屍術師の試み ◆j893VYBPfU


えーっと…。まだ頭がボンヤリする。
上手く思い出せないなぁ。

あたしは、ソノラ
うん。これは間違いないよね?
よしよし。ゆっくり思い出していこっと。

今から、ちょっと前になるのかな?
カイル一家に久し振りの大仕事が入ったって事で、
これでまた大砲が撃てるって大はしゃぎしてたんだけど。
仕事前に砲の手入れをしていた所で、急に目の前が暗くなって…。

気が付いたらあのヴォルマルフって名の金ぴかのオジサンが
「これから、殺し合いをしてもらう」ってワケわかんない事言ってきたから
ぶーぶー文句言おうしたら、先頭にいたものすごくでっかい人が、
あたしより先にあのおじさんにケンカしかけにいって。
それであのおじさんがぺちゃんこになるかと思ったら、
そのひとが逆にやられちゃって首がぼーんと飛んで…。
ビックリして腰が抜けちゃった間に、また変なところに飛ばされちゃったわけ。

で、問題はその後よ。その「殺し合い」の為だと思うけど、
大きな拳銃が渡されてたから、喜んでバッグから取り出して弾を装填して構えてみた時。
手からからじんわりと石になっちゃって、そのままビッシリ固まっちゃったの。

あの時はもうダメだなー、って思ったんだけど…。
ついさっき、二バスって人の良さそうなおじいさんに助けられ、
今はリチャードさんって薄気味の悪そうな人と三人でこの森の中にいる。
これで、まあ間違いないよね?

うー…。まだ頭がボンヤリする。大丈夫かな?
何か忘れているような気もするけど、ま、いっか。
忘れるってことは、大したことじゃなさそうだし。

「そうそう、あなたが眠っている間に『放送』というものがありました。
先ずはそこから整理しますか。」

それで、今はニバスさんがあたしにもわかるように
丁寧にお話しをしはじめたってところかな?

          ◇          ◇

ニバスさんとあたしは、焚き木を囲んで向かい合う。
やっぱり、この季節の夜にお腹出してるとちょぉっと冷えるなぁ。
うー。でもガマン、ガマン。
あとでお腹下さなきゃいいけど…。

リチャードさんは、あたし達の会話中見張りをしてもらう事になった。
あたし達が話した内容は、後ほどニバスさんから伝えるみたい。
あんまり頭を使うムズかしいことは、全部こっちに任せるってことらしい。
でも、頭使うのはあたしのほうがもっとニガテなんだけど…。

それであたしがちょっと不満な顔をすると、
ニバスさんは優しくこう説明してくれた。
そもそもリチャードさんは呪いで口が利かないから、
無理言って筆談や手話をさせて参加してもらうより、
あとでまとまった内容を聞かせるほうがテンポが良いって。

ちょっと大変だな、リチャードさん…。
最初はちょっと気味が悪いって感じがしたけど、かわいそうに思えてきた。
あのままだと、ずっと普通に会話もできないってことか。
早く、呪いを解く方法でも見つかればいいのにな。

「では、治癒魔法をかけながらの会話で真に申し訳ないのですが、
 時間は有効に活用したいので、その辺りはどうか容赦して頂きたい。
 あの空間で彼が話していた“危険エリア”を申し上げます。
 筆記用具をお貸しいたしますが、印を付ける準備はよろしいですか?」 

ニバスさんは脇腹に掌を当てながら、あたしに顔を向けそう話しかけてくる。
ニバスさんの掌は、灯火のように仄かに輝いたままだ。
あたしはあわてて自分のバッグから地図を取り出し――――。

食料と水、地図、方位磁石、時計、参加者名簿っと…。

――なんだろ、この違和感。中身がちょっとだけ違うような…。

ま、気のせいだね。さぁて、チェックしていきますか?

――B-4、E-4、F-8

ん、よし。チェック終了ー。
今はG-5の森の中にいるってことだから、全部ここじゃないね。
でも、この禁止エリアの配置って、全部物凄くテキトーに見えるんだけど?
あのヴォルマルフっておじさん、一体何考えてんだろ…。

「…では、次に。聞き苦しい事ではございますが、死亡者の確認からいたしましょう。
 参加者名簿と、心の準備はよろしいですか?」

あたしはこくこくとうなずき、参加者名簿を取り出す。
そう言えば、この名前の羅列した参加者名簿、初めて見る…。
ごくり、と緊張で自分の喉が鳴るのが嫌でも聞こえる。

こんなの聞きたくない。
でも、どうしても聞かなきゃならない。

その死亡者の中に、もし…。もしも、よ。
アニキやスカーレル、ヤードさんがいればどうしよう…。

そんなの、イヤ!
そんなの、認められない…。
絶対にイヤ!

あたしは下唇を強く噛み、その名前が読み上げられるのをじっと待つ。

「……以上です。これら十名の方々の中に、貴方の御知り合いはおられますか?」

ニバスさんは心持厳しい口調で、私にそう問いかける。
あたしは人差し指をその唇にあてて考えてみるが、
全部聞いたこともないような名前ばっかりだった。

それに、アニキ達カイル一家の名前は、そもそも名簿の中にはなかった。
アニキ達がこんな事に巻き込まれなくて…。ホント、良かった。
そう思うとほっとしたような…、さびしいような…。
思わず溜息が出るが、同時にちょっとだけ不安になる。
逆を言えば、アニキ達を頼る事も出来ないってことだから。

「んーと。ごめんなさい。
 あたしの知り合いは一人もこっちには呼ばれてないみたい。」

あたしは、参加者名簿の名前をもう一度確認する。
やっぱり、知っている名前といえばアズリアぐらいだ。
でも別に知り合いって訳じゃないから、間違ってはいないよね?
その事だけはとりあえず黙っておく。
実は自分が海賊だから、軍人のあの人を避けているんだって言ったら、
メンドーな事になっちゃうかもしれないし。

「そうですか、それは不幸中の幸いだったですねぇ。
 亡くなった方々については、お気の毒でしょうが。
 …ともあれ、これで放送内容は以上です。お疲れ様でしたねぇ。」

ニバスさんはそういうと深い溜息を付き、ひどく落胆したような表情になる。
あたしに仲間が誰一人いないって事は、当然仲間を集めてここから脱出したり、
あのヴォルマルフっておじさんをぶっ飛ばすのが難しくなるから。
ニバスさん、期待はずれでごめんなさい…。
でも、そう言えばニバスさんにも知り合いがいるかもしれない。

「…ちょっと聞きづらいんだけど、ニバスさんのほうは?」

意を決して、聞いてみる。

「私ですか?私はそもそも独り身のようなものですからねぇ。
 知り合いもいないわけではないのですが、いわゆる犬猿の仲ですからねぇ。」

でも、ニバスさんはいたって飄々とした態度でそう返答する。
あたしに心配かけないようにそう答えているかもしれないけど、
全然大丈夫そうだし、ここはニバスさんを信じてみるかな?
でもひどく紳士的で丁寧な方だと思ってたけど、
このニバスさんにもソリが合わないって人はいるんだ。
それは、ちょっと意外かも?

「…その人と、ケンカでもしちゃったの?」
「手短に申し上げるなら、相互不理解と立場上の行き違いでしょうかねぇ。
 私としては無用な争い事は避けたいのですが、残念な事です。」

でも、こんな殺し合いの場で知らないあたしを助けた上に、
ここまで親切にしてくれる優しいお爺さんと仲が悪いなんて、
ちょっともったいないなーと思うな。

「よーし、じゃあ任せて!あたしがその人との仲を取り持ってあげる!
 そんな人でも一緒にこんな所に呼ばれちゃったわけだし。
 海ぞk…。ゴホン。同じ船に乗り合わせちゃった時は、
 たとえ皆仲が悪くとも協力しあうのが海のルールだし!」

あたしはそう提案するが、ニバスさんはやんわりとそれを拒絶する。
でも、その時のニバスさんの顔は、少々険しいものになってた。
この優しそうな、好々爺の見本みたいなニバスさんにも、
やっぱり人を恨んだり、憎んだりすることってあるのかな?

「…ホントに、そのままでいいの?」
「ええ、構いませんよ。貴女のご厚意だけは有り難く頂戴いたしましょう。
 このような殺伐とした場で、貴女のような元気ある方に出会えた事を、
 大いなる神フィラーハに感謝せねばなりませんね。」

そういうと、ニバスさんは一転してにこやかに微笑む。
ホントに落ち着いた、謙虚そうな人だなー。
あたしには絶対マネできないなー、うんうん。

「んー。まあアニキにゃそれだけが取り柄みたいに言われているけどね。
 でも、ありがと。」

このおじいさんに褒められると、それほど悪い気はしない。
あたしの父親がもし今も生きていたら、こんな感じになってたのかな?
あたしって、アニキはいるけど親父はずいぶん昔に失ってたから。
…案外、あたしってファザコンなのかもしんない…。
「でも、フィラーハって何?なんかものすごい召喚獣っぽいけど。」
ついつい、思っていたことが口をついてしまう。

「おや、人が悪い。フィラーハは子供でも知って…。
 なるほど…、そうですね。これは失礼いたしました。
 見た所、貴女はヴァレリアを遠く離れた異邦の方のようですね。
 そしてその火薬の匂いが染み付いた出で立ちから察するに、生粋のガンナー。
 ヴァレリアでは非常に珍しい『無神論者』、ということでしょうか?
 ならば、信仰心を生来から持ち合わせぬのも不思議ではありませんね。」

…ヴァレリア?ムシンロンシャ?え、ええ?
何言っているのおじいさん?もしかして、どこか外国の人かな?
それも、ずっと遠くの地図にも載ってないような…。

「…なんかちょっと言っていることが難しいんだけど、ま、いっか。
 住んでるとこの風習とかが、きっとぜんぜん違うんだろね。」
「そのようですね。あのリチャードさんも、おそらくは異邦の戦士なのでしょう。」

そういって、ニバスさんは目を瞑り、
額に片方の手を当てて考える仕草を取る。
もう片方の手は、やっぱり治療に専念したままだ。
この人について思い当たることを、二バスさんなりに考えているのだろう。
でも、この人の連れ合いの人は、ちょっと…。

「私、あの人…。」
「あの方が、どうかなされましたか?」

思わず、イヤそうな声が出てしまう。もう、気付かれちゃってるよね?
ニバスさんは考える仕草をやめ、こちらの警戒心を和らげるように、
満面の笑顔でこちらを振り向く。

「よければ、正直にリチャードさんについて思われる所を話してください。
 貴女の言うように、これからは協力し合う仲間なンですから。
 不安の種があれば、早めに取り除いておきたいンですよ。
 幸い、リチャードさんは今席を外されておりますので。
 では、ご遠慮なくどうぞッ。」

ニバスさんは笑って、私にその思っている事を言うように促す。
顔は微笑んでいる。邪気のない、子供のように純粋な笑顔で。
顔は微笑んでいる。まるで自慢の宝物の評価を聞きたがっているみたいに。
顔は微笑んでいる。でも何故か目だけはいやに鋭い。ちょっとだけこわいな…。

やっぱり、ここで知り合った仲間の事を悪く言われるのがイヤなのかな?
でも、ものすごく聞きたがっているようだから、やっぱり正直に答えるしかないよね。

「ちょっとだけ顔色が悪くって…。手がひんやりして…。
 それに、ふいんきがちょっとだけこわいかな。
 そういえば『呪いを掛けられた』って言ってたから、その影響かも?」

あたしは、思った事をそのまま全部口に出す。
リチャードさんが元々気難しい人なのかもしれないけど、
呪いの事と言い、全てあの人が悪いってわけじゃないからね…。

「なるほど。やはり少々顔色が悪く、体温も下がったままということですか。
 特別に血色がよくなり、身体が暖かくなる薬湯を処方しておいたンですが…。
 あまり効き目はなかったようですねぇ。」

ニバスさんは頷くと、他に少しでも変わった様子はなかったかどうか念入りに効いてくる。
あたし、召喚魔法っぽいの使ってるからニバスさんの事てっきり召喚師かと思ってたけど、
こう会話すると物凄く人体にも詳しいから、もしかするとお医者さんなのかもしれない。
そういえば、焚き木の上で何か色々と煮込んでいた跡があったけど、
あれってリチャードさんの為に用意した薬湯だったのか…。
…ホント。凄く思いやりのある、とっても良い人だ。

「よし!決めた!リチャードさんの呪いの事なら、私も手伝ってあげる!
 これからは仲間同士、しっかり助け合わないとねっ!!」

あたしはそう答えると、ニバスさんは笑顔で大きく頷く。
リチャードさんの事でとても喜んでいるみたいだけど。
なにか、こうひっかかるような…。
ちょっと喜んでいる理由が、違うような気がする…。
『ふむ。我が子の時より、さらに…。』
とか満足そうな声が聞こえたような気もしたけど、
一体なんなんだろ…。

「ですが、このままでは色々と誤解を招きそうですね。
 …リチャードさん。やはり兜をかぶりなさい。」

ニバスさんはそれを聞くと頷き、
彼は黙って、脇に抱えていた黒い兜をゆっくりと被る。
リチャードさんは、出会ったその時から漆黒の甲冑を身に纏っていた。
今までリチャードさん本人が気になって
鎧のほうはほとんど注目してなかったけど。
こうしてみると、鎧も負けず劣らずもの凄く怖そうね。

漆黒の鎧、漆黒の籠手、漆黒の具足…。
これに今漆黒の兜が加わり、全身が漆黒に覆い尽くされる。
そうなると、その周辺だけが黒く塗りつぶされたような…。
傍にいるだけで不安な気分になる。

この夜中でもなお一段と暗い、その艶やかな黒っていうのはすごく目立つ。
漆黒の鎧って、ちょっと怖い印象があるけど、
こう完成されてみると、また大部趣が変わるわね…。

でもこの鎧からにじみ出るような、
怖さとも違った独特の空気みたいなのはなんだろ?
ヤードさんが一度どこかから持ってきた魔剣みたいな、
こう選ばれた神秘的なふいんきを全身から感じちゃうな。
危なっかしいような、澄ましたような…。
軽々しくさわっちゃいけないような…。

うん。でもリチャードさんがこうしていると、
ちょっとだけ頼もしくて格好いいかも。
なにかダーク・ヒーローみたいで。

「うわあ…。こうやってみると、結構いかついわね…。」
「支給品の鎧のようですが、このほうが違和感は薄れるでしょう。」

二バスさんは、こうして武装した黒騎士となったリチャードさんを、
どこか立派になった我が子を見るような、懐かしむような、
愛おしむような満面の笑顔と視線で眺めていた。
あ、そういえば『我が子がどう』とか呟いてたっけ。
リチャードさんから、その人のことを思い出してるのかな?

確かに二バスさんぐらいの年なら、一人や二人子供がいても…。
ひょっとすると孫だって居てもおかしくない。
私みたいな娘も、もしかするといるのかな?
そんな取りとめもないことを考えていると、
二バスさんの方から話しかけてきた。

「ところで、異邦の方なら一つお聞きしたいのですが。」
「ん?どしたの、ニバスさん?」

「このクリスタルに、見覚えはありませんか?」
ニバスさんはそういうと、懐から白く淡い光を放つ、
四角錐の底辺が二つ重なっている水晶を取り出した。
どうやら道中で拾ったとの事らしいが、その光自体が只事ではない。
まるで生きているかのように、仄かに明滅を繰り返している。

「ごめんなさい。あたしにもちょっとよくわからないわ。
 誓約済のサモナイト石っぽくも見えたんだけどね?」

そう。この何かを封じたような輝きは、
誓約済のサモナイト石にとてもよく似ている。
でも、これは違うものだ。それだけは理解できる。
召喚獣のような恐ろしいものではなく。

そう、例えるなら。
切ないような。
悲しいような。
何かを泣いて訴えかけてくるような。
そんな小さく儚げな、蛍灯のような。
これから消えゆく、仄かな輝き。

「…サモナイト石?それは一体、どのようなものでしょうか?」

ニバスさんは意外にもそう聞いてくる。…え?
ニバスさんって、召喚師じゃなかったの?
今脇腹に手を当てているのも、治療の召喚術か何かじゃなかったの?
それに、誓約の儀式やサモナイト石の事なんて
リィンバウムじゃ誰だって知っていると思うけど。
それを全く知らないって、ゼッタイありえないわよ?
でも、冗談を言っているようにも思えないし…。
思わず、その疑問を口にしてしまう。

「いえ。残念ながらその事については寡聞にして存じ上げません。
 …そうですね。もしよろしければ、サモナイト石について、
 貴方の知っている限りのことをお聞きしたいのですが。」

ニバスさんはいたって真面目な表情であたしに聞き返してくる。
…一体全体、どういう事なんだろ?

「んー。変なの。じゃあお話しするけど…。
 ホントにあたしなんかの説明で大丈夫?」

ニバスさんは至って真剣に、あたしの顔を覗き込みこくりと頷く。
ほとんどヤードさんからの聞きかじりに近くなっちゃうんだけど…。
大丈夫かな?あたしなんかの素人のお話しで。

「ええ。少々、思うところがあるンですよ。
 是非、貴女の口からお聞きしたいンです。
 貴方からでなければ、意味がないンです。
 どのようなわずかなことでも構いません。
 …どうか、よろしくお願いいたしますよ。」

ニバスさんは珍しく、少し興奮気味にあたしに尋ねる。
ニバスさん、あたしを必要としてるんだ…。
そう思うと、ちょっぴりうれしい。
だったら、ぜひ答えてあげなきゃね!

「え…と。じゃあ、すこし長くなるけど始めるね?ニバスさん」

          ◇          ◇

二バスさんは、時に頷き、時には熱心に
聞き入りながらあたしにその先を促す。
そうしているうちに、あたしはリィンバウムの
召喚術について知っている限りの情報を話していた。

「…なるほど、そういう事ですか。
 これまで勘違いしておりましたが、これで確信いたしました。
 我々は異邦の者同士などではありません。」

話しを全て聞き終え、そしてニバスさんが開口一番に出た言葉はこうであった。

「…ん?っていうと…。」
「異世界の者同士、ということですね。
 貴女の世界の言葉でたとえるなら、
“リィンバウム”と、“名もなき世界”のような。」

え?ええ?!それって、どういう事?
異世界、って一体、ナニ?

「私は確かに召喚術も嗜みますし、試みた事がないとはいえ、
 知識として異世界の存在の召喚の事なら存じあげております。
 ですが、リィンバウム、ロレイラル、シルターン、サプレス、メイトルパ…。
 貴方の仰るような異世界の名を、私は寡聞にして存じ上げません。」

ニバスさんは口調こそ淡々としているが、
口元をほころばせ、目を爛々と輝かせて話しを続ける。
自分だけが世の中の真理を知った、
その嬉しさを隠しきれないような、
物凄く偉い発明者みたいな感じ。
そういえば、ヤードさんも召喚術で
何か気づいた時もあんな顔をするけど…。
学者さんって、みんなこういうものなのかな?

「では、私からも貴女にお聞きいたしましょう。
 貴女は風神ハーネラ、炎神ゾショネル、水神グルーザ、大地バーサ、光神イシュタル、
 暗黒神アスモデの六大神の名を、どれか一つでもご存じなのでしょうか?」

ニバスさんはちょっと良く分からない単語を並べる。
そして、さらにたたみかけてくる。

「そして何より、オウガバトルの物語を貴女はご存じですか?」

う…。ごめんなさい。なにがなんだかさっぱりわかんない。
あー、駄目だ。知恵熱起しちゃいそう。ぷすぷす…。
そんなあたしを見てとったのか、ニバスさんは優しく子供に話すように付け足す。

「実は今お話しした言葉は、私の暮らす世界では子供でも知っている神の名と、
 それらが活躍したお伽噺の内容なのです。」

それで初めて納得する。
ニバスさんは、同じ世界の内容の人なら
誰でも知っている事をあえてあたしに聞き、
そして話しかけ、異世界の人間なのかどうかを確認していたんだ…。

「では、最後にソノラさん。今から私が話す内容をそのまま復唱してみてください。」
「ええ、いいけど?」

ニバスさんはそういうと、荘厳な雰囲気で口ずさむ。

「…ラボン・オリアス・ザン・フォン、デストニア・レラ・フィーナン。」
「『我が娘オリアスに永遠の愛を…。』って、いきなりどうしたの?」

ニバスさんがなにか試していることはなんとなく雰囲気でわかるけど、
それ以上に、そっちのの口ずさんだ内容に驚き、思わず尋ねてしまう。
…っていうか、おじいさんに娘がいたの?

「ええ。今では仲違いしてしまいましたがね。ちょうど貴女と同じ年頃の娘ですよ。」

ニバスんはあたしの独り言に、律儀にそう答えて微笑む。
あたし、もしかしてニバスさんの娘みたいに見てくれているのかな?
だったとしたら、ちょっとだけ嬉しい。

「まあ、それはさておき。」
「貴女のリィンバウムの召喚術における会話で確信いたしました。
 私達はあのヴォルマルフという騎士に“召喚された”と思われます。
 私の住まうヴァレリアは、貴女がたの言う言葉で当てはめると、
“名もなき世界”の中の一つ、と言ったところでしょうか?」

ニバスさんの推論は、尚も続く。

「異世界のものを“召喚する”魔法が存在する以上、
 異世界のものに“召喚される”という事態が発生するのも考えれば当然の事です。
 そのようにして、私達はあのヴォルマルフという騎士に
 なんらかの基準によって選ばれ、この場に召喚されたと思われます。
 そして先ほど、貴方達の世界の召喚術は
 『召喚された存在に、自然と言葉がわかる力を同時に与える』と私に仰りました。
 そうなれば、おそらくは貴女の世界の召喚術によって私達は召喚されたのでしょう。」

「実は先ほど私が口にした言語は“古代神聖語”と呼ばれる、
 同じ世界でも研究者のみしか知り得ぬ言語。
 異世界の住民同士の会話にも関わらず、日常会話はおろか、
 そのような難解な言語すら通じる事実が先程の見解の根拠です。
 私達はいわば、貴女達の世界で言うところの
“召喚獣”といったところなのでしょうね。」

「そして、召喚する術があるならば、その逆の術もまたあるはず。
 そう。喩えるなら“送還術”とでも申し上げればよろしいのでしょうか?
 あのヴォルマルフが素直に私達を送還してくれるとは思えませんから、
 まずはその方法を我々の手で捜索する事を先決といたしましょう。
 それを用いれば、おそらくはこの閉鎖された空間からの脱出も可能かもしれません。
 貴方がたの世界の召喚術に詳しい人物をお探しするか、
 または召喚術に関する手掛かりをこの会場から捜索するのがよいかもしれませんね。
 いわゆる“はぐれ召喚獣”となる事は、この際覚悟して頂くしかありませんが。」

すごい…。
二バスさんの推論に、あたしでも思わず聞き入ってしまう。
その考察は適格なもので、凄く説得力がある。
あたしなんかの会話から、実にいろんなことを読み取っていく。
ここまで知識の豊富なおじいちゃんが傍にいれば、
今の状況も、もしかするとなんとかしてくれるかも?

「ヒューヒュー!すごいよ二バスさん!そこまで気が付くなんて!
 二バスさんがいれば、あのヴォルマルフっておじさんから逃げ出すこともワケないかも!」

あたしは目を輝かせる。
二バスさん、『白馬の王子様』というにはすごく歳を取り過ぎているけど、
騎士を導く賢者様とか、そういう役割がピッタリきそうな人だな。うん。
じゃあ、リチャードさんはさしずめ『騎士様』って所かな?…ちょっと怖いけど。

「…ですが、もし仮に上手く逃げられたとしても、
 再び召喚されてしまえば同じ事の繰り返しです。
 ならば、どうにかしてヴォルマルフ達を見つけ出し、
 倒さねばならない事には事態は何も変わらぬでしょう。」
「ぶーぶー!折角光が見えたと思ったのにぃー?!」

…ま、そりゃそうよねぇ。あのヴォルマルフっておじさんが
一体何考えてるかさっぱりわかんないけど、
こんなところにまで呼び出して殺し合いをさせたい以上、
そうそう簡単に逃がしてくれるとは思えないからね。

そうなると、やっぱりあのおじさんをぶっ飛ばすしかないのか…。

「でも、まっかせといて!二バスさん。
 銃さえあればどんなのが敵だろうとバンバン撃って、
 そんでもってバンバンやっつけちゃうから!
 もっちろん、二バスさんを守った上でね。」

あたしは銃をくるくると回しながら、
ふぅと銃口に息を吹きかけて笑顔でそう答える。
二バスさんはそんなあたしの顔を見て微笑んだ。

「そうですか、それは私も一安心ですねぇ。」
 ところで、申し訳ありませんが、そろそろ精神力が限界のようです。
 貴女から聞いたことから考えられる事を少し整理したいのと、
 休憩の為に少し仮眠を戴きたいのですが、よろしいですか?」

そう。見れば、二バスさんの眼にはクマが出来ており、
時折舟を漕ぎ、目をあけることもつらそうにしている。
脇腹の腫れこそ引いてはいるものの、
そちらを押さえていた掌にはもはや輝きはなく、
だらりと下がっている…。

そう、見るからに二バスさんはぐったりとしていた。

そうだ、てっきり忘れてた…。
二バスさん。会話をしながら、ずっと治療を同時に行ってんだ。
どうやら、それでホントに疲れきっているらしい。
それでも、さっきまで無理して頑張ってたんだ。

あたしのために。そしてリチャードさんのために。
そんないい人のために、今度はあたしが頑張ってあげないとね。

カイル一家の掟にもあるからね。
『苦難を同じくした者には、敬意と友愛をもって接するべし 』って。

「…え、あ!うん。いーよ。二バスさん怪我人だし、しっかり見張っているからゆっくり休んでって!」
「では、貴女のご厚意に甘えて、そうさせて頂きます。仮眠中の事はよろしくお願いいたしますよ?」

二バスさんはそういうと、途端に眠気の限界が来たらしく
倒れこむようにその場で横になり、そのまま静かな眠りに付く。

でも、こんなところで長い間寝ちゃうと、風邪引いちゃうかもしれないわね。
ホントは近くの城か住宅街で睡眠取った方がいいんだけど…。
支給品に毛布ぐらいあってもよかったのになー。
ぶーぶー。

まー随分頑張ってたみたいだし、後で膝枕ぐらいはしてあげよっかな?
なぜか、この人といるとひどく落ち着く気がするし。
パパって、もし今もいたとしたらこんな感じだったのかもしれないな…。
それに、この場で見かけた、話しのできるたった一人の仲間だから。
あたしはそんな事を考えながら、銃の手入れと装弾の確認を始めた。

          ◇          ◇

疲労の限界に達した二バスは、そのまどろみの中で
ソノラが期待している事とは全く別次元の思考にあった。

“会場”からの脱出を行おうというつもりは、今の二バスには全く存在しない。
先ほどのソノラに話したように、たとえ脱出した所で
もう一度召喚されれば同じ事の繰り返しとなるのだから。

そして、この“会場”からの脱出を考えるならば
主催者達を手段を選ばず排除するしかないわけだが、
ニバスは彼らと無理に事を構えたいとは全く思わない。
このゲームの主催者達はこの巨大な会場を用意し、
数多ある世界から参加者と武器を揃え、
こうして殺し合いをさせるだけの力があるのだ。

そもそも、いかにあがいたところでこのゲームの参加者達風情に
容易く倒されるような矮小な存在ではないとニバスは推測している。
英雄的自殺行為に、ニバスは興味など全くない。

むしろ彼らと友好関係を築き、この“会場”を
自らの実験施設として譲り受けたいとさえ考えている位だ。
その際に、自分自身を含めた肉体が崩壊したはずの参加者達さえ蘇らせ、
異世界の存在を召喚する“この世界の魔法”も
いずれは手に入れてみたいという野心もある。

実験施設には、常に消費されるモルモットの補給が必要不可欠なのだから。
だが、それらは優勝者への褒美として要求すれば得られるであろう。
これについては、そう慌てる必要はない。

そう、二バスもまた死からの生還者であった。
過去の遺物によって人間を超越し、不死の力を手に入れたものの、
死者の宮殿最深部でデニム・モウンに倒され、その肉体は完全に崩壊したはずであった。
だが、その肉体は人間としての生を再び得、こうして“会場”に召喚されたのである。
自らの身をもって行われた奇跡を、ぜひとも解明したい。
二バスの脳内は、やはり屍術による不老不死の研究に取りつかれたままであった。

そして、一方でニバスはこれまでの実験成果を自慢したくもあった。
先ほど、ソノラにリチャードを挨拶させたのは、単にそれだけが理由である。
本来、アンデッドをわざわざ生者に見せつけて品評を行わせるなど自殺行為である。
過去にある程度成功した例である我が子デボルトの場合ですらも、
間近で見れば生者ではないと一目で露見するほどの酷い有様であった。
それならば、単に支給品の甲冑を着せた上で、ソノラに紹介すればよいだけの事。

だが、今回のリチャードは己が屍術の中では、我が子すら凌駕する最高傑作であった。
精神の崩壊は相変わらずだが、肉体面においては細胞の崩壊は全くなく、
ある程度だが体温すらも存在し、一見して生者にすら見えるほどの出来であるがゆえ。

ここまで“リチャード”の完成度が高まった背景には、
屍術に必要な薬草の類がこの森の中で現地調達出来た事、
殺害したリチャードが極めて優れた肉体的能力を持っていた事、
また金髪の青年(ムスタディオ)という損傷部分の代価物も
傍にあったという数々の幸運に恵まれたこともあるが、
ニバスが金髪の青年に施した屍術の失敗から学んだ点も多かった。

そう。あの金髪の青年は、決して無駄にはならなかったのだ。
ニバスにとっては嬉しい誤算とも言える。

無論、リチャードがアンデッドであると気がつかれた場合は、
ソノラをやはり始末しなければならなかった。
だが、己の作品が至高の完成度を誇った時、
二バスの研究者としての欲望と探究心が、
第三者による客観的な品評を行わせずにはいられなかった。
そして、その評価は満点とは言えぬものの、
見事合格点と呼べるものであった。
その点は、ソノラにとっては幸運だったかもしれない。

そして、そのリチャードにはあの堅牢極まる鎧を与えたのだ。
もはや滅多な事では敗れはしまいだろう。

『女神の祝福を受けた鎧』

ニバスの支給品の説明書きにはこの黒い全身鎧の名はこう記されてた。
そして、後の機能説明にはこうも記されていた。

「大陸テリウスを創造した女神がその祝福を与えた黒き甲冑。
 ベグニオン帝国総司令官ゼルギウスが帝国宰相セフェランの密命を帯び、
 大陸を滅ぼさんとすべく暗躍した際に愛用していた全身防具。
 女神の祝福により、あらゆる物理的攻撃・魔法攻撃を遮断する。」

この見るからに只ならぬ甲冑の存在を鞄の中から確認した際、
ニバスは早速自分での装備を試みていた。
だが、体格が全く合わない上に装備の重量で動きが大きく鈍ってしまい、
自らには使いこなせぬと装備を諦めていた余りある代物である。

念のため金髪の青年(ムスタディオ)にも一度着せてはみたのだが、
結果は全く同じ有様であった。これに見合う体格がなければ、歩行する事すら厳しい。
如何に優れた鎧を手に入れようとも、身動きが取れなければそれは鋼鉄の棺桶も同然である。
そのため、新しくこの甲冑を着こなせる体格がある実験体が完成する時が来るまで、
鞄の中に長く眠らせていたものであった。
この中に収納している限りは、重量を感じさせないが故に。

それがリチャードという破格の肉体を今得て、ようやく日の目を見る時が来た。
その驚異的な防御力は、すでに検証を済ませてある。
疲れを知らぬ不死者に、あらゆる攻撃を防ぐ鎧。
ニバスはここに来て、最高の駒を得たと一人ほくそ笑んでいた。
もしこれで説明書に「漆黒の騎士」の名が一つでもあれば、
二バスはリチャードに“漆黒の騎士”を名乗らせていただろう。
だが幸か不幸か、その名は一切記されてはいなかったが。

最後に、あの金髪の青年の肉体を完全に破壊した時に光を宿した
クリスタルについては、後ほど詳しく研究する必要がありそうだ。
タイミングから考えれば、あの青年の魂がこのクリスタル
にでも宿ったとでもみるべきだろう。
ならばその肉体だけでなく、その魂もまた
今後有効利用できる機会があるかもしれない。

流石に自らを殺したものにはいくら話しかけようとも
何も語りかけることはないだろうが、その方法もゆっくりと考えればよい。

あの少女が言うには、この光る石は誓約済のサモナイト石に似るとも言った。
ならば、この世界の召喚術を知れば、このクリスタルの内に秘める
この青年の魂を使役することもまた可能ではないだろうか?
石に召喚獣を封じて使役するのと、人間の魂を封じて使役する事に
違いなどほとんどないだろうから。

これまでの為に。
これからの為に。
調べるべき事、知るべき事は実に多い。
そして為すべき事は山ほどあるのだ。

――全ては、不老不死という夢の実現の為に。

ニバスはたとえ何度その身が滅びようとも人類の歪んだ夢を執拗に追い求める、
どこまでも貪欲なる知識の亡者であり、敬虔なる求道者でもあった。

【G-6/森/一日目/夜(放送後)】
【ニバス@タクティクスオウガ】
[状態]:肋骨骨折(魔法により応急措置済、行動には支障なし)、精神的疲労(極度)、仮眠中
   ※背中の打撲傷は完全に治療済です。
[装備]:ビーストキラー@暁の女神、ムスタディオのクリスタル(魂付)@FFT
[道具]:支給品一式×2、拡声機、光の結界@暁の女神
[思考]1:保身(現在は疲労回復)を最優先、実験材料(死体)の予備を確保。
   2:最終的に優勝を狙い、この島を屍術の実験施設として貰い受ける。
   3:研究の手掛かりになるかもしれない為、とりあえずはこの世界の召喚術について詳しく調べてみる。
   4:金髪の青年(ムスタディオ)のクリスタルに興味。サモナイト石の亜種ではないかと推測しています。
   5:ソノラを手駒として扱うため、しばらくはできるだけ信頼を得られるよう振舞う。
   6:ただし、ソノラには用済みになるか、本性に気づかれた時点で始末する。

[備考]:Nルート死者の宮殿最深部での死亡後からの参戦です。
    サモンナイト世界についての情報を得ました。
    上記の知識と異世界であっても言葉が通じる事や、
    人物名簿がお互いに解読できることから、
    参加者全員がサモンナイト世界の召喚術により呼び出され、
    自動翻訳や読解の力が付与されているのではないかと推測しております。
    首輪により何らかの能力制限が課せられていることを確信しました。
    二バスはひとまずの所、ソノラに信頼を得られるよう振舞ってはいます。
    考察については嘘偽りはありませんが、脱出については本音では塵ほども考えてません。
    ただ静かなで気ままに実験が出来る施設と研究素体が豊富に手に入れる事が
    出来れば後の事はどうでもよく、リィンバウムの召喚術も実験体確保の為の
    便利な手段となるので出来れば欲しい程度です。

【ソノラ@サモンナイト3】
[状態]:健康
[装備]:リムファイアー(7発消費・残弾不明)
[道具]:支給品一式、弾丸(24/24、他の銃に利用可能かどうかは不明)
[思考]:1:ニバスさんは私が守る! でも、ちょっと責任重大だな…。
    2:リチャードって、この人なんか嫌だな…。でも、可哀そうな人だし、仕方ないっか。
    3:あれ?そういえば他にも何か持ってたような? …ま、いっか。
    4:あ、二バスさん達を襲った人達の特徴、聞き忘れちゃった…。

[備考]:ソノラの基本支給品一式は、本来ムスタディオが所有していたものです。
    ニバスが代わりに黙って用意したものですが、彼女はその事に全く気付いてません。
    ヒスイの腕輪のことを完全に忘れ去ってしまっております。
    石化銃は石と化していた場に捨てられたままとなっています。
    また、ソノラは二バスを完全に信頼しております。

【リチャード@TS】
[状態]:デスナイト
[装備]:折れたヴォルケイトスの先端、柄@TO
   :女神の祝福を受けた鎧@FE蒼炎の軌跡
[道具]:空のザック
[思考]:ニバスを守り、他の参加者を殺す

【女神の祝福を受けた鎧@FE蒼炎の軌跡】
本来は漆黒の騎士が身に纏っている、威圧的な外観の黒い全身鎧。
世界を創造した女神の祝福を与えられているため、
あらゆる物理的攻撃、魔法攻撃を完全に遮断することができる。
これを傷つけられるものは同じく女神の祝福を受けた武器のみだが、
制限によりそれに匹敵する存在であればダメージは与えられる。
【暁の女神】から三年前のナドゥスの砦での戦いにおいて、その加護は失われたはずの代物。
あくまでも鎧が無敵であるだけで、装備者が無敵と化すわけではない点に注意。

※ニバスは支給品としてこの漆黒の騎士の甲冑を与えられましたが、
己やムスタディオの体格に合わない上に重量がありすぎて動きが鈍るため、
今まで(内包している間は重量を感じさせない)鞄の中に眠らせていました。
なお、この鎧の本来の持ち主の事に全く気付いておりません。

【デスナイト@タクティクスオウガ】
屍術師ニバスが不老不死を実現するために死体を改造して創った人工生命の実験体。
パワー、スピード、どれをとっても生前の能力をはるかに上回っている。
通常のアンデッドとは異なり、イクソシズム等の除霊手段は通用せず
物理的・魔法的手段で完全に肉体を破壊するしかない。

※ニバスはリチャードの死体をベースに、欠損部分は
ムスタディオの肉体を用いてデスナイトを創造しました。

【ムスタディオのクリスタル(魂付)@ファイナルファンタジータクティクス】
アンデッド化したムスタディオの肉体が完全に破壊されたことにより、
その彷徨える魂が彼の装飾品であるクリスタルに宿ったもの。
四角錐の白い水晶の底辺を二つ重ね合わせた形をしており、淡く輝いている。
原作通り、クリスタルを使用することで生前にムスタディオが
修得していた技能の幾許かを継承するか、傷と疲労(HP・MP)を完全回復することが可能。
一度使用すれば封じられた魂とその輝きは完全に失われ、何の役にも立たない飾りへと戻る。

※なお、二バスはその使い方が分かっていないため、自分の首に掛けたままとなっています。

086 獣の決意 投下順 088 愛にすべてを
086 獣の決意 時系列順 088 愛にすべてを
078 屍術師の企て ソノラ 112 きみとふたりで
078 屍術師の企て ニバス 112 きみとふたりで
最終更新:2010年12月25日 23:13