『我が名は零(ゼロ)!この世界に統べるものだ。今よりこの世界は余の支配下に入る。もし、反逆する国があれば、その国の全システムを破壊する』
いきなりネット上に現れた謎の人物『零』は、まるで全世界を敵に回すような発言を言い放った。その言葉を聞いたヤクトたちは、唖然としていた。
「おい、冗談だろ…。あんなこと、普通なら言わないぜ」
「だろうな、しかし、あの男はそれを容易く言っている。それはどんなことを意味しているのか、世界の人々は分かるはずだ」
零が宣言した事は紛れもなく本当であり、また、全世界を恐怖に陥れるのに十分な行動であった。現に、この発言のせいで各国で混乱が生じ始めている。
「でも、どうして今になってこんな宣言をするのでしょうか」
『答えは簡単だ』
研究所にいる和多がヤイバの質問に答えた。
『この世界を支配する準備が整った、ということだ。零はこの世界を統べる、と言っていた。そのためには何が必要だと思う?』
和多の質問に、ヤイバはハッとした。
「だから、ランクの高いロボットのデータを集めていたんですね。自分の思う通りに動く軍隊を作るために」
『そうとしか考えられないだろう。零はすべての準備を終えて行動するつもりだった、そして今が実行に移すときだと思ったんだろう』
実行に移すために、零は早い段階で下準備を進めていたのだ。そしてこの行動はすべて計算どおりに進めていた、といえるのだろう。
『とにかく、今の戦力で奴に立ち向かえるかどうか分からないが、何としても奴の野望を阻止しなければいけない。もうすぐここのゲートを開く準備が整うはずだ。開いたら早く中に入るんだ』
「分かりました、和多さん。皆さんも準備が整い次第、突入しましょう」
ヤイバの掛け声で、他のメンバーも士気が上がった。
「よっしゃ、みんな、あの生意気な仮面野郎に一泡吹かせてやろうぜ」
「仮面野郎というのはどうかと思うが…。とにかく、零の野望を止めることができるのは、今のところ自分たちしかいない。みんなも覚悟して戦いに挑んで欲しい」
ヤクトを横目に、リオーネが号令をかけた。
「一言多いんだよ、おめえは…」
いきなりネット上に現れた謎の人物『零』は、まるで全世界を敵に回すような発言を言い放った。その言葉を聞いたヤクトたちは、唖然としていた。
「おい、冗談だろ…。あんなこと、普通なら言わないぜ」
「だろうな、しかし、あの男はそれを容易く言っている。それはどんなことを意味しているのか、世界の人々は分かるはずだ」
零が宣言した事は紛れもなく本当であり、また、全世界を恐怖に陥れるのに十分な行動であった。現に、この発言のせいで各国で混乱が生じ始めている。
「でも、どうして今になってこんな宣言をするのでしょうか」
『答えは簡単だ』
研究所にいる和多がヤイバの質問に答えた。
『この世界を支配する準備が整った、ということだ。零はこの世界を統べる、と言っていた。そのためには何が必要だと思う?』
和多の質問に、ヤイバはハッとした。
「だから、ランクの高いロボットのデータを集めていたんですね。自分の思う通りに動く軍隊を作るために」
『そうとしか考えられないだろう。零はすべての準備を終えて行動するつもりだった、そして今が実行に移すときだと思ったんだろう』
実行に移すために、零は早い段階で下準備を進めていたのだ。そしてこの行動はすべて計算どおりに進めていた、といえるのだろう。
『とにかく、今の戦力で奴に立ち向かえるかどうか分からないが、何としても奴の野望を阻止しなければいけない。もうすぐここのゲートを開く準備が整うはずだ。開いたら早く中に入るんだ』
「分かりました、和多さん。皆さんも準備が整い次第、突入しましょう」
ヤイバの掛け声で、他のメンバーも士気が上がった。
「よっしゃ、みんな、あの生意気な仮面野郎に一泡吹かせてやろうぜ」
「仮面野郎というのはどうかと思うが…。とにかく、零の野望を止めることができるのは、今のところ自分たちしかいない。みんなも覚悟して戦いに挑んで欲しい」
ヤクトを横目に、リオーネが号令をかけた。
「一言多いんだよ、おめえは…」
オワリとハジマリ その1
数十分後、近くのゲートが開き、リオーネたちは中へ進入した。
「おかしい、本来ならイリーガル達が襲い掛かってくるはずなのに」
「おいら達に恐れをなしてるんだろ。じゃなきゃ、とっくの昔に攻撃してるだろうしな」
調子に乗っているヤクトを無視して、リオーネは周りを見回した。
(…ここまで手薄というのはどう考えてもおかしい。もしかして、これは…)
そんなことは考えたくなかったが、おそらくこれは、罠ではないか…。リオーネはそんなことを考えていた。
暫くして、一行は広場らしき場所に出た。そこにも人影らしきものは見当たらない。
(…自分達は、ここへおびき寄せられていたのではないか…。そんな感じがしてならない)
「みんな気をつけろ、これは零が仕掛けた罠かもしれな…」
リオーネが声をかけようとしたそのとき、背後にある通路のシャッターが下りた。
「!まじかよ!?」
「やはりこれは罠か?」
その直後、どこからか零の声が聞こえてきた。
『はははは、ご苦労だったな。余を捕まえるためにわざわざここまで来たのに、残念だったな。お前たちの行動など筒抜けなのだよ。だからわざとここにおびき寄せるためにほかの通路を閉鎖したのだ。そして』
零が指をパチンとはじくと同時に別の扉が開き、そこから大量のバグが入ってきた。
『お前たちにはこのバグたちの相手をしてもらう。余の目的を達成する時間稼ぎとしてな』
「それはどうゆうことだ?!」
リオーネが零の声が響く方向に向かって叫んだ。
『知りたいか?よかろう、教えてやる。余の最終目的、それは、だらけきった人類に裁きを行うことだ!!』
(人類に裁きを行う…。これは脅しなんかじゃなさそうだが…。だが、何のために)
リオーネは零の言葉に疑問を持っていた。なぜわざわざ人類にのみターゲットを絞っているのか、それが理解できなかったのだ。
「人類を支配してどうする?人類は我々にとってパートナーのはず…」
そういいかけたとき、リオーネは零が言った言葉の意味を知った。
「…そうか、そういうことか」
「へ?そういうことってどういうことだよ?」
ゼロの言葉をまるで理解していないヤクトが、リオーネたちの会話に割って入った。
「零の言ったとおりの意味だ、あいつは人類を嫌っている。何の理由かはわからないが、人間に怨みを持っていることに間違いはなさそうだ」
「さっぱり分かんねえな。どうして仮面やろーが人に怨みを持ってるだけでこんなことしなきゃいけねえんだよ?」
「…お前にも分かりやすく言うと、あいつは人類に対して復讐したい、ということだ」
「よく分かったな」
二人の会話に答えるかのように、零が姿を現した。
「余はこの世界を統べると答えた。しかしそれにはロボット工学に関わるものを消す必要があった。なぜなら、余が行う計画の障害になるからだ。そのため、余はバグや洗脳した同士を利用して施設やデータを破壊した。ロボット同士の戦いをやめさせるために!」
一同は呆然した。なぜなら、零の目的がロボットとの争いを阻止することだからだ。しかしそれはヤクトたちにとって、矛盾した結論だった。
「争うだと?自分たちはそんなことをした覚えはない!!」
「果たしてそう言えるか?お前たち神姫をはじめとするホビーロボットは、毎日のように戦いを行っているではないか?それが人間どもを熱中させ、堕落させる。それを阻止するために余は戦いに明け暮れている者たちを集め、新しい世界を作ろうとしているのではないか」
自分の理想の世界を延々と話す零に嫌気がさしたのか、ヤクトが話に釘を刺すかのように言い放った。
「確かにおいらたちは闘ってるよ…、自分の名誉のため、オーナーのためによ…。でもよ、おいらたちが闘うのって、別に相手を破壊したいわけじゃないんだよなぁ。おいらたちはただ楽しくやりたいから闘うだけだし」
それを横目で見ていたリオーネも答えを出した。
「そうだな、自分たちが闘うのも、己を鍛える目的があるからこそ意味がある。壊しあいなど望んでいない」
「そうですね、私たちは相手を倒すためだけに闘っているわけじゃないんです。皆さんもそう思っていますよ」
ヤクトとリオーネの言葉に呼応したのか、ヤイバも同じ意見を出した。
「…わたしは戦闘員ではないのですが、むやみに人を敵視する考えには賛同できません。なぜなら、わたしは人を信じているからです」
マリーやほかの神姫たちも零の意見に反対した。それを見た零は、不敵な笑みを浮べた。
「なるほど、お前たちはあくまで人間の味方、というわけだな。ならば、ここで朽ち果てるのも運命か…」
零は手を上げてそのままヤクトたちのほうに向けた。
「バグよ、こやつらを処分しろ」
次々と出現するバグの群れ。しかしヤクトたちはすでに覚悟を決めていた、いや、最初から決まっていたことかもしれない。
「さあて、早いとこおっ始めようぜ。こいつの演説にはもう飽き飽きだ」
ヤクトは不動に命令を出した。
「OK、ソレデハヤリマショウ」
不動もやる気まんまんの様子である。そして真っ先にバグの集団に突っ込んでいった。
「みんな、ヤクトと不動の後に続け。このまま正面突破するぞ」
リオーネの号令で、ほかのメンバーも後に続く。
こうして、討伐部隊と零軍団との闘いが始まった。
「おかしい、本来ならイリーガル達が襲い掛かってくるはずなのに」
「おいら達に恐れをなしてるんだろ。じゃなきゃ、とっくの昔に攻撃してるだろうしな」
調子に乗っているヤクトを無視して、リオーネは周りを見回した。
(…ここまで手薄というのはどう考えてもおかしい。もしかして、これは…)
そんなことは考えたくなかったが、おそらくこれは、罠ではないか…。リオーネはそんなことを考えていた。
暫くして、一行は広場らしき場所に出た。そこにも人影らしきものは見当たらない。
(…自分達は、ここへおびき寄せられていたのではないか…。そんな感じがしてならない)
「みんな気をつけろ、これは零が仕掛けた罠かもしれな…」
リオーネが声をかけようとしたそのとき、背後にある通路のシャッターが下りた。
「!まじかよ!?」
「やはりこれは罠か?」
その直後、どこからか零の声が聞こえてきた。
『はははは、ご苦労だったな。余を捕まえるためにわざわざここまで来たのに、残念だったな。お前たちの行動など筒抜けなのだよ。だからわざとここにおびき寄せるためにほかの通路を閉鎖したのだ。そして』
零が指をパチンとはじくと同時に別の扉が開き、そこから大量のバグが入ってきた。
『お前たちにはこのバグたちの相手をしてもらう。余の目的を達成する時間稼ぎとしてな』
「それはどうゆうことだ?!」
リオーネが零の声が響く方向に向かって叫んだ。
『知りたいか?よかろう、教えてやる。余の最終目的、それは、だらけきった人類に裁きを行うことだ!!』
(人類に裁きを行う…。これは脅しなんかじゃなさそうだが…。だが、何のために)
リオーネは零の言葉に疑問を持っていた。なぜわざわざ人類にのみターゲットを絞っているのか、それが理解できなかったのだ。
「人類を支配してどうする?人類は我々にとってパートナーのはず…」
そういいかけたとき、リオーネは零が言った言葉の意味を知った。
「…そうか、そういうことか」
「へ?そういうことってどういうことだよ?」
ゼロの言葉をまるで理解していないヤクトが、リオーネたちの会話に割って入った。
「零の言ったとおりの意味だ、あいつは人類を嫌っている。何の理由かはわからないが、人間に怨みを持っていることに間違いはなさそうだ」
「さっぱり分かんねえな。どうして仮面やろーが人に怨みを持ってるだけでこんなことしなきゃいけねえんだよ?」
「…お前にも分かりやすく言うと、あいつは人類に対して復讐したい、ということだ」
「よく分かったな」
二人の会話に答えるかのように、零が姿を現した。
「余はこの世界を統べると答えた。しかしそれにはロボット工学に関わるものを消す必要があった。なぜなら、余が行う計画の障害になるからだ。そのため、余はバグや洗脳した同士を利用して施設やデータを破壊した。ロボット同士の戦いをやめさせるために!」
一同は呆然した。なぜなら、零の目的がロボットとの争いを阻止することだからだ。しかしそれはヤクトたちにとって、矛盾した結論だった。
「争うだと?自分たちはそんなことをした覚えはない!!」
「果たしてそう言えるか?お前たち神姫をはじめとするホビーロボットは、毎日のように戦いを行っているではないか?それが人間どもを熱中させ、堕落させる。それを阻止するために余は戦いに明け暮れている者たちを集め、新しい世界を作ろうとしているのではないか」
自分の理想の世界を延々と話す零に嫌気がさしたのか、ヤクトが話に釘を刺すかのように言い放った。
「確かにおいらたちは闘ってるよ…、自分の名誉のため、オーナーのためによ…。でもよ、おいらたちが闘うのって、別に相手を破壊したいわけじゃないんだよなぁ。おいらたちはただ楽しくやりたいから闘うだけだし」
それを横目で見ていたリオーネも答えを出した。
「そうだな、自分たちが闘うのも、己を鍛える目的があるからこそ意味がある。壊しあいなど望んでいない」
「そうですね、私たちは相手を倒すためだけに闘っているわけじゃないんです。皆さんもそう思っていますよ」
ヤクトとリオーネの言葉に呼応したのか、ヤイバも同じ意見を出した。
「…わたしは戦闘員ではないのですが、むやみに人を敵視する考えには賛同できません。なぜなら、わたしは人を信じているからです」
マリーやほかの神姫たちも零の意見に反対した。それを見た零は、不敵な笑みを浮べた。
「なるほど、お前たちはあくまで人間の味方、というわけだな。ならば、ここで朽ち果てるのも運命か…」
零は手を上げてそのままヤクトたちのほうに向けた。
「バグよ、こやつらを処分しろ」
次々と出現するバグの群れ。しかしヤクトたちはすでに覚悟を決めていた、いや、最初から決まっていたことかもしれない。
「さあて、早いとこおっ始めようぜ。こいつの演説にはもう飽き飽きだ」
ヤクトは不動に命令を出した。
「OK、ソレデハヤリマショウ」
不動もやる気まんまんの様子である。そして真っ先にバグの集団に突っ込んでいった。
「みんな、ヤクトと不動の後に続け。このまま正面突破するぞ」
リオーネの号令で、ほかのメンバーも後に続く。
こうして、討伐部隊と零軍団との闘いが始まった。
「やっと始まったようね」
ヤクトたちが戦闘を始めたときと同じ時間、別の場所でモニター越しで見ていたソフィはニヤニヤしながら状況を確かめていた。
「いい加減にしろ、われわれの任務を忘れたのか」
にやけるソフィを見て、シェイドは半分あきれながら言い放った。
「はいはい、あの赤毛たちが戦ってる隙を見て、私たちは制御システムを奪還するんでしょ?」
「あの神姫たちには悪いが、彼らが戦っている間に我々はメインシステムの復旧を行う。それがあの方の命令であるからな」
シェイドはキッとまじめそうな顔をすると、奥にあるシステムルームに向かった。
「あ、待ってよ…。ったく、あの子ったら任務に対しては堅物すぎるんだから…」
ソフィも渋々と後からついていった。
ヤクトたちが戦闘を始めたときと同じ時間、別の場所でモニター越しで見ていたソフィはニヤニヤしながら状況を確かめていた。
「いい加減にしろ、われわれの任務を忘れたのか」
にやけるソフィを見て、シェイドは半分あきれながら言い放った。
「はいはい、あの赤毛たちが戦ってる隙を見て、私たちは制御システムを奪還するんでしょ?」
「あの神姫たちには悪いが、彼らが戦っている間に我々はメインシステムの復旧を行う。それがあの方の命令であるからな」
シェイドはキッとまじめそうな顔をすると、奥にあるシステムルームに向かった。
「あ、待ってよ…。ったく、あの子ったら任務に対しては堅物すぎるんだから…」
ソフィも渋々と後からついていった。