チェンジ・ザ・ワールド☆
土屋7日目・No.1
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streetpoint
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私のやんごとなき王子様
7日目
今日も朝からひたすらに描き続けている。
昨日海で遊んだのがいい気分転換になったらしく、皆の雰囲気がどことなくはつらつとしている。
私はというと、実は土屋君と水原さんの事が昨日から気になっちゃって、筆を運びながらも二人の様子を伺っていた。
土屋君は相変わらず真剣な眼差しでキャンバスを睨んでいるのだけれど、その後ろの方では水原さんが、ちらちらと土屋君の事を見ていた。水原さんってもしかして……?
……って、何でこんなに二人の事が気になっちゃうんだろう?
……って、何でこんなに二人の事が気になっちゃうんだろう?
私には関係のない事じゃない!
自分の中に沸き起こった、自分でもよく分からない感情を押し込めて、私は筆に集中した。
自分の中に沸き起こった、自分でもよく分からない感情を押し込めて、私は筆に集中した。
昼食を済ませた後、私達大道具担当班は調理室へと向かっていた。
今日は私達が食事当番なのだ。とはいってもメイン料理を作るのはあくまでも宿舎のシェフの方々。私達は教育の一環として、担当班ごとに日替わりで1品を作るというのが決まりなのだ。
1品とはいっても、全校生徒プラス先生の合計200人分の料理だから作る量がさすがに多い。
1品とはいっても、全校生徒プラス先生の合計200人分の料理だから作る量がさすがに多い。
私達が作るのはかぼちゃのスープ。
かぼちゃって固くて切るのが大変なんだよね。こんな時、男の子がガツンと切ってくれると良いのだけど……。
かぼちゃって固くて切るのが大変なんだよね。こんな時、男の子がガツンと切ってくれると良いのだけど……。
グッと力を込めてかぼちゃを切りながら、チラリと土屋君の方を見てみる。
「なんだい?」
私の視線に気づくと土屋君は、腕を組んだままの姿勢で言い放つ。
「いや、あの。かぼちゃって切るの大変だから、手伝ってくれないかなぁ~なんて」
「冗談じゃない。僕の手は描く為に存在するんだ。切る為じゃない」
……ですよねー。期待はまぁ……してなかったんだけど。
でもでもちょっとくらいいいじゃない! ていうかこのまま何もしない気? それって全然意味が無いじゃない。
「みんなでみんなの為に何かを作って、食べてもらうのって絶対楽しいよ」
「僕には興味が無い事だね」
取りつく島もないとはこの事だ。
まったくもう……この芸術家様には何をさせたらいいのかな。
なんて考えながら、かぼちゃを煮込んでミキサーにかけていく。
うーん……あ、そうだ!
ミキサーに牛乳を投入している時に、すっごい名案がひらめいちゃった。
「土屋君、出来上がったスープに生クリームで絵を描いてよ」
「絵?」
「そう、仕上げはやっぱり土屋君の芸術じゃなくっちゃ」
私がそう言うと、土屋君は満足そうに微笑んだ。
「分かってるじゃないか」
そう言うと生クリームを手に取り、スープの入った皿を手元に引き寄せた。
――単純な所もあるんだよね、ホント。
少し微笑ましくなって、思わず私にも笑みがこぼれる。
水原さんとの事が何だか引っかかっていたけれど、やっぱりこうして過ごしているとすごく楽しい。
土屋君は竹串を使って、かぼちゃ色のキャンバスに器用に絵を描いていく。それはシンデレラの物語だったり、ハロウィンのパーティーだったり、かぼちゃにちなんだ賑やかなものばかりだった。そのスープから土屋君の楽しさが伝わってきて、なんだか心が温かくなる。
途中から他の子達も加わって、みんなで全てのスープに絵を描きあげた。
夕食の時間になり生徒や先生方が席に着くと、あちこちから弾んだ声が聞こえてきた。
途中から他の子達も加わって、みんなで全てのスープに絵を描きあげた。
夕食の時間になり生徒や先生方が席に着くと、あちこちから弾んだ声が聞こえてきた。
「見て、これすっごい可愛い!」
「きれ~」
「上手いもんだなー」
「食べるの勿体なーい」
そんな楽しさに満ちた声が、どんどん耳に入ってくる。
隣に座っている土屋君の顔を見ると、その表情はとても清々しかった。
隣に座っている土屋君の顔を見ると、その表情はとても清々しかった。
「君」
「ん?」
「ありがとう」
――え? いま……土屋君が……私に言ったよね? 『ありがとう』って……。
急速的に胸が弾んで、私は思わず満面の笑み。スープを一口、口にすると甘い味が広がった。
うん、私きっとこのスープの味を一生忘れないと思う。
胸に広がった温かな思いが、私をとても幸せな気持ちにしてくれる。
胸に広がった温かな思いが、私をとても幸せな気持ちにしてくれる。
私の方こそ、有難う――土屋君。
心の中でそっと呟いて、私はもう一度微笑んだ。
心の中でそっと呟いて、私はもう一度微笑んだ。
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