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テラカオスバトルロワイアル外伝
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KAITO兄さんはCOOLに考えたい

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KAITO兄さんはCOOLに考えたい ID:9GKe0xuL


「ひい、た、助けて!」
何度も転びそうになりながら、KAITOは渋谷の街中を全力疾走していた。
その後ろを、火炎放射器を持った屈強なモヒカン頭の男が追いかける。
「ヒャッハー!汚物は消毒だー!」
「ひいいいいいいいいいいい!!」

自分のような平凡なボーカロイドが何故こんな事に巻き込まれたのか、KAITOにはさっぱりわからなかった。
ただ一つ確実なことは、走るのを止めた瞬間にこのモヒカン男に殺されるということだけだった。

「ハァ、ハァ、そ……そうだ!バック、バックの中に何か……」
あの触手が説明のときに言っていたことを思い出して、KAITOは自分に支給されていたデイバックに手を突っ込んだ。
「武器……何でもいい、そうだ拳銃!拳銃をくれ!」
そう祈りながらKAITOが取り出したのは……
CDと思しき一枚のディスクだった。

「は?」
自分のデイパックの中から出てきた物に呆然となるKAITO。
こんなものであのモヒカンとどう戦えというのか。
そしてディスクに気をとられていたKAITOは、自分の足元に何故かバナナの皮が落ちていることに気がつかなかった。


「あ」
気づいたときにはもう遅い。
KAITOはバナナの皮を踏んで思いっきりすっ転んでいた。
(ああ、もう僕は死ぬのか)
地面にひっくり返るまでの時間がスローモーションになり、走馬灯のように家族の顔が脳裏を駆け巡る。

だが彼が死を覚悟しようとしたその時、彼の手から離れたディスクが
まるで引き寄せられるかの様にKAITOの頭部に吸い込まれた。


「こ……れは……」
KAITOはディスクが頭に吸い込まれた瞬間に、言葉ではなく心でそれが何なのかを理解した。
「汚物は消毒だー!」
叫びながら走ってくるモヒカン男に向かって、倒れたままKAITOは叫んだ。

「『ホワイトアルバム』ッッッ!!」

 ◇ ◇ ◇

KAITOは荒い息のまま立ち上がる。
彼を殺そうとしていたモヒカンは、火炎放射器を構えた姿のまま凍りついて死んでいた。

(ホワイトアルバムは超低温を操るスタンド……
 僕に支給されていたディスクは、そのスタンド能力を封じ込めたものだったのか)
自分に支給されたものについて考えながら、KAITOは呼吸を落ち着かせる。

(まだ充分に使いこなせるわけではないけど、大体の力の使い方はわかる
 この能力があれば……)

この能力があれば?
主催者を倒せる? バトルロワイアルを止められる? 脱出できる?


無理だ。


いかに強力な力を持っていようと、首輪が嵌められている限り主催者には逆らいようがない。
そのことは見せしめに殺されたあの大男の存在が十分に教えてくれた。
仮に首輪を解除できたとしても、主催者がどこにいるのかもわからない。


KAITOは周囲を見渡す。
そこは彼も見知っている渋谷の街だ。だが人の気配は無く、いつも喧しい街はまるで死んだように静まりかえっている。
自分たち参加者以外の人間を締め出したのか、それともここは極めて精巧に造られた渋谷のレプリカなのか。
いずれにしても余程の権力、もしくは超常の力を持っていなければこんな空間を生み出すことは不可能だろう。
そんな敵を相手にして勝てるか? もし仮にこのバトルロワイアルから脱出できたとしても、そんな力を持つ主催者を敵に回すことになるのだ。
自分など一捻りだろう。

ならばこの殺し合いに乗って他の参加者を殺すか?
(嫌だ。確かにさっき一人殺したけどそれは咄嗟の事だったし、あれは正当防衛で……)

待てよ。主催の禍神は言っていた。優勝すれば際限なく望みを叶えてやると。
そして死者を甦らせることも出来ると。
(つまり、優勝した者が『死んだ参加者を生き返らせてくれ』と
 いや、それより『このバトルロワイアルをなかった事にしてくれ』と願えば、みんな生き返って、みんな無事に元の世界に帰ることができる)
勿論それには
主催者が本当に死者を復活させることができる。
主催者が優勝者の望みを叶えるという約束を守る。
という二点が不可欠なのだが、そこは禍神が言ったことを信用するしかない。
それ以外に道はないのだ。


そこまで考えて、KAITOは自分が殺したモヒカン男を見る。
もしもこの男が優勝していたら、そのようなことを願っただろうか?
それはないだろう。こんな頭の中まで世紀末のような男は他人の生死など一顧だにしないに違いない。


「ならば……僕がやるしかない」
優勝して参加者全員を生き返らせて助ける。KAITOはその覚悟を決めた。

「まずは協力者を探すべきかな……」
ホワイトアルバムは強力なスタンドだが、それでも一人で優勝できるほどバトルロワイアルは甘くないだろう。
そうなると協力者が必要だ。助け合い、もしも自分が途中で死んでも後で生き返らせてくれる、そんな信頼できる協力者が。
自分の命を預けられる相手、それは

「……やっぱり家族か」

最初の説明の際に彼がいた場所から見えただけでも、ミク、レン、それと一瞬しか確認できなかったがMEIKOも――
少なくともこの3人が参加していた。

普通ならば殺し合いに家族まで参加させられていることを呪うべき所だったが、今のKAITOにとっては僥倖である。

(何人が参加しているのかわからないけど、4人で協力すればかなり有利のはずだ!)

そうと決まれば話は早い。家族を探して、それ以外の参加者は一旦殺す。
その為にKAITOは行動を始めた。

(ミク、レン、MEIKO、みんな待っていてくれよ。死なないでいてくれ)
目立たないように渋谷の裏路地を進むKAITO。
バトルロワイアルという異常な状況で自身の心が変質している事に、彼はまだ気づいていない。

【渋谷区センター街/一日目・日中】

【KAITO@VOCALOID
[状態]:疲労(中)、スタンド『ホワイトアルバム』使用可能
[装備]:ホワイトアルバムのDISC@ディアボロの大冒険
[道具]:支給品一式、ランダム支給品0~2(未確認)
[思考]基本:優勝して死者を全員復活させ、このバトルロワイアルを無かったことにする。
1:バトルロワイアルで優勝する。死者は後で復活させればいいので殺人は躊躇わない。
2:家族を探し、自分の計画に協力してもらう。
3:とりあえず参加者のいそうな方向に進む。

汚物は消毒だのモヒカン@北斗の拳 死亡確認】


支給品紹介

【ホワイトアルバムのDISC@ディアボロの大冒険】
荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険」を元にしたフリーゲーム「ディアボロの大冒険」に登場するアイテム。
このDISCを頭に挿入することによって、超低温を操るスタンド「ホワイトアルバム」が使えるようになる。
カオスロワでは7期にて男子フィギュアスケート日本代表たちによって使用された。

013:孤高の天才 投下順 015:騙し騙されかみなりさん
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初登場! KAITO 038:最悪と希望と……

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