地獄とは神の在らざることなり(後編) ◆JvezCBil8U
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「……と、そうそう。一つ注意しておかねばならん事があっての」
「はい?」
「……わし達に襲い掛かってきた敵なんじゃがな。
あ奴が攻撃してくるその直前は、ほんの一瞬だけ何もかもが無音にな」
あ奴が攻撃してくるその直前は、ほんの一瞬だけ何もかもが無音にな」
まさしく、それこそが無音だった。
太公望の体が、見えない鉄槌に殴り飛ばされた。
全身のあちこちからただでさえ少なくなった血を飛び散らせて。
生ゴミの詰まったビニール袋が車に轢かれて何度も何度も撥ねるかのように。
全身のあちこちからただでさえ少なくなった血を飛び散らせて。
生ゴミの詰まったビニール袋が車に轢かれて何度も何度も撥ねるかのように。
「 」
つい一瞬前まで太公望だったモノが、何か口を動かしたように思えたけど、何一つ聞こえない。
え? と、自分も口を動かしたと思う。
気づいた時には自分のドテッ腹に腕が通るくらいの孔がこじ空けられていた。
気づいた時には自分のドテッ腹に腕が通るくらいの孔がこじ空けられていた。
かふ、と、口から真っ赤な湧き水と砕けた臓物の一部がせり上がっては零れ落ちていく。
何一つ思う間すらなくどてりと倒れた。
次の瞬間、ぷっつりと意識が途切れた。
目の前が真っ赤に染まる、というありきたりな表現ですらない。
次の瞬間、ぷっつりと意識が途切れた。
目の前が真っ赤に染まる、というありきたりな表現ですらない。
考える為の脳ミソがそっくりそのままブチ撒けられたのだから当然だ。
大切な誰かを思い出すことすらなく、一人の少女が死肉と化した。
大切な誰かを思い出すことすらなく、一人の少女が死肉と化した。
まるで、出来の悪い映画のように。
起こっている出来事が全て唐突すぎて、前後の繋がりが理解できない代物だった。
起こっている出来事が全て唐突すぎて、前後の繋がりが理解できない代物だった。
***************
誰が言った事だったろうか。
銃で撃てば、人は死ぬ。
***************
自動展開した太極符印の斥力場も虚しく、無数の鉄くれが次々と自分の体を蹂躙していく。
それをまるで他人が眺めるような心持ちで、淡々と受け止める事にした。
それをまるで他人が眺めるような心持ちで、淡々と受け止める事にした。
太極符印の特性として、攻撃パターンを記憶し、それに対処できるように力場を展開するという物がある。
これにより、前回と同じ攻撃ならば完璧に防ぐ事が出来るはずだった。
かつて自分の親友が用いた技だからこそ、太公望はそれに十全の信頼を置いていた。
だが。
銃、というらしい綾崎ハヤテと自分を襲った武器に対し、それを無力化できるよう設定したのがかえって仇となった。
これにより、前回と同じ攻撃ならば完璧に防ぐ事が出来るはずだった。
かつて自分の親友が用いた技だからこそ、太公望はそれに十全の信頼を置いていた。
だが。
銃、というらしい綾崎ハヤテと自分を襲った武器に対し、それを無力化できるよう設定したのがかえって仇となった。
太公望の生きる時代は銃の生まれ出る14世紀末より遥か2500年も前、紀元前11世紀である。
飛び道具など、宝貝によるそれを除けば弓矢や投石といった程度のものだ。
飛び道具など、宝貝によるそれを除けば弓矢や投石といった程度のものだ。
だから、銃といっても先刻自分たちを襲った拳銃以外に、様々な種類が存在する事までは知り得なかった。
狙撃銃、機関短銃、自動小銃、重機関銃、そして――散弾銃。
狙撃銃、機関短銃、自動小銃、重機関銃、そして――散弾銃。
『高速で正確に急所に飛来する単発の金属弾』という攻撃パターンを防ぐための対策では、
『点でなく面で襲い掛かる無数の小粒弾』を防ぐ事は出来なかったのだ。
『点でなく面で襲い掛かる無数の小粒弾』を防ぐ事は出来なかったのだ。
いやむしろ、なまじ斥力場で急所を、急所だけを守ったが故に、
それ以外のありとあらゆる部位に弾が食い込む結果となってしまったのかもしれない。
それ以外のありとあらゆる部位に弾が食い込む結果となってしまったのかもしれない。
八大地獄すら生温い鮮痛が太公望を刻み尽くし、未知が理不尽に命を刈り取っていく。
――――大量に、血を失ったのがまずかったのかもしれない。
普段の太公望ならば、たとえ未知の武器であっても拳銃の特性から散弾銃を思い描き、対策を練れたのかもしれない。
だが、先刻の胸部への銃撃はたっぷりと太公望から血液を奪っていった。
貧血によって脳への酸素の供給量が低下すれば、当然判断力や発想力は低下するものだ。
普段の太公望ならば、たとえ未知の武器であっても拳銃の特性から散弾銃を思い描き、対策を練れたのかもしれない。
だが、先刻の胸部への銃撃はたっぷりと太公望から血液を奪っていった。
貧血によって脳への酸素の供給量が低下すれば、当然判断力や発想力は低下するものだ。
全身といっても過言ではない程にあちらこちらで身体が軋む。
肉の内側で弾と弾が擦れる感触が、痛覚神経を直に刺激してある種の快感をもたらすほどの鋭い痛みをもたらす。
肉の内側で弾と弾が擦れる感触が、痛覚神経を直に刺激してある種の快感をもたらすほどの鋭い痛みをもたらす。
苦悶を飲み込んだその瞬間。
何一つ音がないからこそ、少女の胴体が、そのキレイな顔がフッ飛ばされる様がよく見えた。
脳漿交じりの血煙が辺りに立ち込める。
鉄臭い匂いがとても不快だ。
無音の状態が厄介なのは、一度でも無音になった後はいつ次の攻撃がくるか分からないという事だ。
分かっていても、どうしようもない。
何一つ音がないからこそ、少女の胴体が、そのキレイな顔がフッ飛ばされる様がよく見えた。
脳漿交じりの血煙が辺りに立ち込める。
鉄臭い匂いがとても不快だ。
無音の状態が厄介なのは、一度でも無音になった後はいつ次の攻撃がくるか分からないという事だ。
分かっていても、どうしようもない。
相手はプロだ。プロフェッショナルだ。
こうも念入りに殺しに来るとあっては、今度こそ助かるまい。
このタイミングで殺しに来たのは、おそらくもう用済みだと判断されたのだろう。
……自分が話した情報は全部聞かれたと思って間違いあるまい。
こうも念入りに殺しに来るとあっては、今度こそ助かるまい。
このタイミングで殺しに来たのは、おそらくもう用済みだと判断されたのだろう。
……自分が話した情報は全部聞かれたと思って間違いあるまい。
一つ、仮説が浮かんでくる。
どうして一度はやり過ごせたはずの敵が、わざわざ自分たちを殺しにかかったのか。
どうして一度はやり過ごせたはずの敵が、わざわざ自分たちを殺しにかかったのか。
――心音や呼吸音といった、身体の僅かな音すらも拾える耳の持ち主だとしたらどうだろう。
拳銃による一撃は、確かに心臓を貫く軌道だった。
そして太公望による死の偽装もほぼ完璧だったはずだ。
だから、太公望の生存を見抜くには何らかのファクターが必要なのだ。
そして太公望による死の偽装もほぼ完璧だったはずだ。
だから、太公望の生存を見抜くには何らかのファクターが必要なのだ。
太公望はそのファクターが音であると推測する。
異常なほどの聴覚が自分の生存を筒抜けに知らせていたのだと。
異常なほどの聴覚が自分の生存を筒抜けに知らせていたのだと。
そして、その耳で以って、この無音の状況を作り出しているのではないか、と。
音とは空気の波であり、逆の位相の波をぶつけてやれば相殺できる。
この一帯のありとあらゆる音を聞き分ける事が仮に出来たならば、それら全てを0にする事は不可能ではない。
この一帯のありとあらゆる音を聞き分ける事が仮に出来たならば、それら全てを0にする事は不可能ではない。
宝貝も使わずそんな真似ができたのならば、神技とすら呼べぬ魔技の使い手に相違あるまい。
そして、聞き分けるという事は、それは任意の音だけを選出して響かせる事も出来るという事だ。
敵自身の痕跡だけを消して、自分たちの会話内容を把握する事さえも。
敵自身の痕跡だけを消して、自分たちの会話内容を把握する事さえも。
だがそれでも打開する方法は存在する。
例えば今この時のように。
例えば今この時のように。
ようやく太極符印が散弾銃を記憶した。
自分に止めを刺さんとする見えざる相手の攻撃は、とうとう完全に防がれた。
取り落として、ほんの数歩先に転がっていても、確かにそれは自分を護ってくれている。
自分に止めを刺さんとする見えざる相手の攻撃は、とうとう完全に防がれた。
取り落として、ほんの数歩先に転がっていても、確かにそれは自分を護ってくれている。
だが、結局はもうとっくに――意味がないのだ。
自分もとうに致命的に血を流しすぎてしまっている。
少女にいたっては絶命しているのが明らかだ。
自分もとうに致命的に血を流しすぎてしまっている。
少女にいたっては絶命しているのが明らかだ。
今までに出会ってきた、様々な人物の顔が頭をよぎる。
自らの師である元始天尊や崑崙十二仙の面々、武王を始めとする周の人々。
黄一家の頼もしい背中や、自分を師と慕う武吉。
ずっと自分の相棒であり続けた四不象に――、いまだ立ち塞がり続ける妲己。
自らの師である元始天尊や崑崙十二仙の面々、武王を始めとする周の人々。
黄一家の頼もしい背中や、自分を師と慕う武吉。
ずっと自分の相棒であり続けた四不象に――、いまだ立ち塞がり続ける妲己。
殷王朝も討伐し、これからという時じゃというのに、なあ……。
皆、すまんの。
皆、すまんの。
心の中で謝ろうとして、苦笑する。
――そう思うのは感傷かもしれない。
楊ゼンやナタクたちなら、自分がいなくなってもきっとどうにかしていくことだろう。
楊ゼンやナタクたちなら、自分がいなくなってもきっとどうにかしていくことだろう。
この場所で封神台は機能しているのだろうか。
自分が死んだら、魂魄が封ぜられるのだろうか。
自分が死んだら、魂魄が封ぜられるのだろうか。
……心残りなのは申公豹めを問い詰められんかった事じゃな。
あやつめ、本当に何を考えておったのだ。
あやつめ、本当に何を考えておったのだ。
ひとり、それだけをごちる。
周の今後はともかく、この場所での後の事があまりにも不安だ。
こんな訳の分からぬ戦いを放って逝くのは少々心苦しい。
周の今後はともかく、この場所での後の事があまりにも不安だ。
こんな訳の分からぬ戦いを放って逝くのは少々心苦しい。
だが、希望はまだ、ある。
ん? おぬし……、珍しいものを持っておるのう。
これですか? 武器にもならなさそうですし、胡散臭い代物にしか思えないんですけどねー。
たった数分前の記憶が懐かしい。
だが、今はそれが唯一の命綱だ。
だが、今はそれが唯一の命綱だ。
けれど――、このまま何もしなければ、すぐに敵はそれに気づいて一切合財を台無しにしてしまう事だろう。
「…… 」
……残さねば。
「 」
残さねば。
「 ……!」
残さねば……!
転がったままの太極符印まで、血反吐を吐きながらにじり寄る。
一寸がまるで千里のようだ。
一寸がまるで千里のようだ。
それでもゆっくりと、近づく。
近づく。
近づいていく。
近づく。
近づいていく。
そして手を伸ばし――、しっかりと掴む。
指の一つ一つを堅固に絡ませ、引き寄せる。
指の一つ一つを堅固に絡ませ、引き寄せる。
にぃ、と口端を歪ませて、指運を神速で走らせる。
そして終わりに、確かにこう呟いた。
そして終わりに、確かにこう呟いた。
「後は、頼むぞ」
【綾崎ハヤテ@ハヤテのごとく! 死亡】
【結崎ひよの@スパイラル ~推理の絆~ 死亡】
【太公望@封神演義 死亡】
【結崎ひよの@スパイラル ~推理の絆~ 死亡】
【太公望@封神演義 死亡】
B-8/博物館周辺/1日目 黎明】
【ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク@トライガン・マキシマム】
[状態]:右足打撲、イライラ
[服装]:
[装備]:イガラッパ@ONE PIECE(残弾60%)、エンフィールドNO.2(2/6)@現実
[道具]:支給品一式 真紅のベヘリット@ベルセルク、鳴海歩のピアノ曲の楽譜@スパイラル~推理の絆~、銀時の木刀@銀魂
[思考]
基本:ゲームには乗るし、無駄な抵抗はしない。しかし、人の身で運命を覆すようなヤツと出会ったら…?
1: どんな手段でも情報と武器を得る。役に立たないと判断したら足がつかないように殺す。
2: 強者と思しき相手には出来るだけ関わらない。特に人外の存在に軽い恐怖と嫌悪。
3: 愛用のサックスが欲しい。
[備考]
※ 死亡前後からの参戦。トライガン関係者の存在にはまだ気がついていません。
※ ハヤテと情報交換し、ハヤテの世界や人間関係についての知識を得ています。
※ ひよのと太公望の情報交換を盗み聞きました。
ひよのと歩について以外のスパイラル世界の知識を多少得ています。
殷王朝滅亡時点で太公望の知る封神計画や、それに関わる人々の情報を大まかに知っています。
※ 呼吸音や心音などから、綾崎ハヤテ、太公望、名称不明の少女(結崎ひよの)の死亡を確認しています。
※ 右足の打撲は綾崎ハヤテの最後の攻撃によるものです。
[状態]:右足打撲、イライラ
[服装]:
[装備]:イガラッパ@ONE PIECE(残弾60%)、エンフィールドNO.2(2/6)@現実
[道具]:支給品一式 真紅のベヘリット@ベルセルク、鳴海歩のピアノ曲の楽譜@スパイラル~推理の絆~、銀時の木刀@銀魂
[思考]
基本:ゲームには乗るし、無駄な抵抗はしない。しかし、人の身で運命を覆すようなヤツと出会ったら…?
1: どんな手段でも情報と武器を得る。役に立たないと判断したら足がつかないように殺す。
2: 強者と思しき相手には出来るだけ関わらない。特に人外の存在に軽い恐怖と嫌悪。
3: 愛用のサックスが欲しい。
[備考]
※ 死亡前後からの参戦。トライガン関係者の存在にはまだ気がついていません。
※ ハヤテと情報交換し、ハヤテの世界や人間関係についての知識を得ています。
※ ひよのと太公望の情報交換を盗み聞きました。
ひよのと歩について以外のスパイラル世界の知識を多少得ています。
殷王朝滅亡時点で太公望の知る封神計画や、それに関わる人々の情報を大まかに知っています。
※ 呼吸音や心音などから、綾崎ハヤテ、太公望、名称不明の少女(結崎ひよの)の死亡を確認しています。
※ 右足の打撲は綾崎ハヤテの最後の攻撃によるものです。
【イガラッパ@ONE PIECE】
博物館のイガラム人形に持たされていた、散弾銃を組み込んだサックス。
ミッドバレイ愛用のサックスより出力が遥かに劣るため、衝撃波による攻撃は不可能。
また展示品のため、予備弾も用意されていない。
博物館のイガラム人形に持たされていた、散弾銃を組み込んだサックス。
ミッドバレイ愛用のサックスより出力が遥かに劣るため、衝撃波による攻撃は不可能。
また展示品のため、予備弾も用意されていない。
***************
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「おい……フザケんなよ?」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「てめえ、それでもオレの――かってんだ」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「こんなつまんねぇトコでくたばりやがって」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「――そこまで貴方がイラつく必要もないでしょう。予想された結末です」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「あァ? ……なんでてめえはそんなに落ち着いてんだよ。一応ライバルだって思ってたんだろ」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「別に肉体の死など大した意味などないですからね。
かつてあの計画の影の実行者だった貴方なら当然よく知ってるはずでしょう?」
かつてあの計画の影の実行者だった貴方なら当然よく知ってるはずでしょう?」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「……チッ。理性と感情は別モノだろうがよ」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「尤も――、肉体の、血の二重螺旋という頚木に囚われた方たちもこの場にはいますけどね。
はてさて、肉体イコール血とするならば、彼等にとっての肉体の死は何を意味するのやら」
はてさて、肉体イコール血とするならば、彼等にとっての肉体の死は何を意味するのやら」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「“神”に対する駒としての“悪魔”の子か。皮肉なこったな」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「まあ、確かに私の予想は大幅に狂ってしまいましたけどね、それはそれで。
……導なき道に新たに澪標と成り代わった"神”の振る賽は何を示すか。
座して楽しむとしましょうか」
……導なき道に新たに澪標と成り代わった"神”の振る賽は何を示すか。
座して楽しむとしましょうか」
ガリ……ガリ……ガリ……ガリ……
「地獄とは神の在らざることなり。そして、神は此処に在り。
ならば、神のおわす今この時は何なのか。
……存外、答えを出すのは人間かもしれませんよ。
神の子を信じて待つ事こそが、信仰であり、希望であり、愛なのですから。
そして、その中で最も大いなるものは――――」
ならば、神のおわす今この時は何なのか。
……存外、答えを出すのは人間かもしれませんよ。
神の子を信じて待つ事こそが、信仰であり、希望であり、愛なのですから。
そして、その中で最も大いなるものは――――」
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ぺちぺちと、自分の身体を撫でたり摘まんだりしてみる。
ぼろ切れどころかヒモ水着の方がまだマシなんじゃないかと思うくらいあちこち破れた服は、どうにも寒くてスカスカする。
ぼろ切れどころかヒモ水着の方がまだマシなんじゃないかと思うくらいあちこち破れた服は、どうにも寒くてスカスカする。
「……むう」
眉根を詰めて、嘆息する。
「信じがたいですが。
ほんっとうに信じがたい事ですが、信じざるを得ないようですね」
ほんっとうに信じがたい事ですが、信じざるを得ないようですね」
結崎ひよのは、確かに健在だった。
「……まさか死人を蘇らせるなんて眉唾物が本物だとは。
これは、自称太公望氏の言動も全て本物と思って行動すべきかもしれませんね」
これは、自称太公望氏の言動も全て本物と思って行動すべきかもしれませんね」
それはこの世に二つとはあるが三つとはない代物でな。
効果は――、まあ、後でとくと話すとしよう。
今はそれより敵の話をせねばの。
効果は――、まあ、後でとくと話すとしよう。
今はそれより敵の話をせねばの。
太公望が話を切り替えたあの時、もしもあの道具――復活の玉について詳しく踏み込んでいたら危なかった。
それこそ、蘇生した瞬間にまたも殺されていた事だろう。
それこそ、蘇生した瞬間にまたも殺されていた事だろう。
「頼まれちゃったなら、まあしょうがないですよね。
とりあえずは善処するとしか言えませんけど」
とりあえずは善処するとしか言えませんけど」
今わの際の太公望の最後の力によって太極符印が空気を振動させて伝える、彼のメッセージ。
復活の玉の発動には大量の光が迸り、また、敵の異常聴覚はおそらく蘇生したひよのの生体反応を捉えるであろう事。
それらでひよのの生存を悟られないようにする為に、太公望は太極符印で大気と光の操作を行い、外に漏れないよう押さえ込んだ。
それらでひよのの生存を悟られないようにする為に、太公望は太極符印で大気と光の操作を行い、外に漏れないよう押さえ込んだ。
だから、希望的観測に縋るならば、今度こそ見えざる敵は自分たちが全滅したと判断してくれたのだろう。
そしてまた、残されたメッセージがいくつかの推測をひよのに伝えていく。
さらに太公望は、とあるプログラムを太極符印に組み込んでくれていた。
まさしく至れり尽くせりだ。
いつかきっと役に立つ事だろう。
さらに太公望は、とあるプログラムを太極符印に組み込んでくれていた。
まさしく至れり尽くせりだ。
いつかきっと役に立つ事だろう。
本当は彼への返礼をしたいところだが、死人に返せるものは何もない。
せいぜいが、出来る限り彼の目指したものを推し進める事くらいだ。
せいぜいが、出来る限り彼の目指したものを推し進める事くらいだ。
「まあ、本当に出来る限りの範囲でしかお手伝いできませんけど、ね」
自分は死者への手向けよりも、生者への尽力を優先する。
たとえ彼に助けられようと、自分が鳴海歩につくという方針はブレる事はない。
覆せない優先順位というのは確かに存在するのだ。
尤も、あの鳴海歩が安易に殺し合いを肯定するはずはないし、その意味では結局太公望の意に沿う可能性は高い。
たとえ彼に助けられようと、自分が鳴海歩につくという方針はブレる事はない。
覆せない優先順位というのは確かに存在するのだ。
尤も、あの鳴海歩が安易に殺し合いを肯定するはずはないし、その意味では結局太公望の意に沿う可能性は高い。
そして太公望の言に信憑性が出てきた以上、いくつかの疑問が呈される。
「……封神計画。神の一字の符号は、果たして偶然なんでしょうか?」
彼が実行者だと言うその計画が、どうにも気になってやまない。
今回の殺し合いに関係しているのではないかと女の勘が告げている。
今回の殺し合いに関係しているのではないかと女の勘が告げている。
乱れた国を滅ぼし、新たな国を作る。
その為に邪魔な仙人を封じ、妲己という悪女を倒す。
そこまではいい。
彼女も知っている、中国四千年の歴史の一ページだ。
その為に邪魔な仙人を封じ、妲己という悪女を倒す。
そこまではいい。
彼女も知っている、中国四千年の歴史の一ページだ。
だが。
だが何故、殺すのではなく――封印なのだ?
それも、敵味方を問わず死んだもの全てに等しく行われるのは。
だが何故、殺すのではなく――封印なのだ?
それも、敵味方を問わず死んだもの全てに等しく行われるのは。
ホールに飾られている、ミニチュア封神台をじっと見る。
けれどそこはただ沈黙したまま、答えを返すことはない。
けれどそこはただ沈黙したまま、答えを返すことはない。
「……いろいろ裏がありそうですね、その計画は。
出来れば関係者に当たりたいところですが……」
出来れば関係者に当たりたいところですが……」
とりあえずは太公望一人から見た情報だけではとても足りない。
真実とは人の数だけ、彼らの見る方向だけ存在する。
あらゆる方向からの真実を突きつけ合わせる事で、はじめて浮かび上がってくるのが事実だ。
真実とは人の数だけ、彼らの見る方向だけ存在する。
あらゆる方向からの真実を突きつけ合わせる事で、はじめて浮かび上がってくるのが事実だ。
「とりあえず、今は何とも言えませんか。
未だにさっきの襲撃者が近隣をうろついている可能性も高いですし、とっとと離脱すべきですね」
未だにさっきの襲撃者が近隣をうろついている可能性も高いですし、とっとと離脱すべきですね」
だが、この場所は後ほど戻ってくる必要があるだろう。
あのミニチュア封神台とやらは、いかにも怪しすぎる。
あのミニチュア封神台とやらは、いかにも怪しすぎる。
……それを置いておいても、まだまだ考えるべきことはとても多い。
綾崎ハヤテの殺害に用いられた38口径の拳銃。
自分が灯台で出会った男の拳銃もまた、同じ口径ではなかったか。
自分が灯台で出会った男の拳銃もまた、同じ口径ではなかったか。
携帯電話に名前の浮かんだ三千院ナギ。
綾崎ハヤテのダイイングメッセージだとするならば、彼女(彼?)が襲撃者の可能性もある。
綾崎ハヤテのダイイングメッセージだとするならば、彼女(彼?)が襲撃者の可能性もある。
太公望の遺したプログラム。一度きりとはいえ条件さえ満たせば勝手に発動するというのは心強い。
宝貝とやらは、肉体的に一般人の彼女には使えないからだ。
宝貝とやらは、肉体的に一般人の彼女には使えないからだ。
そして――復活の玉。
もしや、の可能性ではあるのだが、あれは一つの希望になりうるのではないか。
もしや、の可能性ではあるのだが、あれは一つの希望になりうるのではないか。
太公望は言った。
あの道具は、二つ存在すると。
一つは今壊れてしまったが、もう一つ手に入れられる可能性があるということではないか?
死んだはずの肉体を、生前以上の状態にまで回復して蘇生させるという道具が、もう一つ。
あの道具は、二つ存在すると。
一つは今壊れてしまったが、もう一つ手に入れられる可能性があるということではないか?
死んだはずの肉体を、生前以上の状態にまで回復して蘇生させるという道具が、もう一つ。
そして、あの道具を仮に鳴海歩に使ったのなら。
クローン体特有の問題――、寿命や免疫関係の拙さをどうにかできるのではないか?
クローン体特有の問題――、寿命や免疫関係の拙さをどうにかできるのではないか?
鳴海歩はクローンとして生み出された存在だ。
行く先が短い運命が決定付けられており、覆す事は叶わない。
叶わないはずだった。
だが、超常の力ならばそれすら克服できるのではないか。
行く先が短い運命が決定付けられており、覆す事は叶わない。
叶わないはずだった。
だが、超常の力ならばそれすら克服できるのではないか。
――もちろん、鳴海歩はそれを受け取る事を拒むだろう。
彼は絶望の中でこそ足掻く事を誓ったのだから。
彼は絶望の中でこそ足掻く事を誓ったのだから。
「……でも。それでも……」
ぎゅう……っ、と、握り拳を『結崎ひよの』は俯きながら形作る。
それが役として作ったものなのか、本心からのものなのか。
語るのはやめておくとしよう。
それが役として作ったものなのか、本心からのものなのか。
語るのはやめておくとしよう。
「まあ、さしあたってするべきは……」
俯きをやめ、結崎ひよのは前を見据える。
その顔には既に満面の笑みが花開いていた。
その顔には既に満面の笑みが花開いていた。
「服の調達ですね♪」
笑みの裏に、弔いの言葉と確かな決意を隠しながら。
「鳴海さんにこんなあられもない格好を見せてしまったら、……うぅむ、それはそれでアリかもしれませんね。
面白い反応を返してくれそうです♪」
面白い反応を返してくれそうです♪」
【結崎ひよの@スパイラル ~推理の絆~ 蘇生】
【B-8/博物館/1日目 黎明】
【結崎ひよの@スパイラル ~推理の絆~】
[状態]:健康、絶好調
[服装]:髪紐の喪失によりストレートのロングヘア、上半身の服が破れて使い物にならない
[装備]:
[道具]:支給品一式×3、手作りの人物表、若の成長記録@銀魂、綾崎ハヤテの携帯電話(動作不良)@ハヤテのごとく!
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×2@トライガン・マキシマム、太極符印@封神演義
[思考]
基本: 『結崎ひよの』として、鳴海歩を信頼しサポートする。 蘇生に関する情報を得る。
0: 服を調達する。
1: 鳴海歩がいるか確かめ、いるなら合流したい。
2: あらゆる情報を得る為に多くの人と会う。出来れば危険人物とは関わらない。
3: 安全な保障があるならば妲己ほか封神計画関係者に接触。
4: 三千院ナギに注意。ヴァッシュ・ザ・スタンピードと柳生九兵衛に留意。
5: 襲撃者は先ほど出会った男(ミッドバレイ)ではないか?
6: 機が熟したらもう一度博物館に戻ってくる。
7: 復活の玉ほか、クローン体の治療の可能性について調査。
8: 太公望達の冥福を祈る。
[備考]
※ 清隆にピアスを渡してから、歩に真実を語るまでのどこかから参戦。
※ 手作りの人物表には、今のところミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク、太公望の外見、会話から読み取れた簡単な性格が記されています。
※ 太公望と情報交換をしました。
殷王朝滅亡時点で太公望の知る封神計画や、それに関わる人々の情報を大まかに知っています。
ハヤテが太公望に話した情報も又聞きしています。
※ 超常現象の存在を認めました。封神計画が今ロワに関係しているのではないかと推測しています。
※ 太公望の考察を知りました。
※ 太極符印@封神演義にはミッドバレイの攻撃パターン(エンフィールドとイガラッパ)が記録されており、これらを自動迎撃します。
また、太公望が何らかの条件により発動するプログラムを組み込みました。詳細は不明です。
結崎ひよのには太極符印@封神演義を任意で使用することはできません。
[状態]:健康、絶好調
[服装]:髪紐の喪失によりストレートのロングヘア、上半身の服が破れて使い物にならない
[装備]:
[道具]:支給品一式×3、手作りの人物表、若の成長記録@銀魂、綾崎ハヤテの携帯電話(動作不良)@ハヤテのごとく!
ヴァッシュ・ザ・スタンピードの手配書×2@トライガン・マキシマム、太極符印@封神演義
[思考]
基本: 『結崎ひよの』として、鳴海歩を信頼しサポートする。 蘇生に関する情報を得る。
0: 服を調達する。
1: 鳴海歩がいるか確かめ、いるなら合流したい。
2: あらゆる情報を得る為に多くの人と会う。出来れば危険人物とは関わらない。
3: 安全な保障があるならば妲己ほか封神計画関係者に接触。
4: 三千院ナギに注意。ヴァッシュ・ザ・スタンピードと柳生九兵衛に留意。
5: 襲撃者は先ほど出会った男(ミッドバレイ)ではないか?
6: 機が熟したらもう一度博物館に戻ってくる。
7: 復活の玉ほか、クローン体の治療の可能性について調査。
8: 太公望達の冥福を祈る。
[備考]
※ 清隆にピアスを渡してから、歩に真実を語るまでのどこかから参戦。
※ 手作りの人物表には、今のところミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク、太公望の外見、会話から読み取れた簡単な性格が記されています。
※ 太公望と情報交換をしました。
殷王朝滅亡時点で太公望の知る封神計画や、それに関わる人々の情報を大まかに知っています。
ハヤテが太公望に話した情報も又聞きしています。
※ 超常現象の存在を認めました。封神計画が今ロワに関係しているのではないかと推測しています。
※ 太公望の考察を知りました。
※ 太極符印@封神演義にはミッドバレイの攻撃パターン(エンフィールドとイガラッパ)が記録されており、これらを自動迎撃します。
また、太公望が何らかの条件により発動するプログラムを組み込みました。詳細は不明です。
結崎ひよのには太極符印@封神演義を任意で使用することはできません。
【復活の玉@封神演義】
四不象がいつも手に持っている玉。
実は仙人界に二つだけ存在する秘宝であり、持ち主が死亡した際に肉体を最高レベルまで引き上げて蘇生させる効力を持つ。
ただし使用できるのは1回限り。
また、本来は発動時の光が及ぶ範囲全てに効果があるのだが、制限により効果が反映されるのは持ち主のみ。
四不象がいつも手に持っている玉。
実は仙人界に二つだけ存在する秘宝であり、持ち主が死亡した際に肉体を最高レベルまで引き上げて蘇生させる効力を持つ。
ただし使用できるのは1回限り。
また、本来は発動時の光が及ぶ範囲全てに効果があるのだが、制限により効果が反映されるのは持ち主のみ。
※博物館にはミニチュア封神台が設置されています。機能しているかどうかは不明です。
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| 044:地獄とは神の在らざることなり(中編) | 太公望 | GAME OVER |
| 044:地獄とは神の在らざることなり(中編) | ミッドバレイ・ザ・ホーンフリーク | 078:逃げる事叶わぬ果て無き迷い路 |
| 044:地獄とは神の在らざることなり(中編) | 結崎ひよの | 073:情報遊戯 |