人殺しとは
自然人の生命を故意に奪う行為である
自然人の生命を故意に奪う行為である
殺人罪(さつじんざい)とは、人を殺すことを内容とする犯罪であり、広義には刑法第2編第26章に定める殺人の罪(刑法199条〜203条)を指し、狭義には刑法199条に規定されている殺人罪を指す。日本の刑法における殺人罪は故意による殺人をいい(刑法38条参照)、過失により人を死に至らしめた場合は過失致死罪(刑法210条)となる。
殺人罪
法律・条文
刑法199条
保護法益
生命
主体
人
客体
人
実行行為
人を殺す
主観
故意犯
結果
結果犯
侵害犯
実行の着手
生命侵害の現実的危険を惹起した時点
既遂時期
相手が死亡した時点
法定刑
死刑又は無期若しくは5年以上の懲役
未遂・予備
未遂罪(203条)
予備罪(201条)
刑法199条
保護法益
生命
主体
人
客体
人
実行行為
人を殺す
主観
故意犯
結果
結果犯
侵害犯
実行の着手
生命侵害の現実的危険を惹起した時点
既遂時期
相手が死亡した時点
法定刑
死刑又は無期若しくは5年以上の懲役
未遂・予備
未遂罪(203条)
予備罪(201条)
旧・刑法では謀殺罪と故殺罪に分けられており、あらかじめ謀って殺害した場合や、毒物を用いて殺害した場合は謀殺罪、それ以外の場合は故殺罪とされていた。また故殺罪の中でも、その態様によって細かく区分され、それぞれ法定刑が異なっていた。しかし、現行法ではこのような区別は存在せず、いかなる態様であっても、故意に他人を殺害した場合は殺人罪が成立しうる。そのため、諸外国と比べても包括的な犯罪類型であり、法定刑もかなり広くとられている。
保護法益
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本罪の保護法益は人の生命である。
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本罪の保護法益は人の生命である。
本罪の客体
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本罪の客体(対象)は「人」である。人の始期(胎児の区別)と終期(死者の区別)については問題となる。
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本罪の客体(対象)は「人」である。人の始期(胎児の区別)と終期(死者の区別)については問題となる。
人の始期
人を殺害した場合には「殺人罪」になるが、胎児を殺害した場合には殺人罪よりは軽い「堕胎罪」となる(その胎児を殺したことにより、自然の分娩時期を早めた場合)。日本での刑法上の通説・判例は一部露出説をとる(民法上は全部露出説がとられている)[1]。
詳細は「人の始期」および「堕胎罪」を参照
人の終期
生きている人の体を損壊して殺害した場合には「殺人罪」になるが、死体を損壊したにとどまる場合には殺人罪よりは軽い死体損壊罪となる。現代では三兆候説と脳死説が対立しており、脳死者からの臓器摘出の法的な位置づけが問題となっている[2]。
詳細は「人の終期」および「死体損壊罪」を参照
適用範囲
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日本法は属地主義(犯罪が行われた場所が日本国内・日本船籍船内・日本籍航空機内である場合に適用される)を原則としている。しかし、人命はきわめて貴重なものであるがゆえに、殺人罪については属地主義に限定せず広い範囲で適用されることが規定されている。
人を殺害した場合には「殺人罪」になるが、胎児を殺害した場合には殺人罪よりは軽い「堕胎罪」となる(その胎児を殺したことにより、自然の分娩時期を早めた場合)。日本での刑法上の通説・判例は一部露出説をとる(民法上は全部露出説がとられている)[1]。
詳細は「人の始期」および「堕胎罪」を参照
人の終期
生きている人の体を損壊して殺害した場合には「殺人罪」になるが、死体を損壊したにとどまる場合には殺人罪よりは軽い死体損壊罪となる。現代では三兆候説と脳死説が対立しており、脳死者からの臓器摘出の法的な位置づけが問題となっている[2]。
詳細は「人の終期」および「死体損壊罪」を参照
適用範囲
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日本法は属地主義(犯罪が行われた場所が日本国内・日本船籍船内・日本籍航空機内である場合に適用される)を原則としている。しかし、人命はきわめて貴重なものであるがゆえに、殺人罪については属地主義に限定せず広い範囲で適用されることが規定されている。
したがって、国内犯(刑法1条)はもちろん、国民の国外犯(刑法3条)、国民以外の者の日本国民に対する国外犯(刑法3条の2)にも適用がある