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何にでも「お」をつけりゃ綺麗になると思ってんだろ?ナニはどうする、ナニは

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何にでも「お」をつけりゃ綺麗になると思ってんだろ?ナニはどうする、ナニは ◆lDtTkFh3nc




    ◇     ◇     ◇


オナベ【お-なべ】

職業上、男装して男性のように振る舞う女性や、女性同性愛者のうち男性的な出で立ちで
男性的に振る舞う人、女性から男性へ性転換した人に対する呼称。


    ◇     ◇     ◇






苦労性の少年と眠る少女を見送った後、暗い夜の森の中で柳生九兵衛は地図を見つめていた。
ランタンの光を出来るだけ漏らさぬように気をつかいつつ、目的地を定める。

(浅月さんは高校側に向かった。僕は東…しかし、東といっても広いしな…)

地図を眺めてみると、この島の東側と呼べる場所に記されている施設は7つ。
もちろん市街地には他にも何かあるだろうが、行動の目安としてはここから選ぶのが妥当だ。
博物館や灯台、教会といった施設のある北部に比べ、南部にはデパートをはじめとした役に立ちそうな施設が多い。
人捜しの為に目指すなら南部であろうが…

(逆に施設が多すぎる。放送が行われたら一度神社に戻らねばならない事を考えると、
 むしろ北部の施設を全て確認しておいた方がいいかもしれない)

先ほど別れた浅月と合流の約束をした神社は森の中にある。
南部の市街地側からでは森を突っ切っていかねばならないが、北部からなら整備されていると思われる道が通っている。
これなら九兵衛の足をもってすれば放送後すぐにたどり着けるだろう。

(ひとまず北部を目指すか…新八君、無事でいろよ)

目的地を決定し、立ち上がる。

もたもたしてはいられない。速く新八君を見つけて……見つけて、どうする?
移動の為に大通りを目指しながら九兵衛は考える。

最初の説明に偽りがなければ、これは殺し合い。しかも最後の1人になるのを求められている。
彼を見つけて自分は、何をしようというのだろう。
これが柳生の者を狙った悪行なら、自分には彼を護る責任がある。
彼を護る?なら自分はどうする…あるいは他に知り合いが参加していたら?
父、祖父、柳生四天王、万屋、そして……妙ちゃん。
誰か1人しか助からないとしたら…
浅月さんやあの少女も手にかけねばならなくなるのではないか…?

「……?なんだ…?何かが聞こえる…」

そんな思考の螺旋にズケズケと飛び込んできた音に、思わず1人で呟く。
誰も周りにいないことを思い出して少し恥ずかしくなったが、それどころではない。
背後から聞こえる何かは徐々に大きくなる。どうやらその発信源は、大通りをこちらに向かって来ているようだ。

(こんな場所で大声を出して動きまわるなどと、命知らずな…いや、相当腕に自身があるのか…?)

ひとまず人間がいるなら確認しておきたいと、九兵衛は慎重に音源に近づいていった。


    ◇     ◇     ◇


オカマ【お-かま】

男性同性愛者の一部や異性装をする男性、あるいは女性を装う男性を指して言われる言葉。


    ◇     ◇     ◇




結論から言えば、そこには人間がいた。
あれは男だろう、間違いない。しかし、そう言い切ってしまうのもはばかられた。
かといって女性かもしれないとは絶対に思えない。
要するに、大柄なオカマが踊りながら歌っていたのである。

「所詮~~んこの世は~~男と~~女~~♪しかし~~オカマは~~男で~~女~~♪」

誰が聞いている訳でもなし、それでもオカマは歌い続ける。
背中にはご丁寧に「おかま道」と書かれていた。

「だ~~か~~ら~~最強!!! 最強!!! オカマウェ~~イ♪
 あー最強!!! 最強!!! オォ~~カマ~~ウェ~~イ~~~♪」

奇怪な動きに合わせて歌いきると、どこか不満げに回転を止める。
部下達による合いの手が無いことが不満だなどと、隠れ見る九兵衛には想像もつかないだろう。

彼女はこの人物に声をかけるか激しく迷っていた。

(どう考えてもおかしな人物だが…一応参加者のようだし…)

首輪をつけている以上、彼(?)は参加者だろう。
おかしな人物=危険人物ではない。
それでは自分の周囲の人間は大抵危険人物としてしょっ引かれてしまう。
覚悟を決め、九兵衛は姿を現した。

「そこを行く人よ、話を聞いて欲しい!僕は柳生九兵衛!柳生家の当主だ!」

こちらの存在に気がつくと、オカマは「くるり」とこちらに向きなおした。
「すーー」っと爪先立ちで接近してくるその光景は、九兵衛が経験した中でも5本の指に入るシュールさだった。


「なーによう、アンタ。あちしに何か用なのう?」
「僕は人探しをしている。眼鏡をかけた、志村新八という少年と会っていないか?」

ある程度の距離を保ったまま、九兵衛は質問を投げかけた。
あえて、妙ちゃんや他の面々については尋ねない。彼女達は巻き込まれていない…そう信じたいのだろうか。

「あちしはまだ歩ちゃんっていう普通の女の子と、変態仮面にしか会ってないわよう。
 アンタこそあちしの部下達と会ってなぁい?」」

『歩』という名前に少し反応するが、女の子ということでこれは違うと判断する。
変態仮面の方は…心当たりが多すぎてちょっとわからない。

「僕が会ったのは浅月という少年と、金髪の少女だけだ。あなたの部下にそういった人物は?」
「いないわねい…残念ながらお互い無駄足だったみたい。じゃあねい」

早々とその場を去ろうとするオカマに、九兵衛は慌てて声をかける。

「待ってくれ!あなたがこの殺し合いに乗らないなら、協力しないか?」

不意の申し出に、オカマは不振そうな目でこちらを見てきた。
九兵衛とて相手を完全に信用した訳ではない。むしろ、かなり不審な人物だと思っている。
だが外見と裏腹に、中身は比較的まともそうだ。殺し合いへの参加は否定しないものの、
こちらとの接触より仲間捜しを優先しているということは、積極的に殺しを行うつもりはないのだろう。
説得の余地アリと判断し、申し出たのである。

「…アンタねい、わかってんの?あのガキンチョが言ってたことが本当なら、これは殺し合いなのよう?」
「わかっている!だが僕は、こんな理不尽な殺し合いで誰かが死ぬなんて認めたくない。
 僕の力の及ぶ限り戦い、護りたいと思っている」

言葉が自然と出てきた。
こちらの目を見つめ返し、オカマがなにやら迷っている。
顎に手を当て、奇妙な表情で考えること数秒…オカマは口を開いた。

「話くらいなら聞いてあげるわ」




    ◇     ◇     ◇


お話【お-はなし】

話す人を敬って、その話をいう語。また、「話」の丁寧語。
オカマが「離せ」という意味でよく使う「おはなしっ!」とは別物。


    ◇     ◇     ◇



大通りから少し外れた森の中で、「男女」の二人組が会話をしていた。
詳しくは記さないが、会話の内容はまさに押し問答。
殺し合いにはのらない、仲間も護ると主張する男装剣士。
そんな綺麗ごとじゃ早死にするだけだと鼻で笑うオカマ拳法家。
オカマはMr.2 ボン・クレーと名乗った。
随分変わった名前だったが、浅月さんの探し人ではなさそうだ。

おまけに彼は、殺し合いへの参加を明確に否定はしなかった。
彼に言わせれば先ほど別れた浅月だって、放送後の合流を求めたのは計算があってのことだろうと言う。
参加者や死亡者によってはスタンスを変える可能性があるからだと。
言われてみればそう思えなくも無い。だが、九兵衛も譲らなかった。
永遠に平行線をたどるかと思われた議論だったが、ひょんなことから変化が生じる。

「そんなにそのダチが大事なら、とりあえずそいつらだけ護ればいいじゃない」

Mr2の言葉に、思わず押し黙る。それみた事かと、彼は言葉を続けた。

「とりあえずそいつら見つけて護って、一緒に脱出すればいいでしょう?
 それにそいつが死んでたり、誰もいなかったら帰る為に他の連中なんて遠慮なく倒してけばいいのよう!」

確かに、彼の言うとおりだ。
自分が護りたいものを護る。それはつまり、護るべき対象以外は排除しても構わない。
浅月さんや眠りこけた少女、それに目の前のオカマも全て倒せば、仲間や自分の生存確率は上がるのだ。
そういう意味で、彼の言い分は間違っていなかった。
それでも…

「……それではダメなんだ。それでは、本当の意味で相手の幸せを祈っているとは言えない」

神妙な面持ちのまま、九兵衛はひねり出すように言葉を紡いだ。
気恥ずかしいのであまり気は進まなかったが、自分と幼馴染の少女の間に起こった出来事を、己の生い立ちも含めて語りだす。

自分が柳生家の跡取りとして生きる為、男として育てられたこと。
幼馴染の少女を愛するあまり、憧れるあまり…想いを押し付けてしまったこと。
それは多くの人に護られていることに気づかなかった、いや気づいていながら認めなかった己の弱さが原因だったこと。
そしてそれに本当の意味で気づかせてくれた、勇敢な侍達のことを…


「…ということだ。わかるだろう?相手や自分の幸せを本当に願うなら、そんな方法ではダメなんだ。
 それではきっと妙ちゃんも、新八君も……誰も心から喜べはしない。誰にも僕は顔向けできない」

あるいはあの騒動の前の九兵衛なら、妙ちゃんや知り合いを護る為に、あるいは彼女達と再会するために…
他の者達に刃を向けたかもしれない。それは否定できない。
だが、あの時思い知ったのだ。本当の意味でその人の幸せを願うなら、その人の笑顔を願わねばならない。
護りたい者の志まで護ってこそ、本当の笑顔を見ることが出来る。

己の過去と心中を語り終え、決意と共に伏せていた顔を上げる。
ところがなぜか話し相手は首だけを180度捻り、顔が見えなくなっていた。

「おい、ちゃんと聞いていたのか?」

プルプルと震えるばかりで返事が無いことに不満を覚え、九兵衛は顔を見ようとする。
しかし、その度に器用に体を動かし、絶対に表情を見せない。
それはなぜか…

(ヘヴァァァ…な、なんでがなじい過去を背負っでるのよう…
 づ、辛い過去を乗り越えて、最高のダチに巡り会えだのねい……えがったぁ……)

それはその表情が涙と鼻水に塗れた、一発で泣き顔とわかるものだったからである。
眼鏡をはずし、見えないトコロで顔をゴシゴシと拭くと、Mr.2は真剣な表情で九兵衛に向きなおした。

「わかったわよう!あちしも協力してあげる!!」
「う、うわぁ!!なんだその顔は!?」

マスカラが流れた真っ黒な顔を急に近づけられて、九兵衛が驚く。
ただでさえ迫力満点の顔が更に破壊力を増していた。

しかし、何とかわかってもらえたようだとほっとする。

「あ、ありがとう。力を合わせればきっと活路も開ける」

こうして、何とか二人の間に協力関係が生まれた。


改めて簡単な自己紹介を終えると、Mr.2の提案で二人は支給品の確認に移った。
九兵衛のほうは既に1つ確認済みだったのだが、Mr.2のほうが未確認だという。

「Mr.2殿は、武器を必要とするタイプではないのだな?」
「やーねい、堅苦しいからボンちゃんでいいわよう」

(やや一方的に)打ち解けた二人は、まず未確認のバッグから調査する。
最初に出て来たのは奇妙なコインケースだった。
中にはコインが12枚入っているが、うち3枚が半分欠けていた。

「7枚目と10、11枚目が欠けているな。誰かが持っているか、どこかに隠されているか…」
「全部揃えると、何かがおこるのかしらねい。いいわねい、お宝っぽくてワクワクするわ!」

次に出て来たのは、妙に軽いフードと剣。
フードの方はひとりでにフワフワと動いており、普通のものではないのがすぐわかった。

「こっちには説明書がついてるわねい…なになに…」

説明書によると、このフードと剣は風の精霊の力を宿しており、不思議な力を操れるという。
剣は羽箒のようで頼りなかったが、実際に振るってみると数m先の木の枝を切り落とした。
どうやら風を操りかまいたちの類を発生させる武器らしい。
直接攻撃に使うと相手を殺しかねないが、風を巻き起こす力は相手の抑止に役立ちそうだ。
改造バットと上手く使い分ければかなり戦力になるだろう。

今のところ殺さずの決意を曲げるつもりは無い。
胸を張って、護りたい人たちの笑顔を見るために……

「これはあちしには必要ないわねい。アンタにあげるわ」

ボンちゃんはそう言うと、ためらうことなく思考していた九兵衛にそれを投げ渡す。

「お、おいボンちゃん、いいのか…?」
「いいわよう、さっきいろいろヒドイ事言ったお・わ・び!
 それに、アンタの支給品であちしに使いやすそうなものがあったらそっちを貰うわよう」

勝手に九兵衛のバッグをあさりながら返事をしてくる。
彼女の持ち物の1つであるバットは趣味じゃないと既に拒否されている。
彼は「スワンちゃんが欲しい」とよくわからない事を言っていたが…
九兵衛は自分のバッグに、彼にとって役立つものが入っている事を願った。



「あーら!これはいいじゃないのよう!」

結局出て来たのは、つま先に針が仕込まれた靴だった。
足技を得意とする彼にとって、なるほど相性の良さそうな武器である。
ただ1つの問題を除けば…

「あ、待てボンちゃん…」
「決まり!これを貰うわよう!華麗に回るあちしにぴったり!」

そういってさっそく靴を脱ぎ、支給品を履こうと試みるが…

「…んん??これは……ふぬ、ぬ、がぁぁぁぁぁぁ!!!!」

野太い叫び声がこだまする。
履けない。そう、履けないのだ。それもそのはず、その靴は女性用である。
おまけに小柄な人物の愛用品らしく、かなり小さめだ。
自分ならともかく、鍛え上げられた肉体を持つボンちゃんにはいささか小さい。
それを無理に「はめ込もう」としている。

「ボンちゃん、足を痛めるぞ!僕のフードはいらないから…」
「ぬぐぐ……ダメよう!一度あげたからには返されるなんて許せないわ!
 あちしは別に、こんな靴どうでも……グス、どうでもいいのよう……」

下唇を噛み締め、明らかにガッカリした様子でオカマがうなだれる。
かわいらしい靴なので、乙女心から履いてみたかったのかもしれない。
これ以上この件に触れるのは酷だと思い、九兵衛は話題を変えた。



「そ、そういえばさっき言っていたマネマネの実の能力とやら、見せてくれないか?」

先ほど自慢げに語られた彼の能力。右手で触った相手とそっくりに変身できるという。
その代わりカナヅチになるという副作用があるらしいが…
落ち込んでいる時には得意なことを披露させるのがいいだろうという、彼女なりの気遣いだった。

「…気になる?」
「あぁ、すごく気になるな」
「しょーがないわねーーい!!」

一気にテンションを上昇させ、ボンちゃんが立ち上がる。
くるくると回りながら九兵衛の顔にタッチすると…

「目ん玉かっぽじってよーく見なさいよう!!」
「おぉ!」

そこでは奇妙な服装と白鳥を身にまとった九兵衛が回っていた。

「どーよう!?すごいでしょうが!」
「うむ…なんだか奇妙な感じだな。声まで変わるのか」

自分そっくりの顔で奇行を行われるのは少々嫌だったが、何より彼が元気になってくれたようで安心した。

「そーれだけじゃないのよう!あちしの能力はなんとメモリー機能付きぃ!
 一度触った相手の顔はいつでも再現……?」

語りながら次々と顔を変えていくボンちゃんだったが、何人かの顔を見せたところで止まってしまう。

「どうした?」
「どーゆーことよう、あちしのメモリーが消されてるわ……
 さっき会った歩ちゃんと麦ちゃん一味、それにBWのメンバーの顔しか残ってない……」

どうやら本来より変えられる顔が限定されているらしい。
九兵衛は、最初の説明で言われた「細工」という言葉を思い出していた。
ボンちゃんも同じらしい。

「やーってくれるわねい…ますます気に食わないわ」

そちらにはあまり気落ちすることなく、むしろ主催者への不満を募らせたらしい。
その後九兵衛は、知人だという彼が変身できるメンバーの説明を受けた。




    ◇     ◇     ◇


お説教【お-せっきょう】

教え導くために言い聞かせること。
年上のかわいいメイドさんなんかにされるとキュンとする。


    ◇     ◇     ◇




情報交換も終えた頃、急にボンちゃんが顔を接近させてきた。

(か、顔が近い…)
「ところでねい、九ちゃん。あちし、あんたにこれだけは言っときたいんだけど…」

巨大な顔を間近に寄せられ、やや引き気味に九兵衛は

「な、何だ…?」

と返した。
真剣なんだかよくわからない迫力のある顔で、ボンちゃんは語りかけてくる。

「アンタ、自分が男でも女でもない中途半端な人間になったのは、自分が弱いからだって言ってたわねい?」

確かに、先ほど自分の生い立ちを語る際にそういった旨の発言をした。

「あ、あぁ…父上やお爺様にそう育てられたとはいえ、僕の心がもっと強ければ…」

そこまで言ったところで、ボンちゃんは回転しながら叫びだす。

「ンノォォォォォォ!!違うわ九ちゃん、そうじゃないのよう!
 いい?あちしたちオカマは確かに半端……そう、『あやふや』よう!でもその何が悪いの?
 男でも女でもない。逆に言えば男でも女でもある。『あやふや』は武器でもあるのよう!」

完全に予想外の発言に、九兵衛は戸惑う。ボンちゃんは何を言っているのだろうか。

「それはオナベも一緒!大事なのは、性別が『あやふや』でも、確かな自分を持つこと!
 あちしはあちし、アンタはアンタ!男だろうが、女だろうが……どーーっちだっていいじゃないのよう!!
 だってあんたはいい奴だものねい!!さぁ、歌うわよう!!」

そう言って更に回転を増すと、最初に出会った時の歌を歌い始めた。
「所詮~~んこの世は~~男と~~女~~♪しかし~~オカマは~~男で~~女~~♪」

最初は完全に戸惑った九兵衛だったが、その言葉をよく噛締めてみる。
自分は柳生家の当主である為、男として育てられた。それが嫌だった。
女の子としての生活に憧れ、妙ちゃんみたいに優しくて強い女の子になりたかった。

だが、その劣等感もあの時の過ちを呼んだのだ。
妙ちゃんはあの騒動の後、自分にこう言ってくれた。
『九ちゃんは九ちゃんよ…男も女も関係ない。私の大切な親友』と…

「だ~~か~~ら~~最強!!! 最強!!! オカマウェ~~イ♪
 あー最強!!! 最強!!! オォ~~カマ~~ウェ~~イ~~~♪」

半端だったのは自分の覚悟の方なのだろうか……?
不思議な事を教えてくれるこの友人は中々面白いなと、九兵衛は少し微笑んだ。

「な~にしてんのよう!アンタも歌いなさい!」
「う…む、そうだな…よし、歌おう!」

こうして夜中の森で、肩を組んだオカマとオナベの大合唱が始まる。

「「所詮~~んこの世は~~男と~~女~~♪
 しかし~~オカマ(オナベ)は~~男(女)で~~女(男)~~♪」」

男としてとか、女の子らしくとか……難しく考えすぎていたのかもしれない。
もう少し適当に、肩の力を抜いてもいいのだろうか。そう、あの侍の様に……

「「だ~~か~~ら~~」」
「最強!!!」
「最強!!!」
「最強!!!」
「最強!!!」
「「オカマウェ~~イ♪」」
「あー最強!!!」
「最強!!!」
「最強!!!」
「最強!!!」
「「オォ~~カマ~~ウェ~~イ~~~♪(ハモリ)」」




「あ~~テンションが上がってきたわ、あちし!!回るわよう!!」

久々に合いの手つきのFull ver.を歌い、猛烈に高まったテンションに任せて回転を増すボンちゃん。

「そ、それより次の行動に移ろう。僕はこれから教会を調査しに行こうと思う。
 時間が無いからひとまずここだけ見たら戻ることになりそうだが…君はどうする?」

冷静になり少し恥ずかしくなってきた九兵衛の問いに、ボン・クレーは回転を止め、悩んだ。
部下達を捜したい気持ちは変わらない。
しかし、今はこの小さいながらも立派な友人に協力せねば、オカマがすたるというものだ。

「もーしよければ、手伝ってもいいかしら?」

真剣な顔つきになっての友人の返事に、九兵衛もまた少し迷う。
彼が信用に足る人物だということは短い付き合いながらも理解できた。
力を借りられるなら正直、ありがたい。

本来なら先ほど浅月と別れたように、バラバラに動いた方が人探しに効果的だ。
しかし少々はしゃぎすぎて思わぬ時間のロスをしたため、放送まで3時間程しか無い。
教会のみを見に行く事にしたのも、放送までに調査出来そうなギリギリの距離だと判断したからだ。
全力で走って回れば間に合うかもしれないが、それこそ誰かと出会い情報交換する可能性を考えれば
あまりギリギリで時間を計算するのは好ましくないだろう。

今から別行動をしてもお互いに大した情報もなく合流しそうな気もする。
それに…1つ気になることもあった。


「む…そうだな。ではとりあえず、放送まで共に行動しよう。
 後はその時の状況に合わせて対応していけばいい」

同意を得て、やっと行動を開始する。
空はまだまだ闇に包まれていた。

「……ボンちゃん。1つだけ確認したい」
「んん?なーによう?」

出発の際に問いかけた言葉に、ボンちゃんが振り返る。

「やはり最初の放送で君の友達や部下達が死んでいたり、参加していないと分かったら…
 君は殺し合いに乗るのか?」

黙ったまま、またしても真剣な面持ちになるボンちゃん。
こうして見ると男っぽいな、などと九兵衛は思ってしまう。
そういえば彼に触られた時も触った時も、投げ飛ばさずにすんだ。
オカマだからだろうか…?

「き―まってるでしょう!ダチがいたら、殺し合いなんかしないわよう!」
「いや、それが1人もいなかった場合の話…」

そこまで言って、ボンちゃんの笑顔に気がつく。

「少なくとも目の前に1人、いることがわかってるからねい」




    ◇     ◇     ◇


お友達【お-ともだち】

互いに心を許し合って、対等に交わっている人。
時には命を懸けて、支えあう関係にある仲間。
または、「ダチ」


    ◇     ◇     ◇



【F-6/大通り/1日目 黎明】
【柳生九兵衛@銀魂】
【状態】健康
【装備】 シルフェのフード@ベルセルク
【所持品】支給品一式 改造トゲバット@金剛番長 シルフェの剣@ベルセルク
【思考】
基本:殺し合いにはのらない。大切な人の志まで含めて護る。
 0:新八君…無事でいろよ
 1:ボンちゃんと教会に向かい、知り合いを探す。
 2:最初の放送後、神社で浅月と合流。
 3:新八や他にも知り合いがいるなら合流したい。
 4:卑怯な手を使う者は許さない
 5:妙ちゃんもこの会場に……?
 6:男……女……あやふや?

※参戦時期は柳生編以降。
西沢歩、麦わら海賊団(アラバスタまで)、BWオフィサーエージェントの顔と名前を知りました。

【改造トゲバット@金剛番長】
唐鰤 三信が使う釘バット。
改造済みなので普通の釘バットより威力はあると思われる。

【シルフェのフードと剣@ベルセルク】
風の元素霊(エレメンタル)シルフェの加護を受けたフードと剣のセット。
フードは風を身に纏い、高く飛び上がったり弓矢を逸らしたりしてくれる。
剣は羽箒のような形で旋風を起こし、かまいたちで敵を切り裂く。
風の元素霊に好かれるとより強く力を発揮するらしい。
ちなみに参加者のパックも「一応」風の精霊。

【Mr.2ボンクレー@ONE PIECE】
[状態]: 健康
[服装]: アラバスタ編の服 森あいの眼鏡@うえきの法則
[装備]:
[道具]: 支給品一式 スズメバチの靴@魔王JUVENILE REMIX コインケース@トライガン・マキシマム
[思考]
基本:友達や部下を見捨てるようなマネはしない。脱出する。
 0: ちょっと待っててねい、可愛い子分たち!
 1: ひとまず放送まで九ちゃんの人探しを手伝う
 2: 巻き込まれているかもしれない子分たちや麦ちゃんを捜す。
 3: 殺し合いなんてどうでも良いけど自分の邪魔する奴や友達を襲う奴は許さない

[備考]
 ※アラバスタ脱出直後からの参戦
 ※グランドラインのどこかの島に連れて来られたと思っており、脱出しようと考えています
 ※マネマネの実の能力の制限
  メモリーが消去されています。現状変身できるのは消されていない
  麦わら一味(アラバスタ編まで)+BWのオフィサーエージェントと、
  直接顔を触れた人物→西沢歩、柳生九兵衛
  その他の制限はまだ不明。

【スズメバチの靴@魔王JUVENILE REMIX】
スズメバチが使う、つま先に針が仕込まれた靴。毒が仕込まれているかは不明。ちょっと小さめ。

【コインケース@トライガン・マキシマム】
レガートがゲームの為にとヴァッシュに渡したコインケース。
12枚のコインを収納できるが、コインは全て半分に分けられGUN-HO-GUNSのメンバーがそれぞれの片割れを所有している。
正体は特製超小型超磁場発生装置。
全て揃えるとボタンが出現し、それを押す事でレガートの魔技である人体操作を封じる超磁場を発生させる。
欠けているコインは今回参加しているGUN-HO-GUNSの物だが、本人達が所有しているかどうかは不明。

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