それは小さな小さな『棘』 ◆Fy3pQ9dH66
これからどう動くべきか――。
競技場の壁に寄りかかりながら理緒は考えふけっていた。
少し離れた場所で喜媚が無邪気に走り回っているのを微笑ましく思いながらもため息が漏れていた。
なんと言うか能天気だなあと。
卑下したつもりも無く、純粋に羨ましいと思った。
あんな風に楽観的になれればどれだけ楽なんだろうと自分の性分に嫌気がさす。
少し離れた場所で喜媚が無邪気に走り回っているのを微笑ましく思いながらもため息が漏れていた。
なんと言うか能天気だなあと。
卑下したつもりも無く、純粋に羨ましいと思った。
あんな風に楽観的になれればどれだけ楽なんだろうと自分の性分に嫌気がさす。
(とりあえず――)
視線を空に移し、思考を戻す。
現実的に考えるならここに留まっているのが一番安全だとは言える。
何らかの目的が無ければこの様な所に来ようとは誰も思うまい。
少なくともまず自分なら目指さない。
何らかの目的が無ければこの様な所に来ようとは誰も思うまい。
少なくともまず自分なら目指さない。
喜媚の探し人と出会えれば状況が一気に良い方向へ向く可能性はある。
自分の知り合いにしたってそうだ。
清隆様ならこんな状況でも簡単に解決してくれるに決まっている。
仮にどちらの知り合いもいなかった場合や、居た場合は合流するためにどこへ向かうか。
今のうちに候補を絞っておくのは必要と考えた。
自分の知り合いにしたってそうだ。
清隆様ならこんな状況でも簡単に解決してくれるに決まっている。
仮にどちらの知り合いもいなかった場合や、居た場合は合流するためにどこへ向かうか。
今のうちに候補を絞っておくのは必要と考えた。
自分の知りうる人間が居た場合、彼らはどこへ行こうとするか。
それを想像することが重要となる。
もしも清隆様がいたら? 鳴海歩がいたら?
人の集まりそうな所……たとえばここのように地図に載っている施設が候補に挙がるだろう。
その点で考えると数点の候補は導き出せる。
それを想像することが重要となる。
もしも清隆様がいたら? 鳴海歩がいたら?
人の集まりそうな所……たとえばここのように地図に載っている施設が候補に挙がるだろう。
その点で考えると数点の候補は導き出せる。
一番の候補に挙がりそうなのはデパートだ。
必要なものが手に入る、そう考える人間が多いのは間違いないだろう。
必要なものが手に入る、そう考える人間が多いのは間違いないだろう。
次に病院、もしくは診療所。
怪我をした時に備えて薬や医療品を手に入れたいと考える。
怪我をした時に備えて薬や医療品を手に入れたいと考える。
この三つは間違いなく人と会うためにならうってつけの場所だろう。
何よりその中の二つが自分達のいる場所から近いのが幸いとも言える。
何よりその中の二つが自分達のいる場所から近いのが幸いとも言える。
そんな事を言ったら何も始まらないのはわかっている。
これがもしもはじめに出会ったのが、いかにも私は殺人鬼ですよとでも言わんばかりの容貌の人間だったら理緒も深く考えることも無かっただろう。
これがもしもはじめに出会ったのが、いかにも私は殺人鬼ですよとでも言わんばかりの容貌の人間だったら理緒も深く考えることも無かっただろう。
自分が抱いてる疑問、『殺し合いとはなんだ?』と言うこと。
まずここにつながる筈だ。
だからまず情報を得ようとするはず、しかしその有用性を気にせずいきなり殺意を剥き出しにしてくる人間が居た。
しかも見た目にはただの女学生としか思えない人間が……だ。
あの時は例に漏れず情報を得ると言う前提でうまく戦闘を回避できたが
一歩間違えれば殺し合いを強制されていたところだったかもしれないのだ。
まずここにつながる筈だ。
だからまず情報を得ようとするはず、しかしその有用性を気にせずいきなり殺意を剥き出しにしてくる人間が居た。
しかも見た目にはただの女学生としか思えない人間が……だ。
あの時は例に漏れず情報を得ると言う前提でうまく戦闘を回避できたが
一歩間違えれば殺し合いを強制されていたところだったかもしれないのだ。
集まりすぎるところも逆に危険、行くとするなら十分な警戒が必要と考える。
そして他にも理緒には個人的に行きたい場所もあった。
圧迫されたままの首に手をやる。
鉄のひんやりとした感触が全身から血の気を引かせていた。
この首輪を爆破された少年の姿。
弾け飛んだ首に噴出す血しぶき。
その光景を思い返すだけでもぞっとし胃の中のものが逆流しそうになる。
鳴海歩に同じような事をしもしたが、いざ自分がその立場に立たされたとなるととても生きた心地がしない。
圧迫されたままの首に手をやる。
鉄のひんやりとした感触が全身から血の気を引かせていた。
この首輪を爆破された少年の姿。
弾け飛んだ首に噴出す血しぶき。
その光景を思い返すだけでもぞっとし胃の中のものが逆流しそうになる。
鳴海歩に同じような事をしもしたが、いざ自分がその立場に立たされたとなるととても生きた心地がしない。
この首輪を一刻も早く外したい。
地図を見る限り、工場やら研究所やらが記されている。
ここにいけば使えそうな工具でも見つかるのではないだろうか。
地図を見る限り、工場やら研究所やらが記されている。
ここにいけば使えそうな工具でも見つかるのではないだろうか。
「理緒ちゃん、どうかしたっ?☆」
無言で考え続けていた理緒に、喜媚が屈託の無い笑顔ではにかんできた。
その笑顔の下には同じようにつけられている首輪が光っていた。
その笑顔の下には同じようにつけられている首輪が光っていた。
ハッと。
ある考えが理緒の頭を駆け巡る。
ある考えが理緒の頭を駆け巡る。
「喜媚ちゃん、さっき熊の石像に変身してたよね?」
「うんっ☆」
「うんっ☆」
喜媚が自分の前に姿を現した時は見上げるほどの……確かにそうだった。
そして今は……自分で言うのも悲しいが、お世辞にも大きいとは言えない自分と大して変わらないほどの小さな身体。
そして今は……自分で言うのも悲しいが、お世辞にも大きいとは言えない自分と大して変わらないほどの小さな身体。
……何故?
「喜媚ちゃん小さな動物とかにはなれる? 例えば……猫とか鼠とか」
「簡単なのっ☆」
「簡単なのっ☆」
言うや否や先程と全く同じように変てこな呪文を唱え、そして喜媚の姿がぶれたかと思うとその姿がみるみる縮み
――現れたのは真っ白い一匹の子猫。
「どうっ?☆」
そして目の前の子猫から発せられるのは間違いなく喜媚の声。
「凄いですね……」
そう言いながら子猫と化した喜媚の身体を抱きかかえる。
耳の付け根を軽くなでてやると、首をごろごろと鳴らしながらうっとりとした視線を理緒に送っていた。
耳の付け根を軽くなでてやると、首をごろごろと鳴らしながらうっとりとした視線を理緒に送っていた。
(本当に凄いです……けれど)
理緒が先程から感嘆しているのは変身に関してではなかった。
それに関してはもう嫌と言うほど感想を出し尽くした。
それに関してはもう嫌と言うほど感想を出し尽くした。
今理緒が抱いている感情――感嘆と、そして不安。
その正体は彼女の視線の先を追えばすぐにわかるだろう。
一点に向けられているのは、喜媚の首についたままの首輪。
その体型にぴったりと合わせる様にサイズが縮んでいるのだ。
熊だった時の首のサイズと先程の人間サイズでは間違いなく取れてしまうだろうに。
つまりはこの首輪はその時の状況に合わせて大きさを変えると言う事。
これもなんらかの、普通の人間には出来ない力の一つだと言う事で間違いないだろう。
その正体は彼女の視線の先を追えばすぐにわかるだろう。
一点に向けられているのは、喜媚の首についたままの首輪。
その体型にぴったりと合わせる様にサイズが縮んでいるのだ。
熊だった時の首のサイズと先程の人間サイズでは間違いなく取れてしまうだろうに。
つまりはこの首輪はその時の状況に合わせて大きさを変えると言う事。
これもなんらかの、普通の人間には出来ない力の一つだと言う事で間違いないだろう。
その力に驚くと共に、こんなものに自分の命を握られていると言うことに愕然とした。
そしてそれを自分にどうにか出来るのか不安に駆られる。
急激に得も知れない恐怖に襲われ、身体の奥底から震えが走る。
そしてそれを自分にどうにか出来るのか不安に駆られる。
急激に得も知れない恐怖に襲われ、身体の奥底から震えが走る。
「理緒ちゃんどうしたのっ?☆」
突然顔を青ざめさせる理緒を抱きかかえられながら心配そうに見上げる喜媚。
(この子だって今は何も考えてないかもしれないですけど、本当なら凄い化け物だって……)
腕の中に抱える小さな身体、でも今なら……。
不意に自分の意思ではない黒い感情が浮かび上がった。
不意に自分の意思ではない黒い感情が浮かび上がった。
――そのまま力を込めてしまえ。
信号が脳から送られ……握った手に力を込めようと身体が勝手に動いていた。
「え……?」
理緒の顔にザラっとした感触が広がる。
ゆっくりと目を見開くと、落ち着かせるように喜媚が理緒の顔をペロペロと舐め上げていた。
驚きに思わず抱き抱えていた手を離し……支えが無くなった喜媚の身体が地面へと落下する。
衝撃で変身が解け元の姿に戻っていた。
ゆっくりと目を見開くと、落ち着かせるように喜媚が理緒の顔をペロペロと舐め上げていた。
驚きに思わず抱き抱えていた手を離し……支えが無くなった喜媚の身体が地面へと落下する。
衝撃で変身が解け元の姿に戻っていた。
「いたっ☆」
「ご、ごめんなさい。大丈夫……ですか?」
「ご、ごめんなさい。大丈夫……ですか?」
痛そうにお尻をさすりながら、理緒に対して笑顔を向けると
「だいじょうぶぃっ☆
でもどうしてかわからないけど理緒ちゃん悲しそうなのっ☆
笑わないと何も楽しくないよっ!☆」
でもどうしてかわからないけど理緒ちゃん悲しそうなのっ☆
笑わないと何も楽しくないよっ!☆」
「うん……そう……ですよね」
喜媚のはにかんだ笑顔にも心が震える。
作り笑いがどれほど簡単かを知っているから。
作り笑いがどれほど簡単かを知っているから。
自分の中に芽生えた恐怖を打ち消すように理緒も笑い返しす――が
――自然に笑えているだろうか?
そんなことを思う時点で拭い切れてないのは明白なことに気づく。
喜媚を知るものなら彼女の行動に何の裏もないことがわかる。
だが理緒は喜媚の事を何も知らない。
だが理緒は喜媚の事を何も知らない。
知らないゆえに人は恐れを抱くものだ。
根源が大きければ大きいほど、それはまた強くなっていく。
根源が大きければ大きいほど、それはまた強くなっていく。
この子の心が見えない。
この子と一緒にいても大丈夫なの?
この子と一緒にいても大丈夫なの?
それを確かめる勇気が理緒にはなかった。
ゆっくりと時が過ぎるのを沈んでいく月の位置だけが教えてくれる。
ゆっくりと時が過ぎるのを沈んでいく月の位置だけが教えてくれる。
時折無邪気に話しかけてくる喜媚への対応に、精神を磨耗させていった――
【B-2/競技場前/一日目 黎明】
【竹内理緒@スパイラル ~推理の絆~】
[状態]:健康 精神的に多少の疲弊
[服装]:月臣学園女子制服
[装備]:ベレッタM92F(15/15)@ゴルゴ13
[道具]:デイパック、基本支給品、ベレッタM92Fのマガジン(9mmパラベラム弾)x3
[思考]
基本方針:生存を第一に考え、仲間との合流を果たす。
1:第一放送までは生存優先で現状待機。殺し合いを行う意志は無し。
名簿の確認後、スタンスの決定を再度行う。
2:異能力に恐怖を感じています
3:喜媚と行動を共にしても平気か、信用しても大丈夫かを図りかねています。
[備考]
※原作7巻36話「闇よ落ちるなかれ」、対カノン戦開始直後。
※首輪の特異性を知りました
[状態]:健康 精神的に多少の疲弊
[服装]:月臣学園女子制服
[装備]:ベレッタM92F(15/15)@ゴルゴ13
[道具]:デイパック、基本支給品、ベレッタM92Fのマガジン(9mmパラベラム弾)x3
[思考]
基本方針:生存を第一に考え、仲間との合流を果たす。
1:第一放送までは生存優先で現状待機。殺し合いを行う意志は無し。
名簿の確認後、スタンスの決定を再度行う。
2:異能力に恐怖を感じています
3:喜媚と行動を共にしても平気か、信用しても大丈夫かを図りかねています。
[備考]
※原作7巻36話「闇よ落ちるなかれ」、対カノン戦開始直後。
※首輪の特異性を知りました
【胡喜媚@封神演義】
[状態]:健康
[服装]:原作終盤の水色のケープ
[装備]:如意羽衣@封神演義
[道具]:デイパック、基本支給品
[思考]
基本方針:???
1:妲己姉様とスープーちゃんを探しに行きっ☆
2:皆と遊びっ☆
3:元気の無い理緒ちゃんが心配なの☆
[備考]
※原作21巻、完全版17巻、184話「歴史の道標 十三-マジカル変身美少女胡喜媚七変化☆-」より参戦。
※首輪の特異性については気づいてません。
[状態]:健康
[服装]:原作終盤の水色のケープ
[装備]:如意羽衣@封神演義
[道具]:デイパック、基本支給品
[思考]
基本方針:???
1:妲己姉様とスープーちゃんを探しに行きっ☆
2:皆と遊びっ☆
3:元気の無い理緒ちゃんが心配なの☆
[備考]
※原作21巻、完全版17巻、184話「歴史の道標 十三-マジカル変身美少女胡喜媚七変化☆-」より参戦。
※首輪の特異性については気づいてません。
【如意羽衣@封神演義】
ありとあらゆるものに変身出来るようになる宝貝
(素粒子や風など物や人物以外(首輪として拘束出来ないもの)への変化については
「制限で出来ない」or「外れた瞬間爆破」等考えましたが、話の中では明言してないので後続の方にお任せします)
ありとあらゆるものに変身出来るようになる宝貝
(素粒子や風など物や人物以外(首輪として拘束出来ないもの)への変化については
「制限で出来ない」or「外れた瞬間爆破」等考えましたが、話の中では明言してないので後続の方にお任せします)
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