#39 調子のいい日
『週刊少年ジャンプ』2026年31号収録
エピソード概要
ミュージックウィークリクエスト
| 曲名 |
アーティスト |
エピソード |
ラジオネーム |
| 世界をかえさせておくれよ |
サンボマスター |
「凄く嬉しいことがあった日に ラジオでかかった曲です」 |
うなぎポテト |
曲
元ネタ解説
- 「ケーキバイキング行くんだ 胃と夢が膨らむね」「楽しそうで何よりだよ」
- 「胃と夢が膨らむね」は、「夢が膨らむ」という慣用的な表現をもとにした言葉遊び
- 「夢が膨らむ」は、期待や想像が大きくなることを意味する表現であり、将来の楽しみや希望が広がっていく様子を表す際に用いられる。作中では、ケーキバイキングに行くという話題に対してこの表現を用い、「夢が膨らむ」という比喩的な意味に加え、食べ放題によって実際に「胃が膨らむ」という身体的な意味を重ねている
- 「肩パンしてやろうかと思ったわ!」
- 「肩パン」は、相手の肩先にパンチすること。「肩パンチ」の略。仲の良い友人間での悪ふざけ的スキンシップであることもあるが、トラブルにつながることもある。
- 「肩パン」は、マヂカルラブリーの村上に関連する話題として、しばしば村上の地元である愛知県新城市と結びつけて、『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0(ZERO)』などで語られる言葉。村上が地元について語る際に「肩パン」がネタとして扱われることがあり、「新城名物肩パン」「肩パン発祥の地」「肩パン社会」といった形で言及されることがある
- そのため、「肩パンしてやろうかと思ったわ」という台詞は、単なる友人同士の軽口としても読める一方で、マヂカルラブリー村上にまつわる地元ネタを踏まえた小ネタである可能性がある
- 「私なら肘パスタ食らわすけどね」
- こういう時の慣用句は「肘鉄を食らわせる」(「肘鉄砲」とも)。文字通り物理的に「肘の先で相手を突きのける」ことを指すこともあれば、比喩表現として誘い・要求などを厳しく拒絶することも指す。
- 肘パスタとは、肘(ひじ)のようにちょっと曲がった、筒状のショートパスタ。一般に「エルボパスタ」「エルボマカロニ」と呼ばれるものの翻訳形。エルボ(elbow)は英語で「肘」。
- 「肩パン」を「肩」(身体の部分)+「パン」(食品名)と見て、「肘」+「パスタ」を重ねたものと解釈できる。
- 「それに私 今日 調子いいんだ ケーキが止まって見える」
- 一流のスポーツ選手が驚異的な動体視力と処理能力を発揮した際に、時間の流れがスローモーションのように知覚されることで「(高速で動く) ボールが止まって見える」とされている
- この言葉は、元プロ野球選手の川上哲治の言葉として有名である(諸説アリ)。川上は、プロ野球黎明期における読売ジャイアンツの名打者で、野球殿堂博物館でも「打撃の神様」と紹介されており、現役時代は通算打率.313、首位打者5回の成績を残している
- ボールと違ってケーキは動いたりしないので、止まって見えるのは至って普通のこと
- 「遅延行為だ!人生の!」
- 「遅延行為」は、もともとはサッカーなどのスポーツで、試合の進行をわざと遅らせたり引き延ばしたりする行為。スポーツの精神に反し公平な試合を妨げるとしてペナルティの対象となる。
- 掲載号の発売日(2026年6月29日)時点でサッカーワールドカップが開催中(6月11日~7月19日)であり、サッカー用語のネタは時事を拾っているとも言える。
- 野田が手にしているのはおそらく漫画本。個人差・環境差などはあるにしても、一般的に高校二年生の秋は、人生の大勝負の一つとされる大学受験が現実感を伴って見えてくる頃だろうか。「参考書を見に来たのに漫画を買う」のは、しないといけない勉強への取り組みを先延ばしにしているとも言える。漫画本そのものは持ってるのに附録目当てでもう一冊同じのを買ってしまうというのも寄り道感がある。
- マヂカルラブリーがパーソナリティを務めるラジオ番組『マヂカルラブリーのオールナイトニッポン0』では、長めのオープニングトークを指して「遅延行為」と言う。同番組では、本題やコーナーに入る前に、2人が雑談を引き延ばすようにして話し続ける流れがしばしば見られ、これが番組内外で「遅延行為」と呼ばれている
- この言葉は単に時間を無駄にするという意味ではなく、マヂカルラブリーのラジオにおける独特の空気感を表す用語でもある。話がすぐに進まず、あえて回り道をするように会話が続いていく様子そのものが番組の魅力の一つとして受け取られており、「遅延行為」はそのようなトークスタイルを象徴する言い回しとなっている
- 「たまちゃん」「ひよちゃん」
- 「たまちゃん」「ひよちゃん」は、それぞれくらげの幼稚園時代からの親友である野田と村上の昔のあだ名である。彼女らの名前の由来は、お笑いコンビ「マヂカルラブリー」であると推測されている。(→くらげの親友「野田」「村上」の元ネタ)
- 作中では2人の下の名前は明かされていないが、野田は「ひよちゃん」、村上は「たまちゃん」と呼ばれていた。これは、「マヂカルラブリー」の野田クリスタルの本名の下の名前である「光(ひかる)」、村上の本名の下の名前である「崇裕(たかひろ)」の頭文字とそれぞれ一致している。
- また、「たまちゃん」と「ひよちゃん」という組み合わせは、育児情報サービスなどで知られる「たまひよ」を連想させるものでもあり、幼稚園時代からの親友という設定とも相まって、幼さや親しみやすさを感じさせる呼び名になっている。(→たまひよ公式ページ)
- 「えーじゃあ『ここ』とはラジオ局のことですか?」「ウミガメのスープじゃないよ」
- 「ウミガメのスープ」とは、不可解な物語の真相を解き明かすクイズ(水平思考ゲーム)
- 「イエス」か「ノー」かで答えられる質問を重ねることによって曖昧な部分を潰し、固定観念にとらわれない正解へたどり着くことを目的とした遊びである
- 「母親の旧姓当てられたら教えてあげる」「秘密の質問?」
- 「秘密の質問」とは、パスワードを忘れた際のアカウント復旧や本人確認に用いられるしくみ。「母親の旧姓」「ペットの名前」など本人しか知らないであろう設問に対する答えをあらかじめ登録しておき、いざという時にその質問と答えで本人確認をするというもの。
- 20世紀初頭にはアメリカの銀行で本人確認のために用いられていたというが、インターネットサービスの普及とともにしばしば見かけるものとなった。「ペットの名前」はともかく、「母親の旧姓」は日常会話で聞かれることはほとんどないであろうために、「秘密の質問」で聞かれるものの代表格といえる。
- しかし、近年ではSNSなどから答えが推測されやすく、現在はパスワードマネージャーの利用などが推奨されている
- 「…そ その日 ブロッコリーとささみのサラダ記念日だったんだー」「...俵マッチョだ」
- 歌人・俵万智(たわら まち)の短歌「「この味がいいね」と君が言ったから七月六日はサラダ記念日」を下敷きにしたネタ。この短歌を収録した俵万智の第一歌集『サラダ記念日』は1987年に発表されたが、歌集としては異例の大ベストセラーとなって社会現象化し、口語短歌を広く知らしめることとなった。
- ブロッコリーとささみは「トレーニー(筋トレをする人)」を連想させる食材でもあり、「まち」と「マッチョ」をかけたダジャレとなっている。
- この場面は、#1 ラジオネーム うなぎポテトとの繋がりが深くなっている
- (#1)では、ミメイとくらげが一緒に「月ミド」を聴く場面が描かれている。このとき、大喜利コーナーのお題は「恋するマッチョ どんなの?」であり、ミメイの回答「あの子を想うと ササミの味がしない」が採用され、その後にサンボマスターの「世界をかえさせておくれよ」が流れた
- 今回のラストでは、その「世界をかえさせておくれよ」がくらげのリクエスト曲として再び登場。リクエスト理由は「すごく嬉しいことがあった日にラジオでかかった曲です」というものであり、(#1)でミメイとくらげが一緒に「月ミド」を聴いた夜を想起させる内容になっている
- また、くらげが語る「ブロッコリーとささみのサラダ記念日」は、(#1)のミメイの回答「あの子を想うと ササミの味がしない」とも繋がっている。加えて、(#1)でミメイが口にした「月ミドっていいね」という言葉は、今回の「ブロッコリーとささみのサラダ記念日」や「俵マッチョ」、煽り文の「『月ミドっていいね』と君が言ったから」という流れによって、後から『サラダ記念日』的な言葉遊びとして回収されている
- このように、このやり取りは単なるダジャレではなく、
(#1)に登場した複数の要素を回収する構成になっており、
(#1)でミメイとくらげが共有したラジオの記憶を、くらげが大切な出来事として覚えていたことを示す場面とも解釈できる
キャッチコピー&アオリ文
冒頭ページ
ᯤ月曜深夜、ねむ〜〜〜〜い
扉絵ページ
へいおまち!口直しにポテトもどうぞ!
最終ページ
ᯤ「月ミドっていいね」と君が言ったから
作者コメント
次にくるマンガ大賞投票受付中です!応援していただけると本当にめっちゃ嬉しい...!
最終更新:2026年07月28日 16:24