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心の奥(美弦)No.3

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streetpoint

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 美琴はともえを日輪道場まで送り届けると、また様子を見に来ると告げて家へと帰って行った。

 夕食も終わり各自自室へといなくなると、ともえは一人部屋の中で考えていた。

 試合まで時間がない。

 そして足の怪我で満足のいく修行も出来ず、悶々とした日々を過ごしただけだった。美弦が教えてくれた練習法は頑張ってやっていたが、さすがに道場で射位に立って実際に矢を射る時間はあまりにも少なすぎた。

 頭の中では何度も何度もイメージトレーニングを繰り返し、一番リラックスして矢を放つタイミングは叩き込んだ。

 それでもやはり圧倒的に練習量が足りないのだ。

 じっとしていられなくなり、ともえは部屋を出ようとした。が、その時ふと障子に何かが挟まっているのが見えた。


「……なんだろう?」


 畳に影を落としているそれは、どうやら手紙のようだった。


「こんな所に?」


 夕食から帰って来る時には気付かなかった。その後に誰かがこっそりと置いていったのだろうか。でも誰が?―――ともえはそっと中を開いて文面を目で追った。


「美弦……」


 そこにあったのは美弦の繊細な文字だった。


『ともえ、僕はもう帰らなきゃならないけど、焦って夜まで道場で練習しようなんて考えるなよ? いいか、ともえ。もう一回言うぞ。弓道ってのは精神状態がすっごく大切なんだ。それにともえの弓の腕は確かだ。だからなかなか満足のいく練習が出来ないからって焦る事はなんにもないんだ』


 文面から美弦の優しい思いが伝わってきて、ともえの瞳にうっすらと涙が浮かぶ。


『どんな結果になっても、僕はともえとなら受け止められるって思ってる。だからともえ、自分を追い詰めるような事だけはしないで。僕をこれ以上心配させたら、身の毛もよだつ怖い話を本当に聞かせてやるからなっ!      美弦』


 最後の一文に今度はくすりと笑みがこぼれる。


「美弦……有難う」


 ともえは美弦の残してくれた手紙にそっと礼を言った。


 ああ、美弦はいつも―――いつも私の気持ちをこんな風に軽くしてくれる。


 先ほどまでの思いつめた様子は、今はもう消え失せて、ともえはもう一度手紙に目を落とすと丁寧にそれをたたんだ。

 美弦の何気ない一言で、ともえはどんな重圧からも逃れられてしまう。そしていつの間にかそんな美弦をいつも目で追ってしまっている自分がいる。

 そうだ、今になって無理をしても仕方がない。残された時間で自分に出来る精一杯を努力して、美弦にまた悪戯っぽく微笑んでもらいたい――――手紙をそっと胸に当て、ともえは静かに目を閉じた。









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