家康一行は参加者に遭遇することもなく、アッシュフォード学園へとたどり着いた。
道中にNPCがいたもののレンは精神的都合で戦うことに対して恐怖心があったがものの、
完全とまではいかないが銃器に慣れるためNPCと相対しており、調子は多少取り戻している。
四人、とりわけサビルバラと家康は慣れたものであり、特にさしたる問題は起きていない。
ドロップアイテムが仮にあっても殆どが食料品だったりと、他の参加者の特定の武器などを鑑みると、
当たりとはいえず、しかし残ることもない代物で誤って取り出すこともないものをドロップしていた。
まあ、楽して食料にありつけれると思えばありがたいことなのだが。
堀北も戦闘に慣れてきたお陰で多少技の範囲を広めることを考え、所謂奥義にも手を出すほどになった。
そうした四人と一機は無事アッシュフォード学園へとたどり着いたわけだが、四人はすぐに身構える。
いくらか損壊の跡が見受けられる。先客がいたのか、未だ潜んでいるのか、敵か味方か定かではないが、
時間は有限だ。警戒しつつも、戦闘中や移動中ではできなかった情報交換をしていく。
出会い頭に情報交換はしておいたが、此処での出来事で来る前の情報はまだしてない。
先頭を家康、堀北、レン、最後尾はサビルバラと言った順番で廊下を歩きだす。
広大な学園は散策するだけでも一苦労であり、見学するだけでも一苦労だ。
道中にNPCがいたもののレンは精神的都合で戦うことに対して恐怖心があったがものの、
完全とまではいかないが銃器に慣れるためNPCと相対しており、調子は多少取り戻している。
四人、とりわけサビルバラと家康は慣れたものであり、特にさしたる問題は起きていない。
ドロップアイテムが仮にあっても殆どが食料品だったりと、他の参加者の特定の武器などを鑑みると、
当たりとはいえず、しかし残ることもない代物で誤って取り出すこともないものをドロップしていた。
まあ、楽して食料にありつけれると思えばありがたいことなのだが。
堀北も戦闘に慣れてきたお陰で多少技の範囲を広めることを考え、所謂奥義にも手を出すほどになった。
そうした四人と一機は無事アッシュフォード学園へとたどり着いたわけだが、四人はすぐに身構える。
いくらか損壊の跡が見受けられる。先客がいたのか、未だ潜んでいるのか、敵か味方か定かではないが、
時間は有限だ。警戒しつつも、戦闘中や移動中ではできなかった情報交換をしていく。
出会い頭に情報交換はしておいたが、此処での出来事で来る前の情報はまだしてない。
先頭を家康、堀北、レン、最後尾はサビルバラと言った順番で廊下を歩きだす。
広大な学園は散策するだけでも一苦労であり、見学するだけでも一苦労だ。
「なるほど。チェイス殿はその恋女房と言う機械、絡繰りの類で頼れる味方なのだな?」
「ロイミュードです。横文字が苦手なのは分からなくはないですがその間違え方はどうかと。」
「いや、南蛮言葉にはザビ―教という宗教があって多少だが言葉は慣れている。」
「え、ザビー教? あのフランシスコ・ザビエルじゃなくて……?」
「ああ。何でも世界平和のため愛を広めるべく……」
三者の世界での人物関係や世界を知った後、今は最も長くなるであろう家康の番だ。
日本の偉人からの、間違ってもノートに書き写せないぶっ飛んだ歴史の授業。
それを聞いて、精神的にレンの心はよりどこかだが平常心に戻りつつあった。
恐らくではあるがリアルでなら同年代の青年にしか見えない姿で、
歴史とは全然違う狸じじいなんてものとは一切無縁であり、まるで太陽のような男。
レンが通うのはお嬢様学校である以上、仮に同じ現代人でも一緒に通うことはないだろうが
その性格や容姿を考えると、目が肥えている生徒達から見てもそれなりにモテるだろう。
戦国乱世である以上は、当人らにとっての命の奪い合いの場ではあるので不謹慎とは思うも、
六本の刀を使う伊達政宗、明らかに現代兵器を使う雑賀孫市、海賊の長曾我部元親といった面々。
そのうえフランシスコ・ザビエルと思しき謎の新興宗教まで存在していると言うカオスな有様だ。
何ともカオス極まりない日本であり、面白おかしく感じてしまうのは無理もないことである。
堀北はそれに頭痛を、蛮野は(意味が分からん)と内心毒づき、まっとうに聞いてるのは、
日本ではなく空の世界で生き、覇空戦争や嘗てのエルステ帝国の圧政を知るサビルバラぐらいなものだ。
日本の偉人からの、間違ってもノートに書き写せないぶっ飛んだ歴史の授業。
それを聞いて、精神的にレンの心はよりどこかだが平常心に戻りつつあった。
恐らくではあるがリアルでなら同年代の青年にしか見えない姿で、
歴史とは全然違う狸じじいなんてものとは一切無縁であり、まるで太陽のような男。
レンが通うのはお嬢様学校である以上、仮に同じ現代人でも一緒に通うことはないだろうが
その性格や容姿を考えると、目が肥えている生徒達から見てもそれなりにモテるだろう。
戦国乱世である以上は、当人らにとっての命の奪い合いの場ではあるので不謹慎とは思うも、
六本の刀を使う伊達政宗、明らかに現代兵器を使う雑賀孫市、海賊の長曾我部元親といった面々。
そのうえフランシスコ・ザビエルと思しき謎の新興宗教まで存在していると言うカオスな有様だ。
何ともカオス極まりない日本であり、面白おかしく感じてしまうのは無理もないことである。
堀北はそれに頭痛を、蛮野は(意味が分からん)と内心毒づき、まっとうに聞いてるのは、
日本ではなく空の世界で生き、覇空戦争や嘗てのエルステ帝国の圧政を知るサビルバラぐらいなものだ。
「おんし程の強者がゴロゴロおるとは、まるで十天衆の安売りぜよ。」
一個人でとてつもない戦闘能力を有する猛者たちと言えば、
やはり全空において最強の集団とされる十天衆が思い浮かぶ。
特に話に聞く豊臣秀吉は規格外だ。言うなればエルステ帝国がファータ・グランデを制圧したと言える。
それを成し遂げるだけの手腕、戦力、そして当人の強さやカリスマには圧倒されてしまう。
やはり全空において最強の集団とされる十天衆が思い浮かぶ。
特に話に聞く豊臣秀吉は規格外だ。言うなればエルステ帝国がファータ・グランデを制圧したと言える。
それを成し遂げるだけの手腕、戦力、そして当人の強さやカリスマには圧倒されてしまう。
そんな傑物を相手に立ち向かい、勝利した家康もまたここでは相当な強者になるのだろうが、
言い換えれば家康がいても問題ない存在がいる可能性。例えるならばサビルバラはよく知らないが、
団長が戦ったとされるベルゼバブやルシファーと言った、世界を滅ぼしかねないような力を持った存在。
こればかりはいくら家康でも厳しい戦いになるだろうし、これを考えると早急に何かしらの対策、
或いは支給品の確保……つまるところ参加者を殺すことが必要になるのは必然的なことだった。
ドロップアイテムもありだろうが、ドロップアイテムにそんな参加者を殺せるような、
バランスブレイカーなアイテムがドロップできるとはとても思えない。或いは確率が絶望的に低い。
無論、サビルバラは善性の人間だ。汚れ仕事はするが、早々に誰かを見捨てるなんてこともしない。
狙うのは敵だけだ。特に、家康は信頼しきってる蛮野は大丈夫なのかと堀北と話し合ったのもある。
本当に信頼できる相手なのか。彼が信頼を置いているチェイスがいかような人物なのかで判断が必要だ。
チェイスが危険人物ならば、今の得物である蛍丸で遠慮なくそのタブレットを両断してしまうだろう。
もっとも、チェイスが仮に危険でなかったとしても安易な信用は禁物だ。何せ相手はタブレットの機械。
表情で心境を読む、と言ったことで相手の考えを読み取ることはできず、声だけで判断しろなのだ。
真偽が判明できるとするならば、それこそ言葉であれば嘘かどうかわかるリュージぐらいだろう。
蛮野を信じ切る家康とレン、二人は信じ切れない蛮野、このアンバランスさが後でどうなるのか。
最悪の場合、家康の許容範囲は凄まじく広い。バルバトスを前に嫌悪感もなく真っ直ぐに立ち向かった。
あの様子を見るに、もしかしたら正体が危険人物でも『わしが何とかしよう』とかで許容しかねない。
危険な芽は早めに摘む。サビルバラの方針とは違う方向を向いているのでどうにも相性が悪い。
言い換えれば家康がいても問題ない存在がいる可能性。例えるならばサビルバラはよく知らないが、
団長が戦ったとされるベルゼバブやルシファーと言った、世界を滅ぼしかねないような力を持った存在。
こればかりはいくら家康でも厳しい戦いになるだろうし、これを考えると早急に何かしらの対策、
或いは支給品の確保……つまるところ参加者を殺すことが必要になるのは必然的なことだった。
ドロップアイテムもありだろうが、ドロップアイテムにそんな参加者を殺せるような、
バランスブレイカーなアイテムがドロップできるとはとても思えない。或いは確率が絶望的に低い。
無論、サビルバラは善性の人間だ。汚れ仕事はするが、早々に誰かを見捨てるなんてこともしない。
狙うのは敵だけだ。特に、家康は信頼しきってる蛮野は大丈夫なのかと堀北と話し合ったのもある。
本当に信頼できる相手なのか。彼が信頼を置いているチェイスがいかような人物なのかで判断が必要だ。
チェイスが危険人物ならば、今の得物である蛍丸で遠慮なくそのタブレットを両断してしまうだろう。
もっとも、チェイスが仮に危険でなかったとしても安易な信用は禁物だ。何せ相手はタブレットの機械。
表情で心境を読む、と言ったことで相手の考えを読み取ることはできず、声だけで判断しろなのだ。
真偽が判明できるとするならば、それこそ言葉であれば嘘かどうかわかるリュージぐらいだろう。
蛮野を信じ切る家康とレン、二人は信じ切れない蛮野、このアンバランスさが後でどうなるのか。
最悪の場合、家康の許容範囲は凄まじく広い。バルバトスを前に嫌悪感もなく真っ直ぐに立ち向かった。
あの様子を見るに、もしかしたら正体が危険人物でも『わしが何とかしよう』とかで許容しかねない。
危険な芽は早めに摘む。サビルバラの方針とは違う方向を向いているのでどうにも相性が悪い。
(年を取りすぎると過保護になるといったところか。)
同じ東国で育った異国の少女、ミリンを思い出す。
元気で快活で、時に心配になるちょっと世間知らずの侍を目指す少女。
彼女のことをよく知っており、時折面倒を見ていたのもいい思い出だ。
侍ではないと一度ある人物にバッサリ言われ、自分の中の侍を見出して、
成長していった彼女は今では嘗て以上に頼もしい団員となっているだろう。
とは言え心配事はまだある。妹と義弟の忘れ形見を放って死ぬつもりもない。
そんな風に覚悟を決めていると、事態はすぐに急変していく。
元気で快活で、時に心配になるちょっと世間知らずの侍を目指す少女。
彼女のことをよく知っており、時折面倒を見ていたのもいい思い出だ。
侍ではないと一度ある人物にバッサリ言われ、自分の中の侍を見出して、
成長していった彼女は今では嘗て以上に頼もしい団員となっているだろう。
とは言え心配事はまだある。妹と義弟の忘れ形見を放って死ぬつもりもない。
そんな風に覚悟を決めていると、事態はすぐに急変していく。
堀北とレンが通り過ぎようとした窓をぶち破り、二人を中心に襲い掛かる刃とガラス片。
家康が咄嗟に動き、二人を庇うように両手をクロスさせ籠手で迫りくる剣の一撃を防ぐ。
パワーだけならばバルバトスほどではないが、技量は彼以上のものを感じる一撃と、
飛来するガラス片が頬を掠めたりすることで、赤い筋をいくつか刻んでいく。
これはレンや堀北も同じで、流石に無数に飛来するガラス片による怪我は防げない。
急所だけは守ろうと、全員が目をつむるのが共通しているところだろうか。
家康が咄嗟に動き、二人を庇うように両手をクロスさせ籠手で迫りくる剣の一撃を防ぐ。
パワーだけならばバルバトスほどではないが、技量は彼以上のものを感じる一撃と、
飛来するガラス片が頬を掠めたりすることで、赤い筋をいくつか刻んでいく。
これはレンや堀北も同じで、流石に無数に飛来するガラス片による怪我は防げない。
急所だけは守ろうと、全員が目をつむるのが共通しているところだろうか。
「家康さ───」
レンが言葉を紡ぐ前に、ほぼ同時に動いたサビルバラの抜刀。
蛍丸は一メートルを超える大太刀。多少離れていても切っ先は首を躊躇なく狙う。
奇襲に失敗したと分かると蛍丸と切り結び、その反動で廊下の上へと立つ闖入者。
蛍丸は一メートルを超える大太刀。多少離れていても切っ先は首を躊躇なく狙う。
奇襲に失敗したと分かると蛍丸と切り結び、その反動で廊下の上へと立つ闖入者。
(RPGの勇者みたい……アバターなのかな。)
見た雰囲気はザ・ファンタジーなALOとかでありそうな、RPGの主人公の姿だ。
自分と同じでアバターかと思うも、すぐそばにはサビルバラのように、
アバターじゃなくて本来の身体でこういう姿の人間(ハーヴィン)もいることだ。
絶対かどうかは分からないし、そもそもそれが今のこの状況において関係ないことである。
自分と同じでアバターかと思うも、すぐそばにはサビルバラのように、
アバターじゃなくて本来の身体でこういう姿の人間(ハーヴィン)もいることだ。
絶対かどうかは分からないし、そもそもそれが今のこの状況において関係ないことである。
「某! 徳川家康! わしの首を取りに来たのか? それとも、何かを守るために来たのか!」
「……僕は、アレフ……亡きローラ姫を生き返らせ、国を再興するために戦っている。」
違う。それは言い訳だ。責任転嫁だ。
さとうにも彼女を愛してなんかいなかったと言われた。
けれど、それを原動力としなければ、彼は何者にもなれないのだ。
世界を救った勇者としても、世界の半分を受け取ったやみのせんしにも。
自分で選んだ道だ。はいかいいえではない、そう言い訳するように虚空へ向けて呪文を唱える。
さとうにも彼女を愛してなんかいなかったと言われた。
けれど、それを原動力としなければ、彼は何者にもなれないのだ。
世界を救った勇者としても、世界の半分を受け取ったやみのせんしにも。
自分で選んだ道だ。はいかいいえではない、そう言い訳するように虚空へ向けて呪文を唱える。
「ギラ。」
虚空、と言ったが厳密には違う。
空へ向けた手から放たれる火球は天井の蛍光灯を破壊し、
破片と共に炎を爆散させることで、四人一度に攻撃を仕掛ける。
普通のギラだったら此処までの威力はでないだろう。できるのは、
りゅうおうを倒し世界を救った勇者アレフだからこそのギラだからだ。
空へ向けた手から放たれる火球は天井の蛍光灯を破壊し、
破片と共に炎を爆散させることで、四人一度に攻撃を仕掛ける。
普通のギラだったら此処までの威力はでないだろう。できるのは、
りゅうおうを倒し世界を救った勇者アレフだからこそのギラだからだ。
「させん!」
サビルバラの蛍丸が虚空で振るわれる。
振るわれた刃は風を放ち蛍光灯の破片を吹き飛ばし、
更に爆散した火を纏わせて、炎属性を付与した剣のようにそのまま振るいにかかる。
サビルバラは風、光、火の三つの力を扱い、その影響で火の扱いに長けてる方だ。
迫る刃をロトの剣で難なく防ぎ、即席で作られた炎の刀は霧散して元の蛍丸へと戻る。
振るわれた刃は風を放ち蛍光灯の破片を吹き飛ばし、
更に爆散した火を纏わせて、炎属性を付与した剣のようにそのまま振るいにかかる。
サビルバラは風、光、火の三つの力を扱い、その影響で火の扱いに長けてる方だ。
迫る刃をロトの剣で難なく防ぎ、即席で作られた炎の刀は霧散して元の蛍丸へと戻る。
「魔人剣!」
バルバトスの時とは違う。今度は逃がしてくれる相手ではないと察し、
戦場と言う初めて味わう空気に気圧されながらも家康の脇から飛び出しながら剣を振るう。
衝撃波は迫るも、サビルバラの一刀を難なく振り払うと軽い凪払いで攻撃を容易くかき消す。
戦場と言う初めて味わう空気に気圧されながらも家康の脇から飛び出しながら剣を振るう。
衝撃波は迫るも、サビルバラの一刀を難なく振り払うと軽い凪払いで攻撃を容易くかき消す。
(この人……強い。NPCで戦闘経験は積んでいるし、
NPCには人もいたから対人経験もそれなりにあると自負してる。
でも、だから分かる。この人は強い。この程度の経験じゃまるで足りない!)
NPCには人もいたから対人経験もそれなりにあると自負してる。
でも、だから分かる。この人は強い。この程度の経験じゃまるで足りない!)
「魔神剣・双牙!」
当然と言えば当然の話だ。
世界を救った勇者とソーディアンと言う便利な武器を手にしたと言えども、
ほんの数時間程度しか振るったことのない少女のレベル差は歴然だろう。
されども、此処で引き下がったりしてしまえば家康に必要以上の負担をかける。
現状彼女の認識では家康が最高戦力。大富豪のように強いカードを再序盤で切るべきではない。
素人と言えども経験者。家康の邪魔にならない程度に続けざまに二連続の魔神剣を振るう。
それと同時に駆ける家康。軽快な動きながらその動きはアレフから見ても速いものだ。
ロトの剣と言う業物を使っての奇襲を防いでくるその反応速度と判断力を見るに、
既に彼の中では家康>サビルバラ>堀北>レンの順で戦力になってると判断。
故に最優先は家康、
世界を救った勇者とソーディアンと言う便利な武器を手にしたと言えども、
ほんの数時間程度しか振るったことのない少女のレベル差は歴然だろう。
されども、此処で引き下がったりしてしまえば家康に必要以上の負担をかける。
現状彼女の認識では家康が最高戦力。大富豪のように強いカードを再序盤で切るべきではない。
素人と言えども経験者。家康の邪魔にならない程度に続けざまに二連続の魔神剣を振るう。
それと同時に駆ける家康。軽快な動きながらその動きはアレフから見ても速いものだ。
ロトの剣と言う業物を使っての奇襲を防いでくるその反応速度と判断力を見るに、
既に彼の中では家康>サビルバラ>堀北>レンの順で戦力になってると判断。
故に最優先は家康、
「ベギラマ。」
「え?」
ではなく、レンだ。
迫る衝撃波を容易くサイドステップしながら回避し、
先ほどよりも遥かに強い火力の呪文、ベギラマを放つ。
いつも一人で彼は戦い続けた。ゴーストも、ゴーレムも、がいこつも。
だから常に数の利と言うものを理解している。常に不利な状況で戦ってきた。
一番弱ってる魔物、或いは一番弱い魔物から倒して数の利をまず減らしていく。
だがそうはいかないのは分かっている。相手は魔物ではない。れっきとした人間だ。
そして、殺し合いを打破しようとする人間がどう動くかもおおよその予想がついている。
迫る衝撃波を容易くサイドステップしながら回避し、
先ほどよりも遥かに強い火力の呪文、ベギラマを放つ。
いつも一人で彼は戦い続けた。ゴーストも、ゴーレムも、がいこつも。
だから常に数の利と言うものを理解している。常に不利な状況で戦ってきた。
一番弱ってる魔物、或いは一番弱い魔物から倒して数の利をまず減らしていく。
だがそうはいかないのは分かっている。相手は魔物ではない。れっきとした人間だ。
そして、殺し合いを打破しようとする人間がどう動くかもおおよその予想がついている。
「危ない!!」
GGOが本来銃器で戦うのもあって、
ALOのような魔法攻撃にレンは一度見ても反応が遅れた。
せっかく調子を取り戻しつつあったのに迫る危機に目を閉じるが、
家康が再び腕を交差させて炎を受けると、その攻撃と同時に籠手に大きな亀裂が入った。
元々家康が使ってるとは言え特別な頑強さや特別な力が備わっているわけではない普通の籠手だ。
……あの戦国乱世の籠手の時点で別物では? そうかもしれないが、今まで受けてきたダメージもある。
そも、最初はバルバトスの武器は坂田金時の宝具であり、威力も並の斧とは桁違いのものを防いでいた。
更にNPCとの連戦……については、まあ家康の強さを考えれば大した消耗ではないかもしれないが、
そこにロトの剣と言う、その世界におけるトップクラスの業物の奇襲を受けたダメージは安くなく、
更にベギラマを直に受けた籠手は亀裂が広がっていき、やがて砕けて廊下へと散らばってしまう。
ALOのような魔法攻撃にレンは一度見ても反応が遅れた。
せっかく調子を取り戻しつつあったのに迫る危機に目を閉じるが、
家康が再び腕を交差させて炎を受けると、その攻撃と同時に籠手に大きな亀裂が入った。
元々家康が使ってるとは言え特別な頑強さや特別な力が備わっているわけではない普通の籠手だ。
……あの戦国乱世の籠手の時点で別物では? そうかもしれないが、今まで受けてきたダメージもある。
そも、最初はバルバトスの武器は坂田金時の宝具であり、威力も並の斧とは桁違いのものを防いでいた。
更にNPCとの連戦……については、まあ家康の強さを考えれば大した消耗ではないかもしれないが、
そこにロトの剣と言う、その世界におけるトップクラスの業物の奇襲を受けたダメージは安くなく、
更にベギラマを直に受けた籠手は亀裂が広がっていき、やがて砕けて廊下へと散らばってしまう。
「家康さん!? ごめんなさい、私のせいで……」
「いや、大丈夫だ! 寧ろ火傷を回避できたと思えばまだ安いものさ。」
そう言って微笑みながら後方を見やるが、
アチチと手を軽く振るってるためダメージにはなってる。
魔物を一撃で葬ることもある一撃を籠手一つで凌がれたが、
武器を持たない姿を見るにゴーレムやリカントマンと同じ近接タイプだ。
籠手の防具と武具を同時に失ったことは少なくとも大きな利益に繋がっている。
アチチと手を軽く振るってるためダメージにはなってる。
魔物を一撃で葬ることもある一撃を籠手一つで凌がれたが、
武器を持たない姿を見るにゴーレムやリカントマンと同じ近接タイプだ。
籠手の防具と武具を同時に失ったことは少なくとも大きな利益に繋がっている。
(私も戦わなきゃいけない、けど……)
自分も戦わないといけないのに、
浅倉との戦いのせいで震えてしまうが、ある程度はましになった。
だが戦えない。いや、戦うわけにはいかないと言う状況に不甲斐なさを感じずにはいられない。
自分より小さいサビルバラも、自分より年下の堀北ですら剣を取って戦っているのに。
それらの自責の念はあるかもしれないが、問題はどちらかと言えば集団戦の方が問題なのだ。
スクワッドジャムの時はエムとのペアであり、しかもその多くはエムが狙撃を行いつつ、
自身が囮や接近なりなんなりして銃撃をかましていく、というのが彼女の基本戦術になる。
つまり、こうも近接攻撃が主体のメンバーと銃器の相性が最悪に近いのが足を引っ張っていた。
下手をすれば仲間にもあたってしまう。速射性が普段のピーちゃんより低いのは救いではあるが、
いくら家康が並々ならぬ強さをしていても背後から銃撃を受ければ致命的な隙になりかねない。
しかもGGOで多くのメインとなる広大なフィールドではなく、学園の廊下という狭い場所だ。
アッシュフォード学園が広大な学園で廊下も十分な広さを持っていると言えども、外と比べれば狭い。
結果、レンは浅倉との戦闘の恐怖の有無関係なしに、戦闘に参加するわけにはいかなかった。
人数が多ければ多いほど、フレンドリーファイアの確率が跳ね上がってしまうこの状況ゆえに。
浅倉との戦いのせいで震えてしまうが、ある程度はましになった。
だが戦えない。いや、戦うわけにはいかないと言う状況に不甲斐なさを感じずにはいられない。
自分より小さいサビルバラも、自分より年下の堀北ですら剣を取って戦っているのに。
それらの自責の念はあるかもしれないが、問題はどちらかと言えば集団戦の方が問題なのだ。
スクワッドジャムの時はエムとのペアであり、しかもその多くはエムが狙撃を行いつつ、
自身が囮や接近なりなんなりして銃撃をかましていく、というのが彼女の基本戦術になる。
つまり、こうも近接攻撃が主体のメンバーと銃器の相性が最悪に近いのが足を引っ張っていた。
下手をすれば仲間にもあたってしまう。速射性が普段のピーちゃんより低いのは救いではあるが、
いくら家康が並々ならぬ強さをしていても背後から銃撃を受ければ致命的な隙になりかねない。
しかもGGOで多くのメインとなる広大なフィールドではなく、学園の廊下という狭い場所だ。
アッシュフォード学園が広大な学園で廊下も十分な広さを持っていると言えども、外と比べれば狭い。
結果、レンは浅倉との戦闘の恐怖の有無関係なしに、戦闘に参加するわけにはいかなかった。
人数が多ければ多いほど、フレンドリーファイアの確率が跳ね上がってしまうこの状況ゆえに。
「紅蓮剣!」
「ギラ。」
堀北が空を飛びあがりながら飛来する炎の塊を火球で打ち消す。
その隙にサビルバラが回り込み蛍丸を振るうがサビルバラの背後を取るように跳躍と着地。
ロトの剣が襲い掛かるが勢いをつけたまま刀を振るうことで辛うじて相殺してダメージを防ぐ。
手にジンジンと麻痺するかのような感覚は如何ような太刀筋の良さかを理解させるものだ。
続けざまに家康の拳が襲い掛かるが剣を軽く振るえば、籠手がない以上距離を取らざるを得ない。
彼に限らず人間にとって腕を喪うのは危険だ。特に殺し合い、しかもまだ放送すら迎えてないなら猶更。
その隙にサビルバラが回り込み蛍丸を振るうがサビルバラの背後を取るように跳躍と着地。
ロトの剣が襲い掛かるが勢いをつけたまま刀を振るうことで辛うじて相殺してダメージを防ぐ。
手にジンジンと麻痺するかのような感覚は如何ような太刀筋の良さかを理解させるものだ。
続けざまに家康の拳が襲い掛かるが剣を軽く振るえば、籠手がない以上距離を取らざるを得ない。
彼に限らず人間にとって腕を喪うのは危険だ。特に殺し合い、しかもまだ放送すら迎えてないなら猶更。
「サビルバラ殿、堀北、レン! わしから離れるんだ!」
両手を構えると同時に、彼の足場から広がりだす、葵の紋を模した黄金色の輝き。
範囲はどんどん地面から広がっていき、敵味方含め全員がやばいと察知し距離を取る。
距離を取るがアレフには呪文がある。ギラで妨害することは容易だったが、
範囲はどんどん地面から広がっていき、敵味方含め全員がやばいと察知し距離を取る。
距離を取るがアレフには呪文がある。ギラで妨害することは容易だったが、
「ファイアーボール!」
そうすると先に読んだ堀北が先手を取る。
確かに経験は素人だ。勇者の戦闘の経験値には劣るかもしれない。
しかし、A組に匹敵する頭脳が此処にある。行動の一手を考えるのは不得手ででない。
魔神剣ではなくファイアーボールなのは、自身が呪文使いだと意識づけるためのものでもある。
単なる攻撃では意識は向けられない。『こいつ、俺と同じで呪文も使えるのか』と言う強い意識が必要だ。
呪文を唱える前に剣で全て両断し、周囲へと火球は散っていくが、準備は既に万端だ。
確かに経験は素人だ。勇者の戦闘の経験値には劣るかもしれない。
しかし、A組に匹敵する頭脳が此処にある。行動の一手を考えるのは不得手ででない。
魔神剣ではなくファイアーボールなのは、自身が呪文使いだと意識づけるためのものでもある。
単なる攻撃では意識は向けられない。『こいつ、俺と同じで呪文も使えるのか』と言う強い意識が必要だ。
呪文を唱える前に剣で全て両断し、周囲へと火球は散っていくが、準備は既に万端だ。
「フンッ!!」
天高くこぶしを突き上げると同時に地面に広がる黄金色の葵の紋は、
膨大な光となって彼の周囲をから溢れ出るように飛び出す。
だが方角的には葵の紋の中、即ち全員射程の外なので無関係だ。
あくまで、参加者に関しては。
膨大な光となって彼の周囲をから溢れ出るように飛び出す。
だが方角的には葵の紋の中、即ち全員射程の外なので無関係だ。
あくまで、参加者に関しては。
「何!」
突き上げた光の奔流は天井にまで届き、天井を崩す。
視界を塞ぐように瓦礫が砕け、相手の様子を伺えない。
暗くなってるわけではないのでレミーラで明るくする意味もなく。
後方に下がり煙の中から出てくるのを警戒するが、煙が張れると彼らの姿は遥か前方にまで離れていた。
逃走用のための攻撃だったと言うことが分かり、長い旅路で得た健脚ですぐに追走する。
視界を塞ぐように瓦礫が砕け、相手の様子を伺えない。
暗くなってるわけではないのでレミーラで明るくする意味もなく。
後方に下がり煙の中から出てくるのを警戒するが、煙が張れると彼らの姿は遥か前方にまで離れていた。
逃走用のための攻撃だったと言うことが分かり、長い旅路で得た健脚ですぐに追走する。
「すまん! 誰か籠手は持ってないだろうか!」
葵の極みを放った後、一目散に家康がアレフから逃走。
レンを抱えて走り出し、その意図に気づいて二人も走り出す。
槍と言う武器を捨て、己の拳で戦うのが家康の選んだ絆の道。
しかしやはり防具にもなる籠手なしで戦うのは厳しいものがある。
レンを抱えて走り出し、その意図に気づいて二人も走り出す。
槍と言う武器を捨て、己の拳で戦うのが家康の選んだ絆の道。
しかしやはり防具にもなる籠手なしで戦うのは厳しいものがある。
「わ、私はもう支給品が……」
「僕の方には武器はないって言ったはずよ!」
「なら丁度わしの中にええのがある!
団長も使とった武器だから性能の保障はする……が、
問題はわしと家康が武器を譲渡してる間、スズネとレンだけでは厳しいぜよ!」
団長も使とった武器だから性能の保障はする……が、
問題はわしと家康が武器を譲渡してる間、スズネとレンだけでは厳しいぜよ!」
三対一。連携も悪くはなかった。
しかしそれでも彼にまだ一撃も浴びせられてない。
此方は致命傷は避けてはいるが少なからず疲労や消耗をしている。
相手の息切れした姿や汚れから疲労しているはずなのにも関わらずこの差だ。
家康一人だったなら恐らく大した問題ではない、というのは三人の共通認識である。
あれだけ優れた剣技や魔法を使う相手でも、十分に一人で戦うことができるだろう。
だが家康はどうしても守ってしまう。此処で結んだ絆を断ち切らないために全力で。
全員が揃って足を引っ張っていると言う感覚に、三者揃って苦い顔せざるをえない。
サビルバラの得物が両手で握らないといけない蛍丸なのが災いして、片手間に渡すことさえもできない。
しかしそれでも彼にまだ一撃も浴びせられてない。
此方は致命傷は避けてはいるが少なからず疲労や消耗をしている。
相手の息切れした姿や汚れから疲労しているはずなのにも関わらずこの差だ。
家康一人だったなら恐らく大した問題ではない、というのは三人の共通認識である。
あれだけ優れた剣技や魔法を使う相手でも、十分に一人で戦うことができるだろう。
だが家康はどうしても守ってしまう。此処で結んだ絆を断ち切らないために全力で。
全員が揃って足を引っ張っていると言う感覚に、三者揃って苦い顔せざるをえない。
サビルバラの得物が両手で握らないといけない蛍丸なのが災いして、片手間に渡すことさえもできない。
「向こうは確実に経験者よ!
なら、僕だけで何とかするしかないわ!
僕達が走って時間を距離を稼いではいるけれど、
確実に追いつかれる! 時間がないから選択肢がほぼ……」
なら、僕だけで何とかするしかないわ!
僕達が走って時間を距離を稼いではいるけれど、
確実に追いつかれる! 時間がないから選択肢がほぼ……」
ディムロスは認めないだろうけれど、
選択肢がそもそも残されてない以上自分達、
いやレンの精神状態を考えると自分一人だけで戦うことになるだろう。
はっきり言って怖い。バルバトスの時は見逃してもらえたのもあるが、
こうも本当の殺意を向けられる恐怖があるかどうかで言えば普通にある。
これが殺し合い。学校では隣り合わせな社会的な死よりも恐ろしい、人生の終点。
無論こんなところで終わりたいとは思わない。それでも、やるしかない。
何とか自分にやるしかないと言い聞かせようとしてると、
選択肢がそもそも残されてない以上自分達、
いやレンの精神状態を考えると自分一人だけで戦うことになるだろう。
はっきり言って怖い。バルバトスの時は見逃してもらえたのもあるが、
こうも本当の殺意を向けられる恐怖があるかどうかで言えば普通にある。
これが殺し合い。学校では隣り合わせな社会的な死よりも恐ろしい、人生の終点。
無論こんなところで終わりたいとは思わない。それでも、やるしかない。
何とか自分にやるしかないと言い聞かせようとしてると、
「え?」
家康に抱えられていたレンが身をよじらせ、強引に離れて着地。
すると逆方向、つまりアレフのいる方角へと凄まじいスピードで走り出す。
すると逆方向、つまりアレフのいる方角へと凄まじいスピードで走り出す。
「レン殿!?」
「何しとるぜよ!?」
全員が困惑せざるを得ない。
この場で戦うことに恐怖感を覚えていたはずの彼女が、
いきなり無言でそのまま敵陣に飛び込む行動をするなんて。
彼女の実力も能力もある程度は聞いているが、それでも一人では無謀だ。
家康達もと言いたいところだが、サビルバラからの武器の譲渡がまず優先であり、
堀北が追いかけはするものの、レンのアバターはAGI(アジリティ)、スピード特化だ。
スクワッドジャムに参加していた自衛隊を以てして『人間の動きじゃない』と評される速さに、
一介の女子高生が追い付けるはずもなかった。
この場で戦うことに恐怖感を覚えていたはずの彼女が、
いきなり無言でそのまま敵陣に飛び込む行動をするなんて。
彼女の実力も能力もある程度は聞いているが、それでも一人では無謀だ。
家康達もと言いたいところだが、サビルバラからの武器の譲渡がまず優先であり、
堀北が追いかけはするものの、レンのアバターはAGI(アジリティ)、スピード特化だ。
スクワッドジャムに参加していた自衛隊を以てして『人間の動きじゃない』と評される速さに、
一介の女子高生が追い付けるはずもなかった。
「何?」
追っていたアレフも反応を隠せない。
一番優先順位として狙っていた相手が自らやってくる。
楽勝だとは思わない。向かってくる敵は魔物ではなく思考する人だ。
しかもその素早さだけで言えば、万全な状態の自分でも追いつくか怪しいぐらいのもの。
故に警戒は怠らない。来るのは得物を使っての接近したところを迎撃することだけ。
そう思ったが、彼女の武器を見て思い出すのはドラえもんの空気砲。
一番優先順位として狙っていた相手が自らやってくる。
楽勝だとは思わない。向かってくる敵は魔物ではなく思考する人だ。
しかもその素早さだけで言えば、万全な状態の自分でも追いつくか怪しいぐらいのもの。
故に警戒は怠らない。来るのは得物を使っての接近したところを迎撃することだけ。
そう思ったが、彼女の武器を見て思い出すのはドラえもんの空気砲。
(まさか。)
そう思って回避行動と同時に、甲高い音と共に胸の辺りに衝撃が走る。
彼の世界には銃がない。剣や斧、遠距離攻撃は魔法がお約束の世界なのだから。
もし此処でレンが所持していたのがいつもの銃であればその連射性、速射性も相まって、
この時点でアレフの顔面をハチの巣にできていたのは間違いないだろう。
使い慣れてない銃で、走りながらという悪条件下で当てたレンの腕は十分褒められるべきだ。
彼の世界には銃がない。剣や斧、遠距離攻撃は魔法がお約束の世界なのだから。
もし此処でレンが所持していたのがいつもの銃であればその連射性、速射性も相まって、
この時点でアレフの顔面をハチの巣にできていたのは間違いないだろう。
使い慣れてない銃で、走りながらという悪条件下で当てたレンの腕は十分褒められるべきだ。
(ああ、もう……)
堀北が自分から殿を言い出した時のことだ。
自分はなんて不甲斐ないのだろうかと。そんな風に思った。
外見は145cmとサビルバラよりかは大きいものの一般的に比べれば小柄だが、
中身は大学生だ。年下である堀北が命を張って、頑張ろうとしているのに自分はできない。
まだ一歩踏み出せない。浅倉に対する恐怖でがんじがらめにされて、うまく動けない。
そんな自分の不甲斐なさに、
自分はなんて不甲斐ないのだろうかと。そんな風に思った。
外見は145cmとサビルバラよりかは大きいものの一般的に比べれば小柄だが、
中身は大学生だ。年下である堀北が命を張って、頑張ろうとしているのに自分はできない。
まだ一歩踏み出せない。浅倉に対する恐怖でがんじがらめにされて、うまく動けない。
そんな自分の不甲斐なさに、
(ムカつく!!)
「こんの、やろおおおおおおおおおお!!」
レンはキレた。自分に対してぶちぎれたのだ。
それは自棄かもしれない。蛮勇かもしれない。
しかし、キレた時のレンは───
それは自棄かもしれない。蛮勇かもしれない。
しかし、キレた時のレンは───
「更に速く───ガッアアアアアッ!?」
戦い方が、銃撃戦の筈のGGOからかけ離れた行動に出ることがある。
更に加速するようにスピードを上げたレンは、アレフを銃で撃たなかった。
だから身構えていたアレフに迎撃の暇を与えることを許さない行動に出れる。
代わりに、突貫してアレフの鼻を歯で噛みちぎると言うとんでもない行為に出ていた。
勇者の鼻を噛みちぎるなど古今東西探しても中々いないだろう。
更に加速するようにスピードを上げたレンは、アレフを銃で撃たなかった。
だから身構えていたアレフに迎撃の暇を与えることを許さない行動に出れる。
代わりに、突貫してアレフの鼻を歯で噛みちぎると言うとんでもない行為に出ていた。
勇者の鼻を噛みちぎるなど古今東西探しても中々いないだろう。
(なんだこいつ!? 何をしてくるか全くわからない!?)
てっきり空気砲のようなもので頭を狙うと思って迎撃の用意はしていた。
しかしそれは銃での話で生身で突然魔物、しかもリカントやドラゴンがやりそうな噛み付きだ。
ペッと吐き捨てられる自分の鼻を見ながら、咄嗟にベホイミでとりあえず元には戻しておく。
恐怖は抱かない。スライムを筆頭にモンスターが跋扈する世界を旅してきたのだから。
しかし驚嘆はする。人間がこんな原始的な方法で、しかも便利な武器を使えるのにだ。
しかしそれは銃での話で生身で突然魔物、しかもリカントやドラゴンがやりそうな噛み付きだ。
ペッと吐き捨てられる自分の鼻を見ながら、咄嗟にベホイミでとりあえず元には戻しておく。
恐怖は抱かない。スライムを筆頭にモンスターが跋扈する世界を旅してきたのだから。
しかし驚嘆はする。人間がこんな原始的な方法で、しかも便利な武器を使えるのにだ。
「鳳凰天駆!」
予想外の行動に戸惑ったその隙は決して小さいとは言い切れない。
炎の鳥を纏ったとも言うべき堀北が背後の空中から急降下してくる。
迎撃は容易だ。しかし鎧越しでも怯ませる銃撃を一発受けた。
この状態で無防備な後頭部をレンに晒して大丈夫だとは思わない。
走りながらで胸を狙ってきたのだ。この距離で外すはまずありえない。
前方にジャンプして、レンを飛び越すように跳躍すると同時に、
炎の鳥を纏ったとも言うべき堀北が背後の空中から急降下してくる。
迎撃は容易だ。しかし鎧越しでも怯ませる銃撃を一発受けた。
この状態で無防備な後頭部をレンに晒して大丈夫だとは思わない。
走りながらで胸を狙ってきたのだ。この距離で外すはまずありえない。
前方にジャンプして、レンを飛び越すように跳躍すると同時に、
「ベギラマ!」
再度彼女に向けて業火の炎が放たれる。
今度は家康もいなければ間に合うこともない。
彼女に直撃し、小柄なのが災いし全身を燃やすように全身に燃え広がっていく。
今度は家康もいなければ間に合うこともない。
彼女に直撃し、小柄なのが災いし全身を燃やすように全身に燃え広がっていく。
「グッ、ア〝ア〝ア〝ア〝ア〝!!!」
全身が焼ける痛みは想像を絶する。
幸いアッシュフォード学園は外には中庭の池があるのを見た。
そこに飛び込めばまだ間に合うと、近くの窓ガラスをぶち破り、
全身が焼ける痛みの中何とか走り出す。
AGI特化が幸いし、燃える中でもかなり素早い。
幸いアッシュフォード学園は外には中庭の池があるのを見た。
そこに飛び込めばまだ間に合うと、近くの窓ガラスをぶち破り、
全身が焼ける痛みの中何とか走り出す。
AGI特化が幸いし、燃える中でもかなり素早い。
「レン!?」
間違いなく軽傷ではない。
だが心配している余裕は彼女にはなく、
着地した後そのまま振り向きざまにロトの剣が振るわれる。
だが心配している余裕は彼女にはなく、
着地した後そのまま振り向きざまにロトの剣が振るわれる。
「爪竜連牙斬───!」
『いかん、避けるのだ!!』
威力のぶつけ合いでは絶対に負ける。
その判断から手数による連続で攻撃できるスキル、
爪竜連牙斬を選ぶも一撃目ですぐにディムロスが弾き飛ぶ。
二回目の斬撃。これを間違いなく受ければ上半身と下半身が別れる。
迫る死の攻撃。一瞬すぎて目を閉じるだの、恐怖の行動すらとれない。
刹那の一撃が叩き込まれる、
その判断から手数による連続で攻撃できるスキル、
爪竜連牙斬を選ぶも一撃目ですぐにディムロスが弾き飛ぶ。
二回目の斬撃。これを間違いなく受ければ上半身と下半身が別れる。
迫る死の攻撃。一瞬すぎて目を閉じるだの、恐怖の行動すらとれない。
刹那の一撃が叩き込まれる、
「スズネエエエエエッ!!」
死の一撃の直前、
サビルバラが彼女の首根っこを掴んで引く。
小柄な少年のような外見のどこにあるのかと思うぐらいの膂力で、
死の一撃は回避できたものの、あくまで死だ。彼女の腹部に横一閃の赤い筋と血が噴き出す。
決して浅い傷ではない。早急に止血や回復アイテムなどを使わなければ命に係わるレベルのものだ。
ならばやはり目の前の敵を撃退、ないし討伐して応急処置だけでも済ませなければならないと。
サビルバラが彼女の首根っこを掴んで引く。
小柄な少年のような外見のどこにあるのかと思うぐらいの膂力で、
死の一撃は回避できたものの、あくまで死だ。彼女の腹部に横一閃の赤い筋と血が噴き出す。
決して浅い傷ではない。早急に止血や回復アイテムなどを使わなければ命に係わるレベルのものだ。
ならばやはり目の前の敵を撃退、ないし討伐して応急処置だけでも済ませなければならないと。
「悪縁、この刃で断つ……!」
乱雑で申し訳ないとは思いつつも堀北を投げ捨てるように置いて、
蛍丸に黄緑色の雷光を奔らせながら全力で走り出す。
AGI特化のレンほどではないにせよ、そのスピードはハーヴィンが出せるものではない。
ミリンにも剣豪と謳われるだけの実力に至るだけの鍛え方をしたからこそでもある。
蛍丸に黄緑色の雷光を奔らせながら全力で走り出す。
AGI特化のレンほどではないにせよ、そのスピードはハーヴィンが出せるものではない。
ミリンにも剣豪と謳われるだけの実力に至るだけの鍛え方をしたからこそでもある。
「清華転生!!」
飛翔し、全体重と重力、剣技を乗せた一刀を叩き込む。
その威力はその小柄さで大地を砕く程の一撃を誇るサビルバラの奥義。
だが、相手してるのはただの存在ではない。りゅうおうを倒している勇者。
ロトの剣で防がれ、鍔迫り合いに持ち込まれ、防がれる形で留まる。
その威力はその小柄さで大地を砕く程の一撃を誇るサビルバラの奥義。
だが、相手してるのはただの存在ではない。りゅうおうを倒している勇者。
ロトの剣で防がれ、鍔迫り合いに持ち込まれ、防がれる形で留まる。
「何も知らんわしが言う権利なんぞ言うものでもないが、
そんなやり方で復興した国で、姫さんが喜ぶとおもっちょるんか!」
そんなやり方で復興した国で、姫さんが喜ぶとおもっちょるんか!」
『死んだ人は生き返らない。そうでしょ?』
サビルバラには嘗て義弟のカラクラキルが暴走し、
妹のクラーバラを生き返らせようと躍起になっていたことがある。
サビルバラ自身も、二人を生き返らせようと自分を捧げようと考えた程だ。
だが妹は生きたかったとは言え、他人を犠牲にしてまで生き返りたいとは思わなかった。
死者である存在からもそう言われた彼には、その姫さんがそう思えてならない。
だからこそ、二人の忘れ形見であるガランサラスを大事にすると決めている。
妹のクラーバラを生き返らせようと躍起になっていたことがある。
サビルバラ自身も、二人を生き返らせようと自分を捧げようと考えた程だ。
だが妹は生きたかったとは言え、他人を犠牲にしてまで生き返りたいとは思わなかった。
死者である存在からもそう言われた彼には、その姫さんがそう思えてならない。
だからこそ、二人の忘れ形見であるガランサラスを大事にすると決めている。
「ああ、そうさ……だが勇者が、国を、死んだ姫を捨て置けるか!!」
心にもない言葉だと内心乾いた笑いが出る。
分かっている。姫もきっとそんなこと望んでないのだとと。
分かっている。国なんてもう自分にはどうでもいいのだと。
分かっている。自分はもう、勇者なんて器ではないのだと。
何もかも捨てきったアイツ、自分(やみのせんし)になれない。
あんな風に自由に、先へ進んでいったアイツのようにはなれないと。
どうでもいい。だと言うのにその為に優勝しようと考えてるのだから。
分かっている。姫もきっとそんなこと望んでないのだとと。
分かっている。国なんてもう自分にはどうでもいいのだと。
分かっている。自分はもう、勇者なんて器ではないのだと。
何もかも捨てきったアイツ、自分(やみのせんし)になれない。
あんな風に自由に、先へ進んでいったアイツのようにはなれないと。
どうでもいい。だと言うのにその為に優勝しようと考えてるのだから。
「ハアアアアアッ!!」
渾身の一撃を以てしても勇者には届かない。
アレフの迎撃に打ち上げられ、宙を舞う。
とどめをささんと空中に飛び出そうとするも、
アレフの迎撃に打ち上げられ、宙を舞う。
とどめをささんと空中に飛び出そうとするも、
「やらせはせんぞぉ!!」
家康が戻ってきて、その一撃を剣で受け止める。
サビルバラから譲渡された支給品のサイバーチックな籠手。
先ほどのよりもずっと優れた防御力を有していることはアレフでもわかり、
刀を手放して無防備になったサビルバラよりも武器を得た家康の方が最優先となる。
剣と拳がぶつかり合い、周囲へ衝撃波をばらまくような剣劇が始まった。
雑兵では近づくことすら許されない、強者同士による剣劇の戦いの幕が開く。
サビルバラから譲渡された支給品のサイバーチックな籠手。
先ほどのよりもずっと優れた防御力を有していることはアレフでもわかり、
刀を手放して無防備になったサビルバラよりも武器を得た家康の方が最優先となる。
剣と拳がぶつかり合い、周囲へ衝撃波をばらまくような剣劇が始まった。
雑兵では近づくことすら許されない、強者同士による剣劇の戦いの幕が開く。
「死ごときで潰えるほど、やわな縁ではない。
しかし、此処で結んだ絆、絶対に奪わせはしない!!」
しかし、此処で結んだ絆、絶対に奪わせはしない!!」
「絆、だと? 貴様にはそういうのがあるのだろうがな!
僕には何もない! 民も、王も、仲間はいなければ当然絆も何もない!」
僕には何もない! 民も、王も、仲間はいなければ当然絆も何もない!」
ローラとはあったかもしれないが、その絆も自分自身に奪われた。
仮に生き返らせたところで、愛などないとさとうに断言された今、
そんな相手に絆など果たしてあるのだろうか。不確かな絆に彼は揺らいでいる。
仮に生き返らせたところで、愛などないとさとうに断言された今、
そんな相手に絆など果たしてあるのだろうか。不確かな絆に彼は揺らいでいる。
「……そうか……お前も……全ての絆を奪われたのだな……」
壁を、ガラスを、床を砕きながら行われる剣劇の中の会話。
アレフの独白に、何処か思い詰めたような顔をする家康。
今まで誰もを導く、それこそ希望の象徴のような男だったのに、
なんだその顔は。何故お前がそんな顔をする。そんな風に問いたくなる。
けれど、アレフにそんな余裕は残されていなかった。
アレフの独白に、何処か思い詰めたような顔をする家康。
今まで誰もを導く、それこそ希望の象徴のような男だったのに、
なんだその顔は。何故お前がそんな顔をする。そんな風に問いたくなる。
けれど、アレフにそんな余裕は残されていなかった。
(さっきよりもパワーが上がっている……!!)
家康が装備した籠手はギガントナックル。
この舞台では秀吉の籠手ほどではないにせよ、光の力を持つものを強化する効果を持つ。
東を照らす権現である家康にとって、光の力の強化はこれ以上ないものだ。
だから先ほどよりも遥かに強くなった剣劇に押され気味になっていく。
この舞台では秀吉の籠手ほどではないにせよ、光の力を持つものを強化する効果を持つ。
東を照らす権現である家康にとって、光の力の強化はこれ以上ないものだ。
だから先ほどよりも遥かに強くなった剣劇に押され気味になっていく。
「お前は何なんだ! これだけ仲間が傷ついて、
なおもそうして正道を歩もうとできるのは一体なぜだ!」
なおもそうして正道を歩もうとできるのは一体なぜだ!」
「……それがわしの選んだ決意だ! わしの姿によって、一人でも多く勇気づけて見せる!」
「何故それができる! それをやったところで、
お前を理解する奴は誰一人としていないだろう!」
お前を理解する奴は誰一人としていないだろう!」
どれだけ絆を結んだところで、
どれだけ強固な軍勢を築いたところで、
それは家康のカリスマや手腕の評価であり、家康個人を見ていない。
先に待っている結果はただの孤独だ。自分と何も変わりはしない。
何もないのが分かっていながらなぜそんな風にいられるんだと。
どれだけ強固な軍勢を築いたところで、
それは家康のカリスマや手腕の評価であり、家康個人を見ていない。
先に待っている結果はただの孤独だ。自分と何も変わりはしない。
何もないのが分かっていながらなぜそんな風にいられるんだと。
「言ったはずだ! それがわしの決意だ!」
それで構わない。自分は孤独でいい。つまりはそう言うことだ。
自分には何もなかった。けれど、この男はそれを受け入れてしまっていた。
『自分以外を助けるから、誰か自分を助けてくれ』と、言わない男なのだと。
アレフには家康が眩く見えた。まさに、太陽の如き眩い光の存在が。
自分には何もなかった。けれど、この男はそれを受け入れてしまっていた。
『自分以外を助けるから、誰か自分を助けてくれ』と、言わない男なのだと。
アレフには家康が眩く見えた。まさに、太陽の如き眩い光の存在が。
その眩さに気を取られたか、或いは一瞬の隙か。
剣劇を制して、アレフの頬に一発拳が叩き込まれる。
その後は二発、三発、四発五発六発……家康の拳のラッシュが叩き込まれていく。
かの豊臣秀吉を討ち取った家康の攻撃だ。それを何十発も受けて、無事で済むわけがない。
防具はひしゃげ、身体から体力がどんどん失われ行くのがゆっくりと実感できるぐらいだ。
とどめの一発をとなる右ストレートを鳩尾に受け、大きく吹き飛ばされていくアレフ。
壁をぶち破り、天井を突き破り、学園の鐘に衝突し、鐘が鳴り響く。
この鐘は何の鐘だろうか。勝利と言う祝福の鐘……とはあまり思えなかった。
剣劇を制して、アレフの頬に一発拳が叩き込まれる。
その後は二発、三発、四発五発六発……家康の拳のラッシュが叩き込まれていく。
かの豊臣秀吉を討ち取った家康の攻撃だ。それを何十発も受けて、無事で済むわけがない。
防具はひしゃげ、身体から体力がどんどん失われ行くのがゆっくりと実感できるぐらいだ。
とどめの一発をとなる右ストレートを鳩尾に受け、大きく吹き飛ばされていくアレフ。
壁をぶち破り、天井を突き破り、学園の鐘に衝突し、鐘が鳴り響く。
この鐘は何の鐘だろうか。勝利と言う祝福の鐘……とはあまり思えなかった。
「……三成……」
思い出すのは関ケ原、石田三成との決戦が始まる前。
家康は秀吉を討った。それは戦火を海外にまで広げんとしたから。
しかし、その行為は即ち嘗ての友である三成から秀吉との絆を奪い、
彼にとっては(気づいてない絆もあるのだが)全ての絆を奪ってしまったことを。
人の絆を奪い、一方で絆を説く。この矛盾は、未来永劫解決することはない。
アレフにも似たものを感じた。彼には絆を結べる仲間がいなかったか、いなくなってしまったか。
何処か重なり、複雑な心境を浮かべる家康だが、彼はまだギガントナックルを。拳を構えた。
家康は秀吉を討った。それは戦火を海外にまで広げんとしたから。
しかし、その行為は即ち嘗ての友である三成から秀吉との絆を奪い、
彼にとっては(気づいてない絆もあるのだが)全ての絆を奪ってしまったことを。
人の絆を奪い、一方で絆を説く。この矛盾は、未来永劫解決することはない。
アレフにも似たものを感じた。彼には絆を結べる仲間がいなかったか、いなくなってしまったか。
何処か重なり、複雑な心境を浮かべる家康だが、彼はまだギガントナックルを。拳を構えた。
「まだ……だ、ベホイミ。」
あれだけの攻撃を受けてもなお、アレフは鐘に手をついて立ち上がった。
ベホイミで回復はしているが、ベギラマも何度か使用しベホイミも此処で何度も使っている。
学園までに休憩を挟んだとはいえMPはほぼ枯渇しており、体力も万全と言い難い。
それでも家康に挑まなければならない。自分の全てを否定するような存在を、
勇者や希望の象徴のような男を置いて逃げれば、全てを喪ってしまう気がするからだ。
もう、何もないと分かっていてもその歩みを決して止めることはできない。
地面を蹴り、ロトの剣を構えながら高速で肉薄して刃を向ける。
ベホイミで回復はしているが、ベギラマも何度か使用しベホイミも此処で何度も使っている。
学園までに休憩を挟んだとはいえMPはほぼ枯渇しており、体力も万全と言い難い。
それでも家康に挑まなければならない。自分の全てを否定するような存在を、
勇者や希望の象徴のような男を置いて逃げれば、全てを喪ってしまう気がするからだ。
もう、何もないと分かっていてもその歩みを決して止めることはできない。
地面を蹴り、ロトの剣を構えながら高速で肉薄して刃を向ける。
「令呪よ! 力を貸せ!!」
頼れる仲間はいない。だが、手段ならある。
令呪によるブーストで畳みかけることを選択した。
ギガントナックルの左フックとロトの剣が火花を散らす。
続けざまの突きもサイドステップで躱し、アッパーカットを繰り出す。
一挙手一投足が風圧を込めたパンチだ。当たれば先ほどの焼き直しになる。
だが凄まじい猛攻が、先のような剣劇すら許さぬほどの刃が振るわれていく。
一撃でも掠れば死が見える。それぐらいの気迫と怒涛の攻めを仕掛けていた。
死に物狂いで攻撃を防ぐ、避ける。負けられない。負けてたまるかと。
死にゆくその寸前まで、一人で戦い、勝って、ローラ姫を生き返らせ、世界を救うと。
令呪によるブーストで畳みかけることを選択した。
ギガントナックルの左フックとロトの剣が火花を散らす。
続けざまの突きもサイドステップで躱し、アッパーカットを繰り出す。
一挙手一投足が風圧を込めたパンチだ。当たれば先ほどの焼き直しになる。
だが凄まじい猛攻が、先のような剣劇すら許さぬほどの刃が振るわれていく。
一撃でも掠れば死が見える。それぐらいの気迫と怒涛の攻めを仕掛けていた。
死に物狂いで攻撃を防ぐ、避ける。負けられない。負けてたまるかと。
死にゆくその寸前まで、一人で戦い、勝って、ローラ姫を生き返らせ、世界を救うと。
だから、負けるのだと。
「……真剣勝負が好みだったら、悪いなイエヤス。」
ザシュ、と首筋を貫く刃があった。
家康に集中するあまり、完全に失念していた。
彼がこの舞台で築いた絆を、仲間と言うものを。
仲間の連携。モンスターでもあったが、人はより複雑になる。
感情、または心情、或いは優先順位。人によって大きく変わるのだから。
背後からサビルバラが、不意打ちのように蛍丸を突き刺していた。
自分が出遅れたせいで堀北は瀕死、レンはやけどで現状が不明だ。
汚れ仕事を一身に受ける身としては、責任を果たさなければならない。
たとえ家康や他の人物から侮蔑されようとも、必要な悪としてその役割に。
家康に集中するあまり、完全に失念していた。
彼がこの舞台で築いた絆を、仲間と言うものを。
仲間の連携。モンスターでもあったが、人はより複雑になる。
感情、または心情、或いは優先順位。人によって大きく変わるのだから。
背後からサビルバラが、不意打ちのように蛍丸を突き刺していた。
自分が出遅れたせいで堀北は瀕死、レンはやけどで現状が不明だ。
汚れ仕事を一身に受ける身としては、責任を果たさなければならない。
たとえ家康や他の人物から侮蔑されようとも、必要な悪としてその役割に。
「……いや、責めはしない。これは、わし一人の戦いではないのだからな。」
必要とあらば影武者を使ったり、
というより徳川軍最大戦力である本多忠勝の存在が大概無法だ。
だから家康はサビルバラの行為を否定したりすることはしない。
至って普通のことだ。あまりしたい事ではないが。
というより徳川軍最大戦力である本多忠勝の存在が大概無法だ。
だから家康はサビルバラの行為を否定したりすることはしない。
至って普通のことだ。あまりしたい事ではないが。
「……そんな風に、なれなかったって、ことか……僕は……」
アレフもまた、サビルバラの行為は否定しなかった。
モンスターが眠ってるところを叩くし、魔法も利用し反射する。
使えるものは何でもやってきた自分だ。そもそもここでも不意打ちで一人殺した。
だからされても仕方がないと思い、最期に眩い太陽を見上げるアレフ。
彼の敗因があるとするなら。もう一人の自分と違って芯を、
オリジンを見出すことができなかったことにあるだろうか。
オリジンを見出した男は更にその先へ、プルスウルトラができた。
けれど、彼にはない。迷いに迷い、立ち止まり続け、何もできず。
自分を否定できず、さとうの言葉を否定できず、家康の存在を否定できず。
一歩を踏み出せなかった。言ってしまえば、それだけの話なのかもしれない。
モンスターが眠ってるところを叩くし、魔法も利用し反射する。
使えるものは何でもやってきた自分だ。そもそもここでも不意打ちで一人殺した。
だからされても仕方がないと思い、最期に眩い太陽を見上げるアレフ。
彼の敗因があるとするなら。もう一人の自分と違って芯を、
オリジンを見出すことができなかったことにあるだろうか。
オリジンを見出した男は更にその先へ、プルスウルトラができた。
けれど、彼にはない。迷いに迷い、立ち止まり続け、何もできず。
自分を否定できず、さとうの言葉を否定できず、家康の存在を否定できず。
一歩を踏み出せなかった。言ってしまえば、それだけの話なのかもしれない。
【勇者アレフ@ドラゴンクエスト 死亡】
「……後で彼を弔おう。サビルバラ殿、堀北の応急処置を!
レンが持っていた治療キットと言うので傷を治せるやもしれぬ!」
レンが持っていた治療キットと言うので傷を治せるやもしれぬ!」
「承知!」
此処からは時間との勝負だ。
レンが向かったであろう水辺のある中庭に、
サビルバラは乱雑に投げ捨てたせいで倒れている堀北へと駆け寄っていく。
レンが向かったであろう水辺のある中庭に、
サビルバラは乱雑に投げ捨てたせいで倒れている堀北へと駆け寄っていく。
結論から言えば、全員一命はとりとめている。
レンは早急な行動で全身をすぐに水に漬かったことで、
焼け死ぬと言う最悪の死に方とされる一つを回避できた。
そしてレンの治療キットを応急処置した堀北に施せば、
全員完全とまではいかないが、十分ましな状態には戻れた。
レンは早急な行動で全身をすぐに水に漬かったことで、
焼け死ぬと言う最悪の死に方とされる一つを回避できた。
そしてレンの治療キットを応急処置した堀北に施せば、
全員完全とまではいかないが、十分ましな状態には戻れた。
「クッ……互いにかなり酷い怪我ぜよ。
わしは打撲とかで傷らしい傷はないが……」
わしは打撲とかで傷らしい傷はないが……」
「相手が相手よ。仕方ないわ。
生きてるだけ儲けものでしょうね。
それよりも、レンは大丈夫なの?
全身が僕と違って敵によって燃えてたみたいだけど……」
生きてるだけ儲けものでしょうね。
それよりも、レンは大丈夫なの?
全身が僕と違って敵によって燃えてたみたいだけど……」
「左目、見えなくなったみたいです。
多分、治療キット程度じゃ回復は……」
多分、治療キット程度じゃ回復は……」
そう、完全とまではいかない。
包帯を左目に巻かれたレンは見るからに表情に影を落とす。
この身体はゲームでのアバターだ。でもこの傷が現実に戻ったら?
片目を喪うなんて悲惨な結果、受け入れられるわけがなかった。
今にも泣きだしたくなるが、堀北も腹を斬られて脂汗は酷いが、
涙をこらえているのだ。自分がみっともなく泣くなんてことできない。
包帯を左目に巻かれたレンは見るからに表情に影を落とす。
この身体はゲームでのアバターだ。でもこの傷が現実に戻ったら?
片目を喪うなんて悲惨な結果、受け入れられるわけがなかった。
今にも泣きだしたくなるが、堀北も腹を斬られて脂汗は酷いが、
涙をこらえているのだ。自分がみっともなく泣くなんてことできない。
「……褒めてるように聞こえないかもしれないけれど、礼を言うわ。」
「え?」
「君が勇気を出さなかったら、僕一人で挑んでいた。
僕はサビルバラさんがいなかったら確実に殺されていた。
今こうして命を繋ぎ止めているのは、君のお陰でもあるのよ。」
僕はサビルバラさんがいなかったら確実に殺されていた。
今こうして命を繋ぎ止めているのは、君のお陰でもあるのよ。」
サビルバラが間に合ったのは、
ひとえにレンが先行してアレフを妨害したからだ。
それがなければ、支給品の譲渡で間に合わなかっただろう。
ひとえにレンが先行してアレフを妨害したからだ。
それがなければ、支給品の譲渡で間に合わなかっただろう。
「確かに、アレフは鼻を嚙み千切られた時に傷を治していた。
あの一回が、サビルバラ殿がとどめをさせた要因になれたかもしれない。
負けるつもりはなかったにせよ、被害を大きく減らせたのは君のお陰だ、レン。」
あの一回が、サビルバラ殿がとどめをさせた要因になれたかもしれない。
負けるつもりはなかったにせよ、被害を大きく減らせたのは君のお陰だ、レン。」
「何か、照れくさいですね……」
左目を喪った痛みは物理的にも精神的にも大きい。
しかし、こうもMVPだと持ち上げられるのは嬉しいことだ。
スクワッドジャムを戦い抜いたときよりも、嬉しいかもしれない。
しかし、こうもMVPだと持ち上げられるのは嬉しいことだ。
スクワッドジャムを戦い抜いたときよりも、嬉しいかもしれない。
「それに、まだ希望はあるぜよ。わしの世界には、
エリクシールっちゅー傷を全快にする薬もあるぜよ。
それに限らず、他の世界の回復する道具が目ぇ治してくれるかもしれん。」
エリクシールっちゅー傷を全快にする薬もあるぜよ。
それに限らず、他の世界の回復する道具が目ぇ治してくれるかもしれん。」
希望を捨てることはしない。
この世界は数多の世界が混在する舞台だ。
良い意味でも悪い意味でも何が起きるか分からない。
希望を捨てるには、絶望するのにはまだ早いとサビルバラが諭す。
この世界は数多の世界が混在する舞台だ。
良い意味でも悪い意味でも何が起きるか分からない。
希望を捨てるには、絶望するのにはまだ早いとサビルバラが諭す。
「あ、でも服が……」
ベギラマを受けたことで全身の服が燃え、
身体のいたるところに穴が空いた状態になっている。
ファッションと言えば通じるレベルかもしれないものの、
ロリっ子とも言えるビジュアルのレンでやると、犯罪や事案にしか見えない。
身体のいたるところに穴が空いた状態になっている。
ファッションと言えば通じるレベルかもしれないものの、
ロリっ子とも言えるビジュアルのレンでやると、犯罪や事案にしか見えない。
「確かに、見えてないと言っても余り人に見せられる格好ではないわ。
少しでも派手に動くだけで、見えてしまうのは流石に困り物ね。」
少しでも派手に動くだけで、見えてしまうのは流石に困り物ね。」
「なんならスズネが白制服の女子を倒した時のドロップ品、
確かあれ服じゃったろ。スズネに着替えさせてもらえばええ。」
確かあれ服じゃったろ。スズネに着替えさせてもらえばええ。」
「小柄なこの子に合うのかしら……とりあえず着替えさせてくるわ。待ってて。」
そしてしばらくの時間が経過し、二人は戻ってくる。
レンは白を基調としたスカートの制服に身を包んでおり、
やけどで燃えて縮れた髪を切って整えれば、ただの中学生でも通りそうだ。
レンは白を基調としたスカートの制服に身を包んでおり、
やけどで燃えて縮れた髪を切って整えれば、ただの中学生でも通りそうだ。
「おー、整然としちょるのぉ。さっきが派手なのもあるが。」
「サイズぴったり……でも白かぁ。仕方ないけどサヨナラ私の服……」
ピンク色の服装、結構気に入ってたんだけどなぁ。
そう思うものの背に腹は代えられない。それに、
どこか学生気分に戻れたような気がして悪くない。
リアルは今も大学生ではあるのだが。
そう思うものの背に腹は代えられない。それに、
どこか学生気分に戻れたような気がして悪くない。
リアルは今も大学生ではあるのだが。
「……彼の遺体は?」
戻ってみればアレフの遺体はない。
流石に生きてるとは思いたくないが、
何が起きるか分からず少しばかり不安になる。
流石に生きてるとは思いたくないが、
何が起きるか分からず少しばかり不安になる。
「わしが腕切り落としてレジスターを回収、
その後の遺体は家康が埋葬してくれちょる。」
その後の遺体は家康が埋葬してくれちょる。」
「敵にも情けをかけるのね。」
「殴った相手の数は忘れてない、と言うぐらい真面目だからなあの男は。」
「……強くて頼もしいけれど、何処か恐ろしいわね、彼。」
堀北には理解しがたい面が全体的に強い。
そもそもあの学校、特にD組の初期のころは連携は最悪だったし、
自分本位で行動する面々も多かったり、もっと言えば堀北も我が強い。
だからA組に匹敵する能力を持ちながらD組に編入されたところもある。
相手はこちらを殺そうとしてきたのもあるが、戦国時代としてはかなり変わった価値観だ。
敵を殺すのは当たり前の世界に生きていて、そう言ってのける人間はまずいない。
彼が一体人としての格がどこか分からなくなる。彼は本当に人なのかと。
まるで、菩薩か神様のような。そういう意味で人ではない何かに感じる。
そもそもあの学校、特にD組の初期のころは連携は最悪だったし、
自分本位で行動する面々も多かったり、もっと言えば堀北も我が強い。
だからA組に匹敵する能力を持ちながらD組に編入されたところもある。
相手はこちらを殺そうとしてきたのもあるが、戦国時代としてはかなり変わった価値観だ。
敵を殺すのは当たり前の世界に生きていて、そう言ってのける人間はまずいない。
彼が一体人としての格がどこか分からなくなる。彼は本当に人なのかと。
まるで、菩薩か神様のような。そういう意味で人ではない何かに感じる。
「情けがないよりも、情けなくていい。わしはそう思うぐらいだからな。」
埋葬を終えた家康が戻ってくる。
手の土とパンパンと払い、手が洗える場所を探すように辺りを見渡す。
手の土とパンパンと払い、手が洗える場所を探すように辺りを見渡す。
「……失言だったわね。ごめんなさい。」
「いやいい。わしは気にしてない。
それより、堀北の傷の方は大丈夫か?
レンほどではないにせよ、傷は浅くないのだろう?」
それより、堀北の傷の方は大丈夫か?
レンほどではないにせよ、傷は浅くないのだろう?」
「サビルバラさんの応急処置が早くて助かったわ。」
駆けつけた時には妹のクラーバラが殺されていた。
その時の絶望が、堀北の応急処置の際によぎったことだ。
だから迅速に、男女の関係も気にする暇なく応急処置に臨んでいた。
その時の絶望が、堀北の応急処置の際によぎったことだ。
だから迅速に、男女の関係も気にする暇なく応急処置に臨んでいた。
「緊急事態とは言え女子(おなご)の服を脱がせかけたのは事実ぜよ。
一発、引っぱたくぐらいされてもわしゃ文句は言わんが……せんのか?」
一発、引っぱたくぐらいされてもわしゃ文句は言わんが……せんのか?」
「緊急避難と同じよ。どうしても必要なことで。
命がかかってる中、一々セクハラだなんだと叫ばないわ。」
命がかかってる中、一々セクハラだなんだと叫ばないわ。」
「強いのぉ、おんしは。」
「君達には劣るけど、多少は強い精神は持ってるつもりよ。」
戦いに身を置くわけではないにしても、
常に退学と隣り合わせの学校のことを考えれば、
少なくとも並の人間よりかは精神面はずっと強いものだ。
常に退学と隣り合わせの学校のことを考えれば、
少なくとも並の人間よりかは精神面はずっと強いものだ。
「さて、負傷したのもある。
当初の予定通り此処を拠点とするのもあるが、
まずは休養として、飯を食おうではないか!」
当初の予定通り此処を拠点とするのもあるが、
まずは休養として、飯を食おうではないか!」
「ええ……こんな時に飯ですか?」
「今だからこそと思うべきぜよ。
レンの言うような好戦的な男を考えれば、
今後凄惨な死体でまともに食欲なんぞわかなくなる。
死体を見つけて吐く可能性があるとしても、食事は抜くことはできん。」
レンの言うような好戦的な男を考えれば、
今後凄惨な死体でまともに食欲なんぞわかなくなる。
死体を見つけて吐く可能性があるとしても、食事は抜くことはできん。」
「腹が減っては戦はできぬ……そのとおりね。
問題はお腹が違う意味で痛いから、食べて大丈夫かしら……」
問題はお腹が違う意味で痛いから、食べて大丈夫かしら……」
「あ、置いていかないでください! 壊さないように、
燃えた瞬間に蛮野さんをあの場所に忘れてるんで!」
燃えた瞬間に蛮野さんをあの場所に忘れてるんで!」
三者が校舎へ戻る間、
燃えて壊れる前に手放した蛮野のタブレットを回収。
そのまま三人を追うように高速で駆けて追いついていく。
燃えて壊れる前に手放した蛮野のタブレットを回収。
そのまま三人を追うように高速で駆けて追いついていく。
かくして、眩き太陽に挑んだ勇者は倒された。
それはまるで、物語のバッドエンドのようなものだ。
されど、物語は続く。東を照らす、権現の絆の下に。
それはまるで、物語のバッドエンドのようなものだ。
されど、物語は続く。東を照らす、権現の絆の下に。
(とてつもない男だ、徳川家康。)
画面から見えるギリギリの範囲ではあるが、
アレフとの戦闘のほとんどを見届けていた蛮野。
あれは凄まじい。並の仮面ライダーなど敵ではない。
下手をすればゴルドドライブとすら自分が負けることはないにしても、
多少はドライブ達のように殴り合えるのではないか。そんな可能性を感じるほどに。
これは行幸だ。青二才の上にこの強さ。自分が安全圏にいることが改めて伺えた。
特にレンはうまいこと家康達と仲良くなっている。これならばより安全になれるし、
アレフとの戦闘のほとんどを見届けていた蛮野。
あれは凄まじい。並の仮面ライダーなど敵ではない。
下手をすればゴルドドライブとすら自分が負けることはないにしても、
多少はドライブ達のように殴り合えるのではないか。そんな可能性を感じるほどに。
これは行幸だ。青二才の上にこの強さ。自分が安全圏にいることが改めて伺えた。
特にレンはうまいこと家康達と仲良くなっている。これならばより安全になれるし、
(チェイスのことも安全な参加者と言って正解だったな。)
今の蛮野にとっては何とかしてタブレットから復活することが目的だ。
チェイスを敵だと吹聴すれば、いつかチェイスとぶちあたって破壊されかねない。
特に家康はいい。敵にも情けをかける。反省している、更正していると言えば、
彼は確実に庇ってくれる。実に都合のいい存在だ。何処までも運が味方してくれている。
堀北とサビルバラにはもしかしたら疑われてるかもしれないが、レンが自分に対する依存も考えれば、
チェイスの方がアウェーになるのは間違いない。たとえ善良な参加者と徒党を組んでいたとしても、
同じ志のものが大切にしてるものを壊そう、などと軽々しく発言できるものではないのだから。
チェイスを敵だと吹聴すれば、いつかチェイスとぶちあたって破壊されかねない。
特に家康はいい。敵にも情けをかける。反省している、更正していると言えば、
彼は確実に庇ってくれる。実に都合のいい存在だ。何処までも運が味方してくれている。
堀北とサビルバラにはもしかしたら疑われてるかもしれないが、レンが自分に対する依存も考えれば、
チェイスの方がアウェーになるのは間違いない。たとえ善良な参加者と徒党を組んでいたとしても、
同じ志のものが大切にしてるものを壊そう、などと軽々しく発言できるものではないのだから。
(人に寄り添いすぎたことを後悔するがいい、チェイスよ……)
誰にも悟られることも、気づかれることなく画策する蛮野。
レンも、家康も利用するだけ利用してやる。すべては自分のために。
レンも、家康も利用するだけ利用してやる。すべては自分のために。
【エリアG-4/租界 アッシュフォード学園/9月2日午前10時時20分】
【徳川家康@戦国BASARA3】
状態:疲労(中)、軽度の火傷
服装:いつもの
装備:ギガントナックル@グランブルーファンタジー
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、SA・ホットライン
思考
基本:絆の力でこの戦いを止める。
00:アッシュフォード学園にてまずは食事を摂ろう!
01:レンのように絆の力を説いて羂索達に対抗する。
参戦時期:赤ルート、関ケ原前
備考
※籠手が支給品の代わりとなってました。
※蛮野と情報を交換しました。
状態:疲労(中)、軽度の火傷
服装:いつもの
装備:ギガントナックル@グランブルーファンタジー
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2、SA・ホットライン
思考
基本:絆の力でこの戦いを止める。
00:アッシュフォード学園にてまずは食事を摂ろう!
01:レンのように絆の力を説いて羂索達に対抗する。
参戦時期:赤ルート、関ケ原前
備考
※籠手が支給品の代わりとなってました。
※蛮野と情報を交換しました。
【レン@ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン】
状態:疲労(大)、ダメージ(大)、精神疲労(小)、戦いへの恐怖心(ほぼなくなった)、蛮野に若干依存、全身に軽度の火傷、左目失明、左目や至る所に包帯、髪がそこそこ焦げてる、ずぶぬれ
服装:綾小路武芸学舎の制服@刀使ノ巫女
装備:無限バンダナ@メタルギアソリッドシリーズ、Vz.83@メタルギアソリッドシリーズ、ブレンのタブレット@仮面ライダードライブ+渋井丸拓男のバイク@DEATH NOTE
令呪:残り三画
道具:治療キット×1@ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン、予備マガジン×30、ホットライン
思考
基本:生き残ることを優先
00:怖いけど逃げない。生きるために。
01:家康さんたち。蛮野さんと共に行動する
02:松坂さとうと出会ったら警戒する
03:怖いけど、自分の不甲斐なさの方がよっぽど許せなくなった。
04:私本当に生きて帰れるのかな……左目、治るかなぁ……
05:え、今食べるんですか?
参戦時期:第一回スクワットジャム終了以降
備考
※GGOのシステム(バレット・サークル、バレット・ライン)は制限なく使用できます。
※仮面ライダーとの戦いで強いトラウマを植え付けられました。
※松坂さとうを危険人物として認識しました。また仮面ライダーへの変身能力を持っている可能性があると判断しています。
※ブレンのタブレットの所有者になりました。ブレンのタブレットはレンに危害を加えることはありません。
※家康が自分の知っている歴史の家康とは別人だと理解しました。
※自分の不甲斐なさにキレたことで浅倉に対する恐怖はほぼなくなりました。
が、常時キレてるわけではないので噛み千切ったりとかをいきなりはしません。
状態:疲労(大)、ダメージ(大)、精神疲労(小)、戦いへの恐怖心(ほぼなくなった)、蛮野に若干依存、全身に軽度の火傷、左目失明、左目や至る所に包帯、髪がそこそこ焦げてる、ずぶぬれ
服装:綾小路武芸学舎の制服@刀使ノ巫女
装備:無限バンダナ@メタルギアソリッドシリーズ、Vz.83@メタルギアソリッドシリーズ、ブレンのタブレット@仮面ライダードライブ+渋井丸拓男のバイク@DEATH NOTE
令呪:残り三画
道具:治療キット×1@ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン、予備マガジン×30、ホットライン
思考
基本:生き残ることを優先
00:怖いけど逃げない。生きるために。
01:家康さんたち。蛮野さんと共に行動する
02:松坂さとうと出会ったら警戒する
03:怖いけど、自分の不甲斐なさの方がよっぽど許せなくなった。
04:私本当に生きて帰れるのかな……左目、治るかなぁ……
05:え、今食べるんですか?
参戦時期:第一回スクワットジャム終了以降
備考
※GGOのシステム(バレット・サークル、バレット・ライン)は制限なく使用できます。
※仮面ライダーとの戦いで強いトラウマを植え付けられました。
※松坂さとうを危険人物として認識しました。また仮面ライダーへの変身能力を持っている可能性があると判断しています。
※ブレンのタブレットの所有者になりました。ブレンのタブレットはレンに危害を加えることはありません。
※家康が自分の知っている歴史の家康とは別人だと理解しました。
※自分の不甲斐なさにキレたことで浅倉に対する恐怖はほぼなくなりました。
が、常時キレてるわけではないので噛み千切ったりとかをいきなりはしません。
【堀北鈴音@ようこそ実力至上主義の教室へ】
状態:絶対遵守のギアス(極大) 蛮野に対する嫌悪、腹に傷(処置済み)
服装:高度育成高校の制服(女子)(腹部に横一文字の切れ込みあり)
装備:ソーディアン・ディムロス@テイルズオブデスティニー(DC版)
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2(武器以外)、SA・ホットライン
思考
基本:このゲームから生還する。
00:『一人称は僕、二人称は君を使う』
01:須藤君……なんてこと。
02:羂索にルルーシュ・ヴィ・ブリタニア……。まさか魔法が実在したなんて。
03:戻った時に何て言われるかしら。
04:喋る剣に、小柄な三十代に、徳川家康……頭が痛いわ。
05:アッシュフォード学園を拠点にできた。後はどうするか。
06;あの蛮野とかいう機械……なんだろう、生理的悪寒がするわ。
07:お腹の傷が痛い……食事、できるのかしら。
参戦時期:少なくとも髪を切る前
備考
※絶対遵守のギアスをかけられました。
異能力解除の異能力をかけられない限り一人称が僕、二人称が君のままです。
※ソーディアン・ディムロスにスタン・エルロンの術技がソードスキルとして内包されてます。
※蛮野と情報を交換しましたが、蛮野に対して生理的悪寒を抱いています。
状態:絶対遵守のギアス(極大) 蛮野に対する嫌悪、腹に傷(処置済み)
服装:高度育成高校の制服(女子)(腹部に横一文字の切れ込みあり)
装備:ソーディアン・ディムロス@テイルズオブデスティニー(DC版)
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~2(武器以外)、SA・ホットライン
思考
基本:このゲームから生還する。
00:『一人称は僕、二人称は君を使う』
01:須藤君……なんてこと。
02:羂索にルルーシュ・ヴィ・ブリタニア……。まさか魔法が実在したなんて。
03:戻った時に何て言われるかしら。
04:喋る剣に、小柄な三十代に、徳川家康……頭が痛いわ。
05:アッシュフォード学園を拠点にできた。後はどうするか。
06;あの蛮野とかいう機械……なんだろう、生理的悪寒がするわ。
07:お腹の傷が痛い……食事、できるのかしら。
参戦時期:少なくとも髪を切る前
備考
※絶対遵守のギアスをかけられました。
異能力解除の異能力をかけられない限り一人称が僕、二人称が君のままです。
※ソーディアン・ディムロスにスタン・エルロンの術技がソードスキルとして内包されてます。
※蛮野と情報を交換しましたが、蛮野に対して生理的悪寒を抱いています。
【サビルバラ@グランブルーファンタジー】
状態:ダメージ(大)、疲労(大)、蛮野に対する警戒
服装:いつもの(ゲーム上における火SSRの恰好)
装備:蛍丸@刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~3(ロトの防具なし)、ロトの剣@ドラゴンクエスト、SA・ホットライン、アレフのレジスター
思考
基本:汚れ仕事はやる。だが殺し合いには乗らん。
00:アッシュフォード学園へと向かう。
01:バルバトスは早く倒しておきたい。
02:三人のサポートに回る。それがわしの役割ぜよ。
03:バンノは信用ならぬ……場合によってはわしの役割ぜよ。
04:腹が減っては戦はできんからのう。
参戦時期:「待雪草祈譚」終了後以降。
備考
※男性のため御刀の力は引き出せません。
※ギアスコラボ、ドラえもんコラボ、ヒロアカコラボ、プリコネコラボには出てないため、
ルルーシュやドラえもんの名前はうろ覚え程度の扱いになってます。
※蛮野と情報を交換しましたが、信用ならぬと感じています。
状態:ダメージ(大)、疲労(大)、蛮野に対する警戒
服装:いつもの(ゲーム上における火SSRの恰好)
装備:蛍丸@刀使ノ巫女 刻みし一閃の燈火
令呪:残り三画
道具:ランダムアイテム×0~3(ロトの防具なし)、ロトの剣@ドラゴンクエスト、SA・ホットライン、アレフのレジスター
思考
基本:汚れ仕事はやる。だが殺し合いには乗らん。
00:アッシュフォード学園へと向かう。
01:バルバトスは早く倒しておきたい。
02:三人のサポートに回る。それがわしの役割ぜよ。
03:バンノは信用ならぬ……場合によってはわしの役割ぜよ。
04:腹が減っては戦はできんからのう。
参戦時期:「待雪草祈譚」終了後以降。
備考
※男性のため御刀の力は引き出せません。
※ギアスコラボ、ドラえもんコラボ、ヒロアカコラボ、プリコネコラボには出てないため、
ルルーシュやドラえもんの名前はうろ覚え程度の扱いになってます。
※蛮野と情報を交換しましたが、信用ならぬと感じています。
※四人は道中でNPCとの戦闘で、
食料に足りうるものをドロップしています。
どのような食料や食品をドロップしたかは後続にお任せします
少なくとも一食は賄える程度には集まってます。
食料に足りうるものをドロップしています。
どのような食料や食品をドロップしたかは後続にお任せします
少なくとも一食は賄える程度には集まってます。
【綾小路武芸学舎の制服@刀使ノ巫女】
堀北によるドロップ品。アニメでは内里歩たちが通う学校の制服。
白を基調とした制服で、少し黒や灰色が混ざったタイプのもの
余談だがソシャゲ版に登場する綾小路の生徒でメインキャラ、山城由依とGGOのレンの身長は同じ145cm
堀北によるドロップ品。アニメでは内里歩たちが通う学校の制服。
白を基調とした制服で、少し黒や灰色が混ざったタイプのもの
余談だがソシャゲ版に登場する綾小路の生徒でメインキャラ、山城由依とGGOのレンの身長は同じ145cm
【ギガントナックル@グランブルーファンタジー】
サビルバラの支給品。
古の技術は遥か時を越えた正義の輝きと共に甦る。
拳に走る蒼き光はその威力と想いを増幅し、高まる正義は咆哮をもって太古の獣をも叩き伏せる。
とされる、空の世界と言うファンタジーな世界にしてはかなりサイバー的な籠手と言う名の拳武器。
(グラブルでは別に珍しいことではない。あの世界タブレットも普通に存在している)
装備すると光属性の攻撃力を強化することができる。ゲーム上での家康は光属性
サビルバラの支給品。
古の技術は遥か時を越えた正義の輝きと共に甦る。
拳に走る蒼き光はその威力と想いを増幅し、高まる正義は咆哮をもって太古の獣をも叩き伏せる。
とされる、空の世界と言うファンタジーな世界にしてはかなりサイバー的な籠手と言う名の拳武器。
(グラブルでは別に珍しいことではない。あの世界タブレットも普通に存在している)
装備すると光属性の攻撃力を強化することができる。ゲーム上での家康は光属性
067:俺がいる-プロヒーロー 益子薫の負けっぷり- | 投下順 | 069:確立したモノ、揺らぐモノ、変わらぬモノ |
061:plazma/ヘミソフィア─目の前をぶち抜くプラズマ─ | 時系列順 | |
064:sideB 叛逆の街角 | 堀北鈴音 | 091:前坂リュージは嘘は視える |
徳川家康 | ||
サビルバラ | ||
レン | ||
015:linkage ─そしてラグナロクは続く─ | 勇者アレフ | GAME OVER |