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腹黒い奴程 笑顔がキレイ

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腹黒い奴程 笑顔がキレイ ◆UjRqenNurc




痛ってぇ……
漫画とかだと、撃たれても切られても主人公は戦う事を止めないけど、あんなのフィクションだろ。
手首の骨折。
ハンパねぇ痛さだ。
動くたびに体中に痛みが駆け巡り、動きが止まる。
動かなきゃいいって?
俺だって、そうしてぇよ。

ガシャッ

「オラッ、誰が止まっていいって言ったんでェ。キリキリ歩きやがれェ」
「うぐっ」

俺の動きが止まる度に首輪を引っ張る、このドSヤローさえいなけりゃなっ!
土方十四郎。
手慣れた首輪捌きで俺の動きをいいようにコントロールしてやがる。
本当に警察官なのか?

「ドコに連れて行く気だよっ!?」
「殺人未遂に公務執行妨害の現行犯で牢屋にぶち込むに決まってらァ
 署まで一緒に来て貰うぜィ」

牢屋? 冗談じゃねぇ。
俺は兄貴の仇を討たなきゃならねーんだ。

「おいっ! 勘弁してくれよ、なっ?
 悪かったよ、もう人を襲ったりしねーからっ!」
「ごめんで済んだら警察の商売上がったりだろーが。
 まァ、悪いようにはしねーよ。どーせお前さんにはもう何も出来ねェ
 命があるだけありがてェと思いな」

確かに利き腕を骨折して、武器を取り上げられて、首輪で拘束されて……
常識的に言えば、俺はもう詰んでいる。
戦うどころか、逃げることすら難しいだろう。
けど、俺にはまだ奥の手がある。
槿(あさがお)さんと一緒に検証した、この力に間違いがなければ……
まだ道は残されている。

「じゃんけん、しないか?」
「あん?」

じゃんけんで勝つ確率は3分の1。
だが、俺の力なら――その確率を1分の1……つまり100%的中させる事が出来る。
それが俺の10分の1を1にする力。
10分の1までの確率なら、完璧に当てる事が出来る……はずの力だ。

「俺と、じゃんけんしよう。
 5回勝負して、俺が負けたら好きにしてくれていい。
 でも勝ったら――」

ボカッ

「いっっっ……てぇーーーー!! 何すんだよ!」

一瞬、目の前が真っ暗になる。
木刀で頭、殴りやがった!

「アホですかィ? このガキは。
 その勝負を受けて、俺に何の得があるってんでェ」
「く……」
「人様と取引するつもりなら、対価を用意しろってェの
 もっとも、お前さんの荷物もこうして頂いちまった以上、もう取引材料なんてねェけどな
 最初に銃突き付けた時ならまだ交渉の余地もあったのになァ? ま、諦めるこったな」

対価。
持ち物も自由も奪われた俺が今、ベット出来る物。
考えろ……考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。考えろ。

「……対価ならあるさ」
「あ?」
「俺には秘められた『能力』がある。
 その力で俺はあんたを助ける。だから、あんたも俺の兄貴の仇討ちを手伝ってくれ」


       ◇       ◇       ◇


なんでェコイツ。秘められた『能力』?
真顔で何言っちゃってんですかねェ?
これが噂に聞く邪気眼って奴ですかィ?

「次に会う奴は『男』、殺し合いには『乗っていない』
 ……賭けてもいい」
「予知能力って奴ですかィ? あいにく厨二病患者の相手をするほど暇じゃないんでさァ」
「ちょっと違う、俺の能力は10分の1を1にする力……
 10分の1までの確率なら……必ず正解を選び取れる力だ」

まったく、おかしな設定を考え付くガキだ。
テストや競馬じゃ役に立ちそうだが、現実にある選択肢は10くらい軽く超えてるぜィ。
素直に予知にしとけよ、予知に。

「疑ってるんだろ? だからさ……じゃんけん、しようぜ」


       ◇       ◇       ◇


潮風にたなびく学ラン。
深夜の孤島に吹く風はまだ冷たいというのに、寒さなど感じる様子もなくシャツ一枚の胸板を平然と晒している。
その姿はまさに番長。
金剛晄。
誰が言うともなしに、金剛番長と呼ばれた漢。
彼は今、このふざけたゲームを潰すべく動いている。

手に持つデイパックの中身は既に調べた。
中に入っていたのは二つの武器。
だが、金剛番長にこの武器を使うつもりはない。
主催者から与えられた武器で主催者と対決する道を選ぶなど、「スジが通らねえ」と思ったからだ。
金剛番長は、あくまでも自らの肉体一つで戦い抜くつもりだった。

とはいえ、捨てていっては殺し合いに乗った人間に使われてしまう可能性もある。
武器を見つけたら、なるべく回収しておいたほうがいいだろう。

目指す学校までは残り僅か。
そこで彼は微かな異変に気付く。
何者かが、ランタンの光をクルクル動かしてこちらに合図を送ってきているのだ。
その行為の、ちょっとした違和感に金剛番長は眉をひそめる。

相手が味方だと確信しているなら、その行為は判る。
だがこの距離、この暗さで相手を識別出来るとも思えない。
誰かも判らない相手と無作為に接触を持とうとしているのか?
あるいは誘き寄せて襲撃しようと考えているのかもしれない。
だが、敵だとしてもわざわざ自分の居場所を教えるような事をするだろうか……

まぁいい。敵であったとしても、正面から迎え撃つまでだ。
金剛番長は恐れもせずに、光に向かって歩いていく。
そして、二人の同年代の少年に出会う。

「一つ聞かせて貰おう……お前ら、一体どういう関係だ?」

金剛を笑顔で出迎えてくれた二人の少年。
だが、その二人はまるでペットと飼い主のように首輪で繋がっていたのだった……


       ◇       ◇       ◇


「なるほど、復讐……か」

聞いてみれば安藤潤也……復讐に猛るこの少年を、警察官だと言う土方が捕えた……という事情らしい。
首輪なのは、拘束用に使える支給品を偶然持っていたからだと。

「ああ、あんたは何か知らないか? 兄貴の事、マスターの事、犬飼の事、なんでもいいんだ。
 何か知ってたら教えてくれ!」
「悪いが、心あたりはないな。だが、復讐など止めておけ」
「あんたもそんな事言うのかよ! たった一人の家族なんだ、仇を討って何が悪いってんだよ!」

少年の憤りは金剛にも判る。
彼の母親もまた、心ない暴力にその生命を奪われたのだ。
そして金剛の兄は今も復讐の炎に、その身を焦がしている。
もっともその復讐の対象は、母の命を奪った者たちではなく、母の行為を嘲笑う日本という国に対してであったが……

「兄貴に出来なかった事は……俺がやるって決めたんだ、これだけは誰にも邪魔させない」
「お前の兄の事は知らないが、たった一人の弟に復讐など望んではいないはずだ。
 出来なかった事をすると言うのなら、兄が生きられなかった分までお前が生きて――」
「うるせえっ! 知ったような事を言うなっ! 兄貴の事、何も知らないくせに!」
「それはお前の事だろう……まぁ、兄が何を考え、何の為に死んだのか。
 それを知る事は大切な事だ。そこまでなら、協力してもいいぜ」
「くっ……」

「そうそう、俺もそういう事を言いたかったんでさァ」

自分と金剛とのやりとりに、調子よく口を挟んでくる土方を睨みつけると潤也はそっぽを向く。
金剛の説得に心が傾いたわけではない。
ただ、兄の考えという言葉に、兄からの最後のメールを思い出しただけだ。

『たとえでたらめでも自分を信じて対決していけば……世界は変わる
 クラレッタのスカートを直してくるよ』

この言葉の意味はまだわからない。
槿さんからクラレッタがイタリアのドゥーチェ(指導者)ムッソリーニの恋人だという事は教えてもらったけど、
詳しく調べる前にここに連れてこられたのだ。

(兄貴……兄貴はどうして……一体何がしたかったんだ? 俺にそれが出来るのか?)

「ほう、ではその能力が……」
「ああ、どうやら本物らしいですぜィ」

土方と金剛が自分の能力について語り合っている。
じゃんけん勝負で勝ち続け、土方もある程度俺の能力を信用したはずだ。
今は半信半疑かもしれないが、その内いやでも自分の能力が本物だとわかるだろう。
そうなれば、この集団の意思を決定するのは自分の役目になる。

確かに俺の出来る事なんて、このちっぽけな能力くらいだ。
でも、この能力で集団の意思を決定付ける事が出来れば……それが俺の刃になる。
見てろよ土方、さっきの礼は絶対してやるぜ。
そして兄貴の仇は絶対取るんだ、誰に何と言われても。


       ◇       ◇       ◇


と、奴は考えてるに違いねェ。
だが、そうは問屋が卸さねェ。
奴には便利な俺の道具で居て貰うぜィ。
金剛の旦那も23区計画とかいう厄介そうなヤマに関わってるみてェだし、予想以上に
面倒な事になってるみてェだが、とっとと片づけて江戸に帰らなきゃな。
姉上の葬儀だってまだあげてねェんだ。
頼むぜィ、潤也くぅん?


       ◇       ◇       ◇


この二人……どういう男なのか、まだわからねぇがスジの通らねえ事をしでかすようなら
ぶん殴ってでもスジを通してやるぜ。


       ◇       ◇       ◇


それぞれ情報交換を済ませた3人は、共通の目的である知り合いと情報を求めて校舎を発つ。
ちなみに、潤也の手首は見かねた金剛番長が手当てをしてくれていた。

行動の指針となるのはやはり潤也の能力。
もともと当てなどないのだから、当たれば儲けものくらいの感覚ではあるが……

しかし彼の能力は、東西南北4つの方角のどれかに知り合いがいる。
などという風には使えない。
東西南北などと方角を4つに区切っても、それはただの言葉遊びであり、厳密にはもっと多くの選択肢になっているからだ。

よって3人は地図上に存在するランドマークに目を付ける。
このランドマーク一つ一つに、知り合いが「いる」か「いないか」を潤也の能力で調べるのだ。
例えば、居合い番長が神社に「いる」か「いないか」という風に。

3人は、自分の知り合いの名を思いつく限り上げていく。
金剛番長が上げた名前は、どこの建物でもヒットしなかった。
潤也も同じ。
そして、一つだけ「いる」と出たデパートに向けて出発する。
ヒットした名前は坂田銀時
土方……いや、沖田が旦那と慕う万屋の男。

だが、ヒットしなかった名前も、この場にいないとは断言は出来ない。
単にまだ建物にたどりついていないだけなのかもしれないのだから。
故にこの先、彼らが誰と出会う事になるのか。
それはいかな潤也の能力とて見通す事は出来ない。


【G-2/中・高等学校校門前/1日目 黎明】

沖田総悟@銀魂】
【状態】健康、わずかな悲しみ
【装備】木刀正宗@ハヤテのごとく! 首輪@銀魂(片方の首輪を握っている)
【所持品】支給品一式×2 イングラムM10(18/19)@現実 未確認支給品0〜1(確認済み、武器はない)
【思考】
基本:さっさと江戸に帰る。無駄な殺しはしないが、殺し合いに乗る者は―――
1:この場にいるなら近藤や銀時達知り合いと合流したい。土方?知らねえよ
2:潤也を利用する
3:……姉上、俺は――

※沖田ミツバ死亡直後から参戦


【安藤潤也@魔王 JUVENILE REMIX】
【状態】疲労(小)、右手首骨折(応急処置済み)、たんこぶ一つ、首輪で繋がれている
【装備】首輪@銀魂(片方の首輪をはめている)
【所持品】
【思考】
基本:兄の仇を討つ。そのためには手段も選ばない。
1:兄の仇がこの場にいれば、あらゆる方法を使って殺す。いなければ、できるだけ早急にここから脱出する。
2:土方、金剛番長を利用する
3:土方に対する激しい怒り
4:兄貴……

※参戦時期は少なくとも7巻以降(蝉と対面以降)。
※沖田の名前を土方と理解しました。
※能力は制限されている可能性がありますが、まだ気付いていません(少なくとも3分の1は1に出来ます)


金剛晄(金剛番長)@金剛番長】
[状態]:健康
[服装]:学ラン
[装備]:なし
[道具]:支給品一式、確認済み支給品×2(武器である事は確認済み)
[思考]
基本:殺し合い?知ったことか!!
 1:ゲームを潰す
 2:施設をまわり、情報を集める。
 3:このゲームの主催者たちにスジを通させる
 4:陽菜子や他の番長たちはいるのか……?
 5:仲間たちにもスジは通させる
[備考]
※自分の力が制限されていることを知りました。
※主催の用意した武器を使うつもりはありません


※3人ともある程度の情報を交換しました
 それぞれの世界の違いについて気付いたかどうかは次の作者さんにおまかせします



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