この世界は不完全だ、だから美しい ◆AO7VTfSi26
(さて……この厄介な代物を、どうするかね)
キリコは、己が命を握る死神の鎌を擦りながら考える。
『自然な死』という形から、人を最も遠くに置くこの忌々しき首輪。
まずは向けられたその刃先を逸らす事が、この殺し合いを止める為には必要不可欠。
『自然な死』という形から、人を最も遠くに置くこの忌々しき首輪。
まずは向けられたその刃先を逸らす事が、この殺し合いを止める為には必要不可欠。
(だが、そう簡単に外せるような代物ならば意味を成さない。
奴等がよっぽどの大マヌケか、さもなくば裏切り者でもいない限りはな)
奴等がよっぽどの大マヌケか、さもなくば裏切り者でもいない限りはな)
しかし、首輪の解除は極めて難度が高い課題であるとキリコは考えていた。
殺し合いに積極的な者でない限り、誰もがこの首輪を外そうと考えるであろう事は、想像に難しくない。
ならば当然、あの広場で見かけた二人―――ムルムルと申公豹も、そこは念入りに仕掛ける筈だ。
首輪の解除に繋がるであろうものは、この会場内から完全撤廃されていると考えていいだろう。
殺し合いに積極的な者でない限り、誰もがこの首輪を外そうと考えるであろう事は、想像に難しくない。
ならば当然、あの広場で見かけた二人―――ムルムルと申公豹も、そこは念入りに仕掛ける筈だ。
首輪の解除に繋がるであろうものは、この会場内から完全撤廃されていると考えていいだろう。
少なくとも、キリコは己が主催者の立場―――彼からすれば、そう考えるのも忌々しいが―――ならばそうする。
(……しかし……人ってのは、完璧な生き物じゃないからな)
だが、キリコは彼等を嘲笑した。
人間というものは……否、生き物というものは決して完璧な存在ではない。
助からないと思われていた患者が、宿敵たる闇医者の手によって奇跡的な復活を遂げた事もあった。
患者を安楽死させる寸前に、思わぬ邪魔が入り失敗した事もあった。
キリコ自身、受け入れたはずの死にそっぽを向かれた事もあった。
患者を安楽死させる寸前に、思わぬ邪魔が入り失敗した事もあった。
キリコ自身、受け入れたはずの死にそっぽを向かれた事もあった。
どれだけ完全に努めようとも、必ず不完全な面がどこかで出てしまう……それが生き物の自然な在り方。
言い方を変えれば、あらゆる命の在り方だ。
もしもその在り方に逆らう者がいるとすれば、完璧である存在がいるとすれば、それは命に非ず。
言い方を変えれば、あらゆる命の在り方だ。
もしもその在り方に逆らう者がいるとすれば、完璧である存在がいるとすれば、それは命に非ず。
言うなれば、それは―――神に他ならないだろう。
(神……デウスか……)
ムルムルと呼ばれた少女と、その顔見知りと思われる1stと呼ばれた少年が口にした、デウスという名。
それはラテン語―――世界各国を飛び回るキリコにとって、それはよく使う言語の一つである―――で、『神』を意味する単語だった。
そしてこのゲームは、新たな神が新たに開いたものだという。
実に馬鹿馬鹿しい話だ。
それはラテン語―――世界各国を飛び回るキリコにとって、それはよく使う言語の一つである―――で、『神』を意味する単語だった。
そしてこのゲームは、新たな神が新たに開いたものだという。
実に馬鹿馬鹿しい話だ。
「……俺達は神でも何でもない。
そんなものになれるわけがない、ただの人間だ。
だからこそ、日々を一生懸命に生き、命を尊ぶのさ……死神なんて言われている俺が言うのも、滑稽だがね」
そんなものになれるわけがない、ただの人間だ。
だからこそ、日々を一生懸命に生き、命を尊ぶのさ……死神なんて言われている俺が言うのも、滑稽だがね」
人は神になどなれやしない。
故に今を精一杯生き、そして死を迎えるのだ。
自嘲気味な笑みを浮かべつつ、キリコは目前の建築物―――神を祭る社―――へと、そう言い放った。
この殺し合いを開いた神気取りは、この言葉を確かに聞いているだろう。
そして同時に思うだろう……愚かであると。
神に逆らう事など、出来はしないと。
故に今を精一杯生き、そして死を迎えるのだ。
自嘲気味な笑みを浮かべつつ、キリコは目前の建築物―――神を祭る社―――へと、そう言い放った。
この殺し合いを開いた神気取りは、この言葉を確かに聞いているだろう。
そして同時に思うだろう……愚かであると。
神に逆らう事など、出来はしないと。
(だが……その考えそのものが、俺からすれば愚かなものだ)
先も言ったとおり、生き物とは不完全で当然の存在だ。
そして己が完璧と思う者ほど、その事実に気付かない。
己が犯しているミスにも気付かないものなのだ。
そして己が完璧と思う者ほど、その事実に気付かない。
己が犯しているミスにも気付かないものなのだ。
――――――外そうとしたり強い衝撃を与えても爆発するから気をつけるようにしたほうがいい。
(俺達を縛り付けるつもりで言ったんだろうが……それは同時に、そこに弱さがあるってことだ)
首輪についての発言は、ゲームへの参加を促す脅し。
しかし同時に、首輪を外せる可能性があるかもしれないという弱点を露見させている。
それはそのまま、殺し合いの転覆・主催者打倒にも直結する。
既に神は、己が完璧ではないという事実を告白しているようなものなのだ。
しかし同時に、首輪を外せる可能性があるかもしれないという弱点を露見させている。
それはそのまま、殺し合いの転覆・主催者打倒にも直結する。
既に神は、己が完璧ではないという事実を告白しているようなものなのだ。
(こんな殺し合いは、認められやしない……俺の信念にかけてな)
キリコは、自身に支給された葉巻を取り出し、ランタンで火をつけ口に咥える。
相手は決して神などではない、同じ命を持つ一つの存在だ。
この様な殺し合いをする権利など、命を弄ぶ権利など持ち合わせているわけがない。
相手は決して神などではない、同じ命を持つ一つの存在だ。
この様な殺し合いをする権利など、命を弄ぶ権利など持ち合わせているわけがない。
「さて……そろそろ行くか」
葉巻を吸い終え、キリコは下山を開始した。
川沿いに南へと辿っていけば、最短ルートで診療所へと向かう事が出来る。
まずは仕事道具を手に入れること……それが何よりもの目標だ。
川沿いに南へと辿っていけば、最短ルートで診療所へと向かう事が出来る。
まずは仕事道具を手に入れること……それが何よりもの目標だ。
神社の傍らに落ちた葉巻の吸殻から、かすかな煙が発ち上がる。
それは、神を名乗る者達への反逆の狼煙。
そして、自然なあり方から外れた死を遂げた者達への、死神なりの送り火なのかもしれない。
【F-5/神社/1日目 黎明】
【ドクター・キリコ@ブラック・ジャック】
[状態]: 健康 ほほに殴られた跡
[服装]:
[装備]:
[道具]:支給品一式 トルコ葉のトレンド@ゴルゴ13(4/5本) 不明支給品一つ
[思考]
基本: いつも通り、依頼してくる人間は安楽死させる。かつ、主催者に一泡吹かせる。
1: ブラックジャック探しと医療道具探しの為、診療所に向かう。
2: ブラックジャックと会えたらうしおの事を伝え、神社で合流させる。
3: 助かる見込みもなく、苦しんでいる人間がいたら安楽死させる。
4: ただし、自殺志願者や健康な人間は殺さない。重傷者も、ある程度までは治療の努力をする。
[備考]
※ 参戦時期は少なくとも「99.9パーセントの水」と「弁があった!」の後。
※ 「治療の努力」の程度はわかりません。彼の感覚です。
※ 首輪には、確実に何かしらの欠点があると考えています。
※ ムルムルの言っていた「神」を、神を気取る何者かと考えています。
【ドクター・キリコ@ブラック・ジャック】
[状態]: 健康 ほほに殴られた跡
[服装]:
[装備]:
[道具]:支給品一式 トルコ葉のトレンド@ゴルゴ13(4/5本) 不明支給品一つ
[思考]
基本: いつも通り、依頼してくる人間は安楽死させる。かつ、主催者に一泡吹かせる。
1: ブラックジャック探しと医療道具探しの為、診療所に向かう。
2: ブラックジャックと会えたらうしおの事を伝え、神社で合流させる。
3: 助かる見込みもなく、苦しんでいる人間がいたら安楽死させる。
4: ただし、自殺志願者や健康な人間は殺さない。重傷者も、ある程度までは治療の努力をする。
[備考]
※ 参戦時期は少なくとも「99.9パーセントの水」と「弁があった!」の後。
※ 「治療の努力」の程度はわかりません。彼の感覚です。
※ 首輪には、確実に何かしらの欠点があると考えています。
※ ムルムルの言っていた「神」を、神を気取る何者かと考えています。
【トルコ葉のトレンド@ゴルゴ13】
ゴルゴ13が普段から愛用している、トルコ葉を使用した葉巻。
それなりの高級品らしいが、詳しい価格は不明。
ちなみに余談だが、現実にはこの様なシガーは存在しないらしい。
ゴルゴ13が普段から愛用している、トルコ葉を使用した葉巻。
それなりの高級品らしいが、詳しい価格は不明。
ちなみに余談だが、現実にはこの様なシガーは存在しないらしい。
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