「オハヨ、姉貴」
「はよっ、アンタにしては早いね?」
少々年季の入った一軒家、リビングにて会話する姉弟。
飛竜一深とその弟、槙人である。
「はよっ、アンタにしては早いね?」
少々年季の入った一軒家、リビングにて会話する姉弟。
飛竜一深とその弟、槙人である。
「俺だってたまには早起きするって。…かぁちゃん起きねーの?」
「全然! まぁ完全に片付いたの昨日だもんね、仕方ないよ」
「そーかー、ならしゃーないな。……ツナ缶がない」
冷蔵庫の中を見まわし、昨日まではあったものがないのを聞く。
「さっきリックが引きずってったから、たぶん野良猫の餌にするんじゃないかな?」
「なんとも贅沢な野良猫…。ちぇっ、消費期限二日過ぎてら!」
「全然! まぁ完全に片付いたの昨日だもんね、仕方ないよ」
「そーかー、ならしゃーないな。……ツナ缶がない」
冷蔵庫の中を見まわし、昨日まではあったものがないのを聞く。
「さっきリックが引きずってったから、たぶん野良猫の餌にするんじゃないかな?」
「なんとも贅沢な野良猫…。ちぇっ、消費期限二日過ぎてら!」
「それじゃ行くから」
「こんなに早く!?」
「やりたい事があんのよ」
「こんなに早く!?」
「やりたい事があんのよ」
……
夏休みが終わる。
SOS団とは違って、普通の高校生にとってこれほど辛い事は期末テストくらいのものか。
SOS団とは違って、普通の高校生にとってこれほど辛い事は期末テストくらいのものか。
さらに、僕が頭を痛める理由はもう一つある。
「形人~! 起きろ~っ!」
「っておわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!?」
この今時どこのギャルゲーもやらないネタを、実際にやってる"こいつ"。
「一深!! ギャルゲネタはやめろ!! マジやばいって!!」
「えー、目覚めのインパクト度においては効果的じゃないの?」
「そうゆう問題じゃない!!」
「一深!! ギャルゲネタはやめろ!! マジやばいって!!」
「えー、目覚めのインパクト度においては効果的じゃないの?」
「そうゆう問題じゃない!!」
飛竜一深。この"自称恋人"が最大の頭痛の元だ。
「むー…、びっくりしたぁ」「マヨネーズを"ぶちゅっ"とやっちゃったかと思ったですよ」
「いや"ぶちゅっ"て…」「"ぶちゅ"? 六年前みたいに接着剤のチューブでも踏んづけたの?」「違ぁーう!!」
「いや"ぶちゅっ"て…」「"ぶちゅ"? 六年前みたいに接着剤のチューブでも踏んづけたの?」「違ぁーう!!」
初日からこれじゃ、今後2年と半年やってけるか心配だ…。
「よかったじゃないの形人。ハーレムになっちゃってw」「ちょっwお母さん!?」
「よかったじゃないの形人。ハーレムになっちゃってw」「ちょっwお母さん!?」
正直、勘弁してくれorz
さて昼休みだ、しかし皆の視線(風間含む)が痛い。
なにしろ自己紹介の時に
「飛竜一深です!。形人のコレ(小指を立てる)だったりします!」
とか言ったもんだから、色々な目で見られている。
「彩聞、事情を説明しろ」「彩聞君…意外とやり手なのね」「形人…裏切り者めっ!!(こいつの仲間になった覚えはない)」「吊目にボーイッシュ! なおかつポニーテール! これほど萌えるものは無い!!」「どこまでいったの? まさか…」
なにしろ自己紹介の時に
「飛竜一深です!。形人のコレ(小指を立てる)だったりします!」
とか言ったもんだから、色々な目で見られている。
「彩聞、事情を説明しろ」「彩聞君…意外とやり手なのね」「形人…裏切り者めっ!!(こいつの仲間になった覚えはない)」「吊目にボーイッシュ! なおかつポニーテール! これほど萌えるものは無い!!」「どこまでいったの? まさか…」
誰か助けて(泣)
「形人、あきらめろ。これが宿命(さだめ)だ」「マスター、僻まないでください」
風間もかよ/(^o^)\
「形人、あきらめろ。これが宿命(さだめ)だ」「マスター、僻まないでください」
風間もかよ/(^o^)\
~・~・~・~・~・~・~
ここは未使用の教室、わたしを含めた一年生の神姫はここに集まっていた。
「最近なにかウイルスが流行ってるようだから気をつけましょうね?」
「ウイルス、ですか?」
1年A組の神姫をまとめるお姉さん、ミューシャ先生(人魚型)がみんなに言った。
「ここ最近、愉快犯によるバーサークプログラムが出回ってるそうです。感染者とコネクタなどでの接触を行うと感染しますので、百合な皆さんは注意しましょう」
笑い声と恥ずかしがる声が雑じる、やっぱりいるんだそう言う人って…。
「皆さんはセンターでワクチンプログラムのインストールは受けましたか? 受けていれば特に心配はありませんよ?」
「ウイルス、ですか?」
1年A組の神姫をまとめるお姉さん、ミューシャ先生(人魚型)がみんなに言った。
「ここ最近、愉快犯によるバーサークプログラムが出回ってるそうです。感染者とコネクタなどでの接触を行うと感染しますので、百合な皆さんは注意しましょう」
笑い声と恥ずかしがる声が雑じる、やっぱりいるんだそう言う人って…。
「皆さんはセンターでワクチンプログラムのインストールは受けましたか? 受けていれば特に心配はありませんよ?」
「先生! アルヴィンの様子が変でーす!」
「あら?」
「あら?」
見ると、確かにアルヴィン(寅型)の様子がおかしい。
何か猫みたいに唸ってる(いや、ネコ科だけど)
いやーな予感が…。
「いや、何でもないんや。変な感覚がしてな…」
「そう…、気分が悪かったら保健室に行くのよ?」
この学校の保健室は神姫も対象になっている、趣味でやってるからあまり専門的な事は出来ないけどね。
何か猫みたいに唸ってる(いや、ネコ科だけど)
いやーな予感が…。
「いや、何でもないんや。変な感覚がしてな…」
「そう…、気分が悪かったら保健室に行くのよ?」
この学校の保健室は神姫も対象になっている、趣味でやってるからあまり専門的な事は出来ないけどね。
「……」
そういえばリックがいないなぁ、ツナ缶持ってどこ行ったんだろ?
上の三点リーダ二つで教室から出たアルヴィンの事も気になるし、ちょろっと行きますか。
そういえばリックがいないなぁ、ツナ缶持ってどこ行ったんだろ?
上の三点リーダ二つで教室から出たアルヴィンの事も気になるし、ちょろっと行きますか。
~・~・~・~・~・~・~
そのころ、校庭付近の排水溝。
「本当によく食べるなぁ…」
一深の予想通り、リックはツナ缶を野良猫に与えていた。
猫は見た感じ、まだ乳離れしてからそんなに経ってないと思われる。
一深の予想通り、リックはツナ缶を野良猫に与えていた。
猫は見た感じ、まだ乳離れしてからそんなに経ってないと思われる。
うにゃあ
「そうかい、美味しかったかい」
猫(コスプレ)装備が似合うだけあってか、猫の感情なども若干解るらしい。
顔を摺り寄せて来る猫、喉元をさするリック。
猫(コスプレ)装備が似合うだけあってか、猫の感情なども若干解るらしい。
顔を摺り寄せて来る猫、喉元をさするリック。
猫はそれに対し気持ち良さそうに目を細めると、そのまま眠りについた。
「寝ちゃったか…」
リックはそう呟き猫に背を預ける。
かく言う自分もだんだんとまどろみに飲み込まれ、眠りにつく訳だが。
「寝ちゃったか…」
リックはそう呟き猫に背を預ける。
かく言う自分もだんだんとまどろみに飲み込まれ、眠りにつく訳だが。
~・~・~・~・~・~・~
予鈴が鳴る中、本学校に勤めて三年目となる中堅教師、古門豊(32)は教室に急いでいた。無論早歩きで。
三時間目の授業は彼の担当である社会科系、久しぶりに担任を務める学級での教えとなる。
「…?」
彼の目に留ったのは小さな影の集まり、まっすぐこちらに向かってくる。
「何だ、あれは? …神姫?」
三時間目の授業は彼の担当である社会科系、久しぶりに担任を務める学級での教えとなる。
「…?」
彼の目に留ったのは小さな影の集まり、まっすぐこちらに向かってくる。
「何だ、あれは? …神姫?」
三秒後
「お わ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ぁ ・ ・ ・ 」
……
先生が来ない。
もう本鈴が鳴ってると言うのに遅い。
まぁ教師によって様々だが、古門先生に関してはそれはない。
「どうしたんだろうな?」
「俺に聞くな」
もう本鈴が鳴ってると言うのに遅い。
まぁ教師によって様々だが、古門先生に関してはそれはない。
「どうしたんだろうな?」
「俺に聞くな」
ガラッ
「じゅ、授業を始めるぞ……」
「一体どうしたんですかその傷は!?」
他の生徒の悲鳴に近い声を聞いて先生の方を向くと、ズタボロになっている先生の姿が。
「一体どうしたんですかその傷は!?」
他の生徒の悲鳴に近い声を聞いて先生の方を向くと、ズタボロになっている先生の姿が。
「あー…、ちなみに今廊下に出ないほうがいいぞ。危ないから……」
「………何があったんだ」
「俺が知るかっての」
「俺が知るかっての」
~・~・~・~・~・~・~
一方、廊下を縦一列に並び前進する小さな集団。
皆一様に目を猫のようにギラつかせ、ある場所に向かっていた。
皆一様に目を猫のようにギラつかせ、ある場所に向かっていた。
「何をするんでしょうねえ」
「さてな。だがこの先は調理実習室、そして鰹節のブロックが保管されていると聞いてるぞ」
「と言うことはですねぇ、あの状態から見てNeco-2ウイルスに感染してると考えたほうがいいと思います」
「さてな。だがこの先は調理実習室、そして鰹節のブロックが保管されていると聞いてるぞ」
「と言うことはですねぇ、あの状態から見てNeco-2ウイルスに感染してると考えたほうがいいと思います」
この会話はグレースとクラスメイト仲間であるジュビジー、スプレイヤーのものである。
気になってアルヴィンをつけて来た(ヒカルとは逸れた)が、この状況に出くわして今に到る。
気になってアルヴィンをつけて来た(ヒカルとは逸れた)が、この状況に出くわして今に到る。
「さて、聡明なるスプレイヤー殿。これらを鎮めるにはどうすれば?」
「簡単ですよ。要は動きを止めてワクチンを打ち込めばいいんですから」
「ということは……三対四十といったところか」
「簡単ですよ。要は動きを止めてワクチンを打ち込めばいいんですから」
「ということは……三対四十といったところか」
無双シリーズのごとく斬っては投げ斬っては投げとなるのだろうか?
「まぁ、センターに連絡しとけば大丈夫ですよ。」
「この状況だと既にされていると見た方がいいな。……さっさと鎮圧するぞ!」
「了解しました」
「まぁ、センターに連絡しとけば大丈夫ですよ。」
「この状況だと既にされていると見た方がいいな。……さっさと鎮圧するぞ!」
「了解しました」
……
一方その頃。
「……あれ?」
ヒカルは道に迷っていた。普段来ない場所だったからだ。
「まいったなあ」
案内板でも見れば問題ないだろうが、あいにくこのフロアにはないらしい。
ヒカルは道に迷っていた。普段来ない場所だったからだ。
「まいったなあ」
案内板でも見れば問題ないだろうが、あいにくこのフロアにはないらしい。
「……え?」
視界に違和感を覚えた。
ふと陰になっている場所を見れば、明らかに何かがいるのがわかった。
それは虫でもなんでもない。
視界に違和感を覚えた。
ふと陰になっている場所を見れば、明らかに何かがいるのがわかった。
それは虫でもなんでもない。
「誰?」
そう尋ねた直後、乗っていたプレステイルが突如として爆発した。
何がなんだかわからない内にヒカルは気を失った。
そう尋ねた直後、乗っていたプレステイルが突如として爆発した。
何がなんだかわからない内にヒカルは気を失った。
「指向性マイクロ波照射装置、解り易く言えばメーザー銃ですか」
陰に潜む神姫が振り向くと、そこにはジーナスの姿が。
「お主を破壊しても下での暴走は止められないだろうが、犯人は特定できるだろう?」
更に正面を向くと、今度は零牙が立っていた。
陰に潜む神姫が振り向くと、そこにはジーナスの姿が。
「お主を破壊しても下での暴走は止められないだろうが、犯人は特定できるだろう?」
更に正面を向くと、今度は零牙が立っていた。
「さぁ、どうしますか?ゴキブリみたいな黒子さん?」
「今ここで真っ二つに斬られるか、それとも降伏するか。」
「今ここで真っ二つに斬られるか、それとも降伏するか。」
じりっ……と二人に迫られると、あっさり降伏した。
「誰であろうと、諦めは肝心だな。」
「誰であろうと、諦めは肝心だな。」
その後の事。
あっさりと暴れていた感染神姫は鎮圧され、ウイルス除去のため神姫センターへ。
捕まったストラーフはこの騒動の犯人を自供、後日オーナーに事情を聞くとの事である(ジュラーヴリク 談)。
あっさりと暴れていた感染神姫は鎮圧され、ウイルス除去のため神姫センターへ。
捕まったストラーフはこの騒動の犯人を自供、後日オーナーに事情を聞くとの事である(ジュラーヴリク 談)。
「え?何かあったの?」
「わたしにはわかんない。気づいたら黒こげだったし」
「わたしにはわかんない。気づいたら黒こげだったし」
知らぬは蚊帳の外。だがここでひとつの問題が。
にゃー。
猫。
そう、リックが世話をしていた猫である。
学校の敷地内で見つけたものの、このままここに居座らせる訳にはいかない。
そう、リックが世話をしていた猫である。
学校の敷地内で見つけたものの、このままここに居座らせる訳にはいかない。
「かと言ってもねぇ……槙人は猫アレルギーだしなぁ。形人、飼える?」
「断じて飼えない。残念ながら」
「断じて飼えない。残念ながら」
彼は小学生の頃、兄が親戚から貰ったハムスターを興味なしにも関わらず連帯責任で世話させられていた事がある。
ついでに言うなら、形人は虫や魚はおろか小動物すら触れない。
ついでに言うなら、形人は虫や魚はおろか小動物すら触れない。
「話は聞かせてもらいましたよ?」
「先輩、唐突に出てこないでください」
「何しろ零牙の出番があるのに私の出番がないのは不公平ですからね。初めまして、聖憐と申します」
「はじめまして、一深です」
「先輩、唐突に出てこないでください」
「何しろ零牙の出番があるのに私の出番がないのは不公平ですからね。初めまして、聖憐と申します」
「はじめまして、一深です」
ツッコミとそれへの弁解、そして自己紹介を終わらせると話を持ちかける。
「その猫、私が引き取らせていただいてよろしいでしょうか?」
「え?」
「その猫、私が引き取らせていただいてよろしいでしょうか?」
「え?」
聖憐、笑顔で
「家には神姫が山ほどいますし、広いですから猫の一匹や五匹、問題ないのですよ? ……あ。勿論、いつでも会いに来てよろしいですよ?」
まったくもって悪くない条件である。
というかこの人は何者なのだろうか? それがわかる日は遠い。
「家には神姫が山ほどいますし、広いですから猫の一匹や五匹、問題ないのですよ? ……あ。勿論、いつでも会いに来てよろしいですよ?」
まったくもって悪くない条件である。
というかこの人は何者なのだろうか? それがわかる日は遠い。
「リック?」
「……じゃあ、お願い……します」
「はい、お願されました♪」
「……じゃあ、お願い……します」
「はい、お願されました♪」
「そういえば、名前はなんというのだ?」
「名前? ……名前は」
「名前? ……名前は」
流れ流れて神姫無頼に戻る