元旦早々、僕は本棚の整理をしていた。
別に自分のものではないが、ちと別の用があるのだ。
別に自分のものではないが、ちと別の用があるのだ。
「そういえば、形人のお兄さんなんて見たことないなぁ」
「そりゃそうだ。大学の為に一人暮らし始めたの、去年の三月だからな。それ以来帰ってくるのは初めてだ」
「そりゃそうだ。大学の為に一人暮らし始めたの、去年の三月だからな。それ以来帰ってくるのは初めてだ」
そう、今整理してるのは兄の部屋の本棚だ。
「正月ぐらいは実家で過ごす」との事で、今日の夕方四時に帰ってくるのだ。
つー事で、あまり整理されてない部屋を片付けている訳だ。
「正月ぐらいは実家で過ごす」との事で、今日の夕方四時に帰ってくるのだ。
つー事で、あまり整理されてない部屋を片付けている訳だ。
……え? わかってたなら始めから片付けとけ?
初詣から帰ってきた直後にいきなりそう言われたのだ。しかも年末大掃除については整理までしてない。
初詣から帰ってきた直後にいきなりそう言われたのだ。しかも年末大掃除については整理までしてない。
と、ここで内線電話がなった。
相手はもちろん母で、内容は「休憩しない?」だった。
余談ながら、父は祖父の家に呼ばれている。
普段まず会えない以上、まぁしょうがない。うん。
ついでに言うと、ジーナスは父についていった。
相手はもちろん母で、内容は「休憩しない?」だった。
余談ながら、父は祖父の家に呼ばれている。
普段まず会えない以上、まぁしょうがない。うん。
ついでに言うと、ジーナスは父についていった。
「ヒカル、下行くぞ」
「んー、わたしはもう少ししてから行く」
「そうか。んじゃ先降りてるぞ」
「んー、わたしはもう少ししてから行く」
「そうか。んじゃ先降りてるぞ」
そう言い先に部屋を出た。
~・~・~・~・~・~・~
さて。形人がいなくなったし、ちょっと物色ー。
本棚の一番上の段、隙間から奥を覗くと……あった。
エロ本が。
数分前の事
「あ、エロ本」
「何々?」
「見なくていいっつの。男の悲しい性だ。……しかし、本の裏なんてベタベタな隠し方、する奴いるんだなぁ」
「あ、エロ本」
「何々?」
「見なくていいっつの。男の悲しい性だ。……しかし、本の裏なんてベタベタな隠し方、する奴いるんだなぁ」
回想終了
「見るな」と言われて見ない奴なんていないもんね。
とはいっても、本が重くてどかせられない。
なんで英和辞典とか広辞苑(36年版)とかの裏にあるのさ。
とはいっても、本が重くてどかせられない。
なんで英和辞典とか広辞苑(36年版)とかの裏にあるのさ。
……しゃーない、引っ張るために何かもってこよう。
そう思い一段ずつ降りようとぶら下がった直後
そう思い一段ずつ降りようとぶら下がった直後
「……地震!?」
そりゃもうすごい揺れるの。
いや、人間的には大した揺れじゃないだろうけど。
いや、人間的には大した揺れじゃないだろうけど。
「あ」
本棚が倒れた。
背後の風景はアッという間に床に変わっていく。
背後の風景はアッという間に床に変わっていく。
ああ……そういえばおみくじ凶だったなぁ……。
ずどぉん
~・~・~・~・~・~・~
「……揺れは収まったみたいだ」
いきなりの地震、震度3ぐらいか?
「さっきの何かが倒れた音、本棚じゃないかしら?」
あー、可能性高いなぁ。整理してたから本がまばらになってて、バランス悪そうだったからなぁ。
いきなりの地震、震度3ぐらいか?
「さっきの何かが倒れた音、本棚じゃないかしら?」
あー、可能性高いなぁ。整理してたから本がまばらになってて、バランス悪そうだったからなぁ。
……嫌な予感。
「ヒカルが心配だから見てくる」
「予震に気をつけてねー?」
「ヒカルが心配だから見てくる」
「予震に気をつけてねー?」
~・~・~・~・~・~・~
兄の部屋に戻ると、やっぱりというか何というか、本棚が倒れているしヒカルが見当たらない。
「ヒカルー、下かー?」
呼びかけなくても下敷きになってるであろう。
こういう時の予感は高確率で的中するジンクスがあるからなぁ。
呼びかけなくても下敷きになってるであろう。
こういう時の予感は高確率で的中するジンクスがあるからなぁ。
「やっぱりか」
本棚を倒れないようにどかすと、下から気絶したヒカルが出てきた。
「大丈夫……じゃないな、肩もげてるし。この前メンテ行ったばっかなのになぁ」
ボヤキつつ前後から胸と背中を挟む形でつまみ上げた直後
本棚を倒れないようにどかすと、下から気絶したヒカルが出てきた。
「大丈夫……じゃないな、肩もげてるし。この前メンテ行ったばっかなのになぁ」
ボヤキつつ前後から胸と背中を挟む形でつまみ上げた直後
ポロッ
腹のあたりから下半身がずり落ちた。
「…………」
ポルナレフのガイドラインが使いたくなるぐらい唖然とした。
なぁにこれぇ。
ポルナレフのガイドラインが使いたくなるぐらい唖然とした。
なぁにこれぇ。
「うーわーぁ」
うん。メタな話だが、今の状況は他の神姫SSの主人公なら大声をあげて慌てるところだろう。
しかし、それでもすごい落ち着いてるのが僕クオリティ。
うん。メタな話だが、今の状況は他の神姫SSの主人公なら大声をあげて慌てるところだろう。
しかし、それでもすごい落ち着いてるのが僕クオリティ。
そんな事考えてないで、さっさと神姫センターに行けよ僕。
~・~・~・~・~・~・~
「あら形人、どこに行くの?」
「ヒカルが本棚の下敷きになって真っ二つだ。神姫センター行ってくる」
「あらぁ。ならお母さんが行くわ、形人は部屋を片付けて」
「え?」
「修理代はこっちが出すから。ね?」
「……んー、わかった。お願い」
「ヒカルが本棚の下敷きになって真っ二つだ。神姫センター行ってくる」
「あらぁ。ならお母さんが行くわ、形人は部屋を片付けて」
「え?」
「修理代はこっちが出すから。ね?」
「……んー、わかった。お願い」
元旦賑わう神姫センター、正月でも平常営業である。
「予震は……ないか」
「長瀬殿、自宅は大丈夫だろうか?」
「ラスターとジュラがいるんだ、大丈夫だろう。それに、あと十分もすれば交代だ」「明日はどこに行く予定か?」
「適当にMMSショップをハシゴ……おっと、お客様だ」
本日はヒマなメンテナンスショップ。
受付は昨日(前話)からの夜勤である長瀬とグラーチュである。
「長瀬殿、自宅は大丈夫だろうか?」
「ラスターとジュラがいるんだ、大丈夫だろう。それに、あと十分もすれば交代だ」「明日はどこに行く予定か?」
「適当にMMSショップをハシゴ……おっと、お客様だ」
本日はヒマなメンテナンスショップ。
受付は昨日(前話)からの夜勤である長瀬とグラーチュである。
「おや、形人君のお母様じゃないですか」
「どうも長瀬さん、お久しぶりですーw 以前差し上げたビデオディスクはどうでしたかー?」
「……聞かないでください」
「どうも長瀬さん、お久しぶりですーw 以前差し上げたビデオディスクはどうでしたかー?」
「……聞かないでください」
詳しくは無頼15を参照。
「それで、今日はどうなされましたか?」
「ヒカルちゃんが言葉通りに腰砕けになっちゃいましたので、忙しい形人の代理で来ました」
と言い、未だに気絶しているヒカルを取り出した。
「ふむ……。わかりました。では、この書類をお「それで、個人的にお願いしたい事が」え?」
「ヒカルちゃんが言葉通りに腰砕けになっちゃいましたので、忙しい形人の代理で来ました」
と言い、未だに気絶しているヒカルを取り出した。
「ふむ……。わかりました。では、この書類をお「それで、個人的にお願いしたい事が」え?」
「耳を貸せ」と手振りで伝える。
長瀬、耳を近づける。
長瀬、耳を近づける。
少々お待ちください....
「それ、本気で言ってるんですか」
「本気と書いてマジですよ?」
「形人君には許可を取らなくていいんですか?」
「「代金はこっち持ち」と言っておきましたから」
「本気と書いてマジですよ?」
「形人君には許可を取らなくていいんですか?」
「「代金はこっち持ち」と言っておきましたから」
「……なんとまぁ、突飛な事で」
「ある種の「お約束」ってやつですよw」
「ある種の「お約束」ってやつですよw」
~・~・~・~・~・~・~
「おかえり。ヒカルはどうだった?」
「ちょっと時間かかるけど、大丈夫だと言ってたわよ? それより片付けは?」
「終わった」
「あらそう。世間ではこういうタイミングで……」
「ちょっと時間かかるけど、大丈夫だと言ってたわよ? それより片付けは?」
「終わった」
「あらそう。世間ではこういうタイミングで……」
ガチャッ
玄関のドアが開く音がした。
「ね?」
「……なんというご都合主義」
「ね?」
「……なんというご都合主義」
「ただいまー」
リビングのドアを開け、顔をのぞかせるこの男こそ、我が兄「彩聞光輝(みつき)」である。
リビングのドアを開け、顔をのぞかせるこの男こそ、我が兄「彩聞光輝(みつき)」である。
「形人、早速で悪いが神姫センター行こうぜ?」
「無理」
「即答かよっ!?」
「だってさ、ヒカルは修理に出したばかりだし、ジーナスはお父さんと一緒に実家行ってるし」
「なんてこった。じゃあ一人で行ってくる、荷物よろしくな?」
「無理」
「即答かよっ!?」
「だってさ、ヒカルは修理に出したばかりだし、ジーナスはお父さんと一緒に実家行ってるし」
「なんてこった。じゃあ一人で行ってくる、荷物よろしくな?」
言うなり出かけていった。
何なんだこの兄貴。
何なんだこの兄貴。
「……ていうか、兄ちゃんって神姫やってたのか」
「知らなかったの? 形人と同時期に始めたんだって」
「神姫は高いのに。そんな金どこから」
「何でも、「エアパスタ」がどうとか」
「……」
「知らなかったの? 形人と同時期に始めたんだって」
「神姫は高いのに。そんな金どこから」
「何でも、「エアパスタ」がどうとか」
「……」
さては食費を削って確保したな?
まぁ、仕方ない。
まぁ、仕方ない。
さて、ヒカルは無事に戻ってくるのだろうか。
例によって嫌な予感がする。
例によって嫌な予感がする。
その頃
「何!? 何々!!? ちょっと長瀬さんその拡大ゴーグルめちゃくちゃ怖いんだけど!?」
「奥さんの依頼でね。ちなみにゴーグルは仕方が無い」
「つーか何で他三人は白衣に青照明の照り返しなの!? ショッカーの科学者か!?」
「ホラ、こういう事はまず形からというじゃないですか」
「だいじょ~ぶ、悪いようにしないから」
「私も通った道だ、諦めろ」
「何!? 何々!!? ちょっと長瀬さんその拡大ゴーグルめちゃくちゃ怖いんだけど!?」
「奥さんの依頼でね。ちなみにゴーグルは仕方が無い」
「つーか何で他三人は白衣に青照明の照り返しなの!? ショッカーの科学者か!?」
「ホラ、こういう事はまず形からというじゃないですか」
「だいじょ~ぶ、悪いようにしないから」
「私も通った道だ、諦めろ」
「やめろージョッカー!ぶっとばすぞー!」
「じゃ、痛かったら三べん回ってワンって言ってくださいねー」
「じゃ、痛かったら三べん回ってワンって言ってくださいねー」
「できるかぁぁぁぁ!!」
「ギャー!!」
絶叫が響き渡った。
つづく
流れ流れて神姫無頼に戻る