SH2 プロット分析 By DA DOOD 第3章
ああ フロイト
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そう、私はこの男を決して好きではありませんでした。大学のフロイトに関する講義では、ほとんどと言って良いほど寝ていたぐらいです。
でも唯一、この男の発言が私の心を突き動かしたことがあります。それは.....
「男性と女性は、無意識下にある欲求に支配されそれを満たそうと一生涯を送る」
この言葉。これは真実です。
普通の人間であれば、一生涯どんな時でも、無意識に4つの欲求を満たそうとして生きていると、私は一般心理学の講義で学びました。
それは「 __1. 食べたい__ 」「 __2. 眠りたい__ 」「 __3. 守ってもらいたい__ 」そして「 __4. 満足したい__ (これはフロイトのお気に入りでもあります)」。
この欲求というものは、基本的にややオート・リファレンシャル¬e と言えるでしょう。
もし、ある人間が己の欲求のうち一つをないがしろにしたとすれば、あなたからはその人はその先きっと幸せにはならないと見える ——— もしくは、そんな人は生きる価値なんて無いと思うかもしれない。
もちろん、本当の幸せというものは他の欲求無しで定義できることもあるということも頭に入れておかなければなりません。
食べることで幸福を感じる人もいますよね。まあ食事の時間が嫌いな人はいないと思いますが.....ある人達にとっては、この幸福は他のどんな事よりも満足できる瞬間なのです。
たとえ土曜の夜だったとしても、その人は恋人とのお出かけよりもディナーの方を選ぶと思います。恋人といるより幸せなのです。
また、世界中の一人一人が、それぞれ自分が幸福感を味わう手段を持っていることも覚えておかなければいけないことです。
例えば私なんかは、サイレントヒルをプレイしている時間が本当に幸せです。スポーツをして幸福感を感じるフットボール選手がこれを聞いたら、おそらく私のことを笑い、そして信じないでしょう。
もうお解りですね? 幸せというものは個人的な問題なのです。
それを理解したところで、ジェイムスの欲求について話を移しましょうか。
まず言えるのは、彼は悩んでいたのは1番目の欲求「空腹感」では決してないということです。
また、彼は素晴らしい家に住み、熱いシャワーとぬくぬくの毛布にくるまって生活できるのも疑いようがありません。よって2・3番目でもありません。
さあ、思い出してください。4番目の欲求は「 __満足感__ 」でしたね。
我々のジェイムスは、この欲求に支配された、深刻的な患者です。
彼にとっての欲求とは「肉体的欲求」。愛とは「定義No.7¬e 」なのです。これは、この考察を進めていく上での基本的な要素です。
なぜでしょうか? 彼の行動がその理由です。この考察で分析される、彼のあらゆる行動すべてがその理由なのです。
彼のメアリーへの愛とは、自分の単純な欲求を満たすためだけの隠れ蓑であり、メアリーをその蓑で騙し続けていたことを、あなたはこの後理解するでしょう。
かわいそうなジェイムス。罪は彼をくまなく蝕んでしまった。