退魔師ユキちゃんシリーズ設定置き場@ ウィキ
富蛇
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読みは「富蛇 」。金色の鱗に覆われた、全長 2m 程度の大蛇の姿をした妖魔である。いわゆる福の神の力を受け継いだ神の眷族が堕落し、妖魔に転じたものとされる。
富蛇は、特定の人間を見繕い、そしてその人間にまとわりつく習慣がある。富蛇にまとわりつかれた人間は、富蛇の力により、金運が急上昇することとなる。宝くじを買えば高額の金額が当選し、賭博もその種類を問わずに連戦連勝、証券取引などでも大きな利益を積み上げることとなる。真っ当な仕事を通して得られる収入も、富蛇の持つ金運上昇の対象となり、給料やボーナスが跳ね上がり、高給の職業への転職も意のままとなる。
だが、その金運の急上昇は、富蛇の人間に対する「撒き餌」に他ならない。
富蛇は、一見して人間に幸運をもたらす存在を装いながら、その実は人間の金銭欲を食らう習癖を持った妖魔である。宝くじの当選や賭博での勝利を、まとわりついた人間に少しずつ献上することで彼/彼女の金銭欲を刺激し、また贅沢や散財をも行うようそそのかすことで、より多くの金銭を欲するように仕向ける。
これにより、肥育された家畜のようにして、まとわりついた人間が極限まで金銭欲を肥え太らされた頃、富蛇はその邪悪な本性を露にする――自身がまとわりついた人間の金銭欲を、その身ごと呑み込み、食い殺すことで、富蛇は人間の金銭欲を味わい尽くす。
富蛇の、妖魔としての純粋な戦闘力は決して高い部類ではないながら、人間の金運を高め、金銭欲を煽り立てるその習性は、ときに退魔師らにとっては極めて厄介なものとなる。仮に富蛇の本性を知っている退魔師が、犠牲となった人間を助けようとしても、犠牲者にとってはまさに幸運の神とでも言うべき存在である富蛇を祓うことに、素直に同意することはまれである。時には、犠牲者が退魔師らの側を、「富蛇のもたらす幸運を横取りしようとする泥棒」と認識し、退魔師らに明確に敵対的な態度をとることすらもある。
また富蛇は、もともと一定以上の金銭を持つ人間よりは、貧乏でそれまで大金を手にしたことのない人間を狙う傾向がある。大金を手にしたことがなく、よって金銭に免疫を持たない人間の方が、より激しく金銭欲を燃え上がらせ、また自身の存在に執着しやすいことを、富蛇は理性と本能の両方で悟っているのである。
なお、富蛇のもたらす金運は、他の妖魔の妖力などによって、弱めることも可能である。仮に自身がもたらす金運を弱める存在がいる、と富蛇が認識した場合、富蛇は人間の「肥育」を邪魔する存在を許すことは無いだろう。あくまで自身は幸運の神である、という外見を装いながら、どんな手を使ってでもそのような第三者を排除しにかかるはずである。自身にとっては憎い敵であるはずの退魔師を利用することすら、富蛇は辞さないかもしれない。
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