久方ぶりの羽休め──あるいは啓示
えー……その、なんだ。世の中は、昨日までゴールデンウィークか?
その様な気楽な休日を謳歌していたそうだな。だが、私・槇野晶には
そんな物は無関係だッ!……否、別の意味では関係あったのだがな。
矛盾の答えは、目の前にあるモニターに全てが映っている訳で……。
ちなみに今日は定休日だが、“これ”を処理する為に朝から缶詰だ。
その様な気楽な休日を謳歌していたそうだな。だが、私・槇野晶には
そんな物は無関係だッ!……否、別の意味では関係あったのだがな。
矛盾の答えは、目の前にあるモニターに全てが映っている訳で……。
ちなみに今日は定休日だが、“これ”を処理する為に朝から缶詰だ。
「うーむむむ……これが、昨日の伝票の最後で……結果はこうか」
「あの……マイスター、お茶でも如何です?麦茶いれたんですよ」
「む。すまんなアルマ……有無、キンキンに冷えていて旨いぞ!」
「あ、ありがとうございますっ!それで……えと、どうでした?」
「売り上げか……流石に祝日を全て潰しただけあって、多少はな」
「あの……マイスター、お茶でも如何です?麦茶いれたんですよ」
「む。すまんなアルマ……有無、キンキンに冷えていて旨いぞ!」
「あ、ありがとうございますっ!それで……えと、どうでした?」
「売り上げか……流石に祝日を全て潰しただけあって、多少はな」
そう。あくまでもこのMMSショップ“ALCemist”は、客商売である。
諸処のイベントも多く開催されるこの時期、まさに書き入れ時なのだ。
如何に拘りが強かろうと、元手が無くては何も動かぬ。それが経営だ。
おまけに、ロッテにクララ……そして眼前のアルマと暮らしだして以来
出費は減るはずもない。この稼ぎ時を逃す訳には、行かなかったのだ。
それを後悔はせぬし、身を粉にした甲斐あってか売り上げはまずまず。
諸処のイベントも多く開催されるこの時期、まさに書き入れ時なのだ。
如何に拘りが強かろうと、元手が無くては何も動かぬ。それが経営だ。
おまけに、ロッテにクララ……そして眼前のアルマと暮らしだして以来
出費は減るはずもない。この稼ぎ時を逃す訳には、行かなかったのだ。
それを後悔はせぬし、身を粉にした甲斐あってか売り上げはまずまず。
「しかし、お前達を私に付き合わせた穴埋めはせねばならんなぁ……」
「そんないいんですよ、HVIFでのお手伝い楽しかったですからッ」
「そう言ってもらえると嬉しいが、私としては……む、そうだっ!!」
「きゃっ!?……ど、どうしたんですかマイスター突然立ち上がって」
「アルマ。至急ロッテとクララを呼んでくるのだ、アレを持ってな!」
「そんないいんですよ、HVIFでのお手伝い楽しかったですからッ」
「そう言ってもらえると嬉しいが、私としては……む、そうだっ!!」
「きゃっ!?……ど、どうしたんですかマイスター突然立ち上がって」
「アルマ。至急ロッテとクララを呼んでくるのだ、アレを持ってな!」
突如発せられた私の命に一瞬戸惑うアルマだったが、合点が行ったのか
にんまりと笑って店舗部へと呼びに行った。大分あの娘も馴染んだな。
程なく、笑顔のロッテと戸惑い顔のクララが風呂敷を抱え降りてきた。
勿論アルマも一緒にな?その間に私も、衣装棚から風呂敷包みを出す。
にんまりと笑って店舗部へと呼びに行った。大分あの娘も馴染んだな。
程なく、笑顔のロッテと戸惑い顔のクララが風呂敷を抱え降りてきた。
勿論アルマも一緒にな?その間に私も、衣装棚から風呂敷包みを出す。
「マイスター、持ってきましたけど……お仕事はいいんですの~?」
「有無、伝票整理くらいならすぐだ。お前達こそ、予定はあるか?」
「特に予定はないんだよ、ボクは明日塾だけど宿題は終わったしね」
「よし、では神田明神やお茶の水まで散歩に出ぬか。これを着てな」
「え!?いいんですか、マイスター……皆行きましょうよ、ねッ!」
「有無、伝票整理くらいならすぐだ。お前達こそ、予定はあるか?」
「特に予定はないんだよ、ボクは明日塾だけど宿題は終わったしね」
「よし、では神田明神やお茶の水まで散歩に出ぬか。これを着てな」
「え!?いいんですか、マイスター……皆行きましょうよ、ねッ!」
服は着る為にあるのだぞ、アルマよ。折角皆で仕立てたのに、着ないのは
なんとも勿体ない……そう、この間仕立ててもらった神姫用の和装三着と
同じく私用に仕立てた一着。“妹達”は和室で精神修養を行う際に着るが
私の方は、それ程機会もなく偶に出してにやける程度……そこ笑うなッ!
と、とにかくだ!こうして使ってこそ、その良さが実感できるという物!
なんとも勿体ない……そう、この間仕立ててもらった神姫用の和装三着と
同じく私用に仕立てた一着。“妹達”は和室で精神修養を行う際に着るが
私の方は、それ程機会もなく偶に出してにやける程度……そこ笑うなッ!
と、とにかくだ!こうして使ってこそ、その良さが実感できるという物!
「そう言う訳だ、皆で着付けて行こうではないか。無論昼は外食だ!」
「はいですの~♪じゃあさっそく、着ましょうですのっ……えいっ♪」
「きゃぁっ!?い、いきなりブラウス剥がさないのロッテちゃん!!」
「……普段より、ずっとはしゃいでるんだよロッテお姉ちゃんってば」
「うわ……わ、私も手伝おう。早く出かけたいだろうしな、有無……」
「はいですの~♪じゃあさっそく、着ましょうですのっ……えいっ♪」
「きゃぁっ!?い、いきなりブラウス剥がさないのロッテちゃん!!」
「……普段より、ずっとはしゃいでるんだよロッテお姉ちゃんってば」
「うわ……わ、私も手伝おう。早く出かけたいだろうしな、有無……」
……は、鼻血が出そうだ。いや、そこ笑うなと言っているだろうが!?
だ、だってなぁ……洋服は何時もの事だし、彼女ら自身でも着られる。
だがまだ和装は慣れていないのか、たまに私の助けを必要としている。
しかしそれももう暫くすれば慣れてしまうだろう。今しかないのだッ!
という事で、紅くなりながらも三姉妹の着付けを手早くこなしてやる。
だ、だってなぁ……洋服は何時もの事だし、彼女ら自身でも着られる。
だがまだ和装は慣れていないのか、たまに私の助けを必要としている。
しかしそれももう暫くすれば慣れてしまうだろう。今しかないのだッ!
という事で、紅くなりながらも三姉妹の着付けを手早くこなしてやる。
「よし、後は私だけだな……あ、あまりじろじろ見ないでくれるか」
「ふぇ?でもマイスター、いつもは見ても大丈夫じゃないですの?」
「う、む……そうなのだがな?!なんか、和装の時はその……なぁ」
「着替えを見られて照れるマイスター……なかなか、珍しいんだよ」
「ですねぇ。ちょっぴりあたし達も楽しい気持ちになってきます♪」
「ふぇ?でもマイスター、いつもは見ても大丈夫じゃないですの?」
「う、む……そうなのだがな?!なんか、和装の時はその……なぁ」
「着替えを見られて照れるマイスター……なかなか、珍しいんだよ」
「ですねぇ。ちょっぴりあたし達も楽しい気持ちになってきます♪」
勝手な事を言う……だが、彼女らだからこそ照れるのかもしれないな。
そう思いつつ、帯を締めて……さして長くない黒髪を項で束ねてみる。
入浴する時でもない限り、髪型を変える事はない私だが……偶にはな?
そして私は三姉妹を肩に乗せて、歩き慣れた秋葉原の街へ繰り出した。
そう思いつつ、帯を締めて……さして長くない黒髪を項で束ねてみる。
入浴する時でもない限り、髪型を変える事はない私だが……偶にはな?
そして私は三姉妹を肩に乗せて、歩き慣れた秋葉原の街へ繰り出した。
『おい、見てみろよあの娘。和服だぜ……しかも神姫までお揃いだし』
「……流石に普段、アキバの客層に和服の人間はおらんからなぁ……」
「にしたって、ちょっと周囲のカメラが向きすぎの気もするんだよ?」
「え、ええっと……ちょっぴり照れくさいですね。普段と違いますし」
「大丈夫ですの♪中央通りを早めに越えて、裏路地に入っちゃえばっ」
「……流石に普段、アキバの客層に和服の人間はおらんからなぁ……」
「にしたって、ちょっと周囲のカメラが向きすぎの気もするんだよ?」
「え、ええっと……ちょっぴり照れくさいですね。普段と違いますし」
「大丈夫ですの♪中央通りを早めに越えて、裏路地に入っちゃえばっ」
ロッテの的確なアドバイス……私が教授した事であるのだが……に従い、
神田明神下の交差点を通らず最短コースで裏道へと抜けて、たどり着く。
休日明けで丁度祭りの合間だったらしく、神田明神はそこそこの人手だ。
手早く賽銭を投げて祈りを捧げる。凡そコレ位しか、やる事はないのだ。
神田明神下の交差点を通らず最短コースで裏道へと抜けて、たどり着く。
休日明けで丁度祭りの合間だったらしく、神田明神はそこそこの人手だ。
手早く賽銭を投げて祈りを捧げる。凡そコレ位しか、やる事はないのだ。
「……ん。お前達、一体何をお祈りしたか……言う筈はないか、有無」
「願い事は大抵そんな物ですの。叶った時に感謝と共に言えば、ね♪」
「……じゃあ、代わりに御神籤でも引いていかないかな。四人全員で」
「あ、いいですね~それって……マイスター、引きましょうよ御神籤」
「願い事は大抵そんな物ですの。叶った時に感謝と共に言えば、ね♪」
「……じゃあ、代わりに御神籤でも引いていかないかな。四人全員で」
「あ、いいですね~それって……マイスター、引きましょうよ御神籤」
クララの提案に促され、御神籤を一つずつ引く。巫女からの手渡しだ。
神姫に最初は戸惑った巫女だが、土地柄故かすぐに引かせてもらえた。
そして四人が出揃った所で……一斉に開く!結果は、悲喜交々だった。
……まあ、占いはプラス思考に考えるべき物である。挽回の時なのだ。
神姫に最初は戸惑った巫女だが、土地柄故かすぐに引かせてもらえた。
そして四人が出揃った所で……一斉に開く!結果は、悲喜交々だった。
……まあ、占いはプラス思考に考えるべき物である。挽回の時なのだ。
「凶……なんでこんなのが出るんでしょう、あたしって。ううっ……」
「……ボクは、末吉。微妙だし、詳細読むとなんだか不幸だらけだよ」
「わたしは大吉でしたの~♪試練は乗り越えるべき、だそうですけど」
「……私は……まあ、聞くな。少し陽でも浴びて大人しくしようか?」
「……ボクは、末吉。微妙だし、詳細読むとなんだか不幸だらけだよ」
「わたしは大吉でしたの~♪試練は乗り越えるべき、だそうですけど」
「……私は……まあ、聞くな。少し陽でも浴びて大人しくしようか?」
──────それでもちょっと言えないよ、“大凶”だなんてね。