オワリとハジマリ その4
しかし、零の杖はヤクトの頭上に振り下ろされることはなかった。杖は何者かによって弾き飛ばされていたのである。
「誰だ、余の邪魔をするものは?!」
零の目線には、一匹の野獣型マシンがいた。そしてそのマシンに乗っているのは…。
「零、あなたの好きになどさせません!!」
ヤクトは、ゆっくりと目を開けた。そこには、パートナーの姿があった。
「カ、カウベル…、助けに来てくれたのか」
「ごめんなさい、遅くなりました。でももう心配しないでください、私と獣牙王が一緒に戦います」
にこっと笑うカウベルを見て、ヤクトは士気を取り戻した。
「よっしゃ、力がわいてきたぜ!」
ヤクトの根性が伝わったのか、不動も力を振りしぼって零に立ち向かう。
「ふん、慢心相違の奴に助っ人が一組、か。だが、それで勝てるとは思っていないよな?」
片脚の不動に対し、カイザーゼロは尻尾で残った右脚を攻撃した。
「そこを狙ってくるのは分かってたぜ」
攻撃を受ける瞬間、ヤクトは不動を上へ移動させた。
「そうか、そうきたか。だが、それも計算のうちだ」
零はカイザーの尻尾を上に向かって伸ばした。
「させません!獣牙裂断!!」
しかし尻尾は獣牙王の牙によって引きちぎられた。バランスを失いかけたゼロカイザーは何とか踏ん張りこれを防いだ。
「くっ、なかなかやるな。だが、これで終わると思うなよ」
羽を広げ、威嚇するような格好をするカイザー。まるで獲物を狙う獣のようだ。
「さあ、今のうちに命乞いでもするのだな」
羽が光り始め、四つんばいに近い状態になったカイザーゼロ。開いた口からは光があふれ始めている。
「やばい、あれを喰らっちまうとただじゃすまねえ!早く何とかしないと…」
「ヤクトさん、あれを試しましょう。今の不動では動くのがやっとでしょう」
カウベルがヤクトにあることを教えた。それは不動と獣牙王が合体できることを意味していた。
「なるほど、こいつにはこんな機能があったのか」
「カイザーゼロのビーム砲発射には僅かな時間がかかるようです、早く合体してください」
二つのマシンが分離合体を行い始める。しかしカイザーゼロのビームはついに発射準備が完了した。
「誰だ、余の邪魔をするものは?!」
零の目線には、一匹の野獣型マシンがいた。そしてそのマシンに乗っているのは…。
「零、あなたの好きになどさせません!!」
ヤクトは、ゆっくりと目を開けた。そこには、パートナーの姿があった。
「カ、カウベル…、助けに来てくれたのか」
「ごめんなさい、遅くなりました。でももう心配しないでください、私と獣牙王が一緒に戦います」
にこっと笑うカウベルを見て、ヤクトは士気を取り戻した。
「よっしゃ、力がわいてきたぜ!」
ヤクトの根性が伝わったのか、不動も力を振りしぼって零に立ち向かう。
「ふん、慢心相違の奴に助っ人が一組、か。だが、それで勝てるとは思っていないよな?」
片脚の不動に対し、カイザーゼロは尻尾で残った右脚を攻撃した。
「そこを狙ってくるのは分かってたぜ」
攻撃を受ける瞬間、ヤクトは不動を上へ移動させた。
「そうか、そうきたか。だが、それも計算のうちだ」
零はカイザーの尻尾を上に向かって伸ばした。
「させません!獣牙裂断!!」
しかし尻尾は獣牙王の牙によって引きちぎられた。バランスを失いかけたゼロカイザーは何とか踏ん張りこれを防いだ。
「くっ、なかなかやるな。だが、これで終わると思うなよ」
羽を広げ、威嚇するような格好をするカイザー。まるで獲物を狙う獣のようだ。
「さあ、今のうちに命乞いでもするのだな」
羽が光り始め、四つんばいに近い状態になったカイザーゼロ。開いた口からは光があふれ始めている。
「やばい、あれを喰らっちまうとただじゃすまねえ!早く何とかしないと…」
「ヤクトさん、あれを試しましょう。今の不動では動くのがやっとでしょう」
カウベルがヤクトにあることを教えた。それは不動と獣牙王が合体できることを意味していた。
「なるほど、こいつにはこんな機能があったのか」
「カイザーゼロのビーム砲発射には僅かな時間がかかるようです、早く合体してください」
二つのマシンが分離合体を行い始める。しかしカイザーゼロのビームはついに発射準備が完了した。
「消えろ、邪魔者」
ビームは発射され、ヤクトたちに向かっていく。命中した後にもくもくと広がる煙幕。
「はははは、これで余の邪魔をするものはいなくなった」
煙幕が晴れ、零は残骸を確認するためにあたりを見回した。しかし、命中したところにはパーツはひとつも残されていなかった。
「!奴らはどこに消えた?」
その直後、カイザーゼロの背後から何者かが攻撃してきた。意外な方向からの攻撃を受けた零は、疑問を抱いた。
「…どこから攻撃してきたのだ、奴らは」
零は周りを見回したが、相手の姿は見えない。それどころか、零は攻撃を防ぎきれなくなっていた。
「ば、ばかな…、余が見切れないスピードで動いているとでもいうのか…」
零は焦っていた。明らかにスピードで勝っている零が押されているのだ。予想外の攻撃パターンに零の焦りはしだいに増していった。
「ならば、これならどうだ」
翼を開き、飛行するカイザーゼロ。しかしそれこそ相手の思う壺だった。
「このときを待ってたぜ!!」
ヤクトの声が響いたと同時に、上から巨体が降りてきた。
「な、何だと?!」
背後から背負う形になったカイザーゼロは、そのまま地面に激突する羽目となった。
「どうだ、これでウイングは使えないだろ!」
不動はカイザーゼロの型翼をへし折った。翼を破壊することによって防御をも奪ったのだ。
「なぜだ…、ビームの直撃を喰らったはずでは…」
「ビームが当たる寸前にパーツを分離して難を逃れたのさ!ま、少しでもタイミングがずれたら危なかったんだけどな…」
自慢げに説明するヤクト。しかし脇からカウベルのツッコミが入る。
「もお!説明する暇がありましたら、早く攻撃を仕掛けてください!!」
不可解な行動に翻弄され、冷静さを失った零は、カイザーの腕で不動の腕をつかみかかった。
「ゆるさんぞ、お前たちにはいい加減愛想が尽きた!」
だが獣牙王と合体した不動は逆にカイザーの両腕をつかみ、空高く放り投げた。
「いくぞ獣牙真鬼王不動!獣牙爆雷の陣!!」
不動は巨剣を振り回し、先端から電撃を放出、カイザーの動きを封じた。そしてバックパックのスラスターの出力を上げ、空に舞ったカイザーに突進、カイザーの頭上めがけて振り上げた。
「獣牙大真鬼剣、爆雷唐竹割り!!」
「いかん、脱出する!!」
獣牙大真鬼剣で真っ二つにされ、爆発四散するカイザー。
「どうだ、これでお前の野望もおしまいだな」
切り札を失った零は、もはや慢心相違の状態だった。
「カイザーを破壊されるとは…、どうやら余のほうが甘く見ていたらしい…」
そのままヤクトと不動のそばに歩み寄る零。
「だがその力、そのようなことに使うのはあまりにも惜しい…。どうだ、余の部下になるつもりはないか?」
零は不動の肩に飛び乗り、ヤクトの目の前まで近付いた。その両目は赤く、不気味に光り輝かいている。
「さあ、余の命令を聞くのだ。まずは、あの小娘をつぶしてもらおうか」
零は近くに立っているカウベルを指差した。
「え?ちょっと、どうして私なんですかぁ~?」
慌てふためくカウベルを横に、ゼロはヤクトに催眠光線を放出した。ヤクトは一言も言わずに不動の腕をカウベルめがけて振り下ろそうとする。
「ど、どうしたんですか、やめて、やめてください~」
泣き顔でヤクトを止めようとするカウベル。しかし、寸前のところで不動は動きを止めた。
「ほへ?」
その様子を見て、きょとんとするカウベル。零は今の状況がつかめ切れていなかった。
「どうしたんだ、余の言葉が聞こえなかったのか?」
必死になる零に対し、ヤクトは舌を出して意地悪そうににらみつけた。
「誰がおめえの言うことなんかきくかよ、ば~か!!」
そして零の仮面に肘撃ちをお見舞いした。
「どういうことだ…、余の催眠システムは完璧だったはず…」
吹き飛ばされる零の質問に対し、ヤクトは言い放った。
「おいらの顔に着けた催眠遮断メガネに気づかなかったみたいだな、仮面野郎。こうなることは最初からお見通しだったわけよ」
しかし、地面にたたきつけられた零には、ヤクトの言葉は届かなかった。
ビームは発射され、ヤクトたちに向かっていく。命中した後にもくもくと広がる煙幕。
「はははは、これで余の邪魔をするものはいなくなった」
煙幕が晴れ、零は残骸を確認するためにあたりを見回した。しかし、命中したところにはパーツはひとつも残されていなかった。
「!奴らはどこに消えた?」
その直後、カイザーゼロの背後から何者かが攻撃してきた。意外な方向からの攻撃を受けた零は、疑問を抱いた。
「…どこから攻撃してきたのだ、奴らは」
零は周りを見回したが、相手の姿は見えない。それどころか、零は攻撃を防ぎきれなくなっていた。
「ば、ばかな…、余が見切れないスピードで動いているとでもいうのか…」
零は焦っていた。明らかにスピードで勝っている零が押されているのだ。予想外の攻撃パターンに零の焦りはしだいに増していった。
「ならば、これならどうだ」
翼を開き、飛行するカイザーゼロ。しかしそれこそ相手の思う壺だった。
「このときを待ってたぜ!!」
ヤクトの声が響いたと同時に、上から巨体が降りてきた。
「な、何だと?!」
背後から背負う形になったカイザーゼロは、そのまま地面に激突する羽目となった。
「どうだ、これでウイングは使えないだろ!」
不動はカイザーゼロの型翼をへし折った。翼を破壊することによって防御をも奪ったのだ。
「なぜだ…、ビームの直撃を喰らったはずでは…」
「ビームが当たる寸前にパーツを分離して難を逃れたのさ!ま、少しでもタイミングがずれたら危なかったんだけどな…」
自慢げに説明するヤクト。しかし脇からカウベルのツッコミが入る。
「もお!説明する暇がありましたら、早く攻撃を仕掛けてください!!」
不可解な行動に翻弄され、冷静さを失った零は、カイザーの腕で不動の腕をつかみかかった。
「ゆるさんぞ、お前たちにはいい加減愛想が尽きた!」
だが獣牙王と合体した不動は逆にカイザーの両腕をつかみ、空高く放り投げた。
「いくぞ獣牙真鬼王不動!獣牙爆雷の陣!!」
不動は巨剣を振り回し、先端から電撃を放出、カイザーの動きを封じた。そしてバックパックのスラスターの出力を上げ、空に舞ったカイザーに突進、カイザーの頭上めがけて振り上げた。
「獣牙大真鬼剣、爆雷唐竹割り!!」
「いかん、脱出する!!」
獣牙大真鬼剣で真っ二つにされ、爆発四散するカイザー。
「どうだ、これでお前の野望もおしまいだな」
切り札を失った零は、もはや慢心相違の状態だった。
「カイザーを破壊されるとは…、どうやら余のほうが甘く見ていたらしい…」
そのままヤクトと不動のそばに歩み寄る零。
「だがその力、そのようなことに使うのはあまりにも惜しい…。どうだ、余の部下になるつもりはないか?」
零は不動の肩に飛び乗り、ヤクトの目の前まで近付いた。その両目は赤く、不気味に光り輝かいている。
「さあ、余の命令を聞くのだ。まずは、あの小娘をつぶしてもらおうか」
零は近くに立っているカウベルを指差した。
「え?ちょっと、どうして私なんですかぁ~?」
慌てふためくカウベルを横に、ゼロはヤクトに催眠光線を放出した。ヤクトは一言も言わずに不動の腕をカウベルめがけて振り下ろそうとする。
「ど、どうしたんですか、やめて、やめてください~」
泣き顔でヤクトを止めようとするカウベル。しかし、寸前のところで不動は動きを止めた。
「ほへ?」
その様子を見て、きょとんとするカウベル。零は今の状況がつかめ切れていなかった。
「どうしたんだ、余の言葉が聞こえなかったのか?」
必死になる零に対し、ヤクトは舌を出して意地悪そうににらみつけた。
「誰がおめえの言うことなんかきくかよ、ば~か!!」
そして零の仮面に肘撃ちをお見舞いした。
「どういうことだ…、余の催眠システムは完璧だったはず…」
吹き飛ばされる零の質問に対し、ヤクトは言い放った。
「おいらの顔に着けた催眠遮断メガネに気づかなかったみたいだな、仮面野郎。こうなることは最初からお見通しだったわけよ」
しかし、地面にたたきつけられた零には、ヤクトの言葉は届かなかった。