「負けたアンタが悪いのさ、運が悪かったとでも思っとけばいい」
「ふざけるなッ!ルリを散々嬲っておいて、運とか負けたほうが悪いとか、そんな言葉で!」
「あの時、もう少し強かったらぼくもあそこまでいじめなかったんだけどねぇ?」
「……ッ……お前ッ」
挑発的な言葉で返すさっちゃんとフランちゃん。それに、さらに怒りを燃やす柚子っちとルリさん。
「ちょ、ちょ、二人というか四人とも落ち着け!?何がなんなんだ!?」
「なんかちょっと、尋常じゃないよマスター……」
戸惑うしかない俺とムラクモさん。どうしろってんだ!?
「……相沢くん、この人と知り合いみたいだけど、どうして」
視線同様、冷たいニュアンスで柚子っちが俺に問いかけてくる。
―――こ、こんな恐い柚子っち、見たことねぇぞ。
「……相沢、くん……?」
い、いやいや知り合いっつーかなんといいいますか幼馴染というか俺の初恋っつーか!
恐いよ!やばい恐いよ!
「そのバカは関係ないだろ?アンタが用あるのは私じゃないのか」
「矛先が違うよ、向ける先はぼくらの方なのに」
「そう、だね……でも、後で話、聞かせてもらうから」
むしろ俺のほうがいまいち見えてないんだけど!?
「―――さて、どうするの?文句だの悪態だけで終わり?」
「リターンマッチなら、いくらで受け付けるけどね、『強く』なってれば、だけど」
冷たい笑みを張り付かせたまま、二人は挑発を続ける。
「……舐めないで、私のルリは強くなったんだ」
「…………許さない、お前は許さない……」
対照的に、憎悪を突き刺し続けるこちらの二人。
「リアルバトルで、叩き潰してやる!」
リアル!?
「へぇ?自分が負けるって考えてない?運が悪いと今度こそ、本当に壊れるよ?」
そう、いくら安全になったと謳っても、リアルバトルはまだある程度の危険姓が残っている。
神姫が損傷してしまうこともあり、それによってCSCに異常が出て、修理からオールリセット、なんてことも極稀にある。
だから、俺を含め大多数の人間は、基本的にバーチャルでのバトルを好む。
修理費とか弾代とか、センター側の負担とか、そういうこともあるけど。
だというのに、わざわざリアルを挑むほどなんだ。
そこまで柚子っちの怒りが深いってのが、わかる。
「リアルで味あわせてやるんだ、私とルリの味わった苦しみを!」
「そのために…………強く、なった……っ」
「はっは!じゃあ見せてもらおうじゃんか!どれだけ強くなったのか、さ!」
「フランが退屈しない程度にはなってると、いいけどね?」
な、なんでこんなことに……なっちまったんだ……。
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