眼前にそびえるのはそこそこの大きさを持つビルディング。
神姫センターめぐりに、わざわざ電車を利用して遠出するあたり、私は大概バトルジャンキーなんだろう。
「ここなら満足できそうな相手、いそうだね」
フランドールが微笑みかける、うずうずしてたまらない意味での笑み。
「少しは、期待できるといいけどね」
ふん、と鼻を鳴らして、センターの中へ。
神姫センターめぐりに、わざわざ電車を利用して遠出するあたり、私は大概バトルジャンキーなんだろう。
「ここなら満足できそうな相手、いそうだね」
フランドールが微笑みかける、うずうずしてたまらない意味での笑み。
「少しは、期待できるといいけどね」
ふん、と鼻を鳴らして、センターの中へ。
「うぃー、今日もやるぞぉー」
「マイマスターはその元気を少しは勉強に使ったらいいと思うんだ」
土曜日の午後、出入りのセンターにてドンパチはじめることにしました。
「なんだよー、勉強に精出したらムラクモちゃんとは遊べなくなるんだぞー、それでもいいのかー?」
「学生としてちゃんと生きようよっ!遊んでばっかじゃまた赤点ギリギリだよ!?」
「赤点じゃなきゃオッケー」
「オッケー、じゃないでしょぉおお!?」
食い下がるムラクモちゃんに、オレはステキスマイル(¥0)をむけた。
「オレは、ムラクモちゃんのこと好きだからさ」
「すっ、す……っ、あ、ぅ、ぁ……」
彼女はカーッとのぼせた様に。おーおー赤くなっちゃって、かーいーなー。
「だから、ずっと、こんな風に一緒にキャッキャウフフしてたいわけよ」
「きゃっ、キャッキャウフフとかいうなぁぁあッ!」
「マイマスターはその元気を少しは勉強に使ったらいいと思うんだ」
土曜日の午後、出入りのセンターにてドンパチはじめることにしました。
「なんだよー、勉強に精出したらムラクモちゃんとは遊べなくなるんだぞー、それでもいいのかー?」
「学生としてちゃんと生きようよっ!遊んでばっかじゃまた赤点ギリギリだよ!?」
「赤点じゃなきゃオッケー」
「オッケー、じゃないでしょぉおお!?」
食い下がるムラクモちゃんに、オレはステキスマイル(¥0)をむけた。
「オレは、ムラクモちゃんのこと好きだからさ」
「すっ、す……っ、あ、ぅ、ぁ……」
彼女はカーッとのぼせた様に。おーおー赤くなっちゃって、かーいーなー。
「だから、ずっと、こんな風に一緒にキャッキャウフフしてたいわけよ」
「きゃっ、キャッキャウフフとかいうなぁぁあッ!」
「昼間からまたやってるよ相沢クン」
「好きだなアイツらも」
「いぢられムラクモたんかわいいなぁうふふ」
「全くだなぁうふふ」
「あんなことしてるクセにやたら強いっていうギャップがいいよなぁうふふ」
「……おまえら語尾にうふふつけるのやめれ、果てしなくキモいぞ」
「好きだなアイツらも」
「いぢられムラクモたんかわいいなぁうふふ」
「全くだなぁうふふ」
「あんなことしてるクセにやたら強いっていうギャップがいいよなぁうふふ」
「……おまえら語尾にうふふつけるのやめれ、果てしなくキモいぞ」
いつものいぢり漫才とギャラリーの怪しい会話、今日もこれで終わるはずだと、オレは思ってた。
けど、今日は違った、トンでもないサプライズがあったのだ。
けど、今日は違った、トンでもないサプライズがあったのだ。
「おい!?なんかやたら強ェ奴がセンター中の連中食い荒らしてるぞ!」
「なんだよ、コイツもこの程度か……つまんないな」
一体何回目のWINコールか、聞き飽きたアナウンスに私はウンザリしていた。
「ここもダメかな、マスター?」
戻ってきたフランが、少し心配げに私に問いかけた。
「さぁて、そうかもしれないね……ヌルいよ」
ポッドの外じゃまたあーだこーだと喚いてる連中ばかり。
見慣れた光景だ、あくびが出るくらい―――
一体何回目のWINコールか、聞き飽きたアナウンスに私はウンザリしていた。
「ここもダメかな、マスター?」
戻ってきたフランが、少し心配げに私に問いかけた。
「さぁて、そうかもしれないね……ヌルいよ」
ポッドの外じゃまたあーだこーだと喚いてる連中ばかり。
見慣れた光景だ、あくびが出るくらい―――
「あのストラーフやべぇって、勝てる気がしねぇ」
「すげー、バラバラにしたべや。こりゃそういう趣味か属性か?」
「なんだよ、属性って」
「ぼ、ぼすー!私の体大丈夫だよね!?ちゃんとくっついてるよねっ!?脚とかあるよねっ!?」
「だ、大丈夫だから、だから落ち着いて、落ち着けー!?」
「うーむ、いい感じにダークだなぁ、オレハァハァしてきた」
「オレもだ、なんかこう、斬られたり踏まれたりされたい」
「いや待てよこのドMども」
「オレ、ちょっとダメかも……やべ、なんか喉までキタ」
「……えっぐ、ご主人さまぁ……あんなのと戦うの、こわぁい……」
「いいんだ、お前は行かなくていい、だから泣かなくていいんだよ……」
「……ご主人さまぁ」
「うぉおおおネルたん!ネルたぁぁんっ!」
「すげー、バラバラにしたべや。こりゃそういう趣味か属性か?」
「なんだよ、属性って」
「ぼ、ぼすー!私の体大丈夫だよね!?ちゃんとくっついてるよねっ!?脚とかあるよねっ!?」
「だ、大丈夫だから、だから落ち着いて、落ち着けー!?」
「うーむ、いい感じにダークだなぁ、オレハァハァしてきた」
「オレもだ、なんかこう、斬られたり踏まれたりされたい」
「いや待てよこのドMども」
「オレ、ちょっとダメかも……やべ、なんか喉までキタ」
「……えっぐ、ご主人さまぁ……あんなのと戦うの、こわぁい……」
「いいんだ、お前は行かなくていい、だから泣かなくていいんだよ……」
「……ご主人さまぁ」
「うぉおおおネルたん!ネルたぁぁんっ!」
「……なんかここ、ヘンなのが混ざってるな」
「……そ、そうだね、マスター」
なんだか、今までのセンターとは少し空気が違う。
おちゃらけているような連中ばかり、気が抜けるような、異様な空気だ。
「で、もうちょっと強いのっていないの?ここ、そこそこデカイ店だから少しは期待してたんだけど」
「全くだよ、ぼくがホンキだせるようなすごいヤツとか、いないの?」
ポッドから出て場に一言。こうでも言わなきゃいつまでも雑魚とばかり、ああもう。
この際ということで、少しキツめの言葉を吐くことにした。
「あの試合見て、我こそはってヤツはいないのか、この○○○野郎ども、え?」
これで怖気づくようなら早々に退散する―――
「……そ、そうだね、マスター」
なんだか、今までのセンターとは少し空気が違う。
おちゃらけているような連中ばかり、気が抜けるような、異様な空気だ。
「で、もうちょっと強いのっていないの?ここ、そこそこデカイ店だから少しは期待してたんだけど」
「全くだよ、ぼくがホンキだせるようなすごいヤツとか、いないの?」
ポッドから出て場に一言。こうでも言わなきゃいつまでも雑魚とばかり、ああもう。
この際ということで、少しキツめの言葉を吐くことにした。
「あの試合見て、我こそはってヤツはいないのか、この○○○野郎ども、え?」
これで怖気づくようなら早々に退散する―――
「おおお!ツンツンだ!すげーツンツンだ!」
「ゴスパンスタイルでツンツンだなんて、なんてディ・モールド・ベネ(とてもよい)なんだ!」
「いや、オレはニガテだけどなぁ……ああいうのは」
「ダマレ!貴様などどうでもよい!オレはあーいうのが好みなんだッ!」
「罵って!もっとオレたちを罵ってェ!!」
「ついでに肩のストラーフちゃんも一緒に罵ってぇ!!」
「ゴスパンスタイルでツンツンだなんて、なんてディ・モールド・ベネ(とてもよい)なんだ!」
「いや、オレはニガテだけどなぁ……ああいうのは」
「ダマレ!貴様などどうでもよい!オレはあーいうのが好みなんだッ!」
「罵って!もっとオレたちを罵ってェ!!」
「ついでに肩のストラーフちゃんも一緒に罵ってぇ!!」
―――なんだ、こいつら。
おかしい、なんかおかしいぞこいつらは。
普通はキレるなりなんなり、そういう反応が返ってくるもんなんだけど……
「ま、マスター……なんかヘンだよ、この人たち……明らかにアタマおかしいよ」
フランが引いてる、というかビビってる。そりゃそうか、私だって引いてるんだ。
どうしようかと頭の中が混乱してるときに、横からの一声。その声に振り向くので精一杯だった。
おかしい、なんかおかしいぞこいつらは。
普通はキレるなりなんなり、そういう反応が返ってくるもんなんだけど……
「ま、マスター……なんかヘンだよ、この人たち……明らかにアタマおかしいよ」
フランが引いてる、というかビビってる。そりゃそうか、私だって引いてるんだ。
どうしようかと頭の中が混乱してるときに、横からの一声。その声に振り向くので精一杯だった。
「なんだなんだ?やたら強いのってのはキミか?」
強いヤツが荒らしてると聞いて来て見れば、そこにいるのは随分と背のちっちゃい女の子だった。小学生くらいかな?
―――あれ、なんだ、オレこの子知ってる?いや、気のせいだよなー?
こんな趣味の子の知り合い、しかも小学生くらいのなんかいないもんな。
こんな趣味の子の知り合い、しかも小学生くらいのなんかいないもんな。
とりあえず声を掛けちゃみたけど、こっち向いたときの顔が?マーク満載状態だった。
ここの連中のハイテンションに当てられたカナ?こりは
「とりあえず、キミでいいんだよね?ココの人たちにやたら勝ってるってのは」
少女の顔がはっ、となる。再起動完了したかな?
「あ……ああ、そうだよ、私」
完了したみたい。
「なんなんだよ、ここの連中。明らかにテンションとか、色々おかしいだろ」
「あー……それは分かる。オレも時たまそー思うから」
ギャラリーの野次とかよくわかんない冗談交じりの罵声とか、そういうのを浴びながらオレは話を進めることにした。
「とりあえずなんだ、強いヤツと戦いたいんだって?」
オレの一声に、自信たっぷりの表情をとって少女が一言。
「そうだよ、私は強いヤツを探してこんなとこまで来たんだ。なのに、どいつもこいつもたいしたことないヤツらばかりでさ」
不敵にに言い放つ。すげー自信だなぁ、この子。
「そーかー、でもココだとセカンドの連中は平日昼間とかしかこないらしいからなぁ」
何故かそういう時間帯しか来ないんだそうだ。おかげで、オレもまだセカンドクラスの人たちとはやったことはない。
「ところで、自分から声かけてきたってことはアンタ、自信あるんだよね?神姫の実力に」
自信と不敵に満ちた表情に笑みが加わった。うわー、なかなか凶悪な笑い方だわ。
「おうよ、自慢だが、ウチのムラクモたんはもうすぐセカンド上がれるくらいのスゴイ子だぜ?」
「た、たんっていうなぁぁあああっ!」
ここの連中のハイテンションに当てられたカナ?こりは
「とりあえず、キミでいいんだよね?ココの人たちにやたら勝ってるってのは」
少女の顔がはっ、となる。再起動完了したかな?
「あ……ああ、そうだよ、私」
完了したみたい。
「なんなんだよ、ここの連中。明らかにテンションとか、色々おかしいだろ」
「あー……それは分かる。オレも時たまそー思うから」
ギャラリーの野次とかよくわかんない冗談交じりの罵声とか、そういうのを浴びながらオレは話を進めることにした。
「とりあえずなんだ、強いヤツと戦いたいんだって?」
オレの一声に、自信たっぷりの表情をとって少女が一言。
「そうだよ、私は強いヤツを探してこんなとこまで来たんだ。なのに、どいつもこいつもたいしたことないヤツらばかりでさ」
不敵にに言い放つ。すげー自信だなぁ、この子。
「そーかー、でもココだとセカンドの連中は平日昼間とかしかこないらしいからなぁ」
何故かそういう時間帯しか来ないんだそうだ。おかげで、オレもまだセカンドクラスの人たちとはやったことはない。
「ところで、自分から声かけてきたってことはアンタ、自信あるんだよね?神姫の実力に」
自信と不敵に満ちた表情に笑みが加わった。うわー、なかなか凶悪な笑い方だわ。
「おうよ、自慢だが、ウチのムラクモたんはもうすぐセカンド上がれるくらいのスゴイ子だぜ?」
「た、たんっていうなぁぁあああっ!」
……コイツも結局そういうタイプの人間か?周りと同じバカとかアホか?
いきなり自分の神姫となんか始めたぞ。
「なんだよぅ、いいじゃないかムラクモたん、ほらカワイイ」
「か、カワイイとかそういうことじゃない!というかなんか響きがヘンタイちっくだっ!」
「えーいいじゃーん、今時ヘンタイじゃないと世の中やってけないぜー?カタいとだめなんだぜー?むしろカタいのは男のアレで十分だぜー?」
「よくないよ!?これっぽっちもよくないよ!?ヘンタイにいい意味なんかないからっ!あと私は別に硬くもないしというか男のアレとかセクハラぁぁああ!?」
いきなり自分の神姫となんか始めたぞ。
「なんだよぅ、いいじゃないかムラクモたん、ほらカワイイ」
「か、カワイイとかそういうことじゃない!というかなんか響きがヘンタイちっくだっ!」
「えーいいじゃーん、今時ヘンタイじゃないと世の中やってけないぜー?カタいとだめなんだぜー?むしろカタいのは男のアレで十分だぜー?」
「よくないよ!?これっぽっちもよくないよ!?ヘンタイにいい意味なんかないからっ!あと私は別に硬くもないしというか男のアレとかセクハラぁぁああ!?」
「……お前らも結局バカの同類か」
「これはダメかもだね、マスター……」
どうもコイツらも大したことなさそうだ。期待損で終わりそう。
失望という気持ちしか、今の私にはなかった。
「死ぬまで漫才してりゃいいさ、そういうバカで弱いやつは救い難いしね」
「これはダメかもだね、マスター……」
どうもコイツらも大したことなさそうだ。期待損で終わりそう。
失望という気持ちしか、今の私にはなかった。
「死ぬまで漫才してりゃいいさ、そういうバカで弱いやつは救い難いしね」
「……マイマスターをバカにするなっ!」
「は?」
私の言葉に帰ってきた、相手のバカの神姫のセリフ。
「たしかにマイマスターはおバカでどうしようもないかもしれないけど、少なくともバトルじゃ負けない!」
びっ、と私に指を向けて。
「お前みたいな、初対面の他人にひどい事いうようなヤツなんかには、マイマスターは絶対負けないッ!!」
―――バカマスターの神姫の割には、言いたい放題いってくれるじゃないか。
「はっ、言ってくれたな?なら証明してみろよ、お前と、お前のマスターが本当に私に負けないのか」
「証明してみせるよ、お前なんかに負けないって!」
ようやく戦えそうだ、その自信をへし折ってやる。
「お、おいムラクモたん、流石にオレも絶対なんて保障できねーぞ?」
「勝つんだよ!マイマスターをバカにしたヤツになんか負けられない!」
「……今日はいやに熱血だなぁ、ムラクモちゃんは」
お互いにポッドに入り込み、戦闘準備。私のフランドールだって、あんなバカどもには負けはしない。
「あの熱血バカを荒い鼻息ごと切り刻んでやれ、フラン」
「うん、今日も勝つ……あんなヤツなんかに、ぼくは負けないよ」
笑顔を浮かべて、私の言葉に応えてくれるフラン。そして、戦闘前の、いつもの合言葉。
「は?」
私の言葉に帰ってきた、相手のバカの神姫のセリフ。
「たしかにマイマスターはおバカでどうしようもないかもしれないけど、少なくともバトルじゃ負けない!」
びっ、と私に指を向けて。
「お前みたいな、初対面の他人にひどい事いうようなヤツなんかには、マイマスターは絶対負けないッ!!」
―――バカマスターの神姫の割には、言いたい放題いってくれるじゃないか。
「はっ、言ってくれたな?なら証明してみろよ、お前と、お前のマスターが本当に私に負けないのか」
「証明してみせるよ、お前なんかに負けないって!」
ようやく戦えそうだ、その自信をへし折ってやる。
「お、おいムラクモたん、流石にオレも絶対なんて保障できねーぞ?」
「勝つんだよ!マイマスターをバカにしたヤツになんか負けられない!」
「……今日はいやに熱血だなぁ、ムラクモちゃんは」
お互いにポッドに入り込み、戦闘準備。私のフランドールだって、あんなバカどもには負けはしない。
「あの熱血バカを荒い鼻息ごと切り刻んでやれ、フラン」
「うん、今日も勝つ……あんなヤツなんかに、ぼくは負けないよ」
笑顔を浮かべて、私の言葉に応えてくれるフラン。そして、戦闘前の、いつもの合言葉。
「マスターの求めるものは……全て!」