孤高の天才 ◆PR56Flbm0Q
無人の街並みを野比のび太はがむしゃらに走っていた。
突然怪しげな場所に連れてこられ、殺し合いをしろと言われ、目の前で人が死んだ。
この短時間で起こったことは、ただの小学生であるのび太には酷すぎた。
この短時間で起こったことは、ただの小学生であるのび太には酷すぎた。
「まだ死にたくないまだ死にたくないまだ死にたくない」
念仏のように口から漏れるその言葉は、今ののび太の思いを端的に表していた。
「まだ死にたくないまだ死にたく――ッ!?」
石につまずいたのか、それとも足がもつれたのか。
理由はともあれ、のび太は体勢を崩し、派手に転倒した。
俯せのまま、のび太は幼子のように涙を流す。
理由はともあれ、のび太は体勢を崩し、派手に転倒した。
俯せのまま、のび太は幼子のように涙を流す。
「うっ……ぐすっ……ひっく……やだよぉ……死にたくないよぉ……」
目から溢れた涙は地へ落ち、乾いた地面を少しだけ潤す。
それから暫く、辺りに嗚咽が響いていた。
それから暫く、辺りに嗚咽が響いていた。
泣き疲れたのか、涙が枯れたのか。
のび太はもう泣いてはいなかった。
その顔は今も暗いが、先ほどまでよりは大分マシだろう。
涙を流すことで多少精神も落ち着いたらしく、のび太は支給品の確認に取り掛かり始める。
のび太はもう泣いてはいなかった。
その顔は今も暗いが、先ほどまでよりは大分マシだろう。
涙を流すことで多少精神も落ち着いたらしく、のび太は支給品の確認に取り掛かり始める。
「ドラえもんの道具みたいに便利なのがあればいいんだけどなぁ……ドラえもん?」
何かに気付いたのか、デイバックから支給品を取り出そうとする手が止まる。
「そうだ! ドラえもんなら……ドラえもんならなんとかしてくれるはずだよ!」
未来から来たネコ型ロボットであるドラえもん。
その存在にのび太は光明を見出だしたのだ。
その存在にのび太は光明を見出だしたのだ。
「僕がいなくなったら絶対ドラえもんが気付くはずだよ! そうすればどこでもドアで助けに来てくれる!
まったく、なんで今まで気付かなかったんだろう!」
まったく、なんで今まで気付かなかったんだろう!」
勢い良く立ち上がるのび太。
先ほどまで絶望に染まっていたその顔には、はっきりと希望の色が浮かんでいた。
それほどまでに、のび太はドラえもんを信頼しているのだ。
先ほどまで絶望に染まっていたその顔には、はっきりと希望の色が浮かんでいた。
それほどまでに、のび太はドラえもんを信頼しているのだ。
「ドラえもんが助けに来るまでに、この殺し合いに反対の人たちを集めよう! そうして、みんなで帰るんだ!」
既にのび太の思考はここから脱出することまで飛躍していた。
もっとも、絶望しきっていたところに突然希望が舞い込んだのだ。
多少思考が飛躍したところで、誰がのび太を責められようか。
もっとも、絶望しきっていたところに突然希望が舞い込んだのだ。
多少思考が飛躍したところで、誰がのび太を責められようか。
「よーし、そうと決まったら人が集まる場所に行かなくちゃ! ……え?」
方針を決め、今まさに歩きだそうとしたその時、のび太は自らの首に一陣の風が吹き込むのを感じた。
台東区にある住宅地、その一角。
白を基調とした服。力強く、それでいて美しさすら感じさせる腕。
そして、背に刻まれた『51』。
日本球界の至宝、全野球少年の憧れ。
日本が世界に誇る天才ベースボールプレイヤー、イチローがそこに立っていた。
白を基調とした服。力強く、それでいて美しさすら感じさせる腕。
そして、背に刻まれた『51』。
日本球界の至宝、全野球少年の憧れ。
日本が世界に誇る天才ベースボールプレイヤー、イチローがそこに立っていた。
「……謝って許して貰えるとは思っていない。それでも……すまなかった」
そう呟くイチローの視線の先には、一人の少年が倒れていた。
頭と胴体が離れ離れになった少年――野比のび太。
のび太の頭と胴体に永遠の別れを経験させたのは、イチローの手に握られた剣である。
炎の如く波打つ魔剣―『フランヴェルジュ』。
アベレージヒッターでありながらも初回先頭打者サヨナラ満塁ホームランを連発可能なイチローによって振るわれたその剣は、周囲を警戒していなかったのび太の首を一刀両断したのである。
頭と胴体が離れ離れになった少年――野比のび太。
のび太の頭と胴体に永遠の別れを経験させたのは、イチローの手に握られた剣である。
炎の如く波打つ魔剣―『フランヴェルジュ』。
アベレージヒッターでありながらも初回先頭打者サヨナラ満塁ホームランを連発可能なイチローによって振るわれたその剣は、周囲を警戒していなかったのび太の首を一刀両断したのである。
「人、しかも子供を殺した僕に、神聖なグラウンドに立つ資格はもう無いのかもしれないな」
短い黙祷を済ませたイチローは、自嘲気味に呟く。
「それでも、僕はこんなところで死ぬ訳にはいかない。……マリナーズを、優勝させるために」
のび太のデイバックを拾いあげ、イチローは次の標的を探し始める。
孤高の天才の孤独な戦いは、はたしてどんな軌跡を描くのか。
それはまだ、誰にもわからない。
孤高の天才の孤独な戦いは、はたしてどんな軌跡を描くのか。
それはまだ、誰にもわからない。
【台東区 住宅地/一日目・日中】
【イチロー@現実】
[状態]:健康
[装備]フランベルジュ@TOS
[道具]:のび太のデイバック(中身未確認)
[思考・状況]
1・生還し、マリナーズを優勝させる
【イチロー@現実】
[状態]:健康
[装備]フランベルジュ@TOS
[道具]:のび太のデイバック(中身未確認)
[思考・状況]
1・生還し、マリナーズを優勝させる
【補足】
※身体能力に大幅な制限がかかっています
※身体能力に大幅な制限がかかっています
【野比のび太@ドラえもん 死亡】
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