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無限桃花の愉快な冒険21

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eroticman

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ここは秘密の創発の館。
時折廊下から見える海は遙か眼下にある。この館を外から見たことないが相当大きな建物であることは
確かだ。この辺りの階には人が住んでいる部屋が少ないらしく普段の廊下よりひっそりとしている。
音もサムライポニーテール少女、無限桃花と眼鏡桃花の足音くらいしか聞こえない。
「なっ……」
階段から上がって五個目と六個目の間にある部屋。そここそが魔王の部屋のはずだった。
しかしどういうわけかそこには部屋はおろかそもそもドアすら存在しない。
「どうやら本物の壁ね」
眼鏡桃花が壁を触って確かめている。桃花も触ってみるが冷たい壁しかそこにはない。
叩いてみると音が響く。中は空洞のようだ。
「確かにここに部屋があるみだいだが……」
「ハルトシュラーがこの部屋を隠したのかしら。まぁそのつもりなら」
眼鏡桃花が右手を壁につけ、目を瞑る。
「大気の力を封印する陣よ。ここに刻まれよ」
魔法発動時に風が吹く。が、特に何かが起きたわけではない。
眼鏡桃花が手を離すと壁に手の平サイズの魔方陣が刻まれていた。
「さてと、隣の部屋に行くわよ」
「え、これで終わり?」
「ここじゃあ危ないから避難よ」
言われるがままに隣の空き部屋に逃げ込む。ドアを閉め、備品として置いてあった
テーブルを盾にする。
「ちゃんと抑えてなさいよ」
眼鏡桃花が右手を上に向ける。手の平には先ほどと同じ魔方陣が刻まれていた。
「解放」
手の平を握る。同時に轟音が響き、部屋のドアが吹っ飛んだ。
テーブルを慌てて抑える。ドアがテーブルに当たる衝撃が伝わってきた。
影からそっと見ると部屋の外は想像と違い、煙はほとんどなかった。
眼鏡桃花が部屋から出て行くのを慌てて追いかける。
「ちょっと強すぎたかしらね」
廊下は思ったよりもひどくはなかった。
ただし灯りは全て消えていて、見える限りでは全てのドアがなくなっている。
そして先ほどまで魔方陣があった壁は鯨も優に通れるほどの大穴が開いていた。
部屋の中も全ての物が壁を中心に放射状に広がっている。先ほどまでちゃんと
形を保っていただろう創作物を気にすることなく眼鏡桃花は奥に侵入していく。
桃花は部屋についていた窓から外を覗く。ガラスは既に消失しており、海からの風が部屋に渡る。
魔王の部屋から見える海は桃花の部屋から見える海と同じように規則正しく時折不規則に揺れていた。
「もぬけの殻だわ。逃げられたのかしら。何か見つけた?」
「いや、何も……」
窓から目を離そうとした瞬間、空が不自然に光った。
もう一度、目を凝らしてみるがいつも通りの空だ。曇っている以上は飛行機などではないだろう。
「どうかしたの?」
「いや……」
「……屋上に行くわよ。行けばはっきりわかるでしょ」
どっとはらい。



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