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終結(垂司)

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はなもあらしも














 ともえと垂司が共に生きる事を決意してから、三年の時が過ぎた。

 垂司を連れて帰った時には、ともえの故郷中がそれはもう大騒ぎだった。

 ともえの友人の若い娘達はこぞって垂司を一目見ようと、道場の前に列すら作っていたほどである。垂司は彼女たち一人一人にいつもの調子で挨拶をしていたが、ともえにはそれすらも微笑ましく感じられた。

 色んな事を経験したともえには、絶対的に愛されている自信がある。そんなともえの様子を、垂司はいつも愛しさに溢れんばかりの眼差しで見守っている。

 ともえの父である智正も垂司の事を気に入り、ほどなくして二人は道場の跡目を継いだ。

 再び弓を握った垂司の腕は確かなもので、そしてまた人の心を掴む事にもやはり長けていたので、那須道場の面々も皆、垂司と上手くやっている。


 そして————










 「ともえ」


 垂司が優しくともえの名を呼ぶ。


「なぁに?」


 ともえが小首を傾げると、垂司はそっとともえのお腹を撫でた。


「私が父親になれる日が来るとは思いもよらなかった」

「あら、なりたくなかったの?」

「まさか」

「ふふっ」

「ともえ、有難う」


 そう言うと、垂司はともえに小さく口づけをした。


「なぁに、急に」


 ともえの表情はどこまでも優しく、慈愛に満ちている。


「君がいたから、私は自分を取り戻せた」

「あなたがいたから、私は強くなれたのよ」


 お互いの弱さも醜さも十分に知っている。

 でもそれは繊細さと深い愛情の裏返しという事が心に刻み込まれているから。

 だから、二人はきっとこれから先も幸福の中にあるだろう。


「愛してるわ、垂司」






 はなもあらしも 垂司編 完




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