1、
学習指導要領の変遷とその特徴について
問1:
①
経験主義・・・
デューイが提唱した。「子どもを取り巻く環境と相互作用において生じる経験が子どもの中で反芻され、知識となっていくプロセスを教育と考える。」
この経験主義と
児童中心主義の教授法・学習指導の基本が「
問題解決学習」。日本では、1947年の最初の学習指導要領で地域の社会的実現(その地域の社会生活に即して考える)と課題を明確にして、生活問題を解決する学習が
コア・カリキュラム(参考書P18参照)運動として展開された。そんな中で問題解決学習の概念が広まった。(特に新設された「
社会科」は、経験主義の教育を実践する中心となった。)
② 試案・・・各学校で教師が創意工夫を凝らし、よりよい教育の内容や方法をつくりだしていくための「手引」にすぎないことが強調された。
③ 4領域・・・1.教科を学習する基礎となる教科(国・算)、2.社会や自然についての問題解決を図る教科(社・理)、3.表現活動を行う教科(音・図工・家庭)、4.健康の維持増進をはかる教科(体)
④ 系統性・・・基礎学力を充実させるために、順を追って統一された内容を学習内容とした。各教科ごとに「知識を積み上げていく」。「這い回る経験主義」という何を学んでいるのかが明確ではないことに(=系統性がない)対して転換された。
⑤ 科学技術教育・・・「算数」・「理科」の内容を充実した。この背景には、文化・科学・産業などの急速な進展に即応して国民生活の向上を図るためとされた。また、日本が
国際社会にて確固たる地位を築いていくため、教育の画一的な充実も図られた。1950~60年代には現代科学の研究成果を
学校教育に正しく反映させようとする、カリキュラム改造運動がさかんであった。ちなみに、昭和30年代は高度経済成長期であった。
⑥ 調和と統一・・・
⑦・⑧ 授業時数が「最低」から「標準」に・・・ 最低の授業日数が240日とされたが、各教科の年間授業数は変更されなかった。
⑨ 徳・・・深刻な教育荒廃(受験戦争激化・落ちこぼれ・校内暴力など)を生み出した前改訂への反省から、「人間性豊かな児童・生徒」を育成することに重点をおいた。そのため、
道徳教育と体育を重視し、「知・徳・体」の調和のとれた人間性豊かな児童生徒の育成を図った。
⑩ ゆとりと充実・・・⑨を育成し、「ゆとりあるしかも充実した学校生活」を送れるように、授業時間数の1割削減・教科内容の大幅削減・「ゆとりの時間」(学校裁量の時間)が新設された。
⑪
自己教育力・・・社会の変化に自ら対応できる力のこと。
教育課程の現代化・・・1950~60年代には現代科学の研究成果を学校教育に正しく反映させようとする、カリキュラム改造運動がさかんであった。
⑫
生活科・・・低学年の「社会」・「理科」を廃止し、具体的な活動・体験を通して自らの生活について考え、必要な習慣・技能を身につけられるように新設された。
⑭ 厳選・・・ 児童生徒などにとって高度になりがちな内容などを削減したり、上級学校に移行統合したりなどして、授業時数の縮減以上に教育内容を厳選したこと。
最終更新:2008年12月01日 10:20