色彩語
エシュガル語の色名、およびそれに関連した話題である曜日について述べる。
エシュガル語において、単独で色を表す語には以下の18色があり、それぞれが固有の色名を持つ。但し、そのうち2色は実際には色とも呼べない色であり、本当に色の名前と云えるものは16色である。
基本色は8色あり、これらはエシュガル語文化圏において、文化的理由により基本であると考えられている色名である。
これら8色を並べる際は、慣例により下記の通りの順番とする事が一般的である。
luìc(リュアン) 白、ホワイト …… 典型例)#FFFFFF
caut(チェウ) 黄色、イエロー …… 典型例)#FFFF00
fas(フェシ) 万色、玉虫色 …… 典型例)例示のしようが無い、色であって色ではない色
guep(グイ) 灰色、グレー …… 典型例)#808080
wiùk(ラウン) 緑色、グリーン …… 典型例)#00FF00
noir(ノア) 黒、ブラック …… 典型例)#000000
rouk(ホウ) 赤、レッド …… 典型例)#FF0000
tioz(タオ) 青、ブルー …… 典型例)#0000FF
一見すると何の役にも立たなさそうに見えるfasであるが、ちゃんと出番は存在する。例えば虹(ciehák)の色を表す色名として、虹+色でciehákpihとは出来ない。色(pih)で終わる複合語は例えば顔色(faecpih)とかそういう系の意味合いの語であって、色名にはならない。そこで、そういう何色とも云いがたい色を表す色名を作る際にfasを使って、虹色(ciehákfas)とするわけである。
準基本色は2色あり、エシュガル語文化圏において実用上の理由から必要とされ、比較的早期に追加された色名である。
これら2色を並べる際の順番に明確な慣習は無いが、どちらかといえば下記の通り辞書順とする事が多い。
zuòh(ツゥオン) 青紫色、菫色、バイオレット …… 典型例)RGBでの表現は難しいが、強いて云えば#6000FFあたり?
diuþ(ダウ) 無色透明 …… 典型例)透過率100%、RGBでは表現出来ない
zuòhは虹の両端を表現する欲求から生まれた色名である為、可視光線と紫外線の境目ギリギリの色がその典型とされている。
diuþはzuòhとセットにされる事が多いせいか、なんとなく「紫外線の色」というイメージを持たれがちである。赤外線だって無色透明には違いないのだが。
拡張色は8色あり、エシュガル語文化圏において、原色の周回を12等分するという概念が誕生した際に追加された色名である。
12等分に用いる12色の内4色は基本色である為、残りの8色を下記の通り周回順に並べる。
quàc(グゥエン) 橙色、オレンジ …… 典型例)#FF8000
yièp(ヤイン) 黄緑色、若草色、ライムグリーン …… 典型例)#80FF00
veit(ウィア) 青緑色、花緑青色、エメラルドグリーン …… 典型例)#00FF80
þaèt(セイン) 水色、シアン …… 典型例)#00FFFF
xuir(ズア) 紺碧色、アズール、アジュール …… 典型例)#0080FF
buèh(ブイン) 紫、パープル …… 典型例)#8000FF
meop(ミオ) 紅紫色、赤紫色、マゼンタ、マジェンタ …… 典型例)#FF00FF
paìk(ペアン) フューシャピンク、フクシャ、フクシア …… 典型例)#FF0080
ただしþaètとmeopに関しては、文化的観点からして準基本色に分類されるべきだという意見の持ち主も少なからず存在する。
上記の色名を組み合わせる事により、ニュアンスを伴った色表現を行う事が出来る。例えばnoirとroukを組み合わせてnoirroukとすれば「黒っぽい(=輝度を落とした)赤」の意となり、典型的には#800000あたり、つまりマルーン色を表す事になる。他にはguepとwiùkを組み合わせてguepwiùkとすれば「灰色っぽい(=彩度を落とした)緑」の意となり、典型的には#40C040あたり、つまり原色の緑であるwiùkよりも少し落ち着いた、品のある緑色を表す事になる。ちなみに「彩度を落とした」と対立する概念である「彩度を落としていない」を意味するsaopという語が存在するが、落としたと云わない限り普通は落としていない事が一般的な為それほど出番は無い。使う機会があるとすれば「彩度」を意味する語saophuesの構成要素としてぐらいか。
エシュガル語文化圏において色彩を数字的に表現する場合はluìchues(輝度)、saophues(彩度)、pihhues(色相)の順に12段階で示す方法が最も一般的であるが、色彩に関係する仕事をしている人以外には多分通じない。
色を組み合わせる際には金属を意味するkìpという語が、それ自体は色名ではないにも関わらず、色名として構成要素に組み込まれているように見える場合がある。例えばエシュガル語ではプラチナを「白い金属」を意味するluìckìpと呼ぶが、いわゆる銀色の事をそこから派生して「プラチナ・ホワイト」を意味するluìckìpluìcと呼び、さらには語中にluìcが2つあるので片方を省略してkìpluìcとする、といった具合である。
エシュガル語文化圏における一週間は七日間である。それぞれの曜日はそれを象徴する色を持つ天体の名前を用いて表される。
よって曜日はjurpih ジュパヒ(逐語訳するとday-colourあたりか)と称される。
第一曜日 ⇒白曜日 jaisjur(ジェアジュハ)
第二曜日 ⇒万曜日 pucjur(プッジュハ)
第三曜日 ⇒灰曜日 qaofjur(グェオジュハ)
第四曜日 ⇒緑曜日 xiàrjur(ザエンジュハ)
第五曜日 ⇒黒曜日 deìkjur(ディアンジュハ)
第六曜日 ⇒赤曜日 kearjur(キエジュハ)
第七曜日 ⇒青曜日 hieþjur(ヒャイジュハ)
カレンダー等で万色を表現する際にはグラデーションカラーを用いるか、あるいはそれが面倒ならば黄色で代用する。
ちなみに世間一般の休日はdeìkjurであるが、我々で云う日曜日とは感覚が異なりむしろ仏滅に近く、縁起が悪い日なのでなるべく何もせずに家でおとなしくしていよう、という雰囲気の曜日である。遊びに行きたければそれ以外の日に休暇を取るのが普通。
最終更新:2025年05月09日 21:06