米軍の極秘部隊ゴーストが、ロシアのウルトラナショナリスト(超国家主義)集団「レイヴンズ・ロック」が企てた大規模な陰謀に立ち向かう。
Future Soldierとある通り、発売当時の"近未来"である2024年の戦場を描いている。そのためドローン、四足歩行ロボット[WARHOUND]からAR(拡張現実)デバイス[CROSS-COM 3.0]、EMP弾、マグネティックセンサー、X線スコープ、光学迷彩までといった一歩進んだガジェットが多数登場する。
ゲームのプロモーションおよび前日譚として、実写ショートムービーGhost Recon Alphaが約10億円の制作費をかけて制作された。
ゴーストは米陸軍の少数精鋭4人の分隊で構成され、"幽霊"のように痕跡を残さないインビジブルな軍事オプションとして、政治的リスクの高い劣勢地域でのAFO(Advanced Force Operations)を遂行する。
チェリャビンスクの廃棄施設。大量破壊兵器の取引現場に潜伏していたゴーストは、狙撃により両者の交渉が決裂したように見せかけ妨害するが、核弾頭の無力化作業中、同じく隠れていた謎の第3勢力の襲撃に遭遇。戦闘ロボットと光学迷彩を装備した特殊部隊を相手にゴーストは戦死者を出しながら応戦するがコンテナを奪われてしまう。ロンドンの風景が映し出されto be continued.
後にゲーム本編でロンドンにミサイルが発射され、襲撃者の正体がクーデター側についたスペツナズのボダーク(狼男)部隊であることが判明する。
世界を不安定化させ、西側諸国に打撃をもたらし、ロシアの政権を転覆させるため、レイヴンズ・ロックは行動を開始する。
CIAからニカラグアで不審な軍用車列が北上しているとの通報を受けた米北方司令部(NORTHCOM)は、その車列の積荷と目的地が不明であることに懸念を持った。JSOC統合特殊作戦司令部は4人編成のゴースト分隊「PREDATOR」をニカラグアに派遣し、貨物の停止と検査を命じた。
人里離れた山道沿いに待ち伏せすることを選択したPREDATORチームは輸送隊のドライバーと護衛の傭兵を素早く排除し、トラックの中身の検査を開始した。
貨物トラックに乗り込んだPREDATORは、ダーティボム(放射能爆弾)が詰まった木箱を発見し、直ちに司令部に事態の進展を連絡しようとした最中、突然鳴った携帯電話に目を奪われた。現場から逃げようとしたゴーストたちは手遅れとなり、ダーティーボムの爆心圏内に巻き込まれ、オペレーター全員が一瞬のうちに死亡した。チームリーダーのラミレスも放射線に灼かれながら崖から転落していった。ヘルメット・カムで状況を見ていたゴースト指揮官スコット・ミッチェル少佐は成す術もなく、部下の犠牲をただ見ているしかなかった。
真相究明と爆弾の出所を探るため、ミッチェル大佐はもうひとつのゴースト分隊、「HUNTER」に任務を託した。チームリーダーのセドリック・ファーガソン大尉、ドミトリー・コザック二等軍曹、ロバート・"ペッパー"・ボニファシオ二等軍曹、ジミー・"30K"・エリソン一等軍曹がそのメンバーだ。
PREDETERの4人の遺体を回収しフォート・ブラッグに戻した後、米国の諜報機関は、輸送隊を北に送り込んだ武器商人を何人か突き止めることができた。ボリビアの麻薬密売人ガブリエル・パエスがそのひとりで、仕事に失敗したパエスは猜疑心を募らせ、組織が口封じを理由に自分を抹殺しようとしていることを恐れた。"緩んだ糸"のパエスは、すぐにCIAのエージェントと接触し、保護と引き換えに情報を提供することに同意した。これにより、HUNTERチームはボリビアのスクレに迅速に派遣された。麻薬カルテルの殺し屋が送り込まれるなか、HUNTERチームは緩んだ糸を引っ張った。
余談だが続編Ghost Recon: Wildlandsは2019年のボリビアを舞台としており本作の過去にあたる。その頃からボリビアの麻薬カルテルとロシアの超国家主義者は関係を持っていたことが示唆されている。
パエスの証言をもとにアフリカのザンビアに派遣されたHUNTERチームは、光学迷彩を大いに活用し、アンゴラの軍閥で武器商人のデデ・マカバが支配する難民キャンプに白昼でも気付かれることなく密かに潜入した。マカバを素早く排除し、武器が積まれた飛行機を妨害するために飛行場に向かった。飛行機を墜落させた直後、蜂の巣を突付いた騒ぎになり、マカバの民兵の波を食い止めることを余儀なくされた。HUNTERは飛行機の残骸からブラックボックスを確保し、それをUSAFRICOM(米アフリカ司令部)に届けた。
ブラックボックスから解読された飛行機のナビゲーションデータはナイジェリアを示していた。HUNTERチームはCIAの要請でデルタ地域の不安定化を調査していて行方不明になったエージェント、ダニエル・サイクスの救出作戦「ノーブル・テンペスト」作戦に参加する。
サイクスが調べていた民間軍事会社ウォッチゲートは表向きには石油会社がデルタの地元反対住民を黙らせるために雇った警備部門だが、彼らはここを"遊び場"として利用し、マカバのようなならず者に武器を売り渡す白紙委任状を与えられていたようだ。不安定なアフリカをさらに不安定化させようとしている(現実のロシアの民間軍事会社ワグネルのような存在)。
HUNTERは村に潜入してPMCオペレーターから情報を引き出し、サイクスが近くの製油所に囚われていることを突き止めた。製油所を占拠している多数の傭兵部隊と交戦したHUNTERは、USSワスプ艦隊の支援を受けて負傷したエージェントを救出し、撤退した。
サイクスが療養のためドイツのラムシュタイン空軍基地に移送され、ゴースト司令部に膨大な量の情報を提供してくれた。ボリビア、ザンビア、ナイジェリアからパキスタンのペシャワールに至る武器密輸ルートが浮かび上がった。そこは南アジアのあらゆる違法取引の中心地であり、爆弾の出荷元として理にかなっている。
パキスタン軍の部隊と協力し、武器取引の現場を押さえるべく合同作戦が展開される。しかしパキスタン軍は早々に交戦を始め、売り手と買い手の両方を同時に捕らえようとアメリカ側と交わした約束を反故にして売り手を逃がしてしまう。武器商人とコネクションを持つISI(パキスタン軍情報部)に裏切られたのだ。逃走車両には爆発物が仕掛けられており、危うくPREDETERチームの運命の二の舞になるところを免れたHUNTERは地元民兵と交戦しつつブラックホーク・ヘリコプターで武器商人を追跡、その女、カーチャ・プルゴヴァはアフガニスタンの国境に向かって逃げようとしたが間一髪で彼女を拘束して米国に移送することができた。
尋問の結果、ダーティボムを売った武器商人にして元ロシア連邦保安庁FSBのエージェントであるプルゴヴァはレイヴンズ・ロック(大鴉の岩)なる秘密組織の存在を自白した。レイヴンズ・ロックはロシア国内の強硬派で政治、軍事、経済(オリガルヒからマフィアまで)の主要人物で構成されている。プルゴヴァはコラ半島にあるノルウェー国境付近の古い気象観測所を武器貯蔵施設として利用していたことを明らかにした。ロシア領内を偵察する「サイレント・タロン」作戦が発動され、歩行型のUGV(無人車両)「ウォーハウンド」が投入される。施設に潜入したHUNTERは銃火器はおろか弾道ミサイルの航法装置などトップグレードの軍用ハードウェアまでが保管されていることを発見した。ゴースト司令部は施設を完全に破壊するよう命じた。
想定を上回るレイヴンズ・ロックの危険性が認識され、ロシア領内での軍事行動はミスが許されないが、最高級のミリタリーハードウェアが悪人の手にわたるリスクのほうが遥かに大きいとして、非常にリスクの高い作戦が承認される。HUNTERはカリーニングラードの軍用空港に侵入し、ハードウェアの出荷を静かに妨害しようと試みる。しかし、最善の努力にもかかわらず敵はゴーストの存在に気づき、軍用機を離陸させたため、やむをえずHUNTERは軍用機を爆破し墜落させたが、このためアメリカの特殊作戦が明るみとなりロシアとの深刻な外交問題に発展した。
ともあれ国際的な武器密輸は阻止され、敵は大きな打撃を受け、ロシア側に我々の強いメッセージが伝わったと楽観していた諜報機関は、その数時間後、ロンドンに向けて核ミサイルが発射されたことで不意を突かれた。 幸運なことに、ミサイルは対弾道ミサイル防衛シールドによってロンドン上空で迎撃され、核弾頭は起爆しなかったものの、それでも放射能を帯びた局地的な爆発によって多大な被害が発生し、民間人に多数の死傷者が出た。
第三次世界大戦の瀬戸際で、ミサイルはロシア政府が発射したわけではないが、ロシア国内から発射されたのは事実。軌道の解析はHUNTERチームをロシア連邦構成国のダゲスタンに導く。公式にはダゲスタンの反乱軍がSS-20を盗んだとされているが裏付けがなければ不可能な説明である。偵察のため派遣されていたジョージア軍の特殊作戦チーム・ザムタリが行方不明になったと報告される。オサゼ軍曹と無線で連絡を取ることができたが、彼はロシア軍に捕らえられていた。救出地点に向かう途上のゴーストをレイヴンズ・ロック指揮下のスペツナズ精鋭部隊ボダークが牙を研いで待ち構えていた。HUNTERはボダークの追撃をかわしてジョージア人を連れて離脱するがその頃、ロシアではヴォロディン大統領の交代を求める動きが危険水域に達していた。
そしてレイヴンズ・ロックは満を持してクーデターを起こし、クレムリンを占拠してヴォロディン大統領を捕らえ、セルゲイ・マフムドフを新大統領に、ミハイル・ブハロフ将軍を参謀総長に任命する。この瞬間のために全力を尽くし何年も周到に準備していた彼らは短期間で政権を安定化させる。合法的なロシア政府職員の約3分の1が粛清され、後ろから撃たれるかシベリアで氷漬けにされたのだった。
ロシア軍の一部が反撃に出たが統一した指揮系統もなく、散り散りになって連邦の各地でまとまりもなく戦っており、次第に不利な状況に追い込まれつつある。ロシア人のレジスタンス運動を支援する西側諸国の補給線はいくつか開いているが、欧米に国境を越える勇気はない。
分裂した国土を確保するため、クーデター軍は2つの主要目標を掲げた。すなわち、抵抗勢力の補給を断つことと指導部を排除することである。HUNTERチームがその阻止に動く。
HUNTERチームはバレンツ海の石油精製船からクーデター軍を排除してこれを制圧、レジスタンスが直面する燃料不足の憂いを解消し士気の維持に役立てた。
小競り合いを続けるレジスタンスを軍事的リーダーシップの下に結集させるべく、DIA(国防情報局)はヒーロー神話の役者を探し、戦術に長けるアレクセイ・ドゥーカ将軍に白羽の矢を立てた。HUNTERチームはカラチャイ・チェルケスの戦場に投入され、包囲されたドゥーカ将軍とその部隊を砲火から救い出した。
ロシア軍トップのユーリ・コズロフ参謀長は、クーデターが起こったとき、アスタナでの防衛サミットからモスクワに戻る途中だった。カザフスタンの森林地帯の上空で搭乗機がクーデター軍に撃墜された。救難信号が受信され、ゴーストはVIPを発見した。生還したコズロフ参謀長は臨時首都サンクトペテルブルクに司令部を構え、ドゥーカ将軍にロイヤリスト(忠誠派)の軍隊を編成するよう命じ、本格的なロシアの内戦が始まった。
沿海州の監獄でまだ生かされていたヴォロディン大統領を、HUNTERのコザックがHALO(高高度降下低高度開傘)で単独潜入し脱獄させることに成功し、ロイヤリストに欠けていた政治的正統性を与えることができた。
これはロシア国民の戦いであり、我々はこの国を救う為に此処にいるのではないが、彼らが勝つために出来ることをやる。勿論、米軍の関与は決して公にはされないが復権させれば十分な感謝くらいはするだろう。
ロイヤリストたちはモスクワへ進軍し、モスクワの市民も同調してクーデター軍に反旗を翻し始める。超国家主義者たちはロイヤリストの政治指導力を削ぐため、演説を行う予定のヴォロディンを暗殺すべくスナイパーを配置する。しかし、ゴーストは狙撃兵を排除し、クレムリンの安全を確保すると素早く本命であるレイヴンズ・ロック首脳の追撃に移行する。FSB本部でブハロフ将軍をクーデター軍内の不和に見せかけて暗殺し、指揮系統を混乱させ、ロイヤリストの勝利を確実にする。
レイヴンズ・ロックの残党幹部たち7人は、姿を消す前にアルハンゲリスクで最後の会合を開くことに同意する。しかし、この会合を聞きつけたHUNTERチームは最後の機会を逃さず奇襲をかける。彼らを護衛するボダーク部隊との対決を制し、6人のリーダー格を組織的に暗殺することに成功した。コードネーム "エース "と呼ばれる最後の1人、ペトラコフを列車で脱出しようとしたところを遂に捕まえたが、アメリカ政府がペトラコフを生け捕りにしたいため土壇場で「手を出すな」という命令が上層部から下された。それをチームは都合よく再解釈し、ペトラコフを線路に固定して置き去りにした。 ゴーストたちは彼を運命に任せ、列車が通過するのを"手を出さず"見ていた。レイヴンズ・ロックは事実上消滅した。
かくしてレイヴンズ・ロックの陰謀は終わったが、DLCのエクストラミッションで、HUNTERチームはロシアでもうひと仕事、泥棒稼業を働かされる。
コズロフの司令部に置いた盗聴パッケージのおかげでロシアのハイレベルな通信を傍受できた。クレムリンと国防省から大量の機密データがレイヴンズ・ロックに盗まれていたと報告を受けている。ロシア側はファイル転送を追跡して街の反対側にある内務省の建物にたどり着いた。ドゥーカ将軍がビルの周りに鉄のリングを投げ封鎖しているところだ。潜入し、先にファイルを手に入れて逃げろ。これが成功すれば向こう何十年もロシアを手玉に取れる。失敗すれば冷戦の再来だ。