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Opening:それぞれの“日常”

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匿名ユーザー

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 空が震える。

 大地が揺れる。

 景色は、この世のものではない。

 どこまでも広がる白い地平と黒い空。

 空が震える。

 大地が揺れる。

 その中心でぶつかり合う黒と白。

 空が震える。

 大地が揺れる。

 セカイが、揺れる。


 そして、そのセカイは廻るのをやめた――――


 ♪  ♪  ♪


Opening:それぞれの“日常”

 さしたる変化のない“日常”

 それは意外に脆くて、繊細だ。

 だから大切にしなきゃいけない。

 それを忘れたからって、別にどうかなるわけじゃ、ないけれど。


 ♪  ♪  ♪


 朝、携帯から流れる五月蝿いアラームで目が覚める。
 安田俊明、16歳。
 好きな食べ物はマンゴー(濁点を取るのは禁じ手)。苦手なモノはやたらテンションの高い幼馴染み。
 大きくあくびをしてから、辺りを見回す。
 視界に映るのは、いつもと変わらない、雑然とした部屋。
 ――――さて、とっとと朝メシ食って学校行くか。
 さっさと着替えを済まし、ドアノブに手をかける。
 ――――早くあの馬鹿迎えに行かねぇと……。
 ふと窓の外を見る。
 天気は雲ひとつ無い超快晴。むしろ陽射しがヤバそうだ。……俺、暑いのは嫌いなんだがな。
 大きなため息をひとつつき、俺は自室を後にした。
 ――――なんて事ない、取るに足らない日常。
 いつまで続くかどうかはわからないが、多分これからもこんな感じだろう。……そんな事を考えたりした日に日常が崩壊したりするのが常だが。
 学校行くのめんどくせぇなぁ……。


 ♪  ♪  ♪


 ほんと、どって事ない。
 あと15分はいける。
 ……朝ごはんの時間を除いて、だけど。
 守屋千尋、15歳。今日も元気に二度寝を決行中。
「あちー……」
 ……寝れない。
 夏の暑さってすげー……。
 一度起きると寝れないとはなんたる魔力か。
 とりあえず一度身を起こして窓を開ける事に。
 ……めんどくさいので側に転がってた孫の手で窓を開ける事に。
「……ふん!」
 届かない。
「はっ!」
 惜しい、あと少し。
「せい!」
 紙一重!
「ふんはっせい!」
 ヤパーリ届かない。
 ……諦めてエアコンの電源を入れる事に。
 ……ない、リモコンがない。
 ガッデム! シット! なぁんてこったぁ!
 ――――しかたない、このまま寝よう。
 時間になったらヤスっちが来て起こしてくれるっしょ。
 ――――なんて事ない、取るに足らない朝の一幕。
 あー、起きるのめんどくせー。


 ♪  ♪  ♪


「……さて、と」
 宮部都、15歳。ただいまお弁当を鋭意制作中。
 玉子焼きとたこさんウィンナーを弁当箱に入れて、おにぎりをラップにくるんで作業終了。
 ……我ながらかわいくできたと思う。特にたこさんウインナーとか。
「うん、いい感じ」
 小さくガッツポーズ。
 ……そろそろ制服に着替えないと。
 階段を登って、2階にある自分の部屋へ。
 窓を開けてベランダに出る。
 ――――今日もいい天気だ。洗濯物がよく乾きそう。
 結わえていた髪を解き、エプロンを外して、のびをする。
 ……さて、着替えよ。
 特に変わった事もない、普通の朝。
 ……あー、今日現代文の宿題集めなきゃ。……めんどくさ。


 ♪  ♪  ♪


 張り切って早起きしたのはいいけど何もやる事が無い。
 神崎志帆、16歳。ただいま音楽鑑賞中。
 スピーカーから流れる大好きなアーティストの音楽を聴きながら、ただベッドに寝転がって天井を眺める。……もちろん、音量はひかえめで。
「……あ」
 天井に人の顔の形をした染みを発見。
 ……昔はこれが怖くてここで寝れなかったなー。……今もちょっと怖いけど。
 しみじみと昔を思い出す。
 曲を止めて、カーテンを開ける。
 朝日が光に慣れていない網膜を刺激する。
 事件とか事故とかそういうのは何もない、一日の始まり。
 ……そういえば私、今シャツ一枚じゃん。
 着替えるのめんどくさいなぁ……。


 ♪  ♪  ♪


 ……っと。いかん、もう朝じゃねえか。
 松尾亮也、15歳。ただいまバリバリ完徹中。
 いや待て、『徹夜』って表現は勉強やってる時だけだって聞いた事あるぞ。………まあどうでもいいが。
 目の前には戦闘中にスタートボタン押して絶賛放置プレイ中のゲーム。……はっきり言ってダレた。そして眠い。
 スイッチを弾いて、ゲームをスリープモードにする。
 もう制服には着替えてあるし、正直準備は万端だ。
 今から寝るのはマズいよな……。
 しかし睡魔には勝てない。
 とりあえず寝ておく事にする。
 ――――そういえば今日部活朝練あんじゃねーか。
 ……部活行くのめんどくせー。


 ♪  ♪  ♪


 ……ダルい。ダルさマキシマムだ。
 椎名俊一、15歳。やり残していた宿題を完遂中。
 まったく聞いてねぇよプリント5枚って。
 部活で疲れてるのに宿題なんてできるわけないだろうが。
 ……とにもかくにも今やっているプリントで最後なのだが。
 早いとこ終わらせて二度寝でもしたいところだ。……そんな暇は無いが。
 首を鳴らし、シャーペンを机に置く。
 ……ダレた、続きは学校でやるとしよう。
 ……なんかあんまり気分よくねぇ朝だな。
 ――――もう全てがめんどくせー。


 ♪  ♪  ♪


「……うわあ」
 興奮に思わず声を上げる。
 リーゼンゲシュレヒト・シュタムファータァ。歳は数え切れないくらい。
 ちなみに今コンビニで週刊誌を立ち読み中。
 バトル漫画はやはりいいものだと思う。必殺技とかすごくかっこいいし。
「おお……」
 ……店員とか他の客の視線がなんか痛いけど気にしない。
 私も必殺技欲しいなぁ……。
 こう、なんか、ずばばーっと派手なやつが。
 蒼いポニーテールの長髪をわしゃわしゃと掻きむしりながら雑誌を棚に戻し、次の雑誌を手に取
「ん……」
 手が、届かない。
 ……こういう時は自分の身長の低さを呪う。
「よっ! ほっ! はっ!」
 ぴょんぴょん跳んでみるが……やはり届かない。
 ……ま、いいか。
 踵を返し、コンビニの外に出る。
 陽射しが眩しい。
 さして変わる事のない日常。いつまで続くかわからないけど。
 でもそんな日常を、終わらせたくない。

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