退魔師ユキちゃんシリーズ設定置き場@ ウィキ
氷狐のわたあめ
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ひとみに妖魔の力を分け与えた|氷狐《ひょうこ》のオス。ひとみにとっての使い魔ポジションとして、彼女に本意とまでは言い切れない形ながら、協力しての妖魔退治にあたっている。
そもそも|氷狐《ひょうこ》とは、ユキちゃん小説の世界に存在するオリジナルの妖魔にして、妖狐の亜種である。妖狐はその高い妖術の素養と、人をも惑わせる高い知能で、時に人間に害をなすことで知られている。|氷狐《ひょうこ》という種族は、そんな妖狐たちの中で、特に雪と氷を操る妖術に長けた者たちを指している。
個体の年齢などにもよるが、その全長は数十cmから数mと幅があり、個体の持つ妖力の強さは、おおむねその全長に比例している。体を覆う体毛は、先端部が雪のような白銀色をしており、根本近くは凍てついた川の氷を思わせるアイスブルーを帯びている。時には、体毛の先端部を自らの妖術でつらら状に凍結させて、それを鎧のように身にまとう個体もいる。
|氷狐《ひょうこ》がその妖術で繰り出す狐火は青ざめている。この狐火は特に「|凍狐火《いてつきつねび》」と呼ばれ、これに触れたものには青い炎が燃え移り、そして黒焦げになるのではなく、代わりに氷漬けとなる。|凍狐火《いてつきつねび》は、相手の体に燃え移らせれば十分に深刻な打撃を相手に与えうるほど強力だが、大抵の|氷狐《ひょうこ》はこれを直接攻撃に使うことは好まない傾向にある。代わりに、|凍狐火《いてつきつねび》の生み出した氷で相手に足かせをかけ、足場を奪い、ときには氷の鏡による幻影を生み出して相手を翻弄するなどといった、策を弄した戦い方に使われることの方が多い。
のちに「わたあめ」と名付けられることになる|氷狐《ひょうこ》は、それまで人間とは没交渉な立ち位置で、その生を生きてきた。しかしある事情で人里近くを訪れ、そこで重傷を負う。そのままであれば命を落としていたかも知れない彼を助けたのが、ひとみであった。
そのとき、ひとみに治療を受ける際に、ひょんなことから彼女のその妖力の大半を奪われたのが、彼の運の尽きだった。
数mはある大きな体躯も、いまやぬいぐるみサイズの体にまで縮んでしまい、冷気によって氷をまとう白銀の体毛もふわふわになり、「柔らか毛玉」とまで呼ばれるほどになる。挙句の果てにはひとみに「わたあめ」という、あまりにも不本意な名前まで付けられてしまった。
わたあめは、今ではひとみの側で、彼女の使い魔のようにして付き従っている。いつかひとみに吸収された、自身の大半の妖力を取り戻し、再び元の力を得るために。しかし、ひとみはこの妖力吸収の特異体質を、自らの意思で十分に操ることはできず、今のところ一度吸収してしまった妖力を返せてもらえていないのが、わたあめにとっての唯一にして最大の悩みどころである。