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「Chenge The world」  第四話

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第四話 未知との遭遇




二人は街にたどり着いた。
走ってきたので多少呼吸が荒くなっている。落ち着くまで休み、態勢を整える。

「ようやくたどり着いたね、長かったぁ…」
「そうね、とりあえずあのお店で情報収集といきましょう」

さて、この街の建物はというと砂漠の町だけあって造りはコンクリートなどという丈夫なものではなく、
ただ土を固めて木でそれを補強しているというような至極質素な作りである。
よって扉などというものもなく、出入り口はどちらかというと壁に大きな穴があいているという表現のほうが妥当なくらいだ。
そして二人は店らしき建物の中に入った。



人がいる。淳子が声をかける。
「あのすいません。私たちここで迷ってしまったんですけど、どうすれば戻れますか?
というか、この世界は一体何なんですか?」
その人物が振り返る。その瞬間、二人は凍りついた。
全身黒ずくめで顔はというと、雪のように白い。しかも少しニヤついている。
「そいつ」が答えた。

「ここ?ここはどこでもないよ?僕たちの住む世界さぁ、ハハ。
君たちは「自分たちの世界」から「こっち側」に迷いこんじゃったようだねぇ。お気の毒だよあははは」
美伽がそいつの態度に激昂し、どなる。
「おい!なにがおかしいんだよ?!どうすれば元の世界に戻れるんだよ!?
それにその恰好、お前いったい何者なんだ?」
「僕?闇人零式、とでも言っておこうか。僕が人間だった時の名前は…忘れちゃったぁ、別に興味もないしさ、あははは」


闇人零式、と名乗ったそいつの態度にとうとう黙っていた淳子が…キレた。
「ボウッ!」と音を立てたその瞬間、そいつの右腕は燃えていた。
パイロキネシスを発動させたのだ。

とたんにあわてる闇人。
「熱い熱い熱いよぉ!助けてくれぇ!」
「じゃあ私たちの質問に正直に答えてもらえるかしら?」「わかった!約束するからこの火を消してくれぇ!」
淳子はポケットから携帯用消化器を取り出し、闇人に噴射する。すると炎は消えた。
「これで火は消えたわ。それじゃ約束通り私たちの質問に答えてもらうわ、まず、この世界は一体何なの?」

「さっきも言ったでしょ?僕たちの暮らす世界さ。
君たちの世界とは平行に存在する世界、パラレルワールドって言ったほうがわかりやすいかな。つまり本来は交わることがない」
「確かに。でも私たちは現にここにいる。それはなぜだと思う?」
「因果律、じゃないかと思うんだ」
「因果律?なんだよそれ?」
「わかりやすく言うと、『原因と結果の関係』のことだよ。
ひとつ例に出してみると、『転んで足を怪我した』っていうのも因果律だよ」
「それとあたしたちがここにいるのと何の関係があるんだよ?」
「本題はそこだね。何者かがこの砂漠と化した世界を変えるために君たちを召喚したと僕は考えるけど」
「その何者か、っていうのは?」
「たぶん僕や君たちなんかよりずっとずっと高位の存在だろうね。あまりに高位すぎてもはや目に見えないくらいの」
「私たちの世界ではそんな存在を『神』と呼んでいるのよ」先ほどの紙に字を書き、闇人に見せる。

「へぇ…神、かぁ。僕たちの世界では明確な呼称がなかったんだよ。これからは僕たちの世界でもつかわせてもらうよ。」
「そんなことより次の質問、あなたは一体何者なの?」
「さっきも言ったでしょ?闇人零式。人間の死体に『闇霊』っていう生命体が憑依することによって誕生する生物」
「待てよ、つーことはまず人間そのものがいなければお前らは存在しえない、ということだな?」
「うん、そうなるね」
「ということは昔はここにも人間がいたってことだよな?」
「うん、昔はいたよ。この街にもたくさん。けどある日を境にいなくなってしまったんだ。それがなぜだかはわからないけれど」
「今も人間はいると思う?」
「たぶんいるんじゃないかな。この世界のどこかに」


「じゃあ、ここまでの話を一度整理してみましょう。
まず私たちは自分たちの世界から『神』の意思によってこの世界を変えるために召喚された」
「うん」美伽と闇人がうなずく。
「召喚された先は何もない砂漠。ようやくたどり着いた町にいたのはあなたたち闇人。
この街に最初住んでいた人間たちはどこかへ疎開。この世界のどこかでいまも生活しているはず。こんなところかしら」
「うん。そんなところかなぁ。あ、ここからはあくまでも僕の憶測なんだけど、聞いてくれるかな?」
「なんだよ?」
「いくら君たちをいきなりこっちの世界に召喚するような
自己中な神様でも君たち二人だけでこの世界を変えろだなんて無茶なことは言わないと思うんだ」
「つまり、私たち以外にもこの世界に召喚された人たちがいる、ってこと?」
「そういうことだね」


唐突に美伽が切り出す。
「なあ、あたしたち『先生』を探してるんだけど、見なかったか?」
「『先生』というと、金髪でメガネをかけた美人のお姉さんのことかな?」
「そうそう!その人だよ!今どこにいるか知ってるか?」
「あの人ならずいぶんと怪我してたから、この街の病院にいるはずだよ。
この街の入り口付近で倒れてるのをお巡りさんが見つけて病院に運び込むのを見たんだ」
「で、その病院はどこにあるんだよ?」
「この店をでて右に曲がってまっすぐ行ったところにある大きな建物だよ。行けばすぐにわかるさ」
「わかった、ありがとな。行こう、青木さん」
「ええ、行きましょうか。いろいろ情報ありがとう、助かったわ」
「どうも。まさかお礼を言われるとは思わなかったけど」
と闇人がいった次の瞬間にはもう二人の姿は消えていた。


「彼女たち、一番聞きたかったことを聞いてないけど…大丈夫かなぁ…元の世界に戻る方法」





第4話 未知との遭遇 FIN

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