第一話『太陽無き空』
誰にでも平等に朝は来ます。
この地下世界《ジオ・アルカディア》にも…。
創誓聖女 依舞 真理阿
この地下世界《ジオ・アルカディア》にも…。
創誓聖女 依舞 真理阿
「そうだ、誰にだって朝は来る…今日は始業式だぞ!俺のマグナムがてめぇのド頭に風穴ァ開ける前に起きんかい、このクソジャリがぁぁぁーッ!」
僕は有無を言わさず叩き起こされました。しかも、遅刻ギリギリの時間に…。
まぁ、これが家の、『氏神家』の朝なのです。
僕は有無を言わさず叩き起こされました。しかも、遅刻ギリギリの時間に…。
まぁ、これが家の、『氏神家』の朝なのです。
僕の名前は『氏神昴(ウジガミ・スバル)』
僕、と言っても立派な女の子、長女なのです。髪も短いので、よく男の子に間違えられますが。
そして、朝っぱらから騒がしいこの人は、家政婦の『鉄乃腕奈(テツノ・カイナ)』
俺、と言っていますが女性です。年は26歳。物心付いたぐらいから一緒にいる母親、いや姉妹の様な存在です。
「てめぇの食わせる朝飯は無ぇ…これで買って食え」
ドキュン!
と、言う銃声が響き、壁にめり込み、煙を上げる五百円硬貨。
前言撤回。この人は母でも姉でもありません。鬼です。あ、すいません撃たないで…。
僕、と言っても立派な女の子、長女なのです。髪も短いので、よく男の子に間違えられますが。
そして、朝っぱらから騒がしいこの人は、家政婦の『鉄乃腕奈(テツノ・カイナ)』
俺、と言っていますが女性です。年は26歳。物心付いたぐらいから一緒にいる母親、いや姉妹の様な存在です。
「てめぇの食わせる朝飯は無ぇ…これで買って食え」
ドキュン!
と、言う銃声が響き、壁にめり込み、煙を上げる五百円硬貨。
前言撤回。この人は母でも姉でもありません。鬼です。あ、すいません撃たないで…。
僕は急いで学校の制服に着替え支度し、家を出ました。
家は、このジオ・アルカディアでも高い所にあります。街を一望できてとても素敵です。
ジオ・アルカディアとは、人類が地上で大戦争をして大地が汚染され住めなくなった為、地下に造った巨大な都市の事。
中心部には都市の全てのエネルギー等を管理する建造物、通称『十字宮』がある。
空は無く天井は、鏡の様なガラスの様な物『ウェザーオーロラ』があって、これが昼夜を再現する。
中心部には都市の全てのエネルギー等を管理する建造物、通称『十字宮』がある。
空は無く天井は、鏡の様なガラスの様な物『ウェザーオーロラ』があって、これが昼夜を再現する。
そう、これが僕たちの世界だ。
別に窮屈だなんて思ってないよ。それが普通なんだから。
別に窮屈だなんて思ってないよ。それが普通なんだから。
お気に入りのローラーシューズで坂を滑走する。
猫が飛び出す。
「よっ」
セーフ、と思いきやお婆さんが、
「はぁっ!」
華麗に前宙、と次は車が、
「なんの!」
ムーンサルト。
「はっはっはっ!余裕余ゆっ」
ばふっ、とした感触。加速した衝撃を和らげる。そして弾力で押し戻され派手に転倒した。
「だ、だだっ大丈夫ですか?」
酷く慌てた声の主だった。
「すいません!最近、引っ越して来たばっかりで道が分からなくて迷ってしまって、いきなり飛び出したりなんかして、本当にすいません」
「い、いいよ僕の方が前方不注意だった訳だし、謝るのはむしろコッチだよ…」
猫が飛び出す。
「よっ」
セーフ、と思いきやお婆さんが、
「はぁっ!」
華麗に前宙、と次は車が、
「なんの!」
ムーンサルト。
「はっはっはっ!余裕余ゆっ」
ばふっ、とした感触。加速した衝撃を和らげる。そして弾力で押し戻され派手に転倒した。
「だ、だだっ大丈夫ですか?」
酷く慌てた声の主だった。
「すいません!最近、引っ越して来たばっかりで道が分からなくて迷ってしまって、いきなり飛び出したりなんかして、本当にすいません」
「い、いいよ僕の方が前方不注意だった訳だし、謝るのはむしろコッチだよ…」
それでも彼女は謝るのを止めない。
「あれその制服…」
彼女の制服は僕の着ている物と一緒だった。ただ違うのは胸がはちきれんばかりな事だけだ。
「カイナさんよりデケェ…じゃなくて君も“聖ルクスピカ学園”の生徒?」
「え?はい一年です。ほら、赤いリボン…て君、男の子?むしろ男の娘?」
何この子、鼻息が荒くなってる。
「ちっがーう。れっきとした女の子!レディ!」
「あ、そうなの?ご、ごめんなさい勘違いね」
眼鏡をクイっと上げる。なんだろ?変なの。
「同じ赤いリボンって事は貴方も一年生ね?私は『静丸憐子(シズマル・レンコ)』宜しくね」
そう言って彼女は手を差し伸べてくれた。
「僕は氏神昴…スバルでいいよ」
「宜しくスバルちゃん」
僕はレンコの腕を借り立ち上がった。
「いけない!早くしないと遅刻よ!ルクスピカは厳しいって母様が言ってたわ」
レンコの腕時計は八時二十五分を指していた。
「急ぎましょ」
駆け出すレンコ。
「道、分かんないんじゃないの?」
「…わかりましぇん」
「あれその制服…」
彼女の制服は僕の着ている物と一緒だった。ただ違うのは胸がはちきれんばかりな事だけだ。
「カイナさんよりデケェ…じゃなくて君も“聖ルクスピカ学園”の生徒?」
「え?はい一年です。ほら、赤いリボン…て君、男の子?むしろ男の娘?」
何この子、鼻息が荒くなってる。
「ちっがーう。れっきとした女の子!レディ!」
「あ、そうなの?ご、ごめんなさい勘違いね」
眼鏡をクイっと上げる。なんだろ?変なの。
「同じ赤いリボンって事は貴方も一年生ね?私は『静丸憐子(シズマル・レンコ)』宜しくね」
そう言って彼女は手を差し伸べてくれた。
「僕は氏神昴…スバルでいいよ」
「宜しくスバルちゃん」
僕はレンコの腕を借り立ち上がった。
「いけない!早くしないと遅刻よ!ルクスピカは厳しいって母様が言ってたわ」
レンコの腕時計は八時二十五分を指していた。
「急ぎましょ」
駆け出すレンコ。
「道、分かんないんじゃないの?」
「…わかりましぇん」
急いで走っても間に会う時間では無かった。
それでも全力で走った結果、僕達は学校に五分遅刻し、初日早々廊下に立たされるのであった。
それでも全力で走った結果、僕達は学校に五分遅刻し、初日早々廊下に立たされるのであった。
私立聖ルクスピカ学園は長い歴史を持つ由緒ある学校だ。この地下世界で二番目に古い建物で、野球場四つ分の広さがあり、移動には学校専用の電車があるぐらいだ。
「…なのに、どうして僕らは使えないのさ!」
「本人証明書である“エイムリング”が無ければ本校の学生だとしてもお通しする事はできないんですよ」
駅員のお姉さんは何度文句を言おうと事務的に繰り返した。
「えいむ…りんぐ?」
「昴ちゃん、エイムリングは明日貰えますよ。今日は歩いて帰りましょう?」
僕はレンコに促され駅を後にした。
「…なのに、どうして僕らは使えないのさ!」
「本人証明書である“エイムリング”が無ければ本校の学生だとしてもお通しする事はできないんですよ」
駅員のお姉さんは何度文句を言おうと事務的に繰り返した。
「えいむ…りんぐ?」
「昴ちゃん、エイムリングは明日貰えますよ。今日は歩いて帰りましょう?」
僕はレンコに促され駅を後にした。
「なんなのさ?この新品、卸したての制服が目に入らないのかな?!」
「しょうがないよ、私たちはまだリング持っていないんだもの」
「その、何たらリングってのは?」
「“エイムリング”…多目的多機能腕輪といって、時計にお財布代わり、所持者同士の通信や日々の体調管理も出来る優れ物。そして…アレを見て下さい!」
ビッ、とレンコが指さす方向を見る。
テニスコートよりも一回り大きなスペースで向かい合う女生徒二人。リングを付けた腕を前に叫ぶ。
「「転送!」」
その声と共に生徒等が光に包まれる。幻想的で神秘的、輝くその姿を前に僕は圧倒された。
「しょうがないよ、私たちはまだリング持っていないんだもの」
「その、何たらリングってのは?」
「“エイムリング”…多目的多機能腕輪といって、時計にお財布代わり、所持者同士の通信や日々の体調管理も出来る優れ物。そして…アレを見て下さい!」
ビッ、とレンコが指さす方向を見る。
テニスコートよりも一回り大きなスペースで向かい合う女生徒二人。リングを付けた腕を前に叫ぶ。
「「転送!」」
その声と共に生徒等が光に包まれる。幻想的で神秘的、輝くその姿を前に僕は圧倒された。
「…凄い、初めて見た」
だんだん光が収縮し、そこから約五メートルほどの鎧人形が現れた。
「ゲニウス、守護神と言う名の機巧人器。この世界の誕生と共に生まれたロボット。中学に成ると、学校から一人一体貰えるのよ」
「へぇそうなんだぁ」
僕はフェンス越しにゲニウス同士の戦いに見入っていた。
「今や、茶道に華道、ピアノやバレエ、そしてゲニウスと、女性の嗜みの一つなんですよ」
「あ、そう」
華麗に舞う様な、それでいて優雅な戦い。スポーツとも違う、別次元な物に見えた。
「あっ決着した」
勝負は蝶の様なデザインのゲニウスが勝利した。相手のゲニウスは壁に持たれて煙を上げていた。蝶のゲニウスの背中が着ぐるみの様な感じで開くと先ほどの生徒、金髪の美少女が現れた。こちらに気づいたのか笑顔で手を振ってくれた。
「おーい!おーい!」
「…あの聞いてます?」
だんだん光が収縮し、そこから約五メートルほどの鎧人形が現れた。
「ゲニウス、守護神と言う名の機巧人器。この世界の誕生と共に生まれたロボット。中学に成ると、学校から一人一体貰えるのよ」
「へぇそうなんだぁ」
僕はフェンス越しにゲニウス同士の戦いに見入っていた。
「今や、茶道に華道、ピアノやバレエ、そしてゲニウスと、女性の嗜みの一つなんですよ」
「あ、そう」
華麗に舞う様な、それでいて優雅な戦い。スポーツとも違う、別次元な物に見えた。
「あっ決着した」
勝負は蝶の様なデザインのゲニウスが勝利した。相手のゲニウスは壁に持たれて煙を上げていた。蝶のゲニウスの背中が着ぐるみの様な感じで開くと先ほどの生徒、金髪の美少女が現れた。こちらに気づいたのか笑顔で手を振ってくれた。
「おーい!おーい!」
「…あの聞いてます?」
お互いの事を話しながら下校する。自分の事、家族の事、好きな物、嫌いなもの。そして楽しい時間はあっと言う間に過ぎる。
「ここが私の家です」
紹介されたのは家と言うより巨大な工場だ。
「家はゲニウスのパーツを製造してる会社なんです」
「凄ッ!めっちゃ金持ちじゃん」
「ここが私の家です」
紹介されたのは家と言うより巨大な工場だ。
「家はゲニウスのパーツを製造してる会社なんです」
「凄ッ!めっちゃ金持ちじゃん」
門にはデカデカと『静丸インダストリー』と看板があった。
「地味な眼鏡の女の子かと思ったら…負けた」
「そんなお気になさらず…」
「中学生でこんなお化けオッパイ見せられて気にせずにいられるかぁ!」
二人で漫才の真似事をしてると突然、塀の向こうから、けたたましいサイレンの様な音が響いてきた。
「何?レンコ!」
「事故かしら…でも一体」
「地味な眼鏡の女の子かと思ったら…負けた」
「そんなお気になさらず…」
「中学生でこんなお化けオッパイ見せられて気にせずにいられるかぁ!」
二人で漫才の真似事をしてると突然、塀の向こうから、けたたましいサイレンの様な音が響いてきた。
「何?レンコ!」
「事故かしら…でも一体」
爆発。
どこかの建物が黒い煙を上げている。
「そんな、今まで事故なんて起きた事ないのに…」
酷く動揺していた。初めての事態に体がガタガタと震えている。
「何か聞こえる…キィーン…キィーン、って」
鉄が擦れる音。それが大きくなって近づいてくる様だ。
「…レンコ、危ないッ!」
巨大な鉄の門が内側から破壊される。破片が僕たちに降り懸かる。
僕はレンコを担いで、間一髪の所ですり抜けた。
「危ない所だったねレンコ…レンコ、レンコっ!」
レンコは白目を剥いて気を失っていた。
壊された門の前、白煙の中から現れたのは黒い機巧人器だった。
鈍い光を放つ銃口が僕らを狙う。
「そんな、今まで事故なんて起きた事ないのに…」
酷く動揺していた。初めての事態に体がガタガタと震えている。
「何か聞こえる…キィーン…キィーン、って」
鉄が擦れる音。それが大きくなって近づいてくる様だ。
「…レンコ、危ないッ!」
巨大な鉄の門が内側から破壊される。破片が僕たちに降り懸かる。
僕はレンコを担いで、間一髪の所ですり抜けた。
「危ない所だったねレンコ…レンコ、レンコっ!」
レンコは白目を剥いて気を失っていた。
壊された門の前、白煙の中から現れたのは黒い機巧人器だった。
鈍い光を放つ銃口が僕らを狙う。
あぁ朝貰った五百円、貯金じゃなくて昼ご飯に使えばよかった。
どうでもいい思考が頭をよぎった。
どうでもいい思考が頭をよぎった。
「…あぁ、あ」
息が出来ない。
死ぬ?まさか、ありえないよ。ついさっきまで、あんなに楽しく過ごしてたのに、僕の人生、もう終わり?
嫌だよ、嫌だ。嫌だ。絶対嫌だ。
「…っ?!」
レンコは未だ気を失っている。
ここで見捨てて逃げれば助かる…自分は…助かるけどいいのか?
自分が運良く助かったとして、レンコはどうなるのだろうか?
最悪の事態を一瞬、想像する。
そして自分はその事を一生負い目に感じて生きてくのか?
じゃあ、どうする?自分より身長も体重も多いレンコを担いで逃げられるのか?
息が出来ない。
死ぬ?まさか、ありえないよ。ついさっきまで、あんなに楽しく過ごしてたのに、僕の人生、もう終わり?
嫌だよ、嫌だ。嫌だ。絶対嫌だ。
「…っ?!」
レンコは未だ気を失っている。
ここで見捨てて逃げれば助かる…自分は…助かるけどいいのか?
自分が運良く助かったとして、レンコはどうなるのだろうか?
最悪の事態を一瞬、想像する。
そして自分はその事を一生負い目に感じて生きてくのか?
じゃあ、どうする?自分より身長も体重も多いレンコを担いで逃げられるのか?
NO
無理だ。無理すぎる。この危機的状況じゃ圧倒的不利。
火事場の馬鹿力に頼る、なんてよくも根拠があるのか分からない物に賭ける余裕も無い。
火事場の馬鹿力に頼る、なんてよくも根拠があるのか分からない物に賭ける余裕も無い。
心が、ざわざわする。
僕は、意味もなく叫んだ。涙が溢れる。止まらない。もう無理だ。終わった。わけわかんない。
感情が決壊する。足が、手が、歯が震える。
感情が決壊する。足が、手が、歯が震える。
おしまい、だと思った。
でも、その時だ。
僕はアレに出会ったんだ。
でも、その時だ。
僕はアレに出会ったんだ。
『光 臨 ッ !(コ ー リ ン グ)』
虹色の閃光が周囲一帯を包み込む。その中心部に人影がある。特徴的なシルエットだ。
虹色の閃光が周囲一帯を包み込む。その中心部に人影がある。特徴的なシルエットだ。
黒い衣装に身を包み、太陽を象った仮面を被った謎の人物。それが近づいて来る。
神々しいその姿に息を飲んだ。
「大丈夫だよ…私に任せて」
ぺたん、と地面にへたりこむ僕の涙を指で拭ってくれた。とても安らぐ優しい声だ。
大きな手で頭をポンポンと撫でると仮面の人物は、その名を呼んだ。
神々しいその姿に息を飲んだ。
「大丈夫だよ…私に任せて」
ぺたん、と地面にへたりこむ僕の涙を指で拭ってくれた。とても安らぐ優しい声だ。
大きな手で頭をポンポンと撫でると仮面の人物は、その名を呼んだ。
「いくぞ、ヴァイス・ド・リュミエールッ!!」
仮面の男が虹の光に包まれる。その光が人型を形作り、先鋭的な姿が現れた。
その姿、まさに白騎士。
「はぁぁぁぁッ!」
煌めく白刃が黒い機巧人器の両腕を断つ。一瞬の出来事だ。
黒い機巧人器は工場の大きな鉄の壁へ吹き飛ぶ。
「舞い上がれッ!」
剣を捨て急加速で敵まで突っ込み、相手の胸に拳を叩き付ける。すると、腕の付け根から煌めく粒子が漏れ出し、唸りを上げて敵ごと空へ飛んでいく。
「コイツで決める…はぁッ!」
白騎士の胸の装甲が十字に展開する。その中心に光が集まっていく。
白から赤。赤から青。青から黄色。黄色から緑。緑から紫。紫からオレンジ。
煌めく白刃が黒い機巧人器の両腕を断つ。一瞬の出来事だ。
黒い機巧人器は工場の大きな鉄の壁へ吹き飛ぶ。
「舞い上がれッ!」
剣を捨て急加速で敵まで突っ込み、相手の胸に拳を叩き付ける。すると、腕の付け根から煌めく粒子が漏れ出し、唸りを上げて敵ごと空へ飛んでいく。
「コイツで決める…はぁッ!」
白騎士の胸の装甲が十字に展開する。その中心に光が集まっていく。
白から赤。赤から青。青から黄色。黄色から緑。緑から紫。紫からオレンジ。
そして、虹色へ変わる。
「七色の罪達よ、我に従い、我を讃え、我を阻む敵を討て!我が名は太陽の子アポロン…アポロンが命ずる」
飛ばした腕が戻ってくる。と、同時に光の収縮のチャージも完了した。
「放てッ! ス ペ ク ト ル ・ エ ク ス テ ン シ ョ ン ! ! 」
白騎士から光の奔流が解き放たれる。何条もの光の束が織り重なり合い、天へ上る。
とても神秘的な光景だった。
黒い機巧人器は、その虹色の輝きの中に、塵一つ残さず消滅した。
とても神秘的な光景だった。
黒い機巧人器は、その虹色の輝きの中に、塵一つ残さず消滅した。
僕は圧倒された。学校で見た生徒同士の戦いとは比べ物にならない、強く、それでいて幻想的な戦闘。涙はもう乾いている。
白騎士を見ると先ほどとは変わっていた。純白の身体は灰色に濁り、まるで石像の様な姿に変わり果てていた。その背から仮面の人物が出ると、白騎士は最後の光を放って跡形もなく消え去った。
「大丈夫だったかい?」
と、仮面の人物。
「は、はい!僕は大丈夫です」
「ははっ、可憐な女の子の顔がホコリだらけじゃないか」
マントで顔を拭われる。
「…結局ここにも無かったか。でも君に出会えて良かったよ氏神スバル」
仮面の人物は左手にはめたリングを外すと、
「君にコレをあげるよ。君になら“ヴァイス”を託せる。大事にしてやってくれ」
そう言うと仮面の人物は去ろうとする。
白騎士を見ると先ほどとは変わっていた。純白の身体は灰色に濁り、まるで石像の様な姿に変わり果てていた。その背から仮面の人物が出ると、白騎士は最後の光を放って跡形もなく消え去った。
「大丈夫だったかい?」
と、仮面の人物。
「は、はい!僕は大丈夫です」
「ははっ、可憐な女の子の顔がホコリだらけじゃないか」
マントで顔を拭われる。
「…結局ここにも無かったか。でも君に出会えて良かったよ氏神スバル」
仮面の人物は左手にはめたリングを外すと、
「君にコレをあげるよ。君になら“ヴァイス”を託せる。大事にしてやってくれ」
そう言うと仮面の人物は去ろうとする。
「あの…貴方は一体?!」
「正義の味方…太陽の子、アポロン…とでも呼んでもらおうかな?」
仮面の人物、アポロンはその言葉を残し、消えた。
「正義の味方…太陽の子、アポロン…とでも呼んでもらおうかな?」
仮面の人物、アポロンはその言葉を残し、消えた。
そして、これが僕の中学生活初日の出来事でした。
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