天才のひらめき
放送が行われるかなり前のことになる。
ハロルドはたいまつを片手にジースリ洞窟内をいろいろと探索することにした。
「俺たちもついて行ったほうがいいんじゃないか?」
と、スタンはハロルドのことを気遣って言ったのだが、それに対して彼女は、
「あんた、もう一人が体力使い果たした怪我人だって事すっかりわすれてるでしょ。
私は一人でも大丈夫だからあんたはその子に付いていてあげなさい」
と言ったのであった。
そして二人の心配をしているのをよそに、彼女は一人鼻歌交じりに洞窟の奥のほうへと向かっていった。
が、予想に反して洞窟は単純な構造になっていた。
三人が休んでいた大きな空間から少し歩いたところには一回り小さくなった空間があった。v また、その空洞の奥にはかなり狭い道が続き、そのまま進むと全く別の場所へと続く出口が見受けられた。
そこから外の様子を見てみると、背の高い草に覆われていてあまり目立っていないようだった。
また、その狭い道には広い空間のすぐ近くに右に折れる通路があり、奥のほうに進むとかすかに波の音が聞こえてきた。
さらに進んでいくと途中で道が分岐しており、
ひとつは崖下の海岸に、もうひとつはさっきの狭い出口よりもさらに発見されにくい場所につながっていた。
結局、彼女の興味を引くようなものも無かったので、二人のいる空間に戻ることにした。
その間に彼女はさまざまな事を考えていた。
研究サンプルを調べることや、それを収集することも当然考えてはいたが
、 同時に首輪がどんな構造になっているのかなどということも考えていた。
そして何より、この洞窟に留まる以上はマーダー対策をする必要もある。
何かトラップを仕掛けようにも材料が絶対的に足りていないのが明白であった。
「ま、いろいろ考えていても仕方ないし、サンプルを少し調べてみますか☆
」 そう言った彼女は、思わずにやけてしまった。
ハロルドはたいまつを片手にジースリ洞窟内をいろいろと探索することにした。
「俺たちもついて行ったほうがいいんじゃないか?」
と、スタンはハロルドのことを気遣って言ったのだが、それに対して彼女は、
「あんた、もう一人が体力使い果たした怪我人だって事すっかりわすれてるでしょ。
私は一人でも大丈夫だからあんたはその子に付いていてあげなさい」
と言ったのであった。
そして二人の心配をしているのをよそに、彼女は一人鼻歌交じりに洞窟の奥のほうへと向かっていった。
が、予想に反して洞窟は単純な構造になっていた。
三人が休んでいた大きな空間から少し歩いたところには一回り小さくなった空間があった。v また、その空洞の奥にはかなり狭い道が続き、そのまま進むと全く別の場所へと続く出口が見受けられた。
そこから外の様子を見てみると、背の高い草に覆われていてあまり目立っていないようだった。
また、その狭い道には広い空間のすぐ近くに右に折れる通路があり、奥のほうに進むとかすかに波の音が聞こえてきた。
さらに進んでいくと途中で道が分岐しており、
ひとつは崖下の海岸に、もうひとつはさっきの狭い出口よりもさらに発見されにくい場所につながっていた。
結局、彼女の興味を引くようなものも無かったので、二人のいる空間に戻ることにした。
その間に彼女はさまざまな事を考えていた。
研究サンプルを調べることや、それを収集することも当然考えてはいたが
、 同時に首輪がどんな構造になっているのかなどということも考えていた。
そして何より、この洞窟に留まる以上はマーダー対策をする必要もある。
何かトラップを仕掛けようにも材料が絶対的に足りていないのが明白であった。
「ま、いろいろ考えていても仕方ないし、サンプルを少し調べてみますか☆
」 そう言った彼女は、思わずにやけてしまった。
そして、二人のいる空間に戻ってくるとミントは再び眠りについているようだった。
「戻ってきたわ。でも、今からすぐサンプルをパパッと調べちゃうから、話しかけないでね」
「な、なんて自己中心的な…」
これを聞いたスタンは、ハロルドがやっぱりルーティに似ているな。と再認識した。
そんなスタンに対してハロルドはさらに、
「あ、ちょうどいいわ。スタン、邪魔になるくらいなら見張りしてきなさいよ。
そっちのほうが私のためになるわ」
と言ってのけた。
「…え? 別に、いいけど…」
…ホント、研究に目が無いルーティそのものだよ…。と、あきれ返りながら、
スタンは大きなため息をついたのであった。
スタンが立ち去ってから彼女はザックに入れていたいろいろなサンプルを取り出していた。
「動物系は捕獲が難しいものもあるから後に回して、先に植物から調べていこうかしら」
そんなことを言いながら、いろいろな植物をたいまつの灯りを使ってじっくりと観察していった。
「戻ってきたわ。でも、今からすぐサンプルをパパッと調べちゃうから、話しかけないでね」
「な、なんて自己中心的な…」
これを聞いたスタンは、ハロルドがやっぱりルーティに似ているな。と再認識した。
そんなスタンに対してハロルドはさらに、
「あ、ちょうどいいわ。スタン、邪魔になるくらいなら見張りしてきなさいよ。
そっちのほうが私のためになるわ」
と言ってのけた。
「…え? 別に、いいけど…」
…ホント、研究に目が無いルーティそのものだよ…。と、あきれ返りながら、
スタンは大きなため息をついたのであった。
スタンが立ち去ってから彼女はザックに入れていたいろいろなサンプルを取り出していた。
「動物系は捕獲が難しいものもあるから後に回して、先に植物から調べていこうかしら」
そんなことを言いながら、いろいろな植物をたいまつの灯りを使ってじっくりと観察していった。
- そして30分後・・・
「この植物は私の知ってる世界のどこにも無かった植物じゃん!あ、こっちはこっちで珍しい形で進化したものね!」
完全にハロルドは研究に熱中していた。
鼻歌は絶好調、たまにもの珍しいものを見つけると両手を大きく振ってはしゃいでしまったりと、
普段の彼女からは想像も付かない超ハイテンションになっていた。
そして、ある植物サンプルを持っているとき、観察を始めてから最大の興奮が彼女を襲った。
「これすごいじゃん!まさか生きてこんなものに巡り遇えるなんて思わなかったわ!!」
そう叫びつつ思い切り手を振っていると、植物サンプルがたいまつの炎に軽く触れた。
すると、なんと急に植物サンプル全体が激しく燃え始めてしまい、その熱でハロルドは手を離してしまった。
「アチッ!全く、いったい何が…て、あぁッ!せっかくのサンプルが燃えちゃってる~…。
まさかこんなに引火しやすい性質があったなんて…」
そこまで言ってふと彼女はあることを思いついた。
「確かこのサンプルはこの洞窟の近くにたくさん生えていたはずだわ…。
それにこの近くには落ち葉もたくさんあったはず…。これなら使えるわね」
そう口にしたハロルドの顔には不敵な笑みが浮かんでいた。
思い立ったらすぐ行動、と言わんばかりに彼女は先ほど見張りに行かせたスタンのもとへと駆けていった。
そのころスタンは辺りを警戒しつつも、他の参加者、特にルーティの事を考えていた。
彼女に似ているハロルドと会ってから、妙に彼女のことが気にかかることが増えてきていたのだった。
「あいつ、今頃どうしているんだろうか…」
思わず口に出してしまった。
だが、口に出したところでいったい何になるというんだ…。
会えるわけでもなければ、誰かから守ることもできない…。
本当なら、今すぐにでもルーティを捜しに行きたい。
けど、それはもうできない。
俺は、ハロルドや、ミントに出会ったから。
俺は、俺は彼女達を守り抜かなくてはならないんだ。
だからルーティ、必ず生きて必ず再会しよう…。
完全にハロルドは研究に熱中していた。
鼻歌は絶好調、たまにもの珍しいものを見つけると両手を大きく振ってはしゃいでしまったりと、
普段の彼女からは想像も付かない超ハイテンションになっていた。
そして、ある植物サンプルを持っているとき、観察を始めてから最大の興奮が彼女を襲った。
「これすごいじゃん!まさか生きてこんなものに巡り遇えるなんて思わなかったわ!!」
そう叫びつつ思い切り手を振っていると、植物サンプルがたいまつの炎に軽く触れた。
すると、なんと急に植物サンプル全体が激しく燃え始めてしまい、その熱でハロルドは手を離してしまった。
「アチッ!全く、いったい何が…て、あぁッ!せっかくのサンプルが燃えちゃってる~…。
まさかこんなに引火しやすい性質があったなんて…」
そこまで言ってふと彼女はあることを思いついた。
「確かこのサンプルはこの洞窟の近くにたくさん生えていたはずだわ…。
それにこの近くには落ち葉もたくさんあったはず…。これなら使えるわね」
そう口にしたハロルドの顔には不敵な笑みが浮かんでいた。
思い立ったらすぐ行動、と言わんばかりに彼女は先ほど見張りに行かせたスタンのもとへと駆けていった。
そのころスタンは辺りを警戒しつつも、他の参加者、特にルーティの事を考えていた。
彼女に似ているハロルドと会ってから、妙に彼女のことが気にかかることが増えてきていたのだった。
「あいつ、今頃どうしているんだろうか…」
思わず口に出してしまった。
だが、口に出したところでいったい何になるというんだ…。
会えるわけでもなければ、誰かから守ることもできない…。
本当なら、今すぐにでもルーティを捜しに行きたい。
けど、それはもうできない。
俺は、ハロルドや、ミントに出会ったから。
俺は、俺は彼女達を守り抜かなくてはならないんだ。
だからルーティ、必ず生きて必ず再会しよう…。
スタンは、ただ彼女が無事であることを祈るしかできない自分の無力さを呪った。
そんなときだった。
「ちょっと、スタン!? ちゃんと見張りやってる~!?」
後ろから聞こえた声に振り返ると、そこにはハロルドが居た。
「どうしたんだ? 人を追い出してまで、じっくりと研究する、とか言ってなかったっけ?」
スタンは多少いやみな感じに言ったが、当の彼女はそんなことには気にもかけていないようだ。
そして彼女はスタンに近づいてきたかと思うと、いきなり抱きついてきた。
「ま、またしてもどういうつもりだ!?」
スタンが困惑していると、ハロルドは彼の顔を上目遣いで見ながら猫なで声で言った。
「スタン。あんたに頼みたいことがあるのよ」
彼女が物事を頼みに来たとわかって少し安心した。
ただ、スタンはふと思った。
ハロルドはいつも頼みごとをするときにはこんな風にするのだろうか。と。
「? あんた何か変なことでも考えてるんじゃないでしょうね?」
この言葉に、スタンは顔を赤くしてしまったが、
「んなわけないだろ!」
と、彼女が言ったことを否定した。
ハロルドはスタンから離れると振り返って彼のほうを見た。
スタンがハロルドの方を見ると、彼女がえらくニヤニヤとしているのが見受けられた。
どうやら、適当なことを言ってスタンの反応を楽しんでいるようだった。
全く、タチが悪いやつだ。そう思いつつ、スタンは思わず頭をポリポリとかいてしまった。
「で、頼みたいことって何だよ?」
スタンはあからさまに不機嫌そうな振りをして訪ねてみる。
「やぁねぇ、そんな振りしてみたって無駄なんだかんね。
で、頼みたいことなんだけど、
ちょっとそこら辺からこの草と同じ植物と枯葉、さらには薪になるような枝を
大量に、いやむしろ山のように集めてきて欲しいのよ」
「山のように!? 実験サンプルにするんじゃないのか?」
てっきりハロルドの頼みごとなんてそんなところだと思っていたスタンは、首を傾げてしまった。
「ま、ここで言うほどのことでもないわ。あ、それから鳴子の位置変えちゃって良い?」
「え? 別に構わないけど…」
「あと、あんたの釣り糸も全部渡してもらって良いかしら?」
「それも構わないけど…。いったい、何をする気なんだ?
「フッフッフッ、派手な花火を打ち上げるのよ~」
「花火って…?」
ハロルドの言葉では彼女がいったい何をしようとしているのか全く想像がつかない。
ますますスタンの謎は深まっていくばかりだった
それからスタンが言われたとおりに大量の枯葉と、見本に渡された植物を集めて洞窟内に戻ってくると、
ハロルドがうれしそうに近寄ってきた。
「おっかえり~。…て、えらく疲れているようだけど、ダイジョブ?」
彼女がそういうのも無理は無い。スタンは汗だくで、肩で息をしているような状態だったからだ。
「あのなぁ…。探し出すのは楽なんだけど、大量にとなると重いわ手が痛いわで、大変だったんだぞ…
おまけに、下手なやつに見つからないようにしてたんだから…」
そういうと、スタンはその場で崩れ落ちた。
「お疲れさん。あ、これ、返すわね」
そういってスタンが渡されたものは釣り糸だった。
だが、スタンが渡したときよりも相当束の太さが細くなっているようだ。
釣り糸からハロルドに目をやると、
彼女がスタンの持って行ったザックではないザックの中に手を入れて色々と探っている。
彼女がザックから手を出すと、その手には支給品の水が握られていた。
「この水もあげるわ。まさかそんなに疲れて帰ってくるとは思いもしなかったから」
「良いのか? それなら、ありがたくいただくよ」
スタンは、ハロルドの手から水を受け取ると勢いよく飲み始めた。
そんな彼を見て、ハロルドはとんでもないことを言った。
「ちょっと、スタン!? ちゃんと見張りやってる~!?」
後ろから聞こえた声に振り返ると、そこにはハロルドが居た。
「どうしたんだ? 人を追い出してまで、じっくりと研究する、とか言ってなかったっけ?」
スタンは多少いやみな感じに言ったが、当の彼女はそんなことには気にもかけていないようだ。
そして彼女はスタンに近づいてきたかと思うと、いきなり抱きついてきた。
「ま、またしてもどういうつもりだ!?」
スタンが困惑していると、ハロルドは彼の顔を上目遣いで見ながら猫なで声で言った。
「スタン。あんたに頼みたいことがあるのよ」
彼女が物事を頼みに来たとわかって少し安心した。
ただ、スタンはふと思った。
ハロルドはいつも頼みごとをするときにはこんな風にするのだろうか。と。
「? あんた何か変なことでも考えてるんじゃないでしょうね?」
この言葉に、スタンは顔を赤くしてしまったが、
「んなわけないだろ!」
と、彼女が言ったことを否定した。
ハロルドはスタンから離れると振り返って彼のほうを見た。
スタンがハロルドの方を見ると、彼女がえらくニヤニヤとしているのが見受けられた。
どうやら、適当なことを言ってスタンの反応を楽しんでいるようだった。
全く、タチが悪いやつだ。そう思いつつ、スタンは思わず頭をポリポリとかいてしまった。
「で、頼みたいことって何だよ?」
スタンはあからさまに不機嫌そうな振りをして訪ねてみる。
「やぁねぇ、そんな振りしてみたって無駄なんだかんね。
で、頼みたいことなんだけど、
ちょっとそこら辺からこの草と同じ植物と枯葉、さらには薪になるような枝を
大量に、いやむしろ山のように集めてきて欲しいのよ」
「山のように!? 実験サンプルにするんじゃないのか?」
てっきりハロルドの頼みごとなんてそんなところだと思っていたスタンは、首を傾げてしまった。
「ま、ここで言うほどのことでもないわ。あ、それから鳴子の位置変えちゃって良い?」
「え? 別に構わないけど…」
「あと、あんたの釣り糸も全部渡してもらって良いかしら?」
「それも構わないけど…。いったい、何をする気なんだ?
「フッフッフッ、派手な花火を打ち上げるのよ~」
「花火って…?」
ハロルドの言葉では彼女がいったい何をしようとしているのか全く想像がつかない。
ますますスタンの謎は深まっていくばかりだった
それからスタンが言われたとおりに大量の枯葉と、見本に渡された植物を集めて洞窟内に戻ってくると、
ハロルドがうれしそうに近寄ってきた。
「おっかえり~。…て、えらく疲れているようだけど、ダイジョブ?」
彼女がそういうのも無理は無い。スタンは汗だくで、肩で息をしているような状態だったからだ。
「あのなぁ…。探し出すのは楽なんだけど、大量にとなると重いわ手が痛いわで、大変だったんだぞ…
おまけに、下手なやつに見つからないようにしてたんだから…」
そういうと、スタンはその場で崩れ落ちた。
「お疲れさん。あ、これ、返すわね」
そういってスタンが渡されたものは釣り糸だった。
だが、スタンが渡したときよりも相当束の太さが細くなっているようだ。
釣り糸からハロルドに目をやると、
彼女がスタンの持って行ったザックではないザックの中に手を入れて色々と探っている。
彼女がザックから手を出すと、その手には支給品の水が握られていた。
「この水もあげるわ。まさかそんなに疲れて帰ってくるとは思いもしなかったから」
「良いのか? それなら、ありがたくいただくよ」
スタンは、ハロルドの手から水を受け取ると勢いよく飲み始めた。
そんな彼を見て、ハロルドはとんでもないことを言った。
「気にしなくてもいいわよ。その水あなたのなんだし」
そして、一瞬にしてスタンの時間が止まった。
…さっきこいつは何て言ったんだ?
今飲んでいる水が…なんとか…。
「…オマエ、イマ、ナンテイッタ?」
思わず言葉がカタコトになる。
心なしか、自分の身体が震えているように感じる。
全く見てはいないが、おそらく自分の顔はひどく引きつっているんだろうなぁ、と思った。
「だから、その水があんたのだって言ったのよ」
ハロルドが妙にニヤけてさらりと言ってのけた。
「ふざけるなぁ~!!お前、何てことしてくれるんだよぉぉおっ!!」
スタンはとうとう耐え切れずに叫んでしまった。
あまりの声の大きさに、隣で眠っていたミントも目を覚ましてしまったようだが、
そんなことはお構いなしにスタンは喚き続けていた。
そんな様子の彼を見て、ミントは何がなんだかわからずうろたえてしまったようなので、
ハロルドはさすがにまずいわね。と思いスタンをなだめることにした。
「ごめんごめん。さっきのは単なる冗談よ。
あれは正真正銘あたしの水だから、心配しなくてもいいわよ」
その言葉を聞いて、スタンは喚くのをやめた。
「本当に、本当にお前の水なのか?」
「もちろんよ。何なら、確かめてみる?」
そういってハロルドはザックをひっくり返して中身のものをぶちまけた。
植物やら何やらがごちゃごちゃしているものの、確かに水入りのペットボトルが一本少なくなっているのが解った。
スタンが確認したことをハロルドに伝えると、彼女はいそいそとぶちまけたものをザックに戻していった。
その際、彼女が、
「全く、動物系のサンプルを逃しちゃったらどうするのよ~」
とぶつくさ文句を言っていたようだが、スタンは気にしないことにした。
「しかし、何でそんな冗談を言うかな…。
タチが悪くて、本当にまいっちゃうよ…」
スタンがあきれたように言った。これから先が思いやられてしまった。
「ま、いいじゃないの。こんなときだからこそ、こういうユーモアも必要なのよ」
そういうと、またしてもハロルドはニヤけた。
そんな二人の様子を見ていたミントはますます分けがわからないといった感じになっていた。
そんなやり取りの後、ハロルドは洞窟の奥のほうにスタンが集めてきた枯葉などを持って何かをしてきたようだった。
スタンやミントがハロルドに聞いたところ、侵入してきたやつらを食い止めるための罠だそうだが、
なぜ広い反対側の通路には仕掛けないのかよくわからなかった。
…さっきこいつは何て言ったんだ?
今飲んでいる水が…なんとか…。
「…オマエ、イマ、ナンテイッタ?」
思わず言葉がカタコトになる。
心なしか、自分の身体が震えているように感じる。
全く見てはいないが、おそらく自分の顔はひどく引きつっているんだろうなぁ、と思った。
「だから、その水があんたのだって言ったのよ」
ハロルドが妙にニヤけてさらりと言ってのけた。
「ふざけるなぁ~!!お前、何てことしてくれるんだよぉぉおっ!!」
スタンはとうとう耐え切れずに叫んでしまった。
あまりの声の大きさに、隣で眠っていたミントも目を覚ましてしまったようだが、
そんなことはお構いなしにスタンは喚き続けていた。
そんな様子の彼を見て、ミントは何がなんだかわからずうろたえてしまったようなので、
ハロルドはさすがにまずいわね。と思いスタンをなだめることにした。
「ごめんごめん。さっきのは単なる冗談よ。
あれは正真正銘あたしの水だから、心配しなくてもいいわよ」
その言葉を聞いて、スタンは喚くのをやめた。
「本当に、本当にお前の水なのか?」
「もちろんよ。何なら、確かめてみる?」
そういってハロルドはザックをひっくり返して中身のものをぶちまけた。
植物やら何やらがごちゃごちゃしているものの、確かに水入りのペットボトルが一本少なくなっているのが解った。
スタンが確認したことをハロルドに伝えると、彼女はいそいそとぶちまけたものをザックに戻していった。
その際、彼女が、
「全く、動物系のサンプルを逃しちゃったらどうするのよ~」
とぶつくさ文句を言っていたようだが、スタンは気にしないことにした。
「しかし、何でそんな冗談を言うかな…。
タチが悪くて、本当にまいっちゃうよ…」
スタンがあきれたように言った。これから先が思いやられてしまった。
「ま、いいじゃないの。こんなときだからこそ、こういうユーモアも必要なのよ」
そういうと、またしてもハロルドはニヤけた。
そんな二人の様子を見ていたミントはますます分けがわからないといった感じになっていた。
そんなやり取りの後、ハロルドは洞窟の奥のほうにスタンが集めてきた枯葉などを持って何かをしてきたようだった。
スタンやミントがハロルドに聞いたところ、侵入してきたやつらを食い止めるための罠だそうだが、
なぜ広い反対側の通路には仕掛けないのかよくわからなかった。
スタン 生存確認
状態:疲労
所持品:ディフェンサー ガーネット 釣り糸
現在位置:G3のジースリ洞窟内部
行動方針:他の仲間と合流する ハロルドたちと行動
状態:疲労
所持品:ディフェンサー ガーネット 釣り糸
現在位置:G3のジースリ洞窟内部
行動方針:他の仲間と合流する ハロルドたちと行動
ハロルド 生存確認
状態:無傷
所持品:ピーチグミ ホーリィボトルの瓶 短剣 実験サンプル(詳細不明)
現在位置:G3のジースリ洞窟内部
第一行動方針:不明
第二行動方針:他の仲間と合流する スタンたちと行動
状態:無傷
所持品:ピーチグミ ホーリィボトルの瓶 短剣 実験サンプル(詳細不明)
現在位置:G3のジースリ洞窟内部
第一行動方針:不明
第二行動方針:他の仲間と合流する スタンたちと行動
ミント 生存確認
状態:TP消費中 軽い疲労
所持品:ホーリイスタッフ サンダーマント
現在位置:G3のジースリ洞窟内部
行動方針:他の仲間と合流する スタンたちと行動
(この話の時点での状態です)
状態:TP消費中 軽い疲労
所持品:ホーリイスタッフ サンダーマント
現在位置:G3のジースリ洞窟内部
行動方針:他の仲間と合流する スタンたちと行動
(この話の時点での状態です)