今日は終業式、明日からは夏休みだというのに、僕は学校を休んだ。しかも、仮病で。
単純に学校に行きたくないということもあるのだけれど、もうひとつ理由がある。
僕は武装神姫について、なにも知らない。今後、ネロと生活していくとすると、何が必要なのか、どのように接していけばいいのかなど、色々と調べる必要があった。
・・・・・・そんな理由で学校休んだなんて、口が裂けても言えないけど。
とりあえず、昨日のうちに充電用のクレードルだけはなんとか入手できた。おかげで、所持金がほとんど無くなったけど。
家の中は、静まり返っている。祖父も祖母もまだ元気で、昨日から北海道へ旅行に行っていた。四泊五日の予定らしいから、しばらくは帰ってこない。と、
「ん・・・・・・」
クレードルの上で、ネロが目を覚ました。
「おはよ、ネロ。気分はどう?」
「おはようございます、慎一。久しぶりによく眠れました」
なんでも、彼女はあそこでずっとスリープ状態のまま過ごし、人が通りかかった時だけ起動して、助けを求めていたらしい。よくわからないが、大変だったということはわかる。
「それで、僕はこれからどうすればいいのかな?」
最初はネットか何かで調べようと思ったのだが、考えてみれば実物が目の前にいるのだ。ネロに色々聞いていく方が早い気がする。
「そのことで・・・・・・、あの、申し上げにくいのですが・・・・・・」
「ん?」
「このまま私を所持されますと・・・・・・、慎一が不法所持の罪に問われるのです」
・・・・・・なに?
「私の本来のマスターは現在行方不明なのですが、マスター登録が解除されているわけではありません。ですから私は、あなたをマスターと呼ぶことができません。それに、所有権も元のマスターにありますので・・・・・・」
要するに僕は、他人の物を勝手に所持していることになる、というわけか。
「私は自分で本来のマスターを探しますから・・・・・・」
というネロの言葉を遮って、呼び鈴が鳴った。
単純に学校に行きたくないということもあるのだけれど、もうひとつ理由がある。
僕は武装神姫について、なにも知らない。今後、ネロと生活していくとすると、何が必要なのか、どのように接していけばいいのかなど、色々と調べる必要があった。
・・・・・・そんな理由で学校休んだなんて、口が裂けても言えないけど。
とりあえず、昨日のうちに充電用のクレードルだけはなんとか入手できた。おかげで、所持金がほとんど無くなったけど。
家の中は、静まり返っている。祖父も祖母もまだ元気で、昨日から北海道へ旅行に行っていた。四泊五日の予定らしいから、しばらくは帰ってこない。と、
「ん・・・・・・」
クレードルの上で、ネロが目を覚ました。
「おはよ、ネロ。気分はどう?」
「おはようございます、慎一。久しぶりによく眠れました」
なんでも、彼女はあそこでずっとスリープ状態のまま過ごし、人が通りかかった時だけ起動して、助けを求めていたらしい。よくわからないが、大変だったということはわかる。
「それで、僕はこれからどうすればいいのかな?」
最初はネットか何かで調べようと思ったのだが、考えてみれば実物が目の前にいるのだ。ネロに色々聞いていく方が早い気がする。
「そのことで・・・・・・、あの、申し上げにくいのですが・・・・・・」
「ん?」
「このまま私を所持されますと・・・・・・、慎一が不法所持の罪に問われるのです」
・・・・・・なに?
「私の本来のマスターは現在行方不明なのですが、マスター登録が解除されているわけではありません。ですから私は、あなたをマスターと呼ぶことができません。それに、所有権も元のマスターにありますので・・・・・・」
要するに僕は、他人の物を勝手に所持していることになる、というわけか。
「私は自分で本来のマスターを探しますから・・・・・・」
というネロの言葉を遮って、呼び鈴が鳴った。
あまり出たくはなかったけど、もし祖父母に関することだったら大変なので、僕は玄関へ向かった。すると、
「良かった、元気そうで」
来客は、同級生の上岡梓だった。
「はい、今日わけられた配布物。それと、始業式の予定」
「あ、うん・・・・・・。ありがとう」
彼女は明るくて、しかも優しい性格で、男女問わず人気があった。もちろん、男子にとってはその容姿も人気の理由のひとつなわけだけれど・・・・・・。
「・・・・・・おせっかいだったかな?」
・・・・・・とか考えてたら、彼女はそう言った。
「あ、う、ううん」
とりあえずそう答える。と、
「慎一」
って、ネロ!? 出てきちゃダメだって・・・・・・!
「テレビの電源がつけっぱなしですが・・・・・・」
「あ、それ・・・・・・」
梓は目の前のネロをまじまじと見詰める。
「星野くんも、武装神姫やってるの?」
・・・・・・も?
「うわあ奇偶! 私もやってるんだ。ね、その娘、なんて名前?」
僕にはもう、この流れを止めることはできなかった。
「良かった、元気そうで」
来客は、同級生の上岡梓だった。
「はい、今日わけられた配布物。それと、始業式の予定」
「あ、うん・・・・・・。ありがとう」
彼女は明るくて、しかも優しい性格で、男女問わず人気があった。もちろん、男子にとってはその容姿も人気の理由のひとつなわけだけれど・・・・・・。
「・・・・・・おせっかいだったかな?」
・・・・・・とか考えてたら、彼女はそう言った。
「あ、う、ううん」
とりあえずそう答える。と、
「慎一」
って、ネロ!? 出てきちゃダメだって・・・・・・!
「テレビの電源がつけっぱなしですが・・・・・・」
「あ、それ・・・・・・」
梓は目の前のネロをまじまじと見詰める。
「星野くんも、武装神姫やってるの?」
・・・・・・も?
「うわあ奇偶! 私もやってるんだ。ね、その娘、なんて名前?」
僕にはもう、この流れを止めることはできなかった。
僕は覚悟を決めて、ネロに関する事情すべてを梓に話した。すると、
「そっか・・・・・・。ね、私になにか協力できること、ない?」
「えっ?」
協力って・・・・・・。
「ネロちゃんのマスター、私たちで探してあげようよ」
「え、いえ、しかし・・・・・・」
ネロは狼狽した。あ、困ってる顔、結構可愛いな。
「大丈夫。ね、星野くん?」
・・・・・・そんな笑顔で同意を求めないで下さい。ともかく僕らは彼女に押し切られ、明日、近所のセンターで待ち合わせをすることになったのだった。
「そっか・・・・・・。ね、私になにか協力できること、ない?」
「えっ?」
協力って・・・・・・。
「ネロちゃんのマスター、私たちで探してあげようよ」
「え、いえ、しかし・・・・・・」
ネロは狼狽した。あ、困ってる顔、結構可愛いな。
「大丈夫。ね、星野くん?」
・・・・・・そんな笑顔で同意を求めないで下さい。ともかく僕らは彼女に押し切られ、明日、近所のセンターで待ち合わせをすることになったのだった。
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