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秋山優――続・卑怯番長の女難

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秋山優――続・卑怯番長の女難 ◆Fy3pQ9dH66



(…………何なんだこの人達は…………?)

目の前の女性二人を不可思議に眺める。
自分の事をなにやら言っている様子だが、特に敵意が感じられるわけでもない。
状況は良くわからないのだが少なくとも戦おうとかそう言った内容ですらなんでもないようだ。
改めて内容を聞いていると男としての自分を値踏みされているようで良い気分がするものではない。

(……え?)

そこで唐突に。
向かい合い言い争っていた二人の視線が秋山に移る。
そして片方の――明らかに自分に対して不満を漏らしていた女性が睨み付けて来た。

「お、おい……」

隣の同じ顔をした女性が制止の声を上げているのも聞かず、ゆっくりと秋山に向かって歩を進めた。

「な、なんだ君は?」

背筋をまっすぐと伸ばし、堂々とした態度でまっすぐ近づいてくる目の前の女性。
視線は自分を睨み付けて全く離そうとしないその態度に秋山は思わず身構えていた。
それでも一切の迷いも見せずさらに近づいていく。
そして目の前でぴたりと足を止め……一言。

「何その格好?」
「……は?」

何をするのかと思えば。
両手を腰に当て、伏目がちに目を細めながら放たれた言葉。
緊張した自分が馬鹿らしくなりながらも、向けられた態度に思わずむっとする。
睨み返した秋山を気にも留めずに再び足を動かし、秋山の周りをゆっくりと回りだす。

「その……学ラン? 何でそんな短いの?
 サイズぐらい合わせたら? それともそれが格好良いとでも思ってんの?」

丁度一周した所で再び足を止めるとビシッと秋山の顔面に指差し――

「そもそも何よ、その変なマスクは。趣味が悪いったらありゃしない」
「み、見ず知らずの人間にそんなことを言われるいわれは無い」
「はあ? 馬鹿じゃないの? 外見なんて他人に見せる為にあるんでしょうが。
 それが変だから変って指摘してるわけ。
 何も疑問に感じてないんだったらあんたの周りの人間は誰も言ってくれなかったんでしょ?
 むしろ感謝して欲しいぐらいよ!」
喧嘩を売られているんだろうか……。
未だかつてこんなことを言われたことは無い。
自分では格好良いと思っていたしポリシーだって持っている。
だがこれでも秋山も年相応の男であった。
妙齢の女性に自信満々に否定されてしまったことにショックを隠しきれない。
もしやみんな、本当に自分に気を使って言い出さなかっただけなのか?
否定的な意見が頭の中にもやもやと浮かび上がりだした。

「ほら、とりあえずその仮面外してみなさいよ」

呆然とする秋山の顔から一瞬でマスクを奪い去る。

「ちょ、ちょっと!」

慌てて素顔を隠そうと顔をそらす秋山だったが腕を掴みそれを許さない。
整った顔立ち、切れ目に少し下がった細目に高い鼻。
顔に自信が無いから隠してるわけでは絶対にないと確信できる。
むしろ美形としか言えないにも関わらず、何故それを隠しているのかが雪路には理解できなかった。

「なによこれ! 素材は良いのにもったいないったらありゃしないじゃないの」

金切り声と共に憤慨した言葉を吐き捨てると、グッと秋山の腕を引っ張りだした。

「っ、なんのつもりだ?」
「つもりもタモリもないわよ。あんたに少しファッションって言うものを教えてあげるわ。
 いいから黙ってついて来なさい」

連れの女性に助けを求めようとチラリと視線を移した……が、肝心のとらはと言うと

「あー、まあなんだ。……諦めろ」

頭をポリポリと掻きため息をつきながら、同情するような生暖かい目で秋山を眺めるだけだった。



☆ ☆ ☆
コンビニより少し離れた一軒の居酒屋に場所は移る。
店員も客もいないフロアーの一席に座る女性二人と男性一人。

「……大体ねえ、なんで誰も私の魅力に気づかないのよ!?」

すでにテーブルの上には数本の酒瓶が転がっていた。
完全に出来上がっている雪路のテンションを止める事も出来ず、マシンガンのように飛び出す単語の羅列に相槌を打つばかりの時間がただ過ぎていた。

自分は何故ここでこんな事をしているのだろうと項垂れながらただただ雪路の愚痴を聞き続けている秋山。
いつまでここでこうしていなければならないのか。
幾度と無く席を立とうとしたがそのたびにしがみつく様に絡まれ止められる。
無理やり飛び出しても良かったのだが、少し情報が欲しかったのもあった。
自分を騙していると考えを除けば、この雪路と言う女性は番長ではない。
おそらく一般人の部類だ。
そうするとこれは23区計画ではないのかと言う疑問が湧き上がる。
それともただ巻き込まれただけ…・・・?
突っ込んだ話をしようにも男がどうたら酒がどうたらで会話にならない。
まったくどうでも良いのだが、そもそも自分にファッションの指南をするとかで連れて来たんじゃないのか……?
隣に座っているとらと言う女性も見た目は普通なのだが相当酔っているようだ。
化け物だとか二千年生きているとかまともな情報が手に入らない。

秋山が途方に暮れ、なかば自暴自棄になりかけていたその時だった。

ドオオオォォォォン!!

と。
大きな音と共に店全体が大きく揺れた。

「なんだっ!」

とらと秋山が同時に席を立つ。
警戒するように外へ飛び出そうとした秋山の学ランのすそを掴みながら、少しも慌てたそぶりも見せずに雪路はつぶやく。

「でっかい地震でしょ?」
「いや……今の音は何かが爆発したような」
「んじゃガス爆発? 大変ねえ。まあここは何も問題ないみたいだから気にしない気にしない」

まったく危機感を感じさせず、コップに酒を注ぎながら雪路がのほほんと答えた。
「それより!」

全力で掴んだ学ランを引っ張る。
物凄い力に秋山の身体はバランスを崩し……そして雪路の膝の上へ座る形になった。

「あたしばっかり呑んでさあ、あんた全然呑んでないでしょ!?
 良いから付き合いなさいよ!!」

言いながら一升瓶を手に持つと、秋山の口に押し付けごぶごぶと流し込んだ。

「……ぐっ、ゲホッ」

自分の意思とは無関係に酒が流し込まれていく。
入りきらずに口から漏れ、器官を浸食した液体の感覚に思わずむせ返るが、それを見ても意にも関せず雪路は大笑いを続ける。

顔を引きつらせながらその様子を見ていたとらだったが

「あんたもよ!」

……と、酒瓶を投げつけられた。

下手に機嫌を損ねても、この男の二の舞だなと。
目の前の光景も面白いし酒もうまいからまあ良いかと。
付き合うように酒を浴びるように呑みながら、合わせる様に目の前の光景を楽しむことにした。



☆ ☆ ☆



――数時間後。

酒の匂いで充満した店内で眠りにつく三人の姿があった。

その表情は三者三様に笑顔で満ち溢れていた。

すでに何人もの人間が戦い合い死んでいる中、楽しい日常とも言える時間を過ごせたのは幸せだったのかもしれない。

だが、現実を知らしめる放送が流れているのを聞くことが出来なかった。

それが彼らにとって不幸としか言えないだろう事は間違いないだろう。
【J-8/居酒屋/1日目 朝】

秋山優(卑怯番長)@金剛番長】
[状態]:泥酔
[装備]:衝撃貝(インパクトダイアル)@ONE PIECE
[道具]:支給品一式、激辛せんべい@銀魂
[思考・備考]
基本:どのような状態でも、自分のスタンスを変えない
 1:雪路のテンションについていけてない
 2:金剛晄(金剛番長)と合流する。
 3:できれば自分の武器も回収したい。
 4:とりあえず、今は脱出することを考える。
 5:もし、金剛番長が死んだ場合は……。
 ※登場時期は、マシン番長が倒される~23区計画が凍結されるまでの間のどれかです。
 ※金剛番長がいることに気づきました。
 ※桂雪路ととらを双子の姉妹だと思っています。

【とら@うしおととら】
[状態]:泥酔、雪路に変身中
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(中身は一切確認せず)
[思考]
基本:自由気ままに楽しむ。
 1:とりあえず飽きるまで雪路に付いていく。
 2:秋山に対して同情心を抱いてます

【桂雪路@ハヤテのごとく!】
[状態]:泥酔
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、不明支給品(中身は一切確認せず)、大量の酒(現地調達)
[思考]
基本:酒を飲む。
 1:覆面外したら少し格好いいじゃないの
[備考]
 1:殺し合いを本気にしてません。酒に酔ったせいだと思っています。



※三人とも眠っていたため第一回放送を聞き逃しました
※殺し合いに関する事や人間関係に関する話はしておらず、どうでもいい雑談しかしていません



【衝撃貝(インパクトダイアル)@ONE PIECE】
空島に存在している貝(ダイアル)の一つ。
衝撃を蓄え、それを自在に放出することができる。
ただし、使用後は体を痛める可能性があります。

【激辛せんべい@銀魂】
沖田の姉・ミツバが真選組に送ってくる、とても辛いせんべい。
しかし隊士曰く「辛すぎて食えない」らしく、評判は良くない。

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037:秋山優――卑怯番長の女難 秋山優(卑怯番長) 089:TOUGH BOY
037:秋山優――卑怯番長の女難 桂雪路 089:TOUGH BOY
037:秋山優――卑怯番長の女難 とら(長飛丸) 089:TOUGH BOY

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