武装神姫のリン
第4話「予想外の初陣」
第4話「予想外の初陣」
本来はイベントを見に来ただけだったはずだが、今、俺ははじめて見るバトル用のインターフェイスをまじまじと見つめていた。
データを使用するバーチャルバトルなのでリンはまるでロボットのコックピットのようなインターフェイスに腰掛け、首の下部にある普段は隠れた端子に専用ケーブルを繋がれる。
データを使用するバーチャルバトルなのでリンはまるでロボットのコックピットのようなインターフェイスに腰掛け、首の下部にある普段は隠れた端子に専用ケーブルを繋がれる。
「なんにもそういう訓練みたいなのしてないけど、大丈夫か?」
俺が尋ねるがリンはキリっとした目を向けて。
「基本的な動きはプリセットされていますし、基本武装ならある程度は扱えるはずです。」
「そうか、俺が指示とか出したほうがいいのかと思ったけどどうする?」
「私が判断するよりもマスターの判断の方が信頼できます。お願いします。」
「わかった。で装備はどうする?」
「レッグパーツとセカンドアーム、アングルブレードをレッグパーツに。セカンドアーム基部にフルストゥ・グフロートゥをお願いします。」
「OK。セットしたぞ。 おっと登録名忘れてた、『リン』っと・・・って他ユーザーと重複するから登録不可だってよ、どうする?」
「マスターのお好きにしてください。」
「そうだな・・・じゃあ漢字で『燐』これでいいだろう?」
「もちろんです、マスターが下さった名前ですから。」
「……この漢字は使われて無いみたいだな。よし、コレで登録っと」
俺が尋ねるがリンはキリっとした目を向けて。
「基本的な動きはプリセットされていますし、基本武装ならある程度は扱えるはずです。」
「そうか、俺が指示とか出したほうがいいのかと思ったけどどうする?」
「私が判断するよりもマスターの判断の方が信頼できます。お願いします。」
「わかった。で装備はどうする?」
「レッグパーツとセカンドアーム、アングルブレードをレッグパーツに。セカンドアーム基部にフルストゥ・グフロートゥをお願いします。」
「OK。セットしたぞ。 おっと登録名忘れてた、『リン』っと・・・って他ユーザーと重複するから登録不可だってよ、どうする?」
「マスターのお好きにしてください。」
「そうだな・・・じゃあ漢字で『燐』これでいいだろう?」
「もちろんです、マスターが下さった名前ですから。」
「……この漢字は使われて無いみたいだな。よし、コレで登録っと」
俺はそばにあるバトルユーザー登録用の端末に全ての情報を入力、登録ボタンを押す。
そうするとすぐに係員がIDカードを持って来てくれた。非接触ICカードだ。
コレに俺の住所やら、リンのシリアルナンバーなど神姫に関する全ての情報が入っている。
今後はこのカードを端末にかざせば、大会に出る際の書類の書き込みが要らなくなるらしい。
便利なのは分かっているが、やはりクレジットカードと同じで紛失すれば危険な代物だ。
規約には「紛失された際はお近くのカスタマーショップに行くか、こちらの電話番号にお電話ください。」とまで書かれている。
そうするとすぐに係員がIDカードを持って来てくれた。非接触ICカードだ。
コレに俺の住所やら、リンのシリアルナンバーなど神姫に関する全ての情報が入っている。
今後はこのカードを端末にかざせば、大会に出る際の書類の書き込みが要らなくなるらしい。
便利なのは分かっているが、やはりクレジットカードと同じで紛失すれば危険な代物だ。
規約には「紛失された際はお近くのカスタマーショップに行くか、こちらの電話番号にお電話ください。」とまで書かれている。
とりあえずカードから目を離して、リンを見る。
このトーナメントは6名のエントリーで1回戦は2試合、ということで6人の内2人はシードになるのだが、運がいいのか悪いのか俺は見事にシード権を得た。
ということで空き時間を利用してリンはトレーニングをしている。
プリセットされた動きがどういうモノなのかは分からないが、一見すると結構洗練された動きをしている様に見える。
このトーナメントは6名のエントリーで1回戦は2試合、ということで6人の内2人はシードになるのだが、運がいいのか悪いのか俺は見事にシード権を得た。
ということで空き時間を利用してリンはトレーニングをしている。
プリセットされた動きがどういうモノなのかは分からないが、一見すると結構洗練された動きをしている様に見える。
そうしてリンの動きに関心してるうちに俺たちの番が回って来たようだ。
俺は観客の視線が集中するステージに立つ。まさかこれほど人が残っているとは思っていなかった。
肩にはリンが座っている。リンの服はインターフェイスに接続するために脱がしてあるがソレが原因なのか、観客が多いからなのか、リンは少し恥ずかしそうだった。
相手に目を向ける、相手は俺と同年代の男だ。
メガネをかけ、いかにも『数学が得意です』といった感じだ。
そいつの神姫はハウリン、大きな目を鋭くさせてリンをにらむ。
「マスター、お願いします。」
その目線を感じてか、いつもより凛々しい声でリンが言った。
「よし、初戦を勝利で飾ってやろうぜ」
「ハイ!!」
スクリーンにリンの姿が現れる。ソレとほぼ同時で相手のハウリンも現れた。
ただ戦闘が開始されると選手側(もちろんマスターも含めて)からはスクリーンが見えなくなる。
敵の最初の位置を確認できる極めて貴重な時間だ。
相手は基本装備に加えて大型のキャノン砲「吼莱壱式」をもう1門左腕に装備している。
リン…いや燐を近づける気は全く無いらしい。
一方、燐は完全に基本武装のまま。セカンドアームにレッグユニットを装備し。
左手にフルストゥ・クレインを、右手にはSRGR(シュラム・リボルビング・グレネード・ランチャー)を持っている。
アングルブレードなどは先ほど装備指定した箇所にマウントしたままだ。
肩にはリンが座っている。リンの服はインターフェイスに接続するために脱がしてあるがソレが原因なのか、観客が多いからなのか、リンは少し恥ずかしそうだった。
相手に目を向ける、相手は俺と同年代の男だ。
メガネをかけ、いかにも『数学が得意です』といった感じだ。
そいつの神姫はハウリン、大きな目を鋭くさせてリンをにらむ。
「マスター、お願いします。」
その目線を感じてか、いつもより凛々しい声でリンが言った。
「よし、初戦を勝利で飾ってやろうぜ」
「ハイ!!」
スクリーンにリンの姿が現れる。ソレとほぼ同時で相手のハウリンも現れた。
ただ戦闘が開始されると選手側(もちろんマスターも含めて)からはスクリーンが見えなくなる。
敵の最初の位置を確認できる極めて貴重な時間だ。
相手は基本装備に加えて大型のキャノン砲「吼莱壱式」をもう1門左腕に装備している。
リン…いや燐を近づける気は全く無いらしい。
一方、燐は完全に基本武装のまま。セカンドアームにレッグユニットを装備し。
左手にフルストゥ・クレインを、右手にはSRGR(シュラム・リボルビング・グレネード・ランチャー)を持っている。
アングルブレードなどは先ほど装備指定した箇所にマウントしたままだ。
「それでは、新人戦の準決勝第2試合。 TYPE DEVILの燐 対 TYPE DOGのレオナ 開始!!!!」
司会の女性が大きな声で試合開始を告げる。
司会の女性が大きな声で試合開始を告げる。
先制したのは敵。いきなり最大出力で吼莱壱式を撃ってきた。
「燐!! 避けろ!!」
燐はレッグユニットの脚力を最大限に発揮させ、跳ぶ。
そこに敵のプチマスィーンが飛んできて周りを囲む様に展開して動き回る。
「蹴散らせ!」
燐はリーチを生かした回し蹴りを放つ。マスィーンズが回避行動を取った間に身体をひねって着地。
がそこにまたしても吼莱壱式の砲撃、しかも今回は二門両方の一斉掃射だ。
「!!」
俺が指示を出す間も無かったが、燐は着地と同時にサイドステップをして2本のビームをギリギリで回避。
正にレッグパーツの脚力の賜物だった。
「燐!! 避けろ!!」
燐はレッグユニットの脚力を最大限に発揮させ、跳ぶ。
そこに敵のプチマスィーンが飛んできて周りを囲む様に展開して動き回る。
「蹴散らせ!」
燐はリーチを生かした回し蹴りを放つ。マスィーンズが回避行動を取った間に身体をひねって着地。
がそこにまたしても吼莱壱式の砲撃、しかも今回は二門両方の一斉掃射だ。
「!!」
俺が指示を出す間も無かったが、燐は着地と同時にサイドステップをして2本のビームをギリギリで回避。
正にレッグパーツの脚力の賜物だった。
この攻撃で勝負を決めるつもりだったのだろう。
さすがに最大出力での2連射で右腕の吼莱壱式はもう使い物にならないらしく、敵はソレを捨て置きビルの陰に姿を消した。
即座に俺は指示を出す
「燐、敵は奇襲を仕掛けてくるつもりだ。 なるべくビルに身を預けて敵の射線上に出ないように。」
「はい、気をつけます。」
燐は大きめのビルに背をつけるように敵を探す。
さすがに最大出力での2連射で右腕の吼莱壱式はもう使い物にならないらしく、敵はソレを捨て置きビルの陰に姿を消した。
即座に俺は指示を出す
「燐、敵は奇襲を仕掛けてくるつもりだ。 なるべくビルに身を預けて敵の射線上に出ないように。」
「はい、気をつけます。」
燐は大きめのビルに背をつけるように敵を探す。
敵が姿を消したからはや4分。なかなか敵は見つからない。
そうして燐が焦りと苛立ちを募らせたころ影がビルから飛び出した。
そうして燐が焦りと苛立ちを募らせたころ影がビルから飛び出した。
燐は即座に反応してフルストゥ・クレインを投擲、ソレは確かに影を仕留めたが、燐の後方からビームが飛んできた。
セカンドアームを1本犠牲になんとか直撃を免れた燐だったが、すでに敵は燐の背後にいた。
そして影の正体が判明する。ソレはひとつに集まり、胸部を覆うアーマーを乗せて跳ぶプチマスィーンだった。
胸部アーマーの中央にフルストゥ・クレインが見事に突き刺さっている。
がソレが意味をなさないことは燐自身が一番良く分かっているだろう。
セカンドアームを1本犠牲になんとか直撃を免れた燐だったが、すでに敵は燐の背後にいた。
そして影の正体が判明する。ソレはひとつに集まり、胸部を覆うアーマーを乗せて跳ぶプチマスィーンだった。
胸部アーマーの中央にフルストゥ・クレインが見事に突き刺さっている。
がソレが意味をなさないことは燐自身が一番良く分かっているだろう。
俺たちは敵の作戦に見事にハマってしまったのだ。
敵は冷徹な声でこう言った。
「アンタの、負け。」
燐はスッと顔を俯かせた。
燐は体勢を崩し、しりもちをつく形で背に吼莱壱式の砲口を当てられている。
敵は冷徹な声でこう言った。
「アンタの、負け。」
燐はスッと顔を俯かせた。
燐は体勢を崩し、しりもちをつく形で背に吼莱壱式の砲口を当てられている。
「こんな作戦に引っかかるなんて、キミのマスターっておつむが弱いんじゃないの?
ボクのマスターとは違って…さ」
「…………な…」
燐が何か言っているようだが、良く聞こえない。
「なにか言った?」
敵が燐に聞いてみるが燐は俯いたままのようだ。
「…ス………す…な…」
「だから、なんなんだよ?」
そして俺は気付いた。燐の肩が震え。そして拳が強く握られていた。
「マスターを、侮辱するなぁ!!!!」
燐は叫びと共に無理やりに地面を蹴り、逆立ちのような体勢に、そして片方だけ残ったセカンドアームで地面を強く押す。そうしてバク転のような形で敵の背後を取る。
このとき俺は驚いた。
それはエキシビジョンマッチの第1戦でマオチャオがストラーフの攻撃をかわしたときの動きの応用だったのだ。
ボクのマスターとは違って…さ」
「…………な…」
燐が何か言っているようだが、良く聞こえない。
「なにか言った?」
敵が燐に聞いてみるが燐は俯いたままのようだ。
「…ス………す…な…」
「だから、なんなんだよ?」
そして俺は気付いた。燐の肩が震え。そして拳が強く握られていた。
「マスターを、侮辱するなぁ!!!!」
燐は叫びと共に無理やりに地面を蹴り、逆立ちのような体勢に、そして片方だけ残ったセカンドアームで地面を強く押す。そうしてバク転のような形で敵の背後を取る。
このとき俺は驚いた。
それはエキシビジョンマッチの第1戦でマオチャオがストラーフの攻撃をかわしたときの動きの応用だったのだ。
敵はあまりの予想外の動きに混乱し、慌てて吼莱壱式を構えようとするがそれは叶わなかった。
燐がフルストゥ・グフロートゥを投擲し砲身を貫いていたからだ。
そのまま燐は近場のビルの壁を蹴って1直線に敵へ跳ぶ。
燐がフルストゥ・グフロートゥを投擲し砲身を貫いていたからだ。
そのまま燐は近場のビルの壁を蹴って1直線に敵へ跳ぶ。
敵がプチマスィーンを呼ぼうにも、距離が遠すぎた。
怒りに燃える燐のSRGRがゼロ距離で発射され、敵を1瞬で炎が包み込んだ。
怒りに燃える燐のSRGRがゼロ距離で発射され、敵を1瞬で炎が包み込んだ。
そうして俺とリン……燐との初戦は幕を閉じた。
インターフェイスから接続をはずしたリンは上目使いで俺に言ってくる。
「あの、すみません……取り乱してしまいました」
俺は手を差し出してリンを乗せる。
「いや、俺のことで怒ってくれたのはうれしいんだがな……」
と目配せをしてリンが左を向くと
「ヒューヒュー、お暑いねェお二人さんw」
「コンチクショー、俺の神姫もあれぐらい慕ってくれば……orz」
「神姫とのあんな関係…羨ましいぞ!!!!!」
「燐ちゃんを俺に譲れ~~~(泣)」
「燐ちゃん、こっち向いて~~」
こんなかんじでヤジが飛んでくる。
燐は顔を真っ赤に染めてそのまま俺のジャケットの胸ポケットに隠れてしまった。
係員が決勝をどうするか?と聞いてきたがリンはもう恥ずかしくて出られないと拒否。
ということで決勝戦は不戦勝でエントリーナンバー2番の神姫が優勝。
そしてリンが絶対に出ないと言ったため、表彰式も辞退した。
しかし係員の人が気を利かせてリンは2位の賞品を貰うことができた。
賞品はバーチャル訓練用の端末だ。基本的にバーチャルバトル用のインターフェイスと同じシートがノートほどの大きさの基盤に繋がっており、そのままでも神姫の訓練やUPU戦が出来るが、
外部出力からケーブルをTV(もしくはPCのモニター)につなぐと、神姫に見えている(バーチャルバトル中は神姫のカメラアイからの映像情報はカットされ、端末からのデータが目に映るしくみになっている。)のと同じ視点や、戦闘フィールドをイロイロな角度から見ることが出来る。
そうしてマスターもバトルの練習が出来るようになったスグレモノである。
何でもエキシビジョンマッチのお礼としてランカー達に贈呈されるはずだったが、彼らほどになるとソレより高性能な訓練機を持っていたそうで受け取りを断られたそうだ。
なんとも幸運なことだ。
インターフェイスから接続をはずしたリンは上目使いで俺に言ってくる。
「あの、すみません……取り乱してしまいました」
俺は手を差し出してリンを乗せる。
「いや、俺のことで怒ってくれたのはうれしいんだがな……」
と目配せをしてリンが左を向くと
「ヒューヒュー、お暑いねェお二人さんw」
「コンチクショー、俺の神姫もあれぐらい慕ってくれば……orz」
「神姫とのあんな関係…羨ましいぞ!!!!!」
「燐ちゃんを俺に譲れ~~~(泣)」
「燐ちゃん、こっち向いて~~」
こんなかんじでヤジが飛んでくる。
燐は顔を真っ赤に染めてそのまま俺のジャケットの胸ポケットに隠れてしまった。
係員が決勝をどうするか?と聞いてきたがリンはもう恥ずかしくて出られないと拒否。
ということで決勝戦は不戦勝でエントリーナンバー2番の神姫が優勝。
そしてリンが絶対に出ないと言ったため、表彰式も辞退した。
しかし係員の人が気を利かせてリンは2位の賞品を貰うことができた。
賞品はバーチャル訓練用の端末だ。基本的にバーチャルバトル用のインターフェイスと同じシートがノートほどの大きさの基盤に繋がっており、そのままでも神姫の訓練やUPU戦が出来るが、
外部出力からケーブルをTV(もしくはPCのモニター)につなぐと、神姫に見えている(バーチャルバトル中は神姫のカメラアイからの映像情報はカットされ、端末からのデータが目に映るしくみになっている。)のと同じ視点や、戦闘フィールドをイロイロな角度から見ることが出来る。
そうしてマスターもバトルの練習が出来るようになったスグレモノである。
何でもエキシビジョンマッチのお礼としてランカー達に贈呈されるはずだったが、彼らほどになるとソレより高性能な訓練機を持っていたそうで受け取りを断られたそうだ。
なんとも幸運なことだ。
購入しようと思えばソレこそショップで扱われる安価なPCと同額のお金が必要になる。
大き目の箱の横に書かれているスペックを見ると搭載されているCPUおよびGPUは俺のPCに搭載されているモノより高性能なモノだった。
それに驚きつつも、俺はまだ表彰が行われてまだ歓声の沸くバトル会場を後にした。
大き目の箱の横に書かれているスペックを見ると搭載されているCPUおよびGPUは俺のPCに搭載されているモノより高性能なモノだった。
それに驚きつつも、俺はまだ表彰が行われてまだ歓声の沸くバトル会場を後にした。
そうして先日から並んで同人パーツを買い漁っていた友人と合流。
がそこで俺を待っていたのは豪華な衣装ではなく、ゲームのキャラクターの武装のパックだった。
赤と銀の2丁拳銃や独特の形をした剣、先に刃が出る金の十字架。メーカーが一発で分かってしまうラインナップだ。
なんでも列に並んでいるうちに俺とリンの戦いを『同士』から聞いて標的を変えたらしい。
だがそのチョイスは俺の好みを見事に当てている。
ほかにも大き目のマントに死神の鎌を思わせる可変式の武器、手足のプロテクターといったものを買っていた。
これでも値切って、出費は予算の70%に抑えたらしい。
これでは文句を言うわけにはいかない。
しかも最後に友人が取り出したのは・・・某創作アダルト小説キャラの衣装。
ちょ、なんで俺がリンにさえ隠している小説シリーズのキャラ知ってるんだよw
黒いゴスロリのドレスに、3つ又の鞭。挙句の果てにきわどいカットの衣装までもが付属していた。
これほどにコアなアイテムを持ってくるとは思ってもいなかった。
しかしドレスはとても綺麗なのでもらっておくことにする。
がそこで俺を待っていたのは豪華な衣装ではなく、ゲームのキャラクターの武装のパックだった。
赤と銀の2丁拳銃や独特の形をした剣、先に刃が出る金の十字架。メーカーが一発で分かってしまうラインナップだ。
なんでも列に並んでいるうちに俺とリンの戦いを『同士』から聞いて標的を変えたらしい。
だがそのチョイスは俺の好みを見事に当てている。
ほかにも大き目のマントに死神の鎌を思わせる可変式の武器、手足のプロテクターといったものを買っていた。
これでも値切って、出費は予算の70%に抑えたらしい。
これでは文句を言うわけにはいかない。
しかも最後に友人が取り出したのは・・・某創作アダルト小説キャラの衣装。
ちょ、なんで俺がリンにさえ隠している小説シリーズのキャラ知ってるんだよw
黒いゴスロリのドレスに、3つ又の鞭。挙句の果てにきわどいカットの衣装までもが付属していた。
これほどにコアなアイテムを持ってくるとは思ってもいなかった。
しかしドレスはとても綺麗なのでもらっておくことにする。
そしてそのドレスや鞭の由来をなんとかリンにごまかして説明つつ、俺は満足して家に帰っていった。
しかし由来の小説を3日後に発見されリンに縁を切るとまで言われてしまい、慌ててなだめたのはまた別の話。