黙字
エシュガル語の音節は 『1個の頭子音 + 1個ないし2個(まれに3個以上)の母音 + 0個ないし1個の末子音』 から成る。その内、末子音は黙字として音声上は脱落する事が多い。
以下では末子音が黙字とならない場合について述べる。
名称語(固有名詞など)はそれ以外の語と読み方の規則が少し異なり、黙字は存在しない。音声上脱落する文字は表記上も脱落する。
【前置き】 蝶を意味するdaehpapleòtという普通名詞はデイペリオンと読む。
【例 示】 Daehpapleòtという綴りの固有名詞があればデイヒペプリオントと読む。デイペリオンではない。
【補 足】 何かにデイペリオンと名付けるのであればDaepaleòという綴りになる。
その語に含まれる母音が1つである場合、末子音は脱落しない。
【前置き】 アイスクリームを意味するkèhsutlaitという語はキンシュリェアと読む。
【例示1】 寒い事・冷たい事を意味するkèhという語はキンヒと読む。キンではない。
【例示2】 ゲル状の物を意味するsutという語はシュトと読む。シュではない。
【反 例】 ミルクを意味するlaitという語はリェアと読む。
【補 足】 ただしlaittと綴ってあればリェアトと読む。laittはlaitと基本的には同じ語であり、末子音を重ねる事で発音しろと主張している形状に過ぎない。
その語の最終音節に含まれる母音が口母音1つである場合、その語の末子音は脱落しない。
【例 示】 バターを意味するlaitkusという語はリェアクゥシと読む。リェアクゥではない。
【反 例】 タピオカを意味するluzpoakxìkという語はリュポエザンと読む。
【補 足】 団子を意味するxìkという語はザンクと読む。
その音節の末子音と後続の音節の頭子音が長子音化する組み合わせの場合、脱落より長子音化が優先される。
【前置き】 虎を意味するtiekという語はタイと読む。
【例 示】 虎猫を意味するtiekkatという語はタイッケトと読む。タイケトではない。
【反 例】 西瓜を意味するtiekmeohという語はタイミオと読む。
末子音と頭子音の組み合わせによる長子音化は単語間をまたいでも起こる。
【例 示】 黄色い虎を意味するcaut tiekという語句はチェウッ・タイと読む。チェウ・タイではない。
【反 例】 黄色い瓜を意味するcaut meohという語句はチェウ・ミオと読む。
長子音化はtの後にz c x jが続く場合にも起こるが、この特殊な長子音化は普通の長子音化とは違って脱落より優先順位が低い。よって暑い日を意味するròt jurという語句はホンッ・ジュハと読むが、涼しい日を意味するlaut jurという語句はリェウッ・ジュハとは読まずリェウ・ジュハと読む。
なお名称語(固有名詞など)に特殊な長子音化は起こらない。Ròt Jurという固有名詞句があればホン・ジュハでもホンッ・ジュハでもなくホント・ジュハと読む。~ト・ジュ~が言い辛ければtとJの間にシュワーを挟んでもよい。これは名称語の側の事情であり、tで終わる名称語の直後に品詞がなんであれz c x jで始まる語が続く場合は同じ事になる。例えば `do Ròt za pi mòt. という文章があればド・ホント・ツェ・パ・モントと読む。ホンッ・ツェとは読まない。~ト・ツェ~が言い辛ければシュワーを挟んでホンタゥ・ツェとしても良いからホンッ・ツェとは読まない。ちなみに「ホント氏(男性)はあの山にいる。」の意。
最終更新:2025年03月18日 04:29